この記事の概要
※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。
Marantz PM-88SEは、1990年に発売されたステレオプリメインアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

ten
Marantz PM-88SEの概要と特徴

| Marantz PM-88SEの簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 発売時期 | 1990年 |
| 定価 | 90,000円 |
| 定格出力 | クラスAB:100W+100W(8Ω) 120W+120W(6Ω) 140W+140W(4Ω) クラスA:20W+20W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.008% |
| 重量 | 17.5kg |
Marantz PM-88SEは、クラスABで8Ω 100W+100W、6Ω 120W+120W、4Ω 140W+140W、クラスAで8Ω 20W+20Wの定格出力を持つステレオプリメインアンプです。
ダイナミックパワーはクラスAB時に6Ωで170W+170W、4Ωで220W+220W、2Ωで340W+340W。純A級20W/chとAB級大出力を切り替えて使えるスペシャルエディションとして楽しめます。
特徴①|純A級20W/chとAB級140W/chの切換え

PM-88SEはA級とAB級を使い分けられますか?
はい。クラスA時は20W+20W(8Ω)、クラスAB時は100W+100W(8Ω)、120W+120W(6Ω)、140W+140W(4Ω)です。
小音量ではA級、大きな駆動力が必要な場面ではAB級という聴き方を選べるのがPM-88SEの大きな魅力です。
特徴②|トロイダル・トランスと大容量電解コンデンサ
電源部にはトロイダル・トランスとカスタムメイドの大容量電解コンデンサを採用しています。ダイナミックパワーはクラスAB時に2Ωで340W+340Wです。電流供給能力を重視した電源部が、PM-88SEの余裕ある鳴り方を支えています。
特徴③|Pc100Wパワートランジスタのパラレル構成
パワーアンプ部には、Pc100Wのパワートランジスタをパラレル・プッシュプルで使用しています。回路構成は三段ダーリントン接続で、ダンピングファクターは180(8Ω、20Hz~10kHz)です。出力段と制動力の両方に力を入れた構成として、スピーカーをしっかり支える設計です。
- 全高調波歪率は0.008%です。
- 混変調歪率は0.008%です。
- 出力帯域幅は10Hz~50kHzです。
- ダンピングファクターは180です。
特徴④|ローノイズFET採用のフォノイコライザー



レコード再生にも向いていますか?
向いています。フォノはMCが250μV/100Ω、MMが2.5mV/47kΩで、SN比はMCが75dB、MMが85dBです。
フォノ最大許容入力はMCが16mV、MMが160mV。MM/MC切換に対応したフォノ入力により、レコード再生もシステムへ取り入れやすい構成です。
特徴⑤|銅メッキシャーシと3mm厚トップカバー
筐体はサイド・ダイキャスト、銅メッキシャーシ、3mm厚の防振トップカバーを採用しています。外形寸法は幅454x高さ165x奥行380mm、重量は17.5kgです。振動と高周波ノイズへの対策を重視した筐体構造も、PM-88SEらしいポイントです。
Marantz PM-88SEと他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、Marantz PM-88SEと、同じMarantzのヴィンテージアンプ3機種を比較します。対象はMarantz PM-80BL、Marantz PM-80、Marantz PM-90です。
| 項目 | Marantz PM-88SE | Marantz PM-80BL | Marantz PM-80 | Marantz PM-90 |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ |
| 定格出力 | クラスAB:100W+100W(8Ω) 120W+120W(6Ω) 140W+140W(4Ω) クラスA:20W+20W(8Ω) | クラスAB:140W+140W(4Ω) 120W+120W(6Ω) 100W+100W(8Ω) クラスA:20W+20W(8Ω) | クラスAB:140W+140W(4Ω) 120W+120W(6Ω) 100W+100W(8Ω) クラスA:20W+20W(8Ω) | A級動作時:― AB級動作時:25W+25W(8Ω) 180W+180W(4Ω) 150W+150W(6Ω) 130W+130W(8Ω) |
| ダイナミックパワー | クラスAB:170W+170W(6Ω) 220W+220W(4Ω) 340W+340W(2Ω) | クラスAB:340W+340W(2Ω) 220W+220W(4Ω) 170W+170W(6Ω) | クラスAB:340W+340W(2Ω) 220W+220W(4Ω) 170W+170W(6Ω) | ― |
| 全高調波歪率 | 0.008% | 0.0008% | 0.0008% | 0.0015% |
| 周波数特性 | CD・ソースダイレクト:10Hz~100kHz +0 -3dB | CD・ソースダイレクト:10Hz~100kHz +0 -3dB | CD・ソースダイレクト:10Hz~100kHz +0 -3dB | 10Hz~100kHz +0 -3dB |
| SN比 | Phono MC:75dB Phono MM:85dB High Level:107dB | Phono MC:75dB Phono MM:85dB High Level:105dB | Phono MC:75dB Phono MM:85dB High Level:105dB | High Level:111dB |
| ダンピングファクター | 180(8Ω、20Hz~10kHz) | 180(8Ω、20Hz~10kHz) | 180(8Ω、20Hz~10kHz) | ― |
| 消費電力 | 220W | 220W | 220W | 290W |
| 外形寸法 | 幅454x高さ165x奥行380mm | 幅454x高さ165x奥行380mm | 幅454x高さ165x奥行380mm | 幅454x高さ170x奥行460mm |
| 重量 | 17.5kg | 17.5kg | 17.5kg | 27.0kg |
Marantz PM-88SEとMarantz PM-80BLとの比較
Marantz PM-88SEとMarantz PM-80BLとの比較は以下の通りです。
- 定格出力:PM-88SEはクラスABで100W+100W(8Ω)、PM-80BLも100W+100W(8Ω)です。8Ω条件では同じです。
- クラスA出力:PM-88SEは20W+20W(8Ω)、PM-80BLも20W+20W(8Ω)です。数値は同じです。
- 全高調波歪率:PM-88SEは0.008%、PM-80BLは0.0008%です。数値ではPM-80BLが低いです。
- High Level SN比:PM-88SEは107dB、PM-80BLは105dBです。数値ではPM-88SEが高いです。
- 定価:PM-88SEは90,000円、PM-80BLは60,000円です。定価ではPM-88SEが高いです。
Marantz PM-88SEとMarantz PM-80との比較
Marantz PM-88SEとMarantz PM-80との比較は以下の通りです。
- 定格出力:PM-88SEはクラスABで140W+140W(4Ω)、PM-80も140W+140W(4Ω)です。4Ω条件では同じです。
- ダイナミックパワー:PM-88SEはクラスABで2Ω 340W+340W、PM-80も2Ω 340W+340Wです。数値は同じです。
- 全高調波歪率:PM-88SEは0.008%、PM-80は0.0008%です。数値ではPM-80が低いです。
- High Level SN比:PM-88SEは107dB、PM-80は105dBです。数値ではPM-88SEが高いです。
- 定価:PM-88SEは90,000円、PM-80は65,000円です。定価ではPM-88SEが高いです。
Marantz PM-88SEとMarantz PM-90との比較
Marantz PM-88SEとMarantz PM-90との比較は以下の通りです。
- 4Ω出力:PM-88SEはクラスABで140W+140W、PM-90は180W+180Wです。4Ω条件ではPM-90が大きいです。
- 8Ω出力:PM-88SEはクラスABで100W+100W、PM-90は130W+130Wです。8Ω条件でもPM-90が大きいです。
- 全高調波歪率:PM-88SEは0.008%、PM-90は0.0015%です。数値ではPM-90が低いです。
- High Level SN比:PM-88SEは107dB、PM-90は111dBです。数値ではPM-90が高いです。
- 重量:PM-88SEは17.5kg、PM-90は27.0kgです。重量ではPM-90が重いです。
Marantz PM-88SEとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


Marantz PM-88SEは、クラスABで4Ω 140W+140W、6Ω 120W+120W、8Ω 100W+100Wの定格出力を持つアンプです。ここでは大型フロア型、大型ブックシェルフ、小型モニターを分けて、入力値と音圧レベルに合わせて音量を整える組み合わせとして、SONY SS-G9、CORAL DX-7、ROGERS LS3/5Aを取り上げます。
Marantz PM-88SEとSONY SS-G9との組み合わせ
- 互換性:SS-G9はインピーダンス8Ω、定格最大入力120W、瞬間最大入力300W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベル94dB/W/mです。PM-88SEは8Ωで100W+100Wのため、定格最大入力120Wを目安に、余裕を持って音量を整える音量管理が合います。
- 音質の向上:SS-G9は4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・フロア型で、38cmコーン型、20cmコーン型、8cmバランスドライブ型、3.5cmバランスドライブ型を搭載しています。再生周波数帯域は27Hz~22000Hz、クロスオーバー周波数は300Hz、1200Hz、5000Hzです。PM-88SEのAB級出力と組み合わせることで、大型4ウェイのスケールと高能率の反応を楽しみやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:オーケストラ、ジャズ、ライブ音源に向いています。38cmウーファーと94dB/W/mの反応を活かし、広い音場と大きな音のうねりを味わえます。
Marantz PM-88SEとCORAL DX-7との組み合わせ
- 互換性:DX-7はインピーダンス8Ω、プログラムソース入力150W、瞬間最大入力300W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベル95dB/W/mです。PM-88SEは8Ωで100W+100Wのため、プログラムソース入力150Wを意識し、音量を段階的に合わせる音量管理ができます。
- 音質の向上:DX-7は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、31cmコーン型、9cmドーム型、3.6cmドーム型を搭載しています。再生周波数帯域は28Hz~33kHz、クロスオーバー周波数は450Hz、6kHzです。PM-88SEのソースダイレクトと合わせると、31cmウーファーの量感とハードドームの鮮度を素直に楽しめます。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、シティポップに向いています。95dB/W/mの高い反応とバスレフ方式を活かし、リズムの立ち上がりと中高域の明るさを楽しめます。
Marantz PM-88SEとROGERS LS3/5Aとの組み合わせ
- 互換性:LS3/5Aは入力インピーダンス15Ω、最大許容入力25W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベル82.5dB/W/mです。PM-88SEの15Ω定格出力は―、8Ωで100W+100Wのため、最大許容入力25Wを目安に、近距離で小音量から合わせる音量管理が大切です。
- 音質の向上:LS3/5Aは2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型で、10cmコーン型(KEF B110)と2.0cmドーム型(KEF T27 SP1032)を搭載しています。再生周波数帯域は70Hz~20kHz ±3dB、クロスオーバー周波数は3kHzです。PM-88SEのA級20W+20Wを小音量で使うと、小型密閉型の中域の密度を丁寧に聴けます。
- おすすめの音楽ジャンル:ボーカル、室内楽、アコースティックに向いています。82.5dB/W/mの能率を踏まえ、近めの距離で音像と声の質感をじっくり楽しめます。
Marantz PM-88SEは、純A級20W/chとAB級の大出力を切り替えられるプリメインアンプです。スピーカーの入力値、インピーダンス、出力音圧レベルを見ながら、最初は小さめの音量から整えると落ち着いて楽しめます。
大型スピーカーではAB級の出力余裕を、小型モニターではA級の小出力再生を活かせるのがPM-88SEの面白さです。CD、レコード、テープを含めたヴィンテージシステムにも組み込みやすい一台です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
詳細スペック一覧
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動) | クラスAB時:100W+100W(8Ω) 120W+120W(6Ω) 140W+140W(4Ω) クラスA時:20W+20W(8Ω) |
| ダイナミックパワー | クラスAB時:170W+170W(6Ω) 220W+220W(4Ω) 340W+340W(2Ω) |
| 全高調波歪率(20Hz~20kHz、8Ω負荷) | 0.008% |
| 混変調歪率(SMPTE) | 0.008% |
| 出力帯域幅(8Ω負荷、THD 0.03%) | 10Hz~50kHz |
| 周波数特性(CD・ソースダイレクト) | 10Hz~100kHz、+0 -3dB |
| ダンピングファクター | 180(8Ω負荷、20Hz~10kHz) |
| 入力感度/入力インピーダンス | Phono MC:250μV/100Ω Phono MM:2.5mV/47kΩ High Level:150mV/33kΩ |
| Phono最大許容入力(1kHz) | MC:16mV MM:160mV |
| RIAA偏差(20Hz~20kHz) | ±0.2dB |
| S/N比(Aネットワーク) | Phono MC:75dB Phono MM:85dB High Level:107dB |
| 電源電圧 | AV100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 220W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅454x高さ165x奥行380mm |
| 重量 | 17.5kg |
