この記事の概要
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SANSUI AU-α607XRは、1994年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-α607XRの概要と特徴

| SANSUI AU-α607XRのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1994年 |
| 定価 | 89,800円 |
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| 定格出力 | 105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 重量 | 18.0kg |
SANSUI AU-α607XRは、Hyper α-Xバランス回路を搭載した607シリーズのプリメインアンプです。105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω)の実効出力を持ち、XR世代らしく動的ノイズの低減と入力系の充実を重視しています。
特徴①|Hyper α-Xバランス回路で動的ノイズを抑える
AU-α607XRの大きな特徴は、新開発のHyper α-Xバランス回路を搭載している点です。従来のバランス回路に加え、パワーアンプとプリアンプの初段に高CMRR型定電流回路を導入し、回路内で発生する動的ノイズを抑える設計です。
信号の+側と-側を同条件で扱いながら、高CMRR型定電流回路で素子の非対称による影響を抑える設計です。AU-α607XRでは、理論値140dBのCMRR改善効果が説明されています。
特徴②|NM-LAPTで微小信号の反応を整える
パワー段には、オーディオ専用に開発されたNM-LAPTが採用されています。
NM-LAPTは、オーディオ専用デバイスとして開発されたパワートランジスタです。AU-α607XRでは、高周波特性と電流限界値の余裕を重視し、音の立ち上がりや小音量時の表情を整えています。
特徴③|105W+105Wとダイナミックパワー280Wの余裕
実効出力は105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω)です。さらにダイナミックパワーは2Ωで280W、4Ωで220W、6Ωで155Wとされ、瞬間的な負荷変動への余裕も持たせています。
- 実効出力は105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω)です。
- ダンピングファクターは150(8Ω)です。
- 30cm級ウーファーを締めて鳴らしやすい中核機です。
特徴④|ツイン・モノラル構造と制振設計で定位を整える
電源部を中央に置き、その左右にパワーユニットを対称配置したツイン・モノラル・コンストラクションを採用しています。振動源の干渉を断ち切り、音像定位の向上を狙った構造です。

ツイン・モノラル構造は何が良いですか?
左右チャンネルをできるだけ対称に分けることで、チャンネル間の干渉や振動の影響を抑えやすくなります。AU-α607XRではトランス、ボリューム、NM-LAPTの取り付け部を純銅板でアイソレートし、ボーカルの定位や楽器の配置感を整える方向で効いてくる設計です。
特徴⑤|バランス入力とパワーアンプダイレクトに対応する
AU-α607XRは、パワーアンプダイレクト入力に加えてバランス入力端子も搭載しています。デジタルソースの信号を直接パワーアンプ部へ入力できるため、信号経路を簡潔にしやすい構成です。



操作系にも音質配慮がありますか?
ソースパワーダイレクト、レックセレクター、ACアウトレット、6連ディテントボリュームも備えています。AU-α607XRは、デジタルソースやバランス接続も意識した607系として使いやすい構成です。
SANSUI AU-α607XRと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-α607XRと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-α607XR | SANSUI AU-α607KX | SANSUI AU-α607MR | YAMAHA A-1000 |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω) | 105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω) | 105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω) | 120W+120W(6Ω)、100W+100W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%(Aux/etc – SP out/8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) | 150(8Ω) | 150(8Ω) | 200以上(8Ω) |
| 重量 | 18.0kg | 18.0kg | 18.0kg | 16.5kg |
| 消費電力 | 250W | 250W | 250W | 305W |
| サウンドキャラクター | Hyper α-XバランスとNM-LAPTによる緻密で締まりのある音 | アドバンスドα-Xバランスの安定した制動感 | New Hyper α-Xバランスによるさらに整った音 | Dual Amp Class A with ZDRの滑らかな音 |
SANSUI AU-α607XRとSANSUI AU-α607KXとの比較
SANSUI AU-α607XRとSANSUI AU-α607KXとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:どちらも105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω)です。出力の定格では同等です。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。低歪率の数値では同等です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。低域制動の定格では同等です。
- 重量:どちらも18.0kgです。筐体重量では同等です。
- 消費電力:どちらも250Wです。消費電力の定格では同等です。
- 音の方向性:AU-α607KXはアドバンスドα-Xバランス回路の安定感、AU-α607XRはHyper α-Xバランス回路とバランス入力の発展性が魅力です。回路の世代差と入力面を重視するならSANSUI AU-α607XRが合いやすいです。
SANSUI AU-α607XRとSANSUI AU-α607MRとの比較
SANSUI AU-α607XRとSANSUI AU-α607MRとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:どちらも105W+105W(6Ω)、90W+90W(8Ω)です。出力の定格では同等です。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。低歪率の定格では同等です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。低域制動の定格では同等です。
- 重量:どちらも18.0kgです。筐体重量では同等です。
- 消費電力:どちらも250Wです。消費電力の定格では同等です。
- 音の方向性:AU-α607MRはNew Hyper α-Xバランス回路でさらに電源系を発展させた後継機、AU-α607XRはHyper α-Xバランス回路を導入した世代です。後継の洗練度ではSANSUI AU-α607MRが優れています。
SANSUI AU-α607XRとYAMAHA A-1000との比較
SANSUI AU-α607XRとYAMAHA A-1000との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α607XRは90W+90W(8Ω)、A-1000は100W+100W(8Ω)です。8Ω時の出力ではYAMAHA A-1000が優れています。
- 高調波歪率:AU-α607XRは0.003%以下、A-1000は0.003%(Aux/etc – SP out/8Ω)です。低歪率の定格では同等水準です。
- ダンピングファクター:AU-α607XRは150(8Ω)、A-1000は200以上(8Ω)です。数値上の低域制動ではYAMAHA A-1000が優れています。
- 重量:AU-α607XRは18.0kg、A-1000は16.5kgです。筐体重量ではSANSUI AU-α607XRが上回ります。
- 消費電力:AU-α607XRは250W、A-1000は305Wです。消費電力の大きさではYAMAHA A-1000が上回ります。
- 音の方向性:A-1000はDual Amp Class A with ZDRの滑らかさ、AU-α607XRはα-Xバランスらしい制動感と中域の密度が魅力です。締まりのあるサンスイトーンを重視するならSANSUI AU-α607XRが合いやすいです。
SANSUI AU-α607XRとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-α607XRは、8Ωで90W+90W、6Ωで105W+105Wの定格出力を持つため、中型からやや大型のヴィンテージスピーカーを現実的な音量で鳴らしやすいアンプです。
ここではAudio Heritageで定格を確認できるスピーカーから、ONKYOのバスレフ型、JBLのバスレフ型、YAMAHAの密閉型を選び、AU-α607XRの制動感を活かせる相性を解説します。
SANSUI AU-α607XRとONKYO D-77XGとの組み合わせ
SANSUI AU-α607XRとONKYO D-77XGとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:D-77XGは6Ω、最大入力230W(EIAJ)、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフです。AU-α607XRの6Ω時105W+105Wは最大入力に対して余裕があり、中音量でも28cmウーファーを落ち着いて鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:D-77XGは28cmコーン型ウーファー、8cmドーム型ミッドレンジ、2.5cmドーム型トゥイーターを搭載し、25Hz〜45kHzを再生します。450Hz、3.5kHzのクロスオーバーと57LのキャビネットにAU-α607XRを合わせることで、バスレフ型の低域量感を締めながら、オーバル・ダイアフラムの中高域をすっきり出しやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:シティポップ、ロック、フュージョン、歌謡曲に向いています。AU-α607XRの制動感とD-77XGの躍動感が合わさるため、ベースラインとボーカルの厚みを両立して聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607XRとJBL L112との組み合わせ
SANSUI AU-α607XRとJBL L112との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:L112は8Ω、許容入力80W(連続プログラム)/100W(IEC規格)、出力音圧レベル89dB/W/mの3ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフです。AU-α607XRの8Ω時90W+90WはIEC規格100Wに近いため、音量を上げ切らずにピークを避ける使い方が大切です。
- 音質の向上:L112は30cmコーン型ウーファー、13cmコーン型スコーカー、2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。1.1kHz、3.7kHzのクロスオーバーとミラー・イメージ構成にAU-α607XRを合わせることで、JBLらしい押し出しを保ちながら、音像の位置を整えやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、AOR、ソウル、ジャズボーカルに向いています。AU-α607XRの中低域の締まりとL112の音楽的な厚みが合わさるため、リズムの弾みとボーカルの実在感を楽しみたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607XRとYAMAHA NS-690IIIとの組み合わせ
SANSUI AU-α607XRとYAMAHA NS-690IIIとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-690IIIは8Ω、定格入力40W、最大許容入力80W、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ・密閉方式ブックシェルフです。AU-α607XRの8Ω時90W+90Wは最大許容入力80Wに近いため、長時間の大音量を避けて余裕を残す音量管理が重要です。
- 音質の向上:NS-690IIIは30cmコーン型ウーファー、7.5cmドーム型スコーカー、3.0cmドーム型トゥイーターを搭載し、35Hz〜20kHzを再生します。800Hz、6kHzのクロスオーバーを持つ密閉型にAU-α607XRを合わせることで、スプルースコーンの自然な低域とサンスイの制動感がまとまりやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック小編成、ジャズ、ボーカル、アコースティックに向いています。AU-α607XRの静かな背景とNS-690IIIの自然な中域が合わさるため、声や弦の質感を落ち着いて聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607XRの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-α607XRのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 実効出力 | 105W+105W(6Ω、10Hz〜20kHz、両ch同時動作)、90W+90W(8Ω、10Hz〜20kHz、両ch同時動作) |
| 全高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω、実効出力時) |
| 混変調歪率 | 0.003%以下(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 周波数特性 | DC〜300kHz +0 -3dB(1W) |
| 入力感度/インピーダンス | 1V/5kΩ(1kHz) |
| SN比 | 120dB以上(Aネットワーク) |
| ダイナミックパワー | 280W(2Ω)、220W(4Ω)、155W(6Ω) |
| TIM歪 | 測定限界値以下(SAWTOOTH) |
| スルーレイト | 180V/μsec |
| ライズタイム | 0.6μsec |
| <プリアンプ部> | |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ、Phono MC:300μV/100Ω、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:150mV/20kΩ(1kHz) |
| Phono最大許容入力 | MM:210mV(THD 0.01%)、MC:21mV(THD 0.1%) |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:DC〜200kHz +0 -3dB |
| SN比 | Phono MM:88dB以上、Phono MC:70dB以上、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:110dB以上 |
| トーンコントロール | Bass最大変化量:±6dB(50Hz)、Treble最大変化量:±6dB(15kHz) |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB)、6dB/oct |
| ラウドネス | +6dB(50Hz)、+4dB(10kHz) |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 250W |
| 外形寸法 | 幅430x高さ162x奥行452mm |
| 重量 | 18.0kg |
| 別売 | リアルサイドウッド SW-AU3(1セット、13,000円) |
