この記事の概要
※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。
KENWOOD DA-9010は、D/Aコンバーターを内蔵したデジタルインテグレーテッドアンプです。
本記事では、DA-9010の特徴、近い世代のアンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

ten
KENWOOD DA-9010の概要と特徴

| KENWOOD DA-9010の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | デジタルインテグレーテッドアンプ |
| 発売時期 | 1988年頃 |
| 定価 | 91,100円 |
| 定格出力 | 125W+125W(6Ω) 105W+105W(8Ω) |
| D/A部SN比 | 110dB(EIAJ) |
| 重量 | 18kg |
KENWOOD DA-9010は、1988年頃に91,100円で発売されたデジタルインテグレーテッドアンプです。定格出力は125W+125W(6Ω)、105W+105W(8Ω)で、デジタル入力と本格的なパワーアンプ部を一体化した構成が特徴です。
特徴①|ツインクォーツPLLとDPAC
DA-9010は、デジタル伝送時のクロック精度を整えるためにツインクォーツPLLを搭載しています。さらにDPACによってD/Aコンバーター直前で時間軸の揺らぎを吸収する設計としており、デジタル入力の時間精度を重視したアンプです。
- サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHzの自動切換です。
- D/A部SN比:110dB(EIAJ)です。
- D/A部全高調波歪率:0.0015%(EIAJ)です。
- チャンネルセパレーション:110dB(EIAJ)です。
特徴②|18ビットD/Aコンバーター構成
D/A変換部は、8倍オーバーサンプリング18ビットデジタルフィルターと18ビットリニア・デュアルD/Aコンバーターで構成されています。リアルステップ・フルビットD/Aコンバーターも採用しており、CDやDATのデジタル出力を直接受けたい時に個性が出る内容です。

DA-9010はデジタル機器を直接つなぎやすいですか?
はい。デジタル入力はOptical、Coaxial、DATモニターに対応し、デジタルアウトもCoaxialで備えています。CDプレーヤーやDATをデジタル接続する前提で組みやすいアンプです。
特徴③|440VA大型トランスとパラレルプッシュプル
電源部には440VA、6kgの大型トランスと15,000μFx2の電源コンデンサーを採用しています。パワーブロックはPc=120Wのハイパワートランジスタを片チャンネル4個使用したパラレルプッシュプルで、ローインピーダンス駆動を意識した力強い構成です。
- 定格出力:125W+125W(6Ω)、105W+105W(8Ω)です。
- ダイナミックパワー:340W+340W(2Ω)、230W+230W(4Ω)、140W+140W(8Ω)です。
- ダンピングファクター:150(50Hz)です。
- 定格消費電力:260Wです。
特徴④|グランド対策とフォトカプラー分離



DA-9010はノイズ対策も重視されていますか?
はい。ピュアシグナル・グランドラインに加え、D/Aコンバーターとパワーアンプ間にグランドアイソレーテッド・バランス伝送回路を採用しています。マイコン制御出力と信号系の間にはフォトカプラーを挿入し、デジタル系とアナログ系を分けて扱う設計です。
ソースダイレクト機能も搭載しており、ライン入力をシンプルに聴きたい時にも使えます。リモコンはRC-A9010が付属しています。
KENWOOD DA-9010と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、KENWOOD DA-9010と近いケンウッド系ヴィンテージアンプを比べます。出力、D/A部、周波数特性、重量を見ると、DA-9010の立ち位置が分かりやすくなります。
| 機種 | 定格出力 | D/A部 | 重量 |
|---|---|---|---|
| KENWOOD DA-9010 | 125W+125W(6Ω) 105W+105W(8Ω) | 内蔵 | 18kg |
| KENWOOD D-3300A | 180W+180W(6Ω) 150W+150W(8Ω) | 内蔵 | 19.7kg |
| KENWOOD KA-990EX | 130W+130W(6Ω) 110W+110W(8Ω) | ― | 15.5kg |
| KENWOOD KA-7050R | 110W+110W(6Ω) 100W+100W(8Ω) | ― | 15.4kg |
KENWOOD DA-9010とKENWOOD D-3300Aの比較
KENWOOD DA-9010とKENWOOD D-3300Aとの比較は以下の通りです。
- 定格出力:DA-9010は125W+125W(6Ω)、D-3300Aは180W+180W(6Ω)です。6Ω時の出力値ではD-3300Aが大きいです。
- D/A部SN比:DA-9010は110dB(EIAJ)、D-3300Aは105dB(EIAJ)です。D/A部SN比ではDA-9010が大きいです。
- D/A部歪率:DA-9010は0.0015%(EIAJ)、D-3300Aは0.003%(EIAJ)です。D/A部の歪率ではDA-9010が低いです。
- ダンピングファクター:DA-9010は150(50Hz)、D-3300Aは1000(50Hz)です。制動力の数値ではD-3300Aが大きいです。
- 重量:DA-9010は18kg、D-3300Aは19.7kgです。重量ではD-3300Aが重いです。
KENWOOD DA-9010とKENWOOD KA-990EXの比較
KENWOOD DA-9010とKENWOOD KA-990EXとの比較は以下の通りです。
- 定格出力:DA-9010は125W+125W(6Ω)、KA-990EXは130W+130W(6Ω)です。6Ω時の出力値ではKA-990EXが少し大きいです。
- D/A部:DA-9010はD/Aコンバーター内蔵、KA-990EXは―です。デジタル入力までアンプ側で受けるならDA-9010が個性的です。
- 全高調波歪率:DA-9010は1kHzで0.0008%(105W、CD、8Ω)、KA-990EXは1kHzで0.0006%(定格出力時、CD、8Ω)です。1kHz条件の数値ではKA-990EXが低いです。
- Phono最大許容入力:DA-9010はMM 200mV、MC 15mV、KA-990EXもMM 200mV、MC 15mVです。Phono最大許容入力は同じです。
- 重量:DA-9010は18kg、KA-990EXは15.5kgです。重量ではDA-9010が重いです。
KENWOOD DA-9010とKENWOOD KA-7050Rの比較
KENWOOD DA-9010とKENWOOD KA-7050Rとの比較は以下の通りです。
- 定格出力:DA-9010は105W+105W(8Ω)、KA-7050Rは100W+100W(8Ω)です。8Ω時の出力値ではDA-9010が少し大きいです。
- ダイナミックパワー:DA-9010は230W+230W(4Ω)、KA-7050Rは260W+260W(4Ω)です。4Ω時のダイナミックパワーではKA-7050Rが大きいです。
- 周波数特性:DA-9010は5Hz~90kHz、KA-7050Rは5Hz~100kHzです。上限帯域の表記ではKA-7050Rが広いです。
- D/A部:DA-9010はD/Aコンバーター内蔵、KA-7050Rは―です。デジタル入力の対応ではDA-9010が目立ちます。
- 重量:DA-9010は18kg、KA-7050Rは15.4kgです。重量ではDA-9010が重いです。
KENWOOD DA-9010とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


DA-9010は8Ωで105W+105W、6Ωで125W+125Wの定格出力を持つため、大型ブックシェルフやフロア型も音量を整えながら鳴らしやすいアンプです。D/Aコンバーター内蔵の個性を活かすなら、CDやDATのデジタル出力とスピーカーの能率を合わせて考えると組みやすくなります。
- Pioneer S-955III
- TANNOY Arden
- Rogers LS7t
KENWOOD DA-9010とPioneer S-955IIIの組み合わせ
Pioneer S-955IIIは、3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型スピーカーです。36cmウーファーとベリリウム系の中高域を備え、DA-9010のデジタル入力と組み合わせると、情報量と低域の量感を両立しやすい構成になります。
- 互換性:S-955IIIはインピーダンスが―、定格入力75W、瞬間最大入力220W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは92dB/W/mです。DA-9010は8Ωで105W+105Wなので、定格入力を意識し、音量を控えめな位置から上げる使い方が合います。
- 音質の向上:S-955IIIは36cmコーン型、6.5cmドーム型、リボン型の3ウェイ構成で、再生周波数帯域は28Hz~120kHz、クロスオーバーは950Hz/5.5kHzです。広帯域スピーカーとDA-9010の18ビットD/A構成を合わせることで、デジタル音源の見通しを活かしやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、フュージョン、シティポップ、ハイレゾ系リマスターに向きます。低域の余裕と高域の伸びを両方楽しみたい時に合わせやすいです。
KENWOOD DA-9010とTANNOY Ardenの組み合わせ
TANNOY Ardenは、2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式のフロア型スピーカーです。38cm同軸型ユニットを搭載しており、DA-9010のパワーと合わせると、定位感とスケール感をゆったり楽しめます。
- 互換性:Ardenは8Ω、許容入力85W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは91dB/Wです。DA-9010は8Ωで105W+105Wなので、許容入力を見ながら、広めの部屋でも音量を丁寧に整える使い方が向きます。
- 音質の向上:Ardenは38cm同軸型ユニットHPD385Aを使用し、再生周波数帯域は30Hz~20kHz、クロスオーバーは1kHzです。同軸ユニットの定位感とDA-9010のピュアシグナル・グランドラインを合わせることで、声や楽器のまとまりを出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、クラシック、ボーカル、アナログ録音のロックに向きます。音場の自然さとゆったりした低域を楽しみたい時に合います。
KENWOOD DA-9010とRogers LS7tの組み合わせ
Rogers LS7tは、2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型スピーカーです。20.5cmウーファーと2.5cmチタンドーム型の構成で、DA-9010のデジタル入力を使ったコンパクトなシステムにも合わせやすいモデルです。
- 互換性:LS7tは8Ω、最大入力200W(プログラム)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは88dB/W/mです。DA-9010は8Ωで105W+105Wなので、能率を考えて、音量を少しずつ上げながら低域の量を確認する使い方が合います。
- 音質の向上:LS7tは20.5cmコーン型と2.5cmドーム型の2ウェイ構成で、再生周波数帯域は55Hz~20kHz ±2dB、クロスオーバーは3kHzです。バスレフ方式の軽快さとDA-9010のツインクォーツPLLを合わせることで、CD再生の見通しを整えやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、アコースティック、ポップス、室内楽に向きます。近距離で音像をすっきり聴きたい時に合わせやすい組み合わせです。
DA-9010は、D/Aコンバーター内蔵、ツインクォーツPLL、DPAC、ピュアシグナル・グランドラインを備えた、デジタル時代初期の意欲がよく出たインテグレーテッドアンプです。
デジタル入力と105W+105W(8Ω)の出力を活かしながら、スピーカー側の入力値と部屋の広さに合わせて音量を整えると、CDやDATを中心にしたヴィンテージシステムを楽しみやすくなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
KENWOOD DA-9010の詳細スペック一覧
| 型式 | デジタルインテグレーテッドアンプ |
| 定価 | 91,100円(1988年頃) |
| 定格出力(20Hz~20kHz、両ch動作、THD 0.015%) | 125W+125W(6Ω) 105W+105W(8Ω) |
| ダイナミックパワー | 340W+340W(2Ω) 230W+230W(4Ω) 140W+140W(8Ω) |
| 高調波歪率(CD、8Ω) | 20Hz~20kHz:0.015%(105W)、0.01%(50W) 1kHz:0.0008%(105W) |
| 混変調歪率 | 0.0035%(60Hz:7kHz=4:1、定格出力時、8Ω) |
| 周波数特性 | 5Hz~90kHz +0 -3dB(オーバーオール Line→SP) |
| Phono RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.3dB |
| SN比 | Phono MM:78dB(EIAJ)、87dB(入力ショート) Phono MC:73dB(EIAJ)、70dB(入力ショート) DAT、CD、Tuner、AUX、Tape Play:80dB(EIAJ)、106dB(入力ショート) |
| トーンコントロール | Bass:100Hz、±10dB Treble:10kHz、±10dB |
| サブソニックフィルター | 18Hz、6dB/oct |
| バス・インテンシファイアー | 9dB(20Hz)、3dB(100Hz) |
| ダンピングファクター | 150(50Hz) |
| 入力感度/インピーダンス(定格出力時) | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:200μV/100Ω DAT、CD、Tuner、AUX、Tape Play:150mV/47kΩ |
| Phono最大許容入力(Phono→Tape Rec) | MM:200mV(1kHz、THD 0.008%) MC:15mV(1kHz、THD 0.008%) |
| 出力レベル/インピーダンス | Tape Rec:150mV/2.2kΩ |
| D/A部 サンプリング周波数 | 32kHz、44.1kHz、48kHz(自動切換) |
| D/A部 SN比 | 110dB(EIAJ) |
| D/A部 全高調波歪率 | 0.0015%(EIAJ) |
| D/A部 チャンネルセパレーション | 110dB(EIAJ) |
| デジタル入出力 | Optical受光電力:-14dBm~-23dBm Coaxial:0.5Vp-p/75Ω DATモニター:0.5Vp-p/75Ω デジタルアウト(Coaxial):0.5Vp-p/75Ω |
| ビデオ部 定格入力レベル/インピーダンス | 1Vp-p/75Ω |
| ビデオ部 定格出力レベル/インピーダンス | 1Vp-p/75Ω |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 定格消費電力 | 260W(電気用品取締法) |
| 電源コンセント | 電源スイッチ連動:1個、100W 電源スイッチ非連動:2個、300W |
| 外形寸法 | 幅440x高さ162x奥行422mm |
| 重量 | 18kg |
| 付属 | リモコン RC-A9010 |
