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Marantz PM-4は、A級15W+15WとAB級60W+60Wを切り替えられるプリメインアンプです。
本記事では、PM-4の特徴、同時代のヴィンテージアンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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Marantz PM-4の概要と特徴

| Marantz PM-4の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 発売時期 | 1980年頃 |
| 定価 | 74,800円 |
| 定格出力 | AB級:60W+60W(8Ω) A級:15W+15W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.015%(8Ω負荷、定格出力時) |
| 重量 | 9.5kg |
Marantz PM-4は、1980年頃に74,800円で発売されたステレオプリメインアンプです。定格出力はAB級で60W+60W(8Ω)、A級で15W+15W(8Ω)となっており、普段の使い勝手とA級動作の質感を1台で切り替えられる点が大きな魅力です。
特徴①|A級とAB級を切り替えられる出力構成

PM-4はA級とAB級で音量の考え方が変わりますか?
はい。PM-4はAB級で60W+60W(8Ω)、A級で15W+15W(8Ω)という2つの定格出力を持っています。大きめの音量や余裕を取りたいときはAB級、近距離で密度感を味わいたいときはA級というように、使う場面で動作モードを選べるのが特徴です。
出力段のバイアス電流を切り替える方式のため、単なるトーン調整ではなくアンプの動作そのものを変えて楽しめます。8Ω時の定格が両方示されているので、スピーカー選びの目安も立てやすいモデルです。
特徴②|Low-TIM設計と2ポール位相補正回路
PM-4は、パワーアンプ部からコントロール部までLow-TIM設計を採用したモデルです。オープンループゲインは64dB、NF量は26dBに抑えられており、過渡混変調歪を意識した設計思想が見えます。数値面では全高調波歪率が0.015%、混変調歪率も0.015%で、歪率の低さを前面に出した構成です。
- 全高調波歪率:0.015%(8Ω負荷、定格出力時)です。
- 混変調歪率:0.015%(8Ω負荷、定格出力時)です。
- 周波数特性:20Hz~20kHz +0 -0.3dB、5Hz~100kHz +0 -2dBです。
特徴③|外付けヒートシンクによる温度管理
PM-4は外付けヒートシンクを備えたデザインで、トランジスタの作動温度を約60℃前後に保つ方向で設計されています。A級動作を持つアンプでは熱の扱いが音や安定動作に関わるため、放熱を本体デザインの一部として成立させている点は見逃せません。
外付けヒートシンクは、PM-4の見た目を引き締めるだけでなく、A級/AB級切換えモデルらしい実用面にもつながっています。設置時は左右や背面の空間を取り、熱がこもりにくい環境で使いたいアンプです。
特徴④|MC対応フォノと高いSN比



PM-4はレコード再生にも向いていますか?
はい。PM-4はPhono1 MC入力を備え、Phono1、2 MMは2.5mV/47kΩ、Phono1 MCは200μV/100Ωです。SN比はPhono MMが84dB、Phono MCが64dB、Tape/Tuner/AUXが104dBで、MMとMCの両方を1台で扱える構成です。
RIAA偏差は20Hz~20kHzで±0.25dB、Phono最大許容入力はMMが330mV、MCが25mVです。アナログ再生を中心にしながら、ライン入力でも使いやすい仕様になっています。
特徴⑤|9.5kgの扱いやすい筐体に詰めた実力
PM-4の外形寸法は幅416x高さ117.5x奥行334mm、重量は9.5kgです。大型ハイエンド機のような重量級ではありませんが、AB級60W+60WとA級15W+15Wを備え、ダンピングファクタは70です。置き場所を選びすぎないサイズ感でA級動作を楽しめるところが、この機種らしいバランスです。
- 外形寸法:幅416x高さ117.5x奥行334mmです。
- 重量:9.5kgです。
- ダンピングファクタ:70(8Ω負荷、1kHz)です。
Marantz PM-4と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、Marantz PM-4と同時代のヴィンテージアンプを比べます。A級/AB級切換え、高出力DCアンプ、純A級アンプを並べると、PM-4の立ち位置が見えやすくなります。
| 機種 | 定格出力 | 全高調波歪率 | 周波数特性 | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| Marantz PM-4 | AB級:60W+60W(8Ω) A級:15W+15W(8Ω) | 0.015%(8Ω負荷、定格出力時) | 20Hz~20kHz +0 -0.3dB 5Hz~100kHz +0 -2dB | 9.5kg |
| YAMAHA A-9 | classA:30W+30W(8Ω、0.0025%) classB:120W+120W(8Ω、0.0025%) | Tuner、Aux、Tape-SP out(60W、8Ω、classB):0.0025% Tuner、Aux、Tape-SP out(15W、8Ω、classA):0.002% | Tuner-SP out:4Hz~100kHz +0 -0.5dB | 21kg |
| LUXMAN L-550 | 50W+50W(A級動作、8Ω、両ch動作) | 0.005%以下(8Ω、両ch動作、-3dB) | 10Hz~100kHz -1dB | 21.4kg |
| SANSUI AU-D707F Extra | 100W+100W(8Ω、10Hz~20kHz、THD 0.003%) 100W+100W(8Ω、1kHz、THD 0.002%) | 0.003%以下(8Ω) | DC~300kHz +0 -3dB | 14.7kg |
Marantz PM-4とYAMAHA A-9の比較
Marantz PM-4とYAMAHA A-9との比較は以下の通りです。
- 定格出力:PM-4はAB級60W+60W(8Ω)、A級15W+15W(8Ω)です。A-9はclassBで120W+120W(8Ω)、classAで30W+30W(8Ω)です。出力値ではA-9が大きいです。
- 全高調波歪率:PM-4は0.015%(8Ω負荷、定格出力時)です。A-9はTuner/Aux/Tape-SP outでclassB時0.0025%、classA時0.002%です。公開値ではA-9が低いです。
- 周波数特性:PM-4は5Hz~100kHz +0 -2dB、A-9はTuner-SP outで4Hz~100kHz +0 -0.5dBです。広帯域の偏差表記ではA-9が細かいです。
- 重量:PM-4は9.5kg、A-9は21kgです。設置の軽さではPM-4が扱いやすいです。
Marantz PM-4とLUXMAN L-550の比較
Marantz PM-4とLUXMAN L-550との比較は以下の通りです。
- 定格出力:PM-4はA級15W+15W(8Ω)、AB級60W+60W(8Ω)です。L-550は50W+50W(A級動作、8Ω、両ch動作)です。A級動作の出力値ではL-550が大きいです。
- 全高調波歪率:PM-4は0.015%(8Ω負荷、定格出力時)、L-550は0.005%以下(8Ω、両ch動作、-3dB)です。公開値ではL-550が低いです。
- 周波数特性:PM-4は20Hz~20kHz +0 -0.3dB、5Hz~100kHz +0 -2dBです。L-550は10Hz~100kHz -1dBです。どちらも100kHzまでの値が示されているため、広帯域志向のモデルとして比べやすいです。
- 重量:PM-4は9.5kg、L-550は21.4kgです。筐体の重さではL-550が大きいです。
Marantz PM-4とSANSUI AU-D707F Extraの比較
Marantz PM-4とSANSUI AU-D707F Extraとの比較は以下の通りです。
- 定格出力:PM-4はAB級60W+60W(8Ω)、A級15W+15W(8Ω)です。AU-D707F Extraは100W+100W(8Ω、10Hz~20kHz、THD 0.003%)です。8Ω時の出力値ではAU-D707F Extraが大きいです。
- 全高調波歪率:PM-4は0.015%(8Ω負荷、定格出力時)、AU-D707F Extraは0.003%以下(8Ω)です。数値ではAU-D707F Extraが低いです。
- ダンピングファクタ:PM-4は70(8Ω負荷、1kHz)、AU-D707F Extraは100(8Ω)です。公開値ではAU-D707F Extraが大きいです。
- 重量:PM-4は9.5kg、AU-D707F Extraは14.7kgです。設置しやすさを重視するならPM-4が軽いです。
Marantz PM-4とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


Marantz PM-4は、AB級60W+60W(8Ω)とA級15W+15W(8Ω)を切り替えられるため、スピーカーの能率や入力値に合わせて音量を決めやすいアンプです。
ここでは、インピーダンス、入力値、出力音圧レベル、周波数帯域を確認しながら、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを考えます。
Marantz PM-4とVICTOR SX-3IIIとの組み合わせ
- 互換性:VICTOR SX-3IIIはインピーダンス6Ω、最大入力60W(ミュージック・パワー)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは89dB/W/mです。PM-4は8Ω時にAB級60W+60W、A級15W+15Wなので、A級では近距離中心、AB級では音量を上げすぎない設定が合わせやすいです。
- 音質の向上:SX-3IIIは2ウェイ・2スピーカー・密閉方式で、25cmコーン型ウーファーと5cmドーム型を搭載しています。再生周波数帯域は35Hz~20000Hz、クロスオーバー周波数は1800Hzです。PM-4のダンピングファクタ70と組み合わせると、密閉型らしい低域の輪郭を整えやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:ボーカル、室内楽、アコースティックギター、70年代ポップスに向いた組み合わせです。SX-3IIIの密閉型らしいまとまりとPM-4のA級動作を使うと、小音量でも声や弦の質感を追いやすくなります。
Marantz PM-4とLo-D HS-500との組み合わせ
- 互換性:Lo-D HS-500はインピーダンス8Ω、最大入力20W(70Hz以上連続)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは88dB/W/mです。PM-4はA級15W+15W(8Ω)を備えるため、A級動作を中心に音量を丁寧に合わせる使い方が向いています。
- 音質の向上:HS-500は2ウェイ・2スピーカー・ダンプドバスレフ方式で、20cmコーン型とホーン型を組み合わせています。周波数帯域は40Hz~20kHz、35Hz~20kHz(-8dB無響室)、30Hz~20kHz(-15dB無響室)で、クロスオーバー周波数は3kHzです。PM-4のLow-TIM設計と合わせると、ホーン型の明瞭さを生かした聴き方がしやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、ピアノトリオ、古い録音のロック、歌謡曲に合わせたい組み合わせです。HS-500のホーン型高域とPM-4のA級動作を使うと、音像を前に出しすぎず、輪郭のある再生を狙えます。
Marantz PM-4とALTEC LANSING 620A Monitorとの組み合わせ
- 互換性:ALTEC LANSING 620A Monitorはインピーダンス8Ω、許容入力45W(連続プログラム)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは103dBです。PM-4はAB級60W+60W(8Ω)、A級15W+15W(8Ω)なので、高能率を生かして小さめのボリューム位置から調整するのが自然です。
- 音質の向上:620A Monitorは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式で、38cm同軸型604-8Gを搭載しています。再生周波数帯域は20Hz~22kHz、クロスオーバー周波数は1.5kHzです。PM-4のA級15W+15Wでも十分な音量を得やすく、同軸型らしい定位感と大口径らしいスケールを楽しみやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ビッグバンド、ブルース、ソウル、ライブ録音、映画音楽に向いた組み合わせです。620A Monitorの103dBという出力音圧レベルを生かし、PM-4の音量を控えめに始めると、余裕のある鳴り方を作りやすくなります。
Marantz PM-4は、スペックだけを見ると重量級の大出力アンプではありません。しかし、AB級60W+60WとA級15W+15Wを切り替えられることで、能率の異なるスピーカーに合わせた楽しみ方ができます。
A級動作の質感を小音量で楽しむか、AB級で少し余裕を持たせるか。その切り替えを含めて、PM-4はヴィンテージらしい操作感と音の変化を味わえるプリメインアンプです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
Marantz PM-4の詳細スペック一覧
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動) | AB級:60W+60W(8Ω) A級:15W+15W(8Ω) |
| 全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.015%(8Ω負荷、定格出力時) |
| 混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.015%(8Ω負荷、定格出力時) |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.3dB 5Hz~100kHz +0 -2dB |
| ダンピングファクタ(8Ω負荷、1kHz) | 70 |
| 入力感度/インピーダンス | Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ Phono1 MC:200μV/100Ω Tape、Tuner、AUX:150mV/25kΩ |
| RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.25dB |
| SN比(IHF-A) | Phono MM:84dB Phono MC:64dB Tape、Tuner、AUX:104dB |
| トーンコントロール | 低域:±10dB(100Hz) 高域:±10dB(10kHz) |
| Phono最大許容入力(1kHz) | MM:330mV MC:25mV |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 定格消費電力(電気用品取締法) | 150W |
| 外形寸法 | 幅416x高さ117.5x奥行334mm |
| 重量 | 9.5kg |
