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SANSUI(サンスイ) AU-9900を徹底解説!【17.9kg筐体が支える厚み】

この記事の概要

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SANSUI AU-9900は、サイド端子構造とトロイダルトランスを採用した上級プリメインアンプです。

本記事では、AU-9900の特徴、同時代アンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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目次

SANSUI AU-9900の概要と特徴

SANSUI AU-9900の簡易スペック
型式プリメインアンプ
発売時期1975年頃
定価118,000円
実効出力80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)
82W+82W(4Ω、8Ω、1kHz)
全高調波歪率0.08%以下
重量17.9kg

▼ 詳しいスペックはこちら

SANSUI AU-9900は、1975年頃に118,000円で発売されたプリメインアンプです。実効出力は80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、重量は17.9kgで、電源部と入力部まで大きく作り込んだ上級モデルとして位置づけられます。

特徴①|サイド端子構造の独創的なレイアウト

AU-9900は、キャビネット側面に音声入力端子と録音出力端子を配置しています。入力端子からファンクションスイッチまでの距離を短くすることで、微小信号を扱う入力部の配線を重視した構造になっています。

入力を近く、電源を遠くへ

サイド端子により、電源部と入力系統を離して配置しやすくなっています。ノイズや信号劣化への配慮が外観にも表れた設計です。

特徴②|80W+80Wとトロイダルトランス

  • 実効出力:80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)です。
  • 1kHz出力:82W+82W(4Ω、8Ω、1kHz)です。
  • 全高調波歪率:0.08%以下です。
  • ダンピングファクター:80(8Ω)です。

AU-9900は大きめのスピーカーにも余裕を持たせやすいですか?

電源部にはトロイダルトランスと15,000μFx2の電源コンデンサーが採用されています。出力段はパラレルプッシュプル方式で、80W級の出力を支える電源部の存在感がAU-9900の大きな魅力です。

特徴③|Phono1の感度/負荷切替

AU-9900はレコード再生を細かく追い込めますか?

Phono1は2mV、4mV、8mVの感度切替と、30kΩ、50kΩ、100kΩのインピーダンス切替に対応しています。Phono2も2.5mV/50kΩを備え、カートリッジに合わせて入力条件を細かく選べる構成です。

  • Phono1:2mV、4mV、8mV/30kΩ、50kΩ、100kΩです。
  • Phono2:2.5mV/50kΩです。
  • RIAA偏差:30Hz~15kHz ±0.3dBです。
  • Phono最大許容入力:1000mV(1kHz、THD0.1%以下)です。

特徴④|トリプルトーンと3段トーンセレクター

補正とフラットの切り替え

Bass、Midrange、Trebleの3系統トーンに加え、BassとTrebleは3ポイントのターンオーバーを選べます。部屋やスピーカーに合わせて音の重心を動かせる操作系です。

トーンディフィートではトーン回路とフィルター回路をバイパスできます。調整機能を使い込んだあとでも、基準になる聴き方へ戻しやすいところが実用的です。

SANSUI AU-9900と他のヴィンテージアンプとの比較

ここではSANSUI AU-9900と、同時代のプリメインアンプ3機種を比べます。出力、Phono入力、帯域、重量を見ると、AU-9900の上級機らしさが見えてきます。

SANSUI AU-9900とSANSUI AU-7900の比較

SANSUI AU-9900とSANSUI AU-7900との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-9900は80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、AU-7900は75W+75W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)です。出力値ではAU-9900が少し大きいです。
  • 全高調波歪率:AU-9900は0.08%以下、AU-7900は0.1%以下(定格出力時)です。歪率の掲載値ではAU-9900が低いです。
  • 周波数特性:AU-9900は10Hz~50kHz +0 -1dB、AU-7900は10Hz~50kHz +0 -1.5dBです。同じ帯域で許容幅はAU-9900が狭いです。
  • Phono1:AU-9900は2mV、4mV、8mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ、AU-7900は2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩです。感度切替まで見るとAU-9900が細かいです。
  • 重量:AU-9900は17.9kg、AU-7900は14.2kgです。筐体重量ではAU-9900が重いです。

SANSUI AU-9900とTechnics SU-8600の比較

SANSUI AU-9900とTechnics SU-8600との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-9900は80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、SU-8600は73W+73W(8Ω、20Hz~20kHz)です。8Ω時の連続出力ではAU-9900が大きいです。
  • 全高調波歪率:AU-9900は0.08%以下、SU-8600は0.08%です。歪率の掲載値は近い内容です。
  • 帯域表示:AU-9900のパワーバンドウィズは5Hz~50kHz、SU-8600の出力帯域幅は5Hz~70kHz -3dBです。出力帯域幅の上限表示ではSU-8600が広いです。
  • ダンピングファクター:AU-9900は80(8Ω)、SU-8600は50(8Ω)です。制動力の数値ではAU-9900が大きいです。
  • 重量:AU-9900は17.9kg、SU-8600は12.7kgです。重量ではAU-9900が重いです。

SANSUI AU-9900とPioneer SA-910の比較

SANSUI AU-9900とPioneer SA-910との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-9900は80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、SA-910は60W+60W(8Ω、20Hz~20kHz)と75W+75W(4Ω、20Hz~20kHz)です。8Ω時の出力値ではAU-9900が大きいです。
  • 全高調波歪率:AU-9900は0.08%以下、SA-910は0.1%以下です。歪率の掲載値ではAU-9900が低いです。
  • 周波数特性:AU-9900は10Hz~50kHz +0 -1dB、SA-910は7Hz~80kHz +0 -1dBです。上限帯域の表示ではSA-910が広いです。
  • Phono機能:AU-9900はPhono1に感度/負荷切替、SA-910はPhono2にレベルとインピーダンス切替を備えます。どちらもレコード入力の調整幅を持つタイプです。
  • 重量:AU-9900は17.9kg、SA-910は13.6kgです。筐体重量ではAU-9900が重いです。

SANSUI AU-9900とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

AU-9900は4Ω/8Ωで80W+80Wの実効出力を持ちます。ここでは入力値、インピーダンス、音圧レベルを見ながら、音量を整えやすいスピーカーを選びます。

  • JBL L112
  • ONKYO Monitor2000
  • YAMAHA NS-1000M

SANSUI AU-9900 × JBL L112

  • 互換性:L112は8Ω、許容入力は80W(連続プログラム)と100W(連続ピンクノイズ)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは89dB(新JIS)です。AU-9900と合わせる場合は、入力値を意識しながら、中音量から低域の量感を決めるのが合います。
  • 音質の向上:L112は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型で、30cmコーン型、13cmコーン型、2.5cmドーム型を搭載します。再生周波数帯域は―、クロスオーバーは1.1kHz、3.7kHzで、AU-9900の厚みをJBLらしい押し出しに乗せやすい構成です。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック、ソウル、フュージョン、ライブ録音に向きます。ベースラインとボーカルの存在感を楽しみたい時に合わせやすいです。

SANSUI AU-9900 × ONKYO Monitor2000

  • 互換性:Monitor2000は6Ω、最大入力160W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは90dB/W/mです。AU-9900では接続するスピーカー数を増やさず、発熱と音量を見ながら鳴らすのが大切です。
  • 音質の向上:Monitor2000は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のフロア型で、32cmコーン型、12cmドーム型、3cmドーム型を搭載します。再生周波数帯域は25Hz~45000Hz、クロスオーバーは600Hz、4kHzで、AU-9900の電源余裕を大型フロア型の低域に生かしやすい組み合わせです。
  • おすすめの音楽ジャンル:オーケストラ、プログレ、映画音楽、ジャズフュージョンに向きます。スケール感と細部の描写を両方楽しみたい時に合います。

SANSUI AU-9900 × YAMAHA NS-1000M

  • 互換性:NS-1000Mは8Ω、最大入力100W、推奨アンプ出力は50W~100W、出力音圧レベルは90dB/W/mです。AU-9900と合わせる場合は、推奨アンプ出力の範囲内で、ピークを出しすぎない音量管理がしやすいです。
  • 音質の向上:NS-1000Mは3ウェイ・3スピーカー・密閉方式のブックシェルフ型で、30cmコーン型、8.8cmドーム型、3.0cmドーム型を搭載します。再生周波数帯域は40Hz~20kHz、クロスオーバーは500Hz、6kHzで、AU-9900の低域制動とNS-1000Mの中高域の明瞭さを合わせやすい構成です。
  • おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、女性ボーカル、アコースティックに向きます。音像の輪郭と声の質感を丁寧に聴きたい時に合わせやすいです。

SANSUI AU-9900は、サイド端子構造、トロイダルトランス、Phono1の感度/負荷切替を備えた、1970年代中期のサンスイ上級プリメインらしい一台です。

スピーカーを合わせる時は、許容入力、インピーダンス、音圧レベルを確認しながら、低域の量感と中高域の抜けが自然にまとまる音量を探すと楽しみやすくなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

SANSUI AU-9900の詳細スペック一覧

型式プリメインアンプ
定価118,000円(1975年頃)
実効出力両ch動作:80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)
82W+82W(4Ω、8Ω、1kHz)
片ch動作:135W+135W(4Ω)
82W+82W(8Ω)
全高調波歪率0.08%以下
混変調歪率0.08%以下(70Hz:7kHz=4:1、SMPTE)
パワーバンドウィズ5Hz~50kHz(8Ω、IHF)
周波数特性10Hz~50kHz +0 -1dB(1W時)
RIAA偏差30Hz~15kHz ±0.3dB
ダンピングファクター80(8Ω)
チャンネルセパレーションPhono1、2:50dB以上(1kHz)
Aux1、2、Tuner、Tape1、2:60dB以上(1kHz)
Power amp:60dB以上(1kHz)
ハム及びノイズPhono1、2:75dB以上(IHF)
Aux1、2、Tuner、Tape1、2:90dB以上(IHF)
Power amp:100dB以上(IHF)
Phono最大許容入力1000mV(1kHz、THD0.1%以下)
入力感度/インピーダンスPhono1:2mV、4mV、8mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ
Phono2:2.5mV/50kΩ
Aux1、2、Tuner、Tape1、2(PIN):130mV/50kΩ
Tape1(DIN):130mV
Power amp:700mV/50kΩ
録音出力Tape rec1、2(PIN):130mV
Tape rec1(DIN):30mV
トーンコントロールBass:±13dB(50Hz)
Midrange:±5dB(1.5kHz)
Treble:±13dB(15kHz)
トーンセレクターBass:600Hz、300Hz、150Hz
Treble:2kHz、4kHz、8kHz
ラウドネスLow、High Boost:+8dB(10kHz)、+10dB(50Hz)
Low Boost:+10dB(50Hz)
ローフィルター-3dB、20Hz(12dB/oct)
-3dB、60Hz(12dB/oct)
ハイフィルター-3dB、7kHz(6dB/oct)
-3dB、12kHz(12dB/oct)
ミューティング0dB、-15dB、-30dB
消費電力180W(定格)
500W(最大)
外形寸法幅460x高さ160x奥行350mm
重量17.9kg
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