LUXMAN(ラックスマン)L-309を徹底解説!【特徴の詳細】

LUXMAN(ラックスマン)L-309を徹底解説!【特徴の詳細】

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LUXMAN(ラックスマン)L-309は音楽愛好家の方からの評価も高く、完全ヴィンテージなプリメインアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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LUXMAN(ラックスマン )L-309の概要と特徴

※上記はLUXMAN LX-380です。

LUXMAN(ラックスマン)L-309のスペック
<メインアンプ部>
連続実効出力75W+75W(8Ω、両ch動作)
85W/85W(8Ω、片ch動作)
入力感度/インピーダンス2600mV/50kΩ
全高調波歪率0.03%以下(8Ω、75W)
<プリアンプ部>
出力電圧Pre out:600mV(標準)、5V以上(最大)
出力インピーダンスPre out:約100Ω
入力インピーダンスPhono1:50kΩ、65kΩ、90kΩ切換
Phono2:65kΩ
Tuner:40kΩ
Aux1、2:100kΩ
Mic:50kΩ
SN比Phono:65dB以上
Tuner、Aux:80dB以上
Mic:60dB以上

LUXMAN L-309は、クリアで力強いサウンドが特徴的なプリメインアンプです。

特に中高域の再現性が非常に高く、細部にわたって忠実に音楽を再現します。

では、以下からLUXMAN L-309の特徴を詳しく解説します。

①:2段差動全段直結ピュアコンプリメンタリー方式の回路を採用

LUXMAN L-309のメインアンプ部では、プラスマイナススプリット電源による2段差動全段直結ピュアコンプリメンタリー方式の回路が採用されています。

2段差動全段直結ピュアコンプリメンタリー方式ってなに?

この長い単語を一言で解説するのは難しすぎるので、用語を分解して解説します。

  • 2段差動:差動回路は、2つの入力信号の差を増幅する回路です。2段差動とは、この差動回路を2段重ねることで、より精度の高い増幅を行う構造を指します。ノイズの影響を受けにくく、信号の差を正確に増幅することができます。
  • 全段直結:全段直結とは、アンプ内の各段(部分)をコンデンサなどで絶縁せずに直接接続する方式です。これにより、信号の伝達がスムーズになり、音質の劣化を最小限に抑えることができます。
  • ピュアコンプリメンタリー:コンプリメンタリーとは、NPN型とPNP型のトランジスタを対にして使用する方式です。ピュアコンプリメンタリーでは、これらのトランジスタが完全に対称の性能を持つように選別され、組み合わされます。これにより、出力段の歪みを大幅に減少させることが可能です。

理解するのは難しいかもしれませんが、LUXMAN L-309ではとにかく高度なアンプ回路設計が採用されています。

②:イコライザ回路はA級SEPP回路を採用【欠点もある】

LUXMAN L-309のプリアンプ部は、

  1. イコライザ回路
  2. マイクミキシング回路
  3. エミッタフォロアー回路
  4. リニアイコライザ回路
  5. トーンコントロール回路

で構成されています。

その中でもイコライザ回路はA級SEPP回路が採用されています。

A級SEPP回路(Single-Ended Push-Pull)は、オーディオアンプの設計において使用される特定の回路構造です。

この回路の理解には、A級動作とSEPP(Single-Ended Push-Pull)の2つの概念を把握する必要があります。

  • A級動作:A級動作は、トランジスタが常に導通状態にある動作モードです。信号の全波形を増幅するため、歪みが少なく、高い忠実度が得られます。しかし、効率が低く、発熱が多いという欠点もあります。
  • SEPP(Single-Ended Push-Pull):シングルエンデッドとプッシュプル増幅の組み合わせです。
    • シングルエンデッドとは:一つのアクティブデバイス(トランジスタなど)で信号を増幅する方式。シンプルで音質が良いとされることが多いです。
    • プッシュプルとは:2つのアクティブデバイスを使って、信号の正と負の部分をそれぞれ増幅し、最後に結合する方式。効率が良く、出力の歪みが少ないです。

そして、A級SEPP回路は、A級動作のシングルエンデッドプッシュプル回路です。

この回路では、トランジスタが常に導通しているため、信号の全範囲を均等に増幅します。

その結果、非常に自然で歪みの少ない音質が得られます。

しかし、A級動作のため効率は低く、発熱が多いという問題があります。

そのため、冷却システムが必要になることが多く、製品の設計と製造が複雑になることがあります。

③:A級ドライブ電源用巻線とB級出力段用巻線を分離

LUXMAN L-309のの電源部は、A級ドライブ電源用巻線とB級出力段用巻線が分離されています。

A級ドライブ電源用巻線とB級出力段用巻線は、オーディオアンプの電源部において重要な役割を果たすコンポーネントです。

それぞれの巻線は、特定のアンプの部分に電力を供給するために使用されます。

以下で、それぞれの概念について詳しく説明します。

  • A級ドライブ電源用巻線:A級動作のドライブ部分に電力を供給するための巻線です。A級動作は、トランジスタが常に導通しているため、全波形を均等に増幅することができます。このため、音質が非常に良く、歪みが少ないです。A級ドライブ電源用巻線は、このA級部分に適切な電力を供給する役割を果たします。
  • B級出力段用巻線:B級動作の出力部分に電力を供給するための巻線です。B級動作は、2つのトランジスタが交互に動作し、信号の正と負の部分をそれぞれ増幅する方式です。効率が良く、発熱が少ないため、多くのアンプで採用されています。B級出力段用巻線は、このB級部分に適切な電力を供給する役割を果たします。

で、その2つを分離するとなにが良いの?

端的に言うと、A級とB級の部分にそれぞれ専用の巻線を用意することで、電源の安定性が向上します。

LUXMAN L-309と他のヴィンテージアンプとの比較

LUXMAN L-309と他のヴィンテージアンプとの比較

ヴィンテージアンプの世界は、音質、デザイン、機能など、多岐にわたる魅力があります。

ここでは、LUXMAN L-309と他の有名なヴィンテージアンプ

  • YAMAHA A-9
  • SONY TA-F3000
  • SANSUI AU-3300

との比較を行います。

YAMAHA A-9との比較

YAMAHA A-9は、高い信頼性と優れた音質で知られています。

  • 音質:LUXMAN L-309は、先進的な回路設計により、非常にクリアで豊かな音質を提供します。一方、YAMAHA A-9も高品質なサウンドを持っており、特に中低域の再現性に優れています。
  • 機能:L-309は、リニアイコライザやトーンコントロールなどの特殊な機能を持っています。A-9も基本的な機能をしっかりと備えていますが、L-309ほどの多機能性はありません。
  • デザイン:両者ともに洗練されたデザインがありますが、L-309のエレガントな外観は、特に目を引くでしょう。

>> YAMAHA(ヤマハ)A-9を徹底解説!【音質・修理など網羅的に解説】

SONY TA-F3000との比較

SONY TA-F3000は、その堅牢な構造とバランスの取れたサウンドが特徴です。

  • 音質:LUXMAN L-309は、高い解像度と透明感を実現しています。TA-F3000も素晴らしい音質を持っていますが、L-309のような微細な表現は少し劣ります。
  • 機能:L-309は、高度なイコライザ機能などを提供しています。TA-F3000も多機能ですが、L-309のような特殊な機能は見られません。
  • デザイン:TA-F3000は、シンプルで洗練されたデザインが魅力です。L-309も美しい外観を持っており、好みの問題となるでしょう。

SANSUI AU-3300との比較

SANSUI AU-3300は、温かみのあるサウンドとクラシックなデザインが特徴です。

  • 音質:L-309は、精緻な音質とダイナミックレンジを提供します。AU-3300も素晴らしい音質を持っていますが、L-309の精緻さには少し劣ります。
  • 機能:AU-3300は、基本的な機能をしっかりと備えていますが、L-309のような高度なイコライザ機能などはありません。
  • デザイン:AU-3300のクラシックな外観は、レトロ感を楽しむ人々に特に魅力的です。L-309も高品質な素材と優れたデザインを持っており、どちらも時代を超えた美しさがあります。

LUXMAN L-309と他のヴィンテージ機器との組み合わせ

LUXMAN L-309と他のヴィンテージ機器との組み合わせ

LUXMAN L-309はヴィンテージ機器との組み合わせによって、L-309の良さを最大限に引き出すことができます。

以下では、L-309と人気のヴィンテージ機器との組み合わせについて解説します。

Technics SL-1200ターンテーブルとの組み合わせ

Technics SL-1200ターンテーブルは、プロのDJからオーディオ愛好者まで幅広く支持されている名機です。

  • 相性:LUXMAN L-309とSL-1200の組み合わせは、アナログレコードの温かみと精緻なディテールを引き出します。
  • 音質:SL-1200の安定した回転とL-309の高い解像度が合わさり、非常にリアルな音楽再生を実現します。
  • セットアップ:両機器ともに操作性が高く、セットアップも容易です。アナログの魅力を最大限に楽しむことができます。

>> Technics SL-1200を徹底解説!【MK3やMK5などの違い】

JBL L100スピーカーとの組み合わせ

JBL L100は、そのパワフルなサウンドとアイコニックなデザインで知られています。

  • 相性:L-309の豊かな音質とL100の力強い低域が絶妙にマッチし、迫力のある音楽体験を提供します。
  • 音質:L100のダイナミックなサウンドとL-309の細やかな表現が合わさり、幅広いジャンルの音楽に対応します。
  • デザイン:両機器ともにヴィンテージ感があり、インテリアとしても楽しめます。

Revox B77オープンリールデッキとの組み合わせ

Revox B77は、プロフェッショナルな録音と再生を可能にするオープンリールデッキです。

  • 相性:L-309とB77の組み合わせは、オープンリールの魅力を最大限に引き出し、高品質な録音と再生を実現します。
  • 音質:B77の精密な録音能力とL-309の高い再生能力が合わさり、オリジナルの音楽体験を再現します。
  • デザイン:両機器ともに操作が直感的なので、オープンリールの魅力を初心者でも楽しめます。まとめ

LUXMAN L-309は、様々なヴィンテージ機器と組み合わせることで、その魅力を一層引き出すことができます。

ターンテーブル・スピーカー・オープンリールデッキとの組み合わせは、音楽愛好者にとって楽しい選択です。

LUXMAN(ラックスマン)L-309を徹底解説!【特徴の詳細】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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