この記事の概要
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SANSUI AU-D707G Extraは、1983年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-D707G Extraの概要と特徴

| SANSUI AU-D707G Extraのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1983年 |
| 定価 | 118,000円 |
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| 実効出力 | 110W+110W(8Ω、10Hz~20kHz) |
| ダンピングファクター | 100(8Ω、20Hz~20kHz) |
| 重量 | 15.0kg |
AU-D707F Extraをベースに、グラウンド・フローティング回路や大型トロイダルトランスを加えたG世代の中核上位機。それがSANSUI AU-D707G Extraです。110W+110W、0.003%以下、リニアステップMCトランスを備え、低歪感と駆動力を両立しています。
ここでは、MC再生、アース設計、電源部、入力系、パワー段の順にAU-D707G Extraの魅力を見ていきます。
魅力①|リニアステップMCトランスとLow/High切替
AU-D707G Extraは、MCカートリッジ対応のためにリニアステップMCトランスを搭載しています。入力はLow/High切替に対応し、100μV/300μV(100Ω)で使い分けられます。
このトランスはAU-D907F Extraで採用された技術を受け継いだもので、立ち上がりの良さとSN比を重視しています。Phono MCのSN比は80dB以上で、D607G Extraよりもさらに余裕ある数値です。

リニアステップMCトランスとは何ですか?
リニアステップMCトランスは、MCカートリッジの微小な信号を昇圧するためのトランスです。AU-D707G ExtraではLow/Highの2段階インピーダンス切替により、複数のMCカートリッジに合わせやすくしています。
魅力②|グラウンド・フローティング回路
AU-D707G Extraは、入力・出力・電源部のアース回路による影響を抑えるため、グラウンド・フローティング回路を搭載しています。出力アンプ、スピーカー、電源をクローズドループ化する考え方です。
さらに電源部もフローティング構成とし、電源トランス巻線を独立させたデュアルブリッジ構成を採用しています。これにより、IHM歪を低減する方向で設計されています。



IHM歪とは何ですか?
IHM歪は、アース回路を通じて入力・出力・電源が干渉することで音を濁らせる要因として扱われる歪です。AU-D707G Extraではグラウンド・フローティング回路によって、その影響を抑えています。
魅力③|大型トロイダルトランスとピュアフォーカス電源
電源部は左右独立電源構成に加え、新たに大型トロイダルトランスを搭載しています。電解コンデンサーには、過渡的な充放電への追従性を重視したピュアフォーカスコンデンサーが採用されています。
定格消費電力は270W、重量は15.0kgです。D607G Extraよりも電源と筐体の余裕があり、G Extra上位機らしい駆動力を支えています。
- 大型トロイダルトランスを搭載しています。
- ピュアフォーカスコンデンサーを採用しています。
- 定格消費電力は270Wです。
魅力④|DA/PCM入力とHi-Precisionイコライザー
AU-D707G Extraは、Tuner、Aux/DA、Tape/PCM play1、2入力を備えています。1983年らしく、デジタルオーディオ初期の接続を見据えたDA、PCM用入力端子が用意されています。
Hi-Precisionイコライザーは、レコード再生のRIAA補正を高精度に行う回路です。AU-D707G Extraでは20Hz~300kHz ±0.2dBというワイドレンジでカバーしています。
- 入力系:Aux/DA、Tape/PCM play1、2に対応しています。
- フォノ精度:RIAA偏差は20Hz~300kHz ±0.2dBです。
- 電源安定化:イコライザー電源にはリニアサーボレギュレーターを搭載しています。
魅力⑤|110W+110WのスーパーFFと磁気歪対策
パワーアンプ部は、Ground Floating、Super Feedforward & DD/DC方式です。実効出力は110W+110W(8Ω、10Hz~20kHz)で、全高調波歪率は0.003%以下です。
プリドライブ段にはダイアモンド差動回路、パワー段にはスーパーFFを搭載しています。銅メッキシャーシやNM素子も採用し、マグネティックディストーションを抑える構成です。
- 出力:D607G Extraより20W高い、110W+110Wの実効出力です。
- 応答性:スルーレイトは±200V/μsec、ライズタイムは0.5μsecです。
- 筐体対策:銅メッキシャーシとNM素子により、磁気歪を抑えたクリアな音を狙っています。
SANSUI AU-D707G Extraと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-D707G Extraと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-D707G Extra | SANSUI AU-D607G Extra | SANSUI AU-D907F Extra | Lo-D HA-5700 |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 110W+110W(8Ω) | 90W+90W(8Ω) | 130W+130W(8Ω) | 50W+50W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%以下 | 0.003%以下 | 0.003%以下 | 0.02% |
| ダンピングファクター | 100(8Ω) | 100(8Ω) | 100(8Ω) | ― |
| 重量 | 15.0kg | 13.5kg | 17.7kg | 10.8kg |
| 消費電力 | 270W | 220W | 320W | 140W |
| サウンドキャラクター | G世代らしい低歪感と上位機の駆動力 | 軽快で整理されたG Extraの低歪感 | 大出力とMCトランスが生む濃密さ | MOS FETらしい滑らかさ |
SANSUI AU-D707G ExtraとSANSUI AU-D607G Extraとの比較
SANSUI AU-D707G ExtraとSANSUI AU-D607G Extraとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D707G Extraは110W+110W、AU-D607G Extraは90W+90Wです。出力の余裕ではSANSUI AU-D707G Extraが優れています。
- 電源部:AU-D707G Extraは大型トロイダルトランスを搭載します。電源の余裕ではSANSUI AU-D707G Extraが有利です。
- 重量:AU-D707G Extraは15.0kg、AU-D607G Extraは13.5kgです。設置のしやすさではAU-D607G Extraが優れます。
- 選び方:G Extraの思想を軽快に味わうならAU-D607G Extra、駆動力まで求めるならSANSUI AU-D707G Extraが選びやすいです。
SANSUI AU-D707G ExtraとSANSUI AU-D907F Extraとの比較
SANSUI AU-D707G ExtraとSANSUI AU-D907F Extraとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D707G Extraは110W+110W、AU-D907F Extraは130W+130Wです。出力ではSANSUI AU-D907F Extraが優れています。
- MC再生:どちらもリニアステップMCトランスを搭載します。MC入力のSN比ではAU-D707G Extraが80dB以上、AU-D907F Extraが75dB以上で、数値ではSANSUI AU-D707G Extraが有利です。
- 消費電力:AU-D707G Extraは270W、AU-D907F Extraは320Wです。電源の物量ではAU-D907F Extra、扱いやすさではSANSUI AU-D707G Extraが優れています。
- 音の方向性:AU-D907F Extraは濃密で力強く、AU-D707G Extraはアース設計の整理感が魅力です。見通し重視ならSANSUI AU-D707G Extraが向いています。
SANSUI AU-D707G ExtraとLo-D HA-5700との比較
SANSUI AU-D707G ExtraとLo-D HA-5700との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D707G Extraは110W+110W、HA-5700は50W+50Wです。駆動力ではSANSUI AU-D707G Extraが大きく上回ります。
- 高調波歪率:AU-D707G Extraは0.003%以下、HA-5700は0.02%です。数値上の低歪率ではSANSUI AU-D707G Extraが優れています。
- 重量:AU-D707G Extraは15.0kg、HA-5700は10.8kgです。軽さではHA-5700、電源と出力の余裕ではSANSUI AU-D707G Extraが有利です。
- 音の方向性:HA-5700はMOS FETの滑らかさ、AU-D707G Extraはグラウンド・フローティングによる低歪感が魅力です。明瞭さと駆動力を重視するならSANSUI AU-D707G Extraが選びやすいです。
SANSUI AU-D707G Extraとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-D707G Extraは8Ωで110W+110W、ダンピングファクター100のプリメインアンプです。G Extraらしい低歪感を活かすなら、大型スピーカーを余裕を持って鳴らす組み合わせが向いています。
SANSUI AU-D707G Extraと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- DIATONE DS-2000HR
- ONKYO Scepter 500
- JBL 4425MKII
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
SANSUI AU-D707G ExtraとDIATONE DS-2000HRとの組み合わせ
SANSUI AU-D707G ExtraとDIATONE DS-2000HRとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-2000HRは6Ω、最大入力180W(EIAJ)、出力音圧レベル90dB/W/mです。AU-D707G Extraの110W+110Wと合わせると、余裕を残して大型密閉型を鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:DS-2000HRは30cmウーファー、6cmドーム型ミッドレンジ、2.3cmドーム型トゥイーターを備えた密閉型で、クロスオーバーは500Hz、4.5kHzです。AU-D707G Extraにより、28Hz〜40kHzの広帯域と締まった低域を出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、フュージョン、女性ボーカルに向いています。低域の制動感と中高域の解像感を楽しみたい人に合います。
SANSUI AU-D707G ExtraとONKYO Scepter 500との組み合わせ
SANSUI AU-D707G ExtraとONKYO Scepter 500との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Scepter 500は8Ω、最大入力120W、出力音圧レベル96dB/W/mです。AU-D707G Extraの110W+110Wと合わせると、高能率を活かして大きな音量感を出しやすい組み合わせです。
- 音質の向上:Scepter 500は38cmウーファー、ホーン型中域、ホーン型高域、ホーン型超高域を備えた4ウェイ・バスレフ型フロアスピーカーです。AU-D707G Extraの低歪感により、25Hz〜35kHzのスケール感とホーンの抜けを楽しみやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズライブ、ロック、ソウル、オーケストラに向いています。音場の大きさと押し出しを楽しみたい人に合います。
SANSUI AU-D707G ExtraとJBL 4425MKIIとの組み合わせ
SANSUI AU-D707G ExtraとJBL 4425MKIIとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:4425MKIIは8Ω、許容入力200W(連続プログラム)、出力音圧レベル91dB/W/mです。AU-D707G Extraの110W+110Wと合わせると、音量に余裕を残してモニター系の鳴りを楽しめる組み合わせです。
- 音質の向上:4425MKIIは30cmウーファーと5cmドライバー+バイ・ラジアルホーンを備えた2ウェイ・バスレフ型で、クロスオーバーは1.1kHzです。AU-D707G Extraにより、35Hz〜20kHzの明快な中域と厚みある低域を出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ジャズ、ファンク、ライブ音源に向いています。輪郭のはっきりした音と低域の厚みを楽しみたい人に合います。
SANSUI AU-D707G Extraは、AU-D707F Extraをベースに、グラウンド・フローティング回路、大型トロイダルトランス、リニアステップMCトランス、DA/PCM入力を備えたG世代の上位プリメインアンプです。
110W+110W、0.003%以下、MC Low/High切替、20Hz~300kHz ±0.2dBのRIAA偏差がそろっており、F Extraの力強さにG世代の整理された低歪感を加えたモデルです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-D707G Extraの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-D707G Extraのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| パワーアンプ方式 | Ground Floating、Super Feedforward & DD/DC方式 |
| 実効出力 | 110W+110W(8Ω、10Hz~20kHz、THD 0.003%)、110W+110W(8Ω、1kHz、THD 0.002%) |
| 全高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω、10Hz~20kHz、実効出力時) |
| 混変調歪率 | 0.003%以下(8Ω、60Hz:7kHz=4:1、SMPTE) |
| 出力帯域幅 | 5Hz~80kHz(8Ω、IHF、両ch動作、THD 0.02%) |
| ダンピングファクター | 100(8Ω、新IHF、20Hz~20kHz) |
| 周波数特性 | DC~300kHz +0 -3dB(1W) |
| エンベロープ歪 | 測定限界以下 |
| TIM歪 | 測定限界以下(Sawtooth法) |
| スルーレイト | ±200V/μsec(8Ω) |
| ライズタイム | 0.5μsec |
| イコライザーアンプ方式 | Hi-Precision DCサーボイコライザー |
| 入力感度/入力インピーダンス | Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ、Phono1、2 MC(Low/High):100μV/300μV(100Ω)、Tuner、Aux/DA、Tape/PCM play1、2:250mV/27kΩ |
| Phono最大許容入力 | MM:200mV、MC:25mV(low)、TRANS方式(1kHz、THD 0.01%) |
| 出力レベル/インピーダンス | Tape rec(PIN):250mV(47kΩ)/600Ω(1kHz) |
| 全高調波歪率(イコライザー部) | Phono1、2 MM:0.005%以下、Phono1、2 MC:TRANS方式(20Hz~20kHz、5V出力時) |
| RIAA偏差 | 20Hz~300kHz ±0.2dB(MM、Rec out) |
| SN比 | Phono1、2 MM:90dB以上、Phono1、2 MC:80dB以上(70μV)、Tuner、Aux/DA、Tape/PCM play1、2:110dB以上 |
| Phono入力換算雑音 | Phono1、2 MM:-142dBV、Phono1、2 MC:-160dBV(Aネットワーク、ショートサーキット) |
| チャンネルセパレーション | Phono1、2 MM:60dB以上、Phono1、2 MC:50dB以上、Tuner、Aux、Tape play:80dB以上(1kHz) |
| トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz)、Treble:±10dB(10kHz) |
| トーンセレクター | Bass:150Hz、300Hz、Treble:3kHz、6kHz |
| フィルター | Low:16Hz(-3dB、6dB/oct)、High:20kHz(-3dB、6dB/oct) |
| オーディオミューティング | -20dB |
| 定格消費電力 | 270W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅460x高さ160x奥行404mm |
| 重量 | 15.0kg |
