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Accuphase E-202はヴィンテージなプリメインアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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Accuphase(アキュフェーズ)E-202の概要と特徴

| Accuphase E-202のスペック | |
|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 発売 | 1974年5月 |
| 定価 | ¥198,000 |
| 出力 | 100W/ch(8Ω)、140W/ch(4Ω)、50W/ch(16Ω) |
| 高調波歪率 | 0.1%(定格出力時) |
| ダンピングファクター | 50(Normal)/ 5(Medium)/ 1(Soft) |
| 重量 | 19.5kg |
| 外形寸法 | 幅455×高さ152×奥行355mm |
Accuphase E-202は1974年5月に発売されたステレオプリメインアンプです。
定価198,000円という当時の高価格帯モデルでありながら、セパレートアンプP-300・C-200で培った技術をプリメインアンプに凝縮した、Accuphaseプリメインシリーズの原点となる一台です。
では、以下からAccuphase E-202の特徴を解説します。
①:パラレル・プッシュプル駆動による100W/chの大出力
E-202の出力段には、大型パワートランジスタによるパラレル・プッシュプル駆動が採用されています。

パラレル・プッシュプルってなんですか?
パラレル・プッシュプルとは、複数のトランジスタを並列に接続して出力を分担させる回路構成で、1つのトランジスタに負荷を集中させず複数で分散するため、大出力時でも歪みが少なく安定した音質を維持できます。
この構成によりE-202は、両チャンネル同時動作・20Hz〜20kHz・歪率0.1%という条件下で100W/ch(8Ω)を実現しています。
4Ω負荷では140W/chまで出力が伸び、低インピーダンスのスピーカーにも余裕を持って対応できます。
使用されているトランジスタは53個、FETは4個、ダイオードは44個と、当時のプリメインアンプとしては異例の部品点数であり、Accuphaseの設計思想の高さがうかがえます。
②:大型電源部(20,000μF×2)による安定した電力供給
E-202には、大型パワートランスと20,000μF×2の大容量フィルターコンデンサが搭載されています。



フィルターコンデンサってなんですか?
フィルターコンデンサは、電源部において交流電力を直流に変換した後の電圧変動を平滑化するための部品です。容量が大きいほど瞬間的な大電力供給に強く、音楽のダイナミックな場面でも電源電圧が揺らぎにくくなります。
平滑化とは、交流(AC)から直流(DC)に変換した際に生じる電圧の脈動(リップル)を、コンデンサに蓄えた電荷を使って均一な直流電圧に整えることです。コンデンサの容量が大きいほど脈動が少なく、安定した電力をアンプ回路に供給できます。
20,000μF×2という大容量は、定格出力時の消費電力375Wというハイパワー動作を支えるのに十分な容量です。
無入力時でも70Wを消費するE-202は常に万全の状態で音楽信号に備えており、この電源設計の余裕が「力感があるのに破綻しない」E-202のサウンドキャラクターに直結しています。
③:3段階ダンピングファクター切り替え機能
E-202には、ダンピングファクターをNormal・Medium・Softの3段階で切り替えられる機能が搭載されています。



ダンピングファクターってなんですか?
ダンピングファクターとは、アンプがスピーカーのウーファー(低音用振動板)の動きを制御する能力を示す数値です。値が高いほどスピーカーを強くコントロールでき引き締まった低音になり、値が低いとスピーカーが自由に動くためゆったりとした柔らかい低音になります。
Normalモード(50)はタイトで解像感の高い引き締まった低音、Mediumモード(5)は適度な弾力感のあるバランスの取れた低音、Softモード(1)はゆったりとした豊かで柔らかい低音を楽しめます。接続するスピーカーの特性や好みに合わせて変更できます。
スピーカーの特性や好みの音調に合わせてダンピングファクターを変えられるこの機能は、当時の高級プリメインアンプならではの贅沢な装備です。
接続するスピーカーに合わせてベストな設定を探す楽しみもE-202の魅力の一つです。
Accuphase E-202と他のヴィンテージプリメインアンプとの比較


当然ですが、ヴィンテージプリメインアンプはAccuphase E-202だけではありません。
以下では
- SANSUI AU-9500
- Pioneer SA-9800
- Luxman L-550
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
Accuphase E-202とSANSUI AU-9500との比較
Accuphase E-202とSANSUI AU-9500との比較は以下の通りです。
- 実効出力:Accuphase E-202は100W+100W(8Ω)、SANSUI AU-9500は80W+80W(8Ω)です。E-202の方が出力に余裕があり、低能率なスピーカーや大型スピーカーをしっかり駆動できる点で優れています。4Ω負荷ではE-202が140W+140Wまで伸びるため、低インピーダンスのスピーカーへの対応力においてもE-202が上回ります。
- 高調波歪率:E-202の高調波歪率は定格出力時0.1%です。AU-9500はSANSUI独自のDCアンプ設計によりカップリングコンデンサを排除した直結回路を採用しており、歪み特性に優れた設計です。歪みの数値だけで優劣は決まりませんが、両機ともに当時の高級機として十分なレベルにあります。
- ダンピングファクター:E-202はNormal(50)・Medium(5)・Soft(1)の3段階切り替えが可能です。AU-9500のダンピングファクターは固定式であるため、スピーカーや好みに応じた低音の質感を調整できる柔軟性においてE-202が優れています。低音をタイトに締めたい場合はNormal、ゆったりした低音を好む場合はSoftに切り替えられます。
- 重量:E-202は19.5kg、AU-9500は22.5kgです。AU-9500の方が重厚な筐体を持ちますが、E-202はより軽量ながら高い出力を実現しており、設計効率の高さがうかがえます。設置スペースや取り扱いやすさの面ではE-202の方が優れています。
- 消費電力:E-202は無入力時70W・定格出力時375Wです。AU-9500は定格出力時約310Wで、この点ではAU-9500の方が消費電力が抑えられています。ただしE-202は出力規模に対して適切な消費電力であり、電源部の充実度が音質面での余裕に直結しています。
- サウンドキャラクター:E-202は解像感と分解能を重視した緻密なサウンドが特徴です。AU-9500はSANSUI特有の濃密でふくよかな中低域が魅力で、温かみのある音調です。クラシックや音場の広がりを重視するならE-202、ジャズやロックのように音の厚みを楽しみたい場合はAU-9500が向いています。
Accuphase E-202とPioneer SA-9800との比較
Accuphase E-202とPioneer SA-9800との比較は以下の通りです。
- 実効出力:Pioneer SA-9800は120W+120W(8Ω)で、E-202の100W+100W(8Ω)を上回ります。純粋な出力スペックではSA-9800が有利ですが、E-202はパラレル・プッシュプル駆動により4Ω負荷でも安定した140W+140Wを供給できます。大音量での余裕ではSA-9800、低インピーダンス対応の安定性ではE-202が優れています。
- 高調波歪率:SA-9800は独自のX-バランス回路により非常に低い歪み特性を実現しています。E-202の高調波歪率は0.1%(定格出力時)であり、歪み特性の数値面ではSA-9800が有利です。ただし実際の試聴では歪み率の差よりもサウンドの方向性の違いとして現れます。
- ダンピングファクター:SA-9800のダンピングファクターは100で固定です。E-202はNormal(50)・Medium(5)・Soft(1)の3段階に切り替えられます。数値だけではSA-9800が上ですが、スピーカーや好みに応じて低音の質感を調整できる柔軟性においてはE-202が優れています。
- 重量:E-202は19.5kg、SA-9800は22.5kgです。SA-9800の方が重厚な作りですが、E-202はより軽量でありながら引けを取らない出力特性を実現しています。設置・移動のしやすさという実用面ではE-202が有利です。
- 消費電力:E-202は定格出力時375W、SA-9800は430Wです。E-202の方が消費電力は小さく、電力効率の面では優れています。SA-9800の高消費電力はその分の出力余裕と表裏一体ですが、日常使用における電気代への影響を考えるとE-202が有利です。
- サウンドキャラクター:SA-9800はワイドレンジで力感のあるダイナミックなサウンドが特徴です。E-202はより上品でコントロールされた緻密なサウンドキャラクターを持ちます。迫力のある再生を求めるならSA-9800、精緻な音場表現を重視するならE-202が向いています。
Accuphase E-202とLuxman L-550との比較
Accuphase E-202とLuxman L-550との比較は以下の通りです。
- 実効出力:E-202は100W+100W(8Ω)に対し、Luxman L-550は20W+20W(8Ω)です。出力面ではE-202が大きく上回ります。L-550はA級動作のため出力は控えめですが、能率の高いスピーカーとの組み合わせでは20Wでも十分な音量が得られます。低能率スピーカーを駆動したい場合はE-202が圧倒的に有利です。
- 動作クラス:E-202はAB級動作、L-550はA級動作です。A級動作は出力段のトランジスタが常に電流を流し続けるためクロスオーバー歪みが発生せず、理論上最も歪みの少ない動作方式です。歪み特性の純粋さではL-550が有利ですが、E-202はAB級でありながら高い音質水準を実現しています。
- ダンピングファクター:L-550のダンピングファクターは200以上と非常に高い値です。E-202はNormal時50ですが、3段階の切り替えにより低音の質感を柔軟に調整できます。数値上の制動力ではL-550が優れていますが、E-202はスピーカーに合わせた調整が可能な点で実用的な優位性があります。
- 重量:E-202は19.5kg、L-550は23.5kgです。L-550はA級動作の大型電源部と放熱機構により重くなっています。設置・移動のしやすさという点ではE-202が有利で、L-550は設置場所の強度と通気性に注意が必要です。
- 消費電力・発熱:L-550はA級動作のため常時大電流を流し続け、消費電力と発熱が非常に大きくなります。E-202は無入力時70W・定格出力時375Wであり、L-550と比較して発熱は大幅に少なく、夏場や密閉した設置環境でも扱いやすいです。
- サウンドキャラクター:L-550はA級動作ならではの滑らかで艶やかなサウンドが最大の魅力で、弦楽器の艶や声の質感において特別な表現力を持ちます。E-202は解像感と情報量を重視した緻密なサウンドで、音場の広がりと奥行きの表現に優れています。小音量でクラシックを楽しむならL-550、幅広いスピーカーで多ジャンルを聴くならE-202が向いています。
Accuphase E-202とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


以下では、Accuphase E-202とヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。
Accuphase E-202と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、
- DIATONE DS-505
- JBL 4312
- TANNOY Cheviot
です。
興味のある方は参考にしてみてください。
Accuphase E-202とDIATONE DS-505の組み合わせ
Accuphase E-202とDIATONE DS-505の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:DIATONE DS-505の定格インピーダンスは6Ω、最大許容入力は100Wです。Accuphase E-202は6Ω負荷においても安定した出力を供給でき、DS-505を余裕を持って駆動することができます。E-202のダンピングファクター切り替え機能により、DS-505の低域特性に合わせた最適なコントロールが可能であり、システムとしての相性は非常に高いと言えます。
- 音質の向上:E-202とDS-505はともに「解像感と分解能の高さ」を特徴とするキャラクターを持ちます。この共通の方向性が相乗効果を生み、特にヴァイオリンやピアノの繊細な表現において優れた結果を発揮します。E-202のダンピングファクターをNormal(50)に設定することでDS-505のアラミッドハニカムコーンをしっかりコントロールし、引き締まった明快な低音と高解像度な高域を両立できます。
- おすすめの音楽ジャンル:この組み合わせはクラシック音楽、特に弦楽四重奏やピアノソナタとの相性が抜群です。DS-505の広帯域再生能力(28Hz〜40kHz)とE-202の緻密なコントロール性が組み合わさることで、オーケストラの繊細なニュアンスや空間表現を忠実に再現します。ジャズボーカルにおいても声の質感と奥行きが際立ちます。
Accuphase E-202とJBL 4312の組み合わせ
Accuphase E-202とJBL 4312の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:JBL 4312の定格インピーダンスは8Ω、能率は92dBと高く、Accuphase E-202の100W/ch出力は4312を十分すぎるほど余裕を持って駆動します。高能率スピーカーとの組み合わせではアンプの出力に余裕が生まれるため、小音量でも豊かな音楽表現が得られます。E-202の安定した電源部が4312のダイナミックな音楽表現を確実にサポートします。
- 音質の向上:JBL 4312はアメリカ製スタジオモニターらしい前に出てくる力強い音の押し出し感が特徴です。E-202の緻密なコントロール性と組み合わせることで、4312の躍動感を活かしながらも整理された音場表現が実現します。E-202のダンピングファクターをMedium(5)程度に設定すると4312の低域に適度な膨らみが加わり、よりリスニング向けのバランスに調整できます。
- おすすめの音楽ジャンル:この組み合わせはロック・ポップス・ジャズとの相性が特に優れています。JBL 4312の躍動感あふれるサウンドとE-202の安定した駆動力が組み合わさることで、ライブ録音の熱気やビッグバンドジャズの迫力を余すところなく再現します。ジャズの生々しさや、ロックのダイナミズムを楽しみたい方に特におすすめの組み合わせです。
Accuphase E-202とTANNOY Cheviotの組み合わせ
Accuphase E-202とTANNOY Cheviotの組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:TANNOY Cheviotの定格インピーダンスは8Ωで、Accuphase E-202との電気的な相性は良好です。TANNOYの同軸2ウェイユニットは比較的低能率なものが多く、E-202の100W/ch出力はCheviotをしっかりと駆動するのに十分なパワーを提供します。E-202のダンピングファクターをSoft(1)に設定することで、Cheviotの低域が自然に膨らみイギリスのヴィンテージサウンドらしい豊潤な響きを楽しめます。
- 音質の向上:TANNOYの同軸ユニットは音の位相整合性が高く、独特の一体感のある音場表現が魅力です。E-202の緻密なコントロール性と組み合わせることで、Cheviotの持つ弦楽器の艶やかな中域表現とボーカルの温かみをさらに引き出すことができます。E-202の高品位なイコライザー回路はCheviotの音楽的な表現力を損なうことなく素直に伝達します。
- おすすめの音楽ジャンル:この組み合わせはクラシック音楽、特に室内楽・声楽・オペラとの相性が抜群です。TANNOYの同軸ユニットが生み出す自然な音場とE-202の安定した電力供給が相まって、演奏者の息遣いや空間の響きまでもリアルに再現します。イギリスのヴィンテージサウンドが好みの方、深夜に小音量でじっくりと音楽を楽しみたい方に特におすすめの組み合わせです。
Accuphase E-202の特徴とは:まとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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