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KENWOOD(ケンウッド) KA-990Vを徹底解説!【ΣドライブtypeBとダンピングファクター1000】

この記事の概要

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KENWOOD KA-990Vは、VIG・DLDサーキットとΣドライブtypeBを搭載したインテグレーテッドアンプです。

本記事では、KA-990Vの特徴、同系統アンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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目次

KENWOOD KA-990Vの概要と特徴

KENWOOD KA-990Vの簡易スペック
型式VIG・DLDインテグレーテッドアンプ
発売時期1985年
定価79,800円
定格出力130W+130W(6Ω)
110W+110W(8Ω)
全高調波歪率0.004%(定格出力時)
0.003%(1/2定格出力時)
重量13.9kg

▼ 詳しいスペックはこちら

KENWOOD KA-990Vは、1985年に79,800円で発売されたインテグレーテッドアンプです。定格出力は130W+130W(6Ω)、110W+110W(8Ω)で、VIG・DLDサーキットを中心にした高出力設計が特徴です。

特徴①|VIG・DLDサーキットによる電源ノイズ対策

KA-990Vは、電源のノイズ成分をパワー増幅段へ伝えにくくするVIG回路を、アンプと電源の間に置いたVIG・DLDサーキットを採用しています。クリーンなエネルギー供給とDLD回路の持ち味を両立させることを狙った構成です。

KA-990Vは電源部に力を入れたアンプですか?

はい。大型トランスに加えて10,000μFのブロックケミコンを4本使用し、イコライザー用の専用巻線や安定化電源も採用しています。電源部と回路側の両面から広帯域・低歪率を狙ったアンプです。

特徴②|ΣドライブtypeBとダンピングファクター1000

  • ダンピングファクター:1000(50Hz)です。
  • 定格出力:130W+130W(6Ω)、110W+110W(8Ω)です。
  • 1kHz時の定格出力:155W+155W(4Ω)、115W+115W(8Ω)です。
  • 出力帯域幅:5Hz~70kHzです。

ΣドライブtypeBは、NFループをスピーカー端子までかける考え方を採用しています。スピーカー端子側の性能を意識した設計で、低域の輪郭を整えたいシステムにも合わせやすい内容です。

特徴③|CDダイレクトと3系統テープ端子

CD時代を意識した入力構成

KA-990Vは、CDとTape-Cポジションを含む8系統入力を備えています。CDダイレクトではインプットセレクターやモード、サブソニックなどをジャンプし、CD再生時の信号経路を短くする使い方ができます。

3系統のテープ端子は、A、B、Cそれぞれを起点にしたダビングに対応し、同一ソースから2台のデッキへの同時録音も可能です。

特徴④|MM/MC対応フォノと高速応答

フォノ入力はMM/MCに対応し、Phono MMは2.5mV/47kΩ、Phono MCは0.2mV/100Ωです。超Hi-GmFET差動入力とICを使ったイコライザーアンプを搭載しており、レコード再生にも配慮した入力段を備えています。

KA-990VはレコードとCDの両方を楽しみやすいですか?

はい。MM/MC対応のフォノ入力に加え、CDダイレクトも備えているため、アナログとデジタルの両方を1台でまとめやすい構成です。スルーレートは±100V/μs、ライズタイムは1.7μsで、ライン入力側の応答性も確認しやすいアンプです。

KENWOOD KA-990Vと他のヴィンテージアンプとの比較

ここでは、KENWOOD KA-990Vと同じケンウッド系のヴィンテージアンプを比べます。

出力、歪率、周波数特性、重量を見ると、KA-990Vの立ち位置が分かりやすくなります。

機種定格出力全高調波歪率重量
KENWOOD KA-990V130W+130W(6Ω)
110W+110W(8Ω)
0.004%(定格出力時、8Ω)13.9kg
KENWOOD KA-990SD125W+125W(6Ω)
105W+105W(8Ω)
0.004%(定格出力時、8Ω)11.0kg
KENWOOD KA-990D130W+130W(6Ω)
110W+110W(8Ω)
0.004%(定格出力時、8Ω)13.5kg
KENWOOD KA-1100SD180W+180W(6Ω)
150W+150W(8Ω)
0.004%(定格出力時、8Ω)14.7kg

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-990SDの比較

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-990SDとの比較は以下の通りです。

  • 定格出力:KA-990Vは130W+130W(6Ω)、KA-990SDは125W+125W(6Ω)です。6Ω時の出力値ではKA-990Vが少し大きいです。
  • 全高調波歪率:KA-990Vは0.004%(定格出力時、8Ω)、KA-990SDも0.004%(定格出力時、8Ω)です。定格出力時の歪率は同じです。
  • 回路構成:KA-990VはVIG・DLD、KA-990SDはSuperDLDです。電源まわりの考え方で個性が分かれます
  • 周波数特性:KA-990Vは1Hz~180kHz +0 -3dB、KA-990SDはDC~200kHz +0 -3dBです。上限帯域の表示ではKA-990SDが広いです。
  • 重量:KA-990Vは13.9kg、KA-990SDは11.0kgです。重量ではKA-990Vが重いです。

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-990Dの比較

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-990Dとの比較は以下の通りです。

  • 定格出力:KA-990Vは130W+130W(6Ω)、KA-990Dも130W+130W(6Ω)です。6Ω時の出力値は同じです。
  • 全高調波歪率:KA-990Vは0.004%(定格出力時、8Ω)、KA-990Dも0.004%(定格出力時、8Ω)です。歪率の掲載値は同じです。
  • 回路構成:KA-990VはVIG・DLD、KA-990DはNEW VIG・DLDです。世代違いのVIG・DLD系として見比べやすい関係です。
  • 出力帯域幅:KA-990Vは5Hz~70kHz、KA-990Dも5Hz~70kHzです。出力帯域幅の記載は同じです。
  • 重量:KA-990Vは13.9kg、KA-990Dは13.5kgです。重量ではKA-990Vが少し重いです。

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-1100SDの比較

KENWOOD KA-990VとKENWOOD KA-1100SDとの比較は以下の通りです。

  • 定格出力:KA-990Vは130W+130W(6Ω)、KA-1100SDは180W+180W(6Ω)です。6Ω時の出力値ではKA-1100SDが大きいです。
  • 全高調波歪率:KA-990Vは0.004%(定格出力時、8Ω)、KA-1100SDも0.004%(定格出力時、8Ω)です。定格出力時の歪率は同じです。
  • ダンピングファクター:KA-990Vは1000(50Hz)、KA-1100SDも1000(50Hz)です。制動力の数値は同じです。
  • 出力帯域幅:KA-990Vは5Hz~70kHz、KA-1100SDは5Hz~90kHzです。上限表示ではKA-1100SDが広いです。
  • 重量:KA-990Vは13.9kg、KA-1100SDは14.7kgです。重量ではKA-1100SDが重いです。

KENWOOD KA-990Vとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

KA-990Vは8Ωで110W+110W、6Ωで130W+130Wの定格出力を持つアンプです。スピーカーを合わせる時は、インピーダンス、許容入力、推奨アンプ出力、出力音圧レベルを見ながら音量を段階的に整えると、システム全体のバランスを取りやすくなります。

  • VICTOR SX-500Spirit
  • Pioneer S-955III
  • TANNOY Arden

KENWOOD KA-990V × VICTOR SX-500Spirit

  • 互換性:SX-500Spiritは6Ω、定格入力45W(EIAJ)、最大入力180W(EIAJ)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは90dB/W/mです。KA-990Vは6Ωで130W+130Wなので、最大入力を意識しつつ、小音量から中音量で細かく調整する音量管理が合います。
  • 音質の向上:SX-500Spiritは2ウェイ・2スピーカー・密閉方式のブックシェルフ型で、20cmコーン型、3.5cmドーム型を搭載します。周波数特性は40Hz~30kHz、クロスオーバーは3kHzで、KA-990Vの制動感を密閉型の自然な低域に合わせやすい構成です。
  • おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、室内楽、AOR、アコースティックに向きます。中域の質感と低域のまとまりを楽しみたい時に合わせやすいです。

KENWOOD KA-990V × Pioneer S-955III

  • 互換性:S-955IIIはインピーダンス―、瞬間最大入力220W、定格入力75W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは92dB/W/mです。KA-990Vと合わせる場合は、定格入力を意識して、立ち上がりの強い音源では音量を控えめに始める使い方が合います。
  • 音質の向上:S-955IIIは3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型で、36cmコーン型、6.5cmドーム型、リボン型を搭載します。再生周波数帯域は28Hz~120kHz、クロスオーバーは950Hz、5.5kHzで、KA-990Vの力感を大型ウーファーと広帯域ユニットに合わせやすい組み合わせです。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、オーケストラ、ライブ録音に向きます。大きなスケール感と高域の伸びを楽しみたい時に合わせやすいです。

KENWOOD KA-990V × TANNOY Arden

  • 互換性:Ardenは8Ω、許容入力85W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは91dB/Wです。KA-990Vは8Ωで110W+110Wなので、許容入力を見ながら、音量をゆっくり上げて厚みを整える音量管理が合います。
  • 音質の向上:Ardenは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式のフロア型で、38cm同軸型を搭載します。再生周波数帯域は30Hz~20kHz、クロスオーバーは1kHzで、KA-990Vの駆動力を同軸ユニットの定位感と大きな低域に合わせやすい内容です。
  • おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、男性ボーカル、ブルースに向きます。音像のまとまりと低域の豊かさを楽しみたい時に合わせやすいです。

KENWOOD KA-990Vは、VIG・DLDサーキット、ΣドライブtypeB、CDダイレクト、MM/MC対応フォノを備えた、1980年代中期のケンウッドらしい力感を持つインテグレーテッドアンプです。

スピーカーを合わせる時は、許容入力と出力音圧レベルを見ながら、低域が膨らみすぎず、ボーカルや楽器の芯が自然に出る音量を探すと楽しみやすくなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

KENWOOD KA-990Vの詳細スペック一覧

型式VIG・DLDインテグレーテッドアンプ
定価79,800円(1985年発売)
定格出力(両ch動作)20Hz~20kHz:130W+130W(6Ω、THD 0.006%)
110W+110W(8Ω、THD 0.004%)
1kHz:155W+155W(4Ω、THD 0.004%)
115W+115W(8Ω、THD 0.004%)
全高調波歪率(20Hz~20kHz)Phono→SP端子:0.004%(定格出力時)
Tuner、AUX、Tape→SP端子:0.004%(定格出力時、8Ω)
0.003%(1/2定格出力時)
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1)Tuner、AUX、Tape→SP端子:0.004%(定格出力時、8Ω)
周波数特性Tuner、AUX、Tape→SP端子:1Hz~180kHz +0 -3dB
ダンピングファクター(50Hz)1000
入力感度/インピーダンスPhono MM:2.5mV/47kΩ
Phono MC:0.2mV/100Ω
Tuner、AUX、Tape:150mV/47kΩ
SN比(IHF-A)Phono MM→SP端子:88dB
Phono MC→SP端子:70dB(250μV)
Tuner、AUX、Tape→SP端子:108dB
トーンコントロールBass、200Hz:100Hz±10dB
Treble、3kHz:10kHz±10dB
ラウドネスコントロール+9dB(100Hz、Volume-30dB)
サブソニックフィルター(-3dB)18Hz、6dB/oct
ライズタイムTuner、AUX、Tape→SP端子:1.7μs
スルーレートTuner、AUX、Tape→SP端子:±100V/μs
出力帯域幅(歪率0.04%)Tuner、AUX、Tape→SP端子:5Hz~70kHz
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.003%)Phono MM:200mV
Phono MC:15mV
Phono RIAA偏差(20Hz~20kHz)±0.3dB
出力レベル/インピーダンスTape Rec:150mV/330Ω
電源AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力265W(電気用品取締法)
電源コンセント電源スイッチ連動:2系統、100W
電源スイッチ非連動:1系統、400W
外形寸法幅440x高さ158x奥行420mm
重量13.9kg
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