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SANSUI(サンスイ) AU-111を徹底解説!【8Ω/16Ω負荷に対応する力のある出力部】

この記事の概要

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SANSUI AU-111は、6L6GCを採用した真空管プリメインアンプです。

本記事では、AU-111の特徴、同時代アンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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目次

SANSUI AU-111の概要と特徴

SANSUI AU-111の簡易スペック
型式プリメインアンプ
発売時期1965年
定価65,000円
ステレオ実効出力40W+40W(両ch動作)
負荷インピーダンス8Ω、16Ω
重量24.5kg

▼ 詳しいスペックはこちら

SANSUI AU-111は、1965年に発売された真空管プリメインアンプです。

ステレオ実効出力は40W+40W、負荷インピーダンスは8Ω/16Ω、重量は24.5kgで、大型トランスと多機能なコントロール部を備えた重厚な構成が確認できます。

特徴①|6L6GCを使った40W+40Wの真空管構成

AU-111は出力管に6L6GCを4本使用し、ステレオ実効出力40W+40Wを得ています。

1960年代の管球式プリメインとして、8Ω/16Ω負荷に対応する力のある出力部を備えている点が見どころです。

AU-111は小出力の真空管アンプとは違う見方ができますか?

ミュージックパワー96W、実効出力45W/45W、両ch動作で40W+40Wという定格から、ゆったり鳴らすだけでなく、ある程度の余裕を持ってスピーカーを駆動する方向の設計だと分かります。

特徴②|超広帯域型トランスと多重負帰還回路

出力部には広帯域を意識したアウトプットトランスと、レギュレーションに配慮したパワートランスが使われています。回路面では多重負帰還回路により、20Hz~20kHzのパワーバンドウィズが定格として示されています。

  • 周波数特性:AUXで20Hz~50kHz ±1dB
  • パワーバンドウィズ:20Hz~20kHz(0.8%にて)
  • ダンピングファクター:15

特徴③|4段切替のトーンコントロール

AU-111は、低域と高域それぞれに切替点を持つトーンコントロールを備えています。LowはDefeat/250Hz/500Hz、HighはDefeat/5kHz/2.5kHzに対応し、音色調整の幅を細かく選べる設計です。

レコードや古い録音を聴くときは、トーンの切替点を選べることが音作りに効いてきます。さらにラウドネス、ハイフィルター、ローフィルターも備えており、ソースや音量に合わせた補正がしやすい構成です。

特徴④|独立使用できるプリ部とメイン部

AU-111は単体プリメイン以外の使い方もできますか?

プリアンプ部とメインアンプ部は、それぞれ独立して使える設計です。

定格にはプリアンプ出力2.1V/710Ωも示されており、システム構成を広げやすい管球式プリメインとして見られます。

特徴⑤|MC型カートリッジまで意識した入力系

Phono1は0.06mV/3.5Ω、Phono2は0.2mV/30Ω~100Ωの入力感度/インピーダンスが示されています。

指定入力トランスとの組み合わせを前提に、低出力カートリッジを扱うための入力系が用意されている点もAU-111らしい部分です。

SANSUI AU-111と他のヴィンテージアンプとの比較

ここでは、SANSUI AU-111と同じく管球式プリメインとして知られる3機種を取り上げます。

SANSUI AU-111とSANSUI AU-70との比較

SANSUI AU-111とSANSUI AU-70との比較は以下の通りです。

  • 出力:AU-111はステレオ実効出力40W+40W、AU-70は最大出力25W-25Wです。出力値ではAU-111が大きいです。
  • 歪率:AU-111は全高調波歪率0.8%、AU-70は20W時0.15%以下(1kHz)と0.95%以下(36Hz)です。条件が異なるため、数値は測定条件込みで見る必要があります
  • 周波数特性:AU-111はAUXで20Hz~50kHz ±1dB、AU-70は10Hz~80kHz ±1dB以内です。周波数レンジの表記ではAU-70が広く示されています
  • 出力インピーダンス:AU-111は8Ω/16Ω、AU-70も8Ω/16Ωです。スピーカー接続条件は共通しています
  • 重量:AU-111は24.5kg、AU-70は13.7kgです。筐体重量ではAU-111が大きいです。

SANSUI AU-111とLUXMAN SQ38FD/IIとの比較

SANSUI AU-111とLUXMAN SQ38FD/IIとの比較は以下の通りです。

  • 出力:AU-111はステレオ実効出力40W+40W、SQ38FD/IIは連続実効出力30W+30W(4Ω、8Ω、16Ω)です。8Ω条件を含む出力値ではAU-111が大きいです。
  • 歪率:AU-111は全高調波歪率0.8%、SQ38FD/IIは0.7%以下(最大出力時)です。掲載値ではSQ38FD/IIが少し低い数値です。
  • 周波数特性:AU-111はAUXで20Hz~50kHz ±1dB、SQ38FD/IIは20Hz~20kHz -1dBです。上限帯域の表記ではAU-111が広く示されています
  • 入力感度:AU-111はTuner/AUX/Tape Monitorが220mV/500kΩ、SQ38FD/IIはAux1/2/3が200mV/200kΩです。ライン入力の感度は近い範囲です。
  • 重量:AU-111は24.5kg、SQ38FD/IIは18kgです。重量ではAU-111が重いです。

SANSUI AU-111とLUXMAN SQ38D/SQ38Dsとの比較

SANSUI AU-111とLUXMAN SQ38D/SQ38Dsとの比較は以下の通りです。

  • 出力:AU-111はステレオ実効出力40W+40W、SQ38D/SQ38Dsは10W+10W(50Hz)です。出力値ではAU-111が大きいです。
  • 歪率:AU-111は全高調波歪率0.8%、SQ38D/SQ38Dsは0.5%以内です。掲載値ではSQ38D/SQ38Dsが低い数値です。
  • 周波数特性:AU-111はAUXで20Hz~50kHz ±1dB、SQ38D/SQ38Dsは20Hz~30kHz -1.5dB以内です。上限帯域の表記ではAU-111が広く示されています
  • 使用真空管:AU-111は6L6GCを4本、SQ38D/SQ38Dsは6RA8を4本使用しています。出力管の個性を見比べたい2台です。
  • 重量:AU-111は24.5kg、SQ38D/SQ38Dsは14kgです。筐体重量ではAU-111が大きいです。

SANSUI AU-111とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

AU-111は8Ω/16Ω負荷に対応し、ステレオ実効出力40W+40Wを持つプリメインアンプです。

ここでは、インピーダンスと入力値を確認しながら音量管理しやすい3機種を取り上げます。

  • SANSUI SP-70
  • BOZAK B-302A ConcertoV
  • MISSION 70

SANSUI AU-111とSANSUI SP-70の組み合わせ

  • 互換性:SANSUI SP-70は8Ω、最大入力30W、推奨アンプ出力―、出力音圧レベル92dB/W(新JIS)です。AU-111は8Ω負荷に対応するため、出力音圧レベル92dB/Wを活かしつつ最大入力30Wを意識して音量を上げすぎない使い方が合います。
  • 音質の向上:SP-70は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型です。20cmコーン型と2.5cmドーム型を搭載し、周波数特性はノーマル・リスニングルームで30Hz~20000Hz、能率は92dB/W、クロスオーバー周波数は6000Hz(12dB/oct)です。
  • おすすめの音楽ジャンル:同じSANSUI同士で落ち着いたまとまりを狙うなら、ジャズボーカル、昭和歌謡、フォーク、室内楽を自然な音量で楽しみやすいです。

SANSUI AU-111とBOZAK B-302A ConcertoVの組み合わせ

  • 互換性:BOZAK B-302A ConcertoVは8Ω、定格入力20W、推奨アンプ出力―、出力音圧レベル―です。AU-111は8Ω負荷に対応するため、定格入力20Wを超えないように音量を控えめに整える組み合わせです。
  • 音質の向上:B-302A ConcertoVは3ウェイ・2スピーカー・フロア型です。30cm同軸型、16cmコーン型ミッドレンジ、N-10102を備え、周波数特性は40Hz~20kHz、能率は―、クロスオーバー周波数は800Hz/2.5kHz/6dB/octです。
  • おすすめの音楽ジャンル:大型フロア型の量感とAU-111の厚みを合わせるなら、ビッグバンド、男性ボーカル、ブルース、オーケストラをゆったり聴きやすいです。

SANSUI AU-111とMISSION 70の組み合わせ

  • 互換性:MISSION 70は1983年仕様で8Ω(公称)、推奨アンプ出力20W~75W/ch、出力音圧レベル86dB/W/m(SPL)です。AU-111の40W+40Wとは、推奨アンプ出力範囲内で合わせられ、能率86dB/W/mを踏まえて音量を丁寧に調整する使い方になります。
  • 音質の向上:MISSION 70は2ウェイ・2スピーカー・ブックシェルフ型です。1983年仕様では17.5cmコーン型と2.5cmドーム型を搭載し、周波数特性は40Hz~20kHz、能率は86dB/W/m(SPL)、クロスオーバー周波数は5.7kHzです。
  • おすすめの音楽ジャンル:小型ブックシェルフで輪郭を整えて聴くなら、女性ボーカル、アコースティック、ピアノトリオ、英国ロックに向いています。

SANSUI AU-111は、真空管アンプらしい構成に加えて、40W+40Wの出力と多彩な入力・調整機能を備えた一台です。スピーカー側の入力値を確認しながら音量を整えれば、幅広いヴィンテージシステムに組み込みやすくなります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

SANSUI AU-111の詳細スペック一覧

SANSUI AU-111の詳細スペック
型式プリメインアンプ
定格出力ミュージックパワー(IHFM):96W / 実効出力:45W/45W / ステレオ実効出力(両ch動作):40W+40W
全高調波歪率0.8%
混変調歪率0.8%(50Hz~5.5kHz)
パワーバンドウィズ20Hz~20kHz(0.8%にて)
周波数特性AUX:20Hz~50kHz ±1dB
ハム及び雑音AUX:-80dB / Phono:-70dB
チャンネルセパレーションPhono:45dB / AUX:50dB
残留雑音2mV(8Ω)
負荷インピーダンス8Ω、16Ω
ダンピングファクター15
入力感度/インピーダンスPhono1:0.06mV/3.5Ω(A-604使用) / Phono2:0.2mV/30Ω~100Ω(A-603使用) / Tape Head(19cm/s 9.5cm/s):1.8mV/100kΩ / Tuner、AUX、Tape Monitor:220mV/500kΩ
録音出力Phono2入力に対して100倍 / Tape Head入力に対して115倍
センターチャンネル出力1.5V/48kΩ(実効出力時)
イコライザー特性Phono1、2:RIAA / Tape Head:NAB(19cm/s、9.5cm/s)
プリアンプ出力2.1V/710Ω(実効出力時)
トーンコントロールLow:Defeat、250Hz、500Hz / High:Defeat、5kHz、2.5kHz
Bass(50Hz)250Hz時:+11.5dB~-10dB / 500Hz時:+16dB~-14.5dB
Treble(10kHz)5kHz時:+12.5dB~-11dB / 2.5kHz時:+7.5dB~-6dB
ラウドネスコントロールVolume-30dB時 50Hz:+9.5dB、10kHz:+5dB
ハイフィルター20kHz、-25dB、fo=6kHz
ローフィルター20Hz、-26dB、fo=125Hz
使用真空管6L6GC:4個 / 12AX7:5個 / 12BH7A:2個 / 6AQ8:1個
使用トランジスタ2SC-402:2個
使用ダイオードSW-0.5a:1個 / SW-0.5d:2個
電源電圧AC100V/117V/240V、50Hz/60Hz
消費電力280VA(最大)
外形寸法幅460x高さ170(ゴム脚除く)x奥行345mm
重量24.5kg
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