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SANSUI AU-70は、1964年に発売された7189出力管採用の管球式プリメインアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-70の概要と特徴

| 項目 | SANSUI AU-70 |
|---|---|
| 型式 | 管球式プリメインアンプ |
| 最大出力 | 25W-25W |
| 高調波歪率 | 0.15%以下(20W、1kHz) 0.95%以下(20W、36Hz) |
| 混変調歪率 | 0.85%以下(15W、50Hz+5kHz) |
| 周波数特性 | 10Hz~80kHz ±1dB以内 |
| 出力インピーダンス | 8Ω、16Ω |
| 使用真空管 | 7189:4個 6AN8:2個 12AX7:3個 |
| 重量 | 13.7kg |
SANSUI AU-70は、ステレオアンプの本格派として登場した管球式プリメインアンプです。出力管には7189を採用し、最大出力は25W-25W、出力インピーダンスは8Ωと16Ωに対応しています。真空管らしい構成と、当時の実用機能をまとめた一台として注目できます。
特徴①|7189出力管を使ったAB1プッシュプル構成
AU-70は、出力管に7189を4本使用しています。
また。AB1 P.P.の固定バイアス方式で動作させています。

7189出力管のAU-70は、どんな聴き方に向いていますか?
最大出力25W-25Wのため、大出力で押し切るよりも、能率の高いスピーカーと合わせて音色を楽しむ聴き方に向いています。7189を4本使った管球式らしい中域の厚みを意識すると、AU-70の魅力をつかみやすくなります。
特徴②|多重帰還回路と3段増幅プリアンプ
AU-70は、管球式らしさだけでなく低歪化の工夫も見どころです。
このクラスで日本で初めて多重帰還回路を取り入れ、全帯域にわたる低歪化を図ったと説明されています。コントロールアンプ部には3段増幅回路を使用し、全回路をNFループに収めることでノイズや歪を抑えています。管球式の味わいと整った特性を両立しようとした設計です。
- 高調波歪率は20W時に0.15%以下(1kHz)です。
- 周波数特性は10Hz~80kHz ±1dB以内です。
- 出力インピーダンスは8Ω、16Ωに対応しています。
特徴③|4トランジスタ・ヘッドアンプと多彩な入力
AU-70には、山水独自の4トランジスタ・ヘッドアンプが採用されています。プリアンプ部の入力は、Phono(MAG)、Phono(X-TAL)、Tape、Mic、AUX(Tapemon)、Tunerなどが定格に掲載されています。
Phono(MAG)は81dB/1.6mV、AUX(Tapemon)とTunerは51dB/50mVです。レコード、チューナー、テープ系を前提にした入力構成が、1960年代のプリメインアンプらしい部分です。
特徴④|ブレンド回路とセンターチャンネル出力
AU-70は、音の広がりを調整できるブレンド回路を搭載しています。さらにセンターチャンネルアンプ用端子や、5W、10W、25Wの3段切換レベルメーターも備えています。



ブレンド回路はどんな場面で役立ちますか?
左右の広がりを調整したいときに役立ちます。モノラル寄りからステレオまで音の広がりを変えられるため、古い録音や部屋の配置に合わせて、聴きやすい音場に整える使い方ができます。
SANSUI AU-70と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、SANSUI AU-70とヴィンテージアンプ3機種を比較します。
対象はSANSUI AU-111、LUXMAN SQ38D/SQ38Ds、LUXMAN SQ38FD/IIです。
| 項目 | SANSUI AU-70 | SANSUI AU-111 | LUXMAN SQ38D/SQ38Ds | LUXMAN SQ38FD/II |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | 管球式プリメインアンプ | プリメインアンプ | 管球式プリメインアンプ | 管球式プリメインアンプ |
| 出力 | 最大出力:25W-25W | ミュージックパワー:96W 実効出力:45W/45W ステレオ実効出力:40W+40W | 10W+10W(50Hz) | 30W+30W(4Ω、8Ω、16Ω) |
| 歪率 | 高調波歪率:0.15%以下(20W、1kHz) 0.95%以下(20W、36Hz) | 全高調波歪率:0.8% | 歪率:0.5%以内 | 全高調波歪率:0.7%以下(最大出力時) |
| 周波数特性 | 10Hz~80kHz ±1dB以内 | AUX:20Hz~50kHz ±1dB | 20Hz~30kHz -1.5dB以内 | 20Hz~20kHz -1dB |
| スピーカー負荷 | 8Ω、16Ω | 8Ω、16Ω | ― | 4Ω、8Ω、16Ω |
| 入力感度 | Phono(MAG):81dB/1.6mV AUX、Tuner:51dB/50mV | Tuner、AUX、Tape Monitor:220mV/500kΩ | Aux1:100mV Aux2:500mV | Aux1、2、3:200mV/200kΩ |
| 使用真空管 | 7189:4個 6AN8:2個 12AX7:3個 | 6L6GC:4個 12AX7:5個 12BH7A:2個 6AQ8:1個 | 6RA8:4個 12AU7:2個 6267:2個 12AX7:3個 | ― |
| 消費電力 | 118VA | 280VA(最大) | 135W(最大出力時) | ― |
| 外形寸法 | 幅405x高さ142x奥行320mm | 幅460x高さ170x奥行345mm | 幅470x高さ175x奥行275mm | 幅476x高さ190x奥行335mm |
| 重量 | 13.7kg | 24.5kg | 14kg | 18kg |
SANSUI AU-70とSANSUI AU-111との比較
SANSUI AU-70とSANSUI AU-111との比較は以下の通りです。
- 出力:AU-70は最大出力25W-25W、AU-111はステレオ実効出力40W+40Wです。出力の数値ではAU-111が大きいです。
- 歪率:AU-70は20W、1kHzで0.15%以下、AU-111は全高調波歪率0.8%です。掲載条件は異なりますが、数値ではAU-70が小さいです。
- 周波数特性:AU-70は10Hz~80kHz、AU-111はAUXで20Hz~50kHzです。上限の掲載値ではAU-70が高いです。
- 出力管:AU-70は7189、AU-111は6L6GCです。管の構成ではキャラクターの違いを楽しめる組み合わせです。
- 消費電力:AU-70は118VA、AU-111は280VA(最大)です。消費電力の掲載値ではAU-111が大きいです。
- 重量:AU-70は13.7kg、AU-111は24.5kgです。物量感ではAU-111が重いです。
SANSUI AU-70とLUXMAN SQ38D/SQ38Dsとの比較
SANSUI AU-70とLUXMAN SQ38D/SQ38Dsとの比較は以下の通りです。
- 出力:AU-70は最大出力25W-25W、SQ38D/SQ38Dsは10W+10Wです。出力の数値ではAU-70が大きいです。
- 歪率:AU-70は20W、1kHzで0.15%以下、SQ38D/SQ38Dsは0.5%以内です。掲載条件は異なりますが、数値ではAU-70が小さいです。
- 周波数特性:AU-70は10Hz~80kHz、SQ38D/SQ38Dsは20Hz~30kHzです。周波数レンジの掲載値ではAU-70が広いです。
- 入力感度:AU-70はAUXとTunerが50mV、SQ38D/SQ38DsはAux1が100mV、Aux2が500mVです。ライン系の入力感度ではAU-70が小さい入力値です。
- 使用真空管:AU-70は7189、SQ38D/SQ38Dsは6RA8を使用しています。出力管の違いで音の方向性も変わります。
- 重量:AU-70は13.7kg、SQ38D/SQ38Dsは14kgです。重量はかなり近い数値です。
SANSUI AU-70とLUXMAN SQ38FD/IIとの比較
SANSUI AU-70とLUXMAN SQ38FD/IIとの比較は以下の通りです。
- 出力:AU-70は最大出力25W-25W、SQ38FD/IIは30W+30Wです。出力の数値ではSQ38FD/IIが大きいです。
- 歪率:AU-70は20W、1kHzで0.15%以下、SQ38FD/IIは0.7%以下です。掲載条件は異なりますが、数値ではAU-70が小さいです。
- 周波数特性:AU-70は10Hz~80kHz、SQ38FD/IIは20Hz~20kHzです。上限の掲載値ではAU-70が高いです。
- スピーカー負荷:AU-70は8Ωと16Ω、SQ38FD/IIは4Ω、8Ω、16Ωです。接続できる負荷の表記ではSQ38FD/IIが幅広いです。
- 入力感度/インピーダンス:AU-70はAUXとTunerが50mV、SQ38FD/IIはAux1、2、3が200mV/200kΩです。ライン入力感度ではAU-70が小さい入力値です。
- 重量:AU-70は13.7kg、SQ38FD/IIは18kgです。重量ではSQ38FD/IIが重いです。
SANSUI AU-70とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-70は最大出力25W-25W、出力インピーダンス8Ω、16Ωの管球式プリメインアンプです。
ここでは高能率寄りの大型ヴィンテージスピーカーを中心に、音量管理を意識して鳴らしたい組み合わせとして、ALTEC LANSING 612C Monitor、TANNOY Berkeley、JBL L101 Lancerを取り上げます。
SANSUI AU-70とALTEC LANSING 612C Monitorとの組み合わせ
- 互換性:612C Monitorはインピーダンス8Ω、許容入力(連続プログラム)は40Wまたは65W、出力音圧レベルは104dB(新JIS)または103dB(新JIS)です。AU-70は8Ω出力に対応し最大出力25W-25Wなので、高い出力音圧レベルを活かして控えめな音量から鳴らす使い方が向いています。
- 音質の向上:612C Monitorは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・フロア型で、38cm同軸型ユニットを搭載しています。再生周波数帯域は20Hz~20kHz、出力音圧レベルは104dBまたは103dB(新JIS)、クロスオーバー周波数は1.5kHzです。AU-70の7189出力管と合わせることで、同軸ユニットの定位感と管球式らしい中域の厚みを楽しみやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、ビッグバンド、オールドロックに向いています。103dB以上の出力音圧レベルが確認できるため、AU-70ではボリュームを大きく回しすぎず、声の張りと低域の量感を見ながら調整すると聴きやすいです。
SANSUI AU-70とTANNOY Berkeleyとの組み合わせ
- 互換性:Berkeleyは公称インピーダンス8Ω、許容入力85W、出力音圧レベル91dB/W(新JIS)です。AU-70は8Ω出力に対応し最大出力25W-25Wなので、許容入力85Wに対して無理のない音量で鳴らす使い方が合います。
- 音質の向上:Berkeleyは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・フロア型で、38cm同軸型HPD385Aを搭載しています。再生周波数帯域は35Hz~20kHz、出力音圧レベルは91dB/W(新JIS)、クロスオーバー周波数は1kHz(12dB/oct)です。AU-70のブレンド回路を含む音場調整と合わせると、同軸型らしいまとまりと自然な定位を楽しみやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、フォークに向いています。91dB/Wの出力音圧レベルなので、音量は少しずつ上げ、弦の厚みやボーカルの距離感が自然に出る位置を探すのがおすすめです。
SANSUI AU-70とJBL L101 Lancerとの組み合わせ
- 互換性:L101 Lancerはインピーダンス8Ω、許容入力50W(連続プログラム)です。AU-70は8Ω出力に対応し最大出力25W-25Wなので、許容入力50Wを目安に音量を控えめに整える使い方が向いています。
- 音質の向上:L101 Lancerは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型で、35.5cmコーン型LE14Aとホーン型LE175DLHを搭載しています。AU-70の管球式らしい中域と合わせることで、JBLらしいホーンの存在感と低域の量感を楽しみやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ブルース、ソウル、ヴィンテージロックに向いています。出力音圧レベルは―なので、音量は耳で確認しながら、ホーンの張りが強くなりすぎない位置で使うとまとまりやすいです。
SANSUI AU-70は、7189出力管、多重帰還回路、4トランジスタ・ヘッドアンプ、ブレンド回路を備えた、1960年代らしい密度のある管球式プリメインアンプです。
スピーカーを合わせるときは、8Ωまたは16Ωの接続条件、許容入力、出力音圧レベルを確認し、最初は控えめな音量から鳴らしていくと、AU-70の中域の味わいをつかみやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-70の詳細スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | 管球式プリメインアンプ |
| 最大出力 | 25W-25W |
| 高調波歪率(20W) | 0.15%以下(1kHz) 0.95%以下(36Hz) |
| 混変調歪率 | 0.85%以下(15W、50Hz+5kHz) |
| 周波数特性 | 10Hz~80kHz ±1dB以内 |
| 出力インピーダンス | 8Ω、16Ω |
| 利得(出力20W時) | Phono(MAG):81dB/1.6mV Phono(X-TAL):54dB/36mV Tape:86dB/0.9mV Mic:86dB/0.9mV AUX(Tapemon):51dB/50mV Tuner:51dB/50mV |
| トーンコントロール | CR型 50Hz:+11dB~-15dB 10kHz:+12dB~-13dB |
| イコライザー | NF型 Tape(BTS) Phono(RIAA) |
| 付属回路 | プレゼンスコントロール ターンオーバー:150Hz ローフィルター:50Hz、-12.5dB ハイフィルター:10kHz、-13.5dB ラウドネスコントロール トーンディフィート テープモニター ヘッドホンジャック テープレコーダー録/再コネクター センターチャンネルアンプ用端子 レベルメーター(5W、10W、25Wの3段切換) ブレンドコントロール |
| 使用半導体 | 真空管(9個) 7189:4個 6AN8:2個 12AX7:3個 トランジスタ(2SB-381):4個 ゲルマニュームダイオード(OA-81):2個 シリコンダイオード(SD-1A):2個 セレン整流器(TC.0.2P11/3):1個 |
| 電源 | AC100V、117V、240V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 118VA |
| 外形寸法 | 幅405x高さ142x奥行320mm |
| 重量 | 13.7kg |
