この記事の概要
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Pioneer A-90Dは、1987年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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Pioneer A-90Dの概要と特徴

| Pioneer A-90Dのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1987年 |
| 定価 | 220,000円 |
| 型式 | D/Aコンバーター内蔵プリメインアンプ |
| 定格出力 | 180W+180W(4Ω)、150W+150W(6Ω)、120W+120W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%(20Hz~20kHz、8Ω) |
| 重量 | 29.3kg |
1987年に登場したPioneer A-90Dは、プリメインアンプにD/Aコンバーターを内蔵したEXシリーズの上級モデルです。単にデジタル入力を追加しただけでなく、左右独立D/Aコンバーター、グリッチレスIC、光伝送歪補正回路まで投入し、デジタル時代の高音質化を本気で狙っています。
【ポイント①】D/Aコンバーター内蔵
当時のプリメインアンプとして、A-90Dが特に個性的なのはD/Aコンバーターを内蔵している点です。光入力2系統と光出力1系統を備え、デジタルソースを直接扱える構成になっています。
DAC部はL/RそれぞれにD/Aコンバーターを搭載し、左右の位相差を抑えています。さらにグリッチレスICとMSBエラー補正回路により、ゼロクロス付近のリニアリティ改善を狙っています。

グリッチって何ですか?
グリッチは、D/A変換時に発生する瞬間的な不要信号です。A-90Dではグリッチ発生の少ないICを採用し、デジタル再生時のざらつきや歪感を抑えることを狙っています。
デジタルフィルターは4倍オーバーサンプリングで、帯域内リップル±0.0001dB以内、減衰量100dB以上とされています。CD再生を本格的に扱うための設計密度が高いです。
【ポイント②】ノン・スイッチング・サーキットTypeIII
A-90Dのアンプ部は、8Ωで120W+120W、4Ωで180W+180Wの定格出力を備えています。さらにダイナミックパワーは2Ωで400W+400Wです。
パワーアンプ部には、スイッチング歪の発生を抑えるノン・スイッチング・サーキットTypeIIIが採用されています。電圧増幅段と電力増幅段を分離し、低負荷時のスピーカードライブ能力を高める思想です。
出力だけでなく、高調波歪率0.003%という数値も見逃せません。大きなスピーカーを余裕で鳴らしながら、音の輪郭を崩しにくいアンプといえます。
- 2Ω時に400W+400Wのダイナミックパワーを備えています。
- ノン・スイッチング・サーキットTypeIIIで歪の低減を狙っています。
- Phono MM/MCにも対応し、アナログ再生にも配慮されています。
【ポイント③】ハニカム構造とシールデッド・キャパシター
A-90Dは、内部コンストラクションにも徹底した対策が入っています。フレームシャーシ、ボトムプレート、ボンネットケース、ヒートシンクなどにハニカム形状を採用し、振動や共振を抑えています。
電源部には大容量の新開発シールデッド・キャパシターを採用しています。コンデンサー素子を強力にシールドすることで、ノイズの飛び込みと飛び出しを抑えることを狙った部品です。
重量29.3kgという数値からも、単なる多機能アンプではなく、電源・筐体・振動対策まで作り込まれたモデルであることがわかります。
Pioneer A-90Dと他のヴィンテージアンプとの比較


Pioneer A-90Dと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | Pioneer A-90D | Pioneer A-09 | Pioneer A-07 | SANSUI AU-α907Limited |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 120W+120W(8Ω) | 35W+35W(8Ω) | 50W+50W(8Ω) | 80W+80W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%(8Ω、20Hz~20kHz) | 0.05%(8Ω、20Hz~20kHz) | 0.01%(8Ω、20Hz~20kHz) | 0.01%以下(8Ω) |
| ダンピングファクター | ― | 150/200 | 300/350 | 150(8Ω) |
| 重量 | 29.3kg | 28.8kg | 23.3kg | 34.0kg |
| 消費電力 | 365W | 220W | 200W | 280W |
| サウンドキャラクター | DAC内蔵の多機能性と大出力の余裕 | 純A級の密度と直線的な音 | 高制動で見通しの良い音 | 厚みと高分解能を両立した力感 |
Pioneer A-90DとPioneer A-09との比較
Pioneer A-90DとPioneer A-09との比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-90Dは120W+120W(8Ω)、A-09は35W+35W(8Ω)です。大出力ではPioneer A-90Dが大きく優れています。
- 高調波歪率:A-90Dは0.003%、A-09は0.05%です。数値上の低歪率ではPioneer A-90Dが優れています。
- 思想:A-09は純A級とシンプルな高純度志向、A-90DはDAC内蔵と大出力を両立した多機能志向です。ストレートなアナログ再生ならA-09、総合力ならPioneer A-90Dが有利です。
- 重量:A-90Dは29.3kg、A-09は28.8kgです。重量は近いものの、わずかにPioneer A-90Dが上回ります。
Pioneer A-90DとPioneer A-07との比較
Pioneer A-90DとPioneer A-07との比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-90Dは120W+120W(8Ω)、A-07は50W+50W(8Ω)です。出力の余裕ではPioneer A-90Dが優れています。
- ダンピングファクター:A-07は300/350の記載がありますが、A-90Dは公式ページに記載がありません。低域制動を数値で判断しやすいのはPioneer A-07です。
- 機能性:A-90DはD/Aコンバーターとデジタル入出力を備えています。デジタルソースとの親和性ではPioneer A-90Dが明確に有利です。
- 音の方向性:A-07は高制動で見通しの良い音、A-90Dは大出力とデジタル対応の総合力が魅力です。システムの中心に据えるならPioneer A-90Dが選びやすいです。
Pioneer A-90DとSANSUI AU-α907Limitedとの比較
Pioneer A-90DとSANSUI AU-α907Limitedとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-90Dは120W+120W(8Ω)、AU-α907Limitedは80W+80W(8Ω)です。出力ではPioneer A-90Dが優れています。
- 高調波歪率:A-90Dは0.003%、AU-α907Limitedは0.01%以下です。数値上の低歪率ではPioneer A-90Dが目立ちます。
- 重量:A-90Dは29.3kg、AU-α907Limitedは34.0kgです。筐体の物量感ではSANSUI AU-α907Limitedが上回ります。
- 音の方向性:AU-α907Limitedは濃厚な力感、A-90Dはデジタル対応と低歪のクリーンさが魅力です。CDやデジタル録音を中心に聴くならPioneer A-90Dが有利です。
Pioneer A-90Dとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


Pioneer A-90Dは8Ω負荷で120W+120W、6Ω負荷で150W+150Wの定格出力を備えています。D/Aコンバーター内蔵の利便性と大出力を活かすなら、入力余裕のある中大型スピーカーを安定して鳴らす組み合わせが向いています。
Pioneer A-90Dと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- DIATONE DS-3000
- YAMAHA NS-2000
- JBL 4425
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
Pioneer A-90DとDIATONE DS-3000との組み合わせ
Pioneer A-90DとDIATONE DS-3000との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-3000は6Ω、最大入力180W(EIAJ)、出力音圧レベル90dB/W/mです。A-90Dは6Ωで150W+150Wを出せるため、音量に余裕を持たせながら大型ブックシェルフを鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:DS-3000は32cmウーファー、16cmミッドバス、5.0cmドーム型ミッドハイ、2.3cmドーム型トゥイーターを備えた4ウェイ機です。A-90Dの低歪出力により、25Hz〜40kHzの広帯域とボロン系中高域の情報量を引き出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、フュージョン、ジャズ、女性ボーカルに向いています。解像感とスケール感を両立したい人に合います。
Pioneer A-90DとYAMAHA NS-2000との組み合わせ
Pioneer A-90DとYAMAHA NS-2000との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-2000は6Ω、許容入力125W、ミュージック許容入力250W、出力音圧レベル90dB/W/mです。A-90Dでは、急な大音量を避けながら余裕を持って鳴らす使い方が向いています。
- 音質の向上:NS-2000は30cmウーファー、8.8cmドーム型ミッドレンジ、3.0cmドーム型トゥイーターを備えた密閉型で、クロスオーバーは500Hz、6kHzです。A-90Dにより、28Hzまで伸びる低域とベリリウム中高域の透明感を出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ピアノ、アコースティック、ジャズボーカルに向いています。質感と低域の整い方を重視する人に合います。
Pioneer A-90DとJBL 4425との組み合わせ
Pioneer A-90DとJBL 4425との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:4425は8Ω、許容入力200W(連続プログラム)、出力音圧レベル91dB/W/mです。A-90Dの8Ω出力120W+120Wと合わせやすく、モニター系スピーカーを余裕で鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:4425は30cmウーファーとバイ・ラジアルホーンを備えた2ウェイ・バスレフ型で、クロスオーバーは1.2kHzです。A-90Dの電源余裕により、40Hz〜16kHzの実体感とホーンの抜けを作りやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、ライブジャズ、ブルースに向いています。音の勢いとステージ感を重視する人に合います。
Pioneer A-90Dは、D/Aコンバーター内蔵という実用性と、120W+120Wの大出力を兼ね備えたプリメインアンプです。
左右独立DAC、グリッチレスIC、ノン・スイッチング・サーキットTypeIII、ハニカム構造、シールデッド・キャパシターなど、デジタルとアナログの両面でノイズや歪を抑える工夫が詰め込まれています。CD時代のシステム中心機として、今見てもかなり濃い内容を持つヴィンテージアンプです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Pioneer A-90Dの詳細スペック一覧
| Pioneer A-90Dのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | D/Aコンバーター内蔵プリメインアンプ |
| 定格出力(両ch駆動、20Hz~20kHz) | 180W+180W(4Ω、0.005%)、150W+150W(6Ω、0.003%)、120W+120W(8Ω、0.003%) |
| ダイナミックパワー | 400W+400W(2Ω)、280W+280W(4Ω)、160W+160W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%(20Hz~20kHz、8Ω) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ、Phono MC:0.25mV/40Ω、CD、Tuner、Line、Tape:150mV/50kΩ |
| 最大許容入力 | Phono MM:200mV(1kHz、0.008%)、Phono MC:20mV(1kHz、0.008%) |
| 出力レベル/インピーダンス | Tape Rec、Rec Out:150mV/0.8kΩ |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.2dB、Phono MC:20Hz~20kHz ±0.3dB、CD、Tuner:1Hz~200kHz +0 -3dB |
| トーンコントロール(Volume -40dB) | Bass:100Hz、±8dB、Treble:10kHz、±8dB |
| サブソニックフィルター | 7Hz、6dB/oct |
| ラウドネスコンター(Volume -40dB) | 100Hz:5dB、10kHz:3dB |
| S/N比(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | Phono MM:95dB(5mV時)、Phono MC:83dB(0.5mV時)、CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、2:110dB |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統(200W)、電源スイッチ非連動:1系統(100W) |
| 消費電力 | 365W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅457x高さ173x奥行475mm |
| 重量 | 29.3kg |
