MENU

WADIA Wadia6を徹底解説!【ディジマスター&VRDSの名機の魅力】

この記事の概要

※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。

WADIA Wadia6は、1992年発売のヴィンテージなCDプレーヤーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

この記事の著者
目次

WADIA Wadia6の概要と特徴

WADIA Wadia6の概要と特徴
WADIA Wadia6のスペック
発売年1992年
定価¥680,000
型式CDプレーヤー
DA変換方式ディジマスター 32倍リサンプリング相当 20bit分解能
出力帯域幅DC~20kHz(パスバンドリップル 0)
チャンネルセパレーション100dB以上(1kHz)
出力レベル3.2Vrms
重量15kg

▼ 詳しいスペックはこちら

WADIA Wadia6は1992年に発売されたCDプレーヤーで、ワディア初の一体型CDプレーヤーです。

デコーティングコンピューター単体機と同等のディジマスターソフトウェアとDSPによる32倍オーバーサンプリング相当の超高精度D/A変換を一体筐体に凝縮した、当時のデジタルオーディオ界を震撼させたフラッグシップ機です。

では、以下からWADIA Wadia6の特徴を解説します。

①:ディジマスター+DSPによる32倍リサンプリング・20bit高分解能D/A変換

Wadia6の心臓部は、ワディア独自のデコーディングソフトウェア「ディジマスター」とDSP(デジタルシグナルプロセッサー)の組み合わせで実現した32倍リサンプリング相当・20bit分解能のD/A変換システムです。

ディジマスターって何ですか?

ディジマスターとは

WADIAが開発した独自のデジタル信号処理ソフトウェアで、CDの16bitデジタルデータをDSPの高速演算で補間・再構成し、元の音楽信号に近い波形を復元してからD/A変換を行う方式です。従来のデジタルフィルターとは根本的に異なるアプローチで、位相特性を乱さずパスバンドリップルをゼロにすることを目標に設計されています。

32倍リサンプリングにより、出力帯域幅はDCから20kHzまでパスバンドリップルゼロという理想的なフラット特性を実現しています。CDの16bitデータを20bitクオリティへ高分解能化することで、微細な音楽情報の再現性が大幅に向上しています。

チャンネルセパレーションは100dB以上(1kHz)、チャンネル位相差は0.5°以下(10kHz)と左右の信号が時間軸・位相ともに極めて正確に揃っており、リスニングルームの空間に精密な音像定位を結びます。出力バッファのスルーレートは1,300V/μsecと、超高速のアナログ出力段がD/A変換の精度を損なわずに信号を出力します。

以下は、Wadia6のD/A変換の主な特徴です。

  • ディジマスター+DSP 32倍リサンプリングで20bit高分解能D/A変換を実現
  • パスバンドリップルゼロ・DC~20kHzの理想的なフラット出力特性
  • チャンネルセパレーション100dB以上・位相差0.5°以下の精密な左右整合

②:VRDSトランスポートと独自デチューン筐体によるジッター低減設計

Wadia6のトランスポート部にはVRDS(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)を採用しており、筐体構造にはワディア独自のデチューン方式による電磁的共振分散設計が施されています。

VRDSって何ですか?

VRDSとは

TEACが開発した高精度CDメカニズムで、大型のターンテーブルがディスク全面を均一にクランプして回転させることでディスクの偏心・共振・反りを物理的に抑制し、読み取りジッターを最小化するドライブ方式です。CDプレーヤーの音質を決定する最重要要素の一つであるジッター(デジタル信号のタイミングのぶれ)を、機械的なアプローチで根本から低減します。

ワディア独自の筐体デチューン方式では、デジタル信号のジッターを増大させる電磁的共振を筐体内部で分散させる構造を採用しています。D/AコンバーターとCDドライブを一体化した際に問題となる機械振動・輻射ノイズのデジタル信号精度への悪影響を最小限に抑えています。

この2重のジッター対策(VRDSによる機械的低減+デチューン筐体による電磁的分散)が相まって、ディジマスター処理の本来の能力を余すことなく発揮できる信号経路が構築されています。重量15kgの堅牢な筐体も共振対策に寄与しています。

以下は、Wadia6のトランスポート・筐体設計の主な特徴です。

  • VRDSドライブでディスクの偏心・共振を物理的に抑制し読み取りジッターを最小化
  • 独自デチューン筐体で電磁的共振を分散させデジタル信号精度を保護
  • 15kgの堅牢な筐体が機械振動のD/A変換回路への伝達を根本から遮断

③:デジタルボリュームによるパワーアンプ直結とバランス・アンバランス両出力

Wadia6はスケーリングアルゴリズム処理によるデジタルボリュームコントロールを搭載しており、1,300V/μsecの高スルーレートバッファと合わせてプリアンプを経由せずパワーアンプに直結できるユニークな設計となっています。

デジタルボリュームでパワーアンプに直結するとどんな利点があるんですか?

CDプレーヤーのパワーアンプ直結とは

通常はCDプレーヤー→プリアンプ→パワーアンプという経路をたどりますが、CDプレーヤー自身がボリューム調整機能を持つ場合はプリアンプを省略してCDプレーヤーとパワーアンプを直接接続できます。プリアンプの回路・ケーブルを通過しない分だけ信号劣化が減り、よりピュアな音質が得られます。ただしボリュームを大きく絞ったとき分解能が落ちないよう、高精度なデジタルボリューム設計が必要です。

Wadia6のデジタルボリュームは最大出力時で20bit以上の精度を確保しており、最大出力の6.25%まで絞っても18bit以上、0.4%まで絞っても16bit以上の分解能を維持します。どんな音量でも音楽情報の損失を最小限に抑えられます。

出力レベルは3.2Vrmsと一般的なCDプレーヤーより高く、アナログ出力はXLRバランス端子とRCAアンバランス端子の両方を装備しています。デジタル出力もAES/EBU(XLR)・S/PDIF STリンク光・BNC同軸の3系統を完備し、外部DACとの接続にも対応しています。

以下は、Wadia6の出力・接続性の主な特徴です。

  • 20bit精度のデジタルボリュームでプリアンプを省略したパワーアンプ直結を実現
  • 3.2Vrms・XLRバランス出力でパワーアンプへの高出力・低ノイズ伝送
  • AES/EBU・STリンク光・BNC同軸の3系統デジタル出力で外部DACにも対応

WADIA Wadia6と他のヴィンテージCDプレーヤーとの比較

WADIA Wadia6と他のヴィンテージCDプレーヤーとの比較

当然ですが、ヴィンテージCDプレーヤーはWADIA Wadia6だけではありません。

以下では

  • Marantz CD-34
  • DENON DCD-S1
  • LINN(リン)CD12

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

項目WADIA Wadia6Marantz CD-34DENON DCD-S1LINN CD12
周波数特性DC~20kHz(リップル0)2Hz~20kHz2Hz~20kHz非公表
SN比非公表(チャンネルセパレーション100dB以上)96dB以上120dB非公表
全高調波歪率非公表0.003%以下(1kHz)0.0015%(1kHz)非公表
DA変換方式ディジマスター 32倍リサンプリング 20bitZフィルター 2D/A(4倍OS)リアル20bit 4DAC ラムダSLC(8倍OS)独自4Dジッタレス回路
重量15kg7kg20kg12kg
サウンドキャラクター高分解能・精緻な位相整合・デジタルの理想に肉薄した透明感滑らかで音楽的・Zフィルターの自然な位相特性圧倒的解像度と重厚な質感・フラッグシップの貫禄4Dジッタレスによる極限のS/N・スコットランドの職人品質

WADIA Wadia6とMarantz CD-34との比較

WADIA Wadia6とMarantz CD-34との比較は以下の通りです。

  • 周波数特性:Wadia6がDCからのフラット再生(リップルゼロ)、CD-34は2Hz~20kHzです。超低域の再生とリップルのなさではWadia6が優れています。
  • SN比:CD-34がSN比96dB以上と明示しているのに対し、Wadia6は非公表です。スペックの明確さではCD-34が優れています。
  • 全高調波歪率:CD-34が0.003%以下と明示しているのに対し、Wadia6は非公表です。数値の透明性ではCD-34が優れています。
  • DA変換方式:Wadia6の32倍リサンプリング20bitはCD-34のZフィルター4倍OSを大きく上回ります。変換精度と演算量ではWadia6が大きく優れています。
  • 重量:CD-34が7kgと軽量で、Wadia6の15kgに対して設置・移動のしやすさではCD-34が優れています。
  • サウンドキャラクター:Wadia6はデジタルの理想に肉薄した透明感と精密な空間表現、CD-34はZフィルターによる自然な位相特性と音楽的な滑らかさが特徴です。分析的なハイエンド再生を求めるならWadia6が優れています。

WADIA Wadia6とDENON DCD-S1との比較

WADIA Wadia6とDENON DCD-S1との比較は以下の通りです。

  • 周波数特性:Wadia6がDCからリップルゼロ、DCD-S1は2Hz~20kHzです。帯域の下限とリップルレス特性ではWadia6が優れています。
  • SN比:DCD-S1がSN比120dBと圧倒的な数値を公表しています。数値上のノイズフロアの低さではDCD-S1が優れています。
  • 全高調波歪率:DCD-S1が0.0015%と公表しているのに対しWadia6は非公表です。スペック上の歪率の低さではDCD-S1が優れています。
  • DA変換方式:DCD-S1がリアル20bit 4DACラムダSLC・8倍OS、Wadia6がディジマスター32倍リサンプリング20bitと、両機ともに20bitのハイエンド設計です。アプローチの違いはありますが変換精度では同等以上の水準です。
  • 重量:DCD-S1が20kgでWadia6の15kgより重く、筐体物量の豊富さではDCD-S1が優れています。
  • サウンドキャラクター:Wadia6はデジタルボリューム直結による透明感と精密な定位、DCD-S1は砂型鋳物シャーシが生む重厚な質感と圧倒的な解像度が特徴です。システムをシンプルに構築して純度を求めるならWadia6が優れています。

WADIA Wadia6とLINN(リン)CD12との比較

WADIA Wadia6とLINN CD12との比較は以下の通りです。

  • 周波数特性:両機ともに詳細な周波数特性は非公表です。ハイエンド機ならではの仕様で、測定値よりも実聴音を重視する設計思想の表れです。
  • SN比・全高調波歪率:両機ともに非公表です。WADIAとLINNはいずれも数値スペックより音楽再生の質を訴求するブランドであり、ここに差はありません。
  • DA変換方式:Wadia6のディジマスター32倍リサンプリングに対し、CD12は独自の4Dジッタレス回路を採用します。どちらも独自技術でジッターを極限まで排除する設計思想で共通していますが、アプローチはまったく異なります。
  • 重量:Wadia6が15kgに対しCD12は12kgと軽量です。取り扱いやすさではCD12がわずかに優れています。
  • 出力レベル:Wadia6が3.2VrmsでCD12の2Vrmsを大きく上回ります。パワーアンプ直結時の駆動力ではWadia6が優れています。
  • サウンドキャラクター:Wadia6はDSP演算による超精密な波形復元と透明感、CD12はスコットランドの職人技とLINNらしい音楽への没入感が特徴です。パワーアンプ直結のシンプルシステムを目指すならWadia6が優れています。

WADIA Wadia6とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

WADIA Wadia6と ヴィンテージスピーカーとの組み合わせ (1)

以下では、WADIA Wadia6とヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。

WADIA Wadia6と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、

  • TANNOY(タンノイ)KINGDOM
  • Rogers(ロジャース)PM510
  • CORAL(コーラル)X-VII

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

WADIA Wadia6とTANNOY(タンノイ)KINGDOMの組み合わせ

WADIA Wadia6とTANNOY KINGDOMの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:TANNOY KINGDOMは46cmウーファー+30cm同軸デュアルコンセントリック+2.5cmスーパーツイーターの4ウェイ・8Ω・連続許容入力300Wのフラッグシップフロア型スピーカーです。Wadia6の3.2Vrms高出力はKINGDOMを駆動するあらゆるパワーアンプと問題なくマッチし、デジタルボリューム直結でも安定した駆動が可能です。
  • 音質の向上:Wadia6のディジマスターによる精密な位相整合と透明感が、KINGDOMの16Hz~44kHzという超ワイドレンジと92dB高能率と組み合わさり、オーケストラの最低音から超高域まで一切の歪みなく再現される壮大なサウンドが得られます。
  • おすすめの音楽ジャンル:クラシックオーケストラ・オペラ・大編成ジャズとの相性が特に優れています。Wadia6の精密なD/A変換とKINGDOMの16Hzからの超低域再生が組み合わさると、コンサートホールの空気感と低域の圧力感までが再現されます。

WADIA Wadia6とRogers(ロジャース)PM510の組み合わせ

WADIA Wadia6とRogers PM510の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Rogers PM510はBBCモニターLS5/8ベースの30.5cmウーファー+3.4cmドームツイーターの2ウェイ・8Ω・最大入力350Wのフロア型スピーカーです。Wadia6の3.2Vrms出力とPM510の94dB高能率の組み合わせでは、比較的小出力のアンプでも迫力のある再生が楽しめます。
  • 音質の向上:Wadia6のパスバンドリップルゼロの精密な再生がPM510のBBCモニター譲りの正確で色付けのない信号伝達と組み合わさり、録音の善し悪しをそのまま映し出すモニター的な高純度サウンドが実現します。
  • おすすめの音楽ジャンル:クラシック室内楽・ジャズ・ボーカルとの相性が特に優れています。Wadia6の精緻な位相特性とPM510のシンプルな2ウェイ信号経路が組み合わさると、演奏者が目の前に存在するような音像リアリティが得られます。

WADIA Wadia6とCORAL(コーラル)X-VIIの組み合わせ

WADIA Wadia6とCORAL X-VIIの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:CORAL X-VIIは31cmウーファー+9cm超硬質合金ドームスコーカー+3.6cmドームツイーターの3ウェイ・8Ω・定格入力120Wのスピーカーです。94dBの高能率を持つX-VIIはWadia6のデジタルボリューム直結システムでも十分に鳴らし切れる理想的な組み合わせです。
  • 音質の向上:Wadia6の超精密な32倍リサンプリングによる高分解能再生が、X-VIIのMg-Cu添加超硬質軽合金ドームによる鮮明で歪みの少ない中高域と組み合わさり、音楽の細部情報を余すことなく引き出す透明感の高い再生音が得られます。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック・フュージョン・ポップスとの相性が特に優れています。Wadia6のデジタル直結の純度の高さとX-VIIの31cm大口径ウーファーの躍動感が組み合わさり、バンドサウンドの生々しいエネルギーを余すことなく再現します。

WADIA Wadia6を徹底解説!【他のヴィンテージCDプレーヤーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました

WADIA Wadia6の詳細スペック一覧

WADIA Wadia6 スペック詳細
型式CDプレーヤー
CDドライブメカニズムVRDS
量子化ビット数16ビット/チャンネル
変調方式EFM
誤り訂正方式CIRC
ピックアップ光学式3ビーム方式 AlGaAs半導体レーザー 波長780nm
デジタル出力AES/EBU:XLR端子 1系統/S/PDIF:STリンク光・BNC同軸 各1系統
デコーディングソフトウェアディジマスター
リサンプリングレート32倍
分解能20ビット
出力帯域幅DC~20kHz
パスバンドリップル0
チャンネル位相差0.5°以下(10kHz)
チャンネルセパレーション100dB以上(1kHz)
CPU能力36MIPS
出力バッファスルーレート1,300V/μsec
ピーク出力電流400mA
出力レベル3.2Vrms
オーディオ出力端子バランス:XLR端子 1系統/アンバランス:RCA端子 1系統
消費電力25W
外形寸法幅350×高さ155×奥行408mm(ポイント受けベース使用時:高さ162mm)
重量15kg
付属リモコン/ポイント受けベース(4個)
目次