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Marantz PM-94を徹底解説!【MOS FETトリプルプッシュプル】

この記事の概要

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Marantz PM-94は、1985年頃に228,000円で発売されたプリメインアンプです。MOS FET出力段、クォーターA回路、MCトランス、カッパータイトシャーシなどを備え、PM-84系のA級/AB級思想をさらに本格化したモデルとして見られます。

本記事では、Marantz PM-94の特徴、他のヴィンテージプリメインアンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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目次

Marantz PM-94の概要と特徴

Marantz PM-94の簡易スペック
型式プリメインアンプ
発売時期1985年頃
定価228,000円
定格出力35W+35W(純A級、8Ω)
140W+140W(AB級、8Ω)
220W+220W(AB級、8Ω)
周波数特性20Hz~20kHz +0 -0.2dB
重量23kg

▼ 詳しいスペックはこちら

PM-94は、定格出力として35W+35W(純A級、8Ω)、140W+140W(AB級、8Ω)、220W+220W(AB級、8Ω)が示されているプリメインアンプです。出力段にはMOS FETを採用し、クォーターA回路と組み合わせて小出力時の質感と大出力時の余裕を狙った構成になっています。

特徴①|MOS FETトリプルプッシュプル構成

PM-94は出力段に特徴があるアンプですか?

はい。PM-94の出力段にはMOS FETを採用したトリプルプッシュプル構成が使われています。高速スイッチングや高入力インピーダンスといったMOS FETの性質を、クォーターA回路と組み合わせた設計です。

  • 純A級出力:35W+35W(8Ω)です。
  • AB級出力:140W+140W(8Ω)です。
  • 出力帯域幅:10Hz~40kHz(THD 0.008%、8Ω)です。

特徴②|クォーターAの滑らかな動作切替

PM-94は、最大出力の1/4までは純A級、それ以上ではAB級へ自動的に移行するクォーターA回路を採用しています。PM-94では検出速度が高められており、A級領域とAB級領域の移り変わりをなめらかにする方向で設計されています。

全高調波歪率は0.01%(4Ω)、0.005%(8Ω)で、混変調歪率は0.005%です。ダンピングファクターは120(8Ω)とされています。

特徴③|High/Low切替のMCトランス

MCカートリッジへの対応力

PM-94は、MC入力用に左右独立のMCトランスを搭載しています。入力感度/インピーダンスはPhono MC(High):350μV/40Ω、Phono MC(Low):125μV/3Ωで、High/Lowを切り替えてMCカートリッジを受けられる仕様です。

Phono MMは2.5mV/47kΩに対応しています。RIAA偏差は20Hz~20kHzで±0.2dB、SN比はPhono MMが90dB、Phono MCが76dB、Tape/Tuner/CD/Auxが100dBです。

特徴④|カッパータイトシャーシと大型電源

PM-94は物量面でも本格的なアンプですか?

はい。PM-94は大型トランス、90,000μFの大型電解コンデンサー、カッパータイトシャーシを採用しています。電源部とシャーシの物量を重視した設計で、外形寸法は幅454x高さ146x奥行410mm、重量は23kgです。

消費電力は395Wです。設置時は奥行410mmと23kgの重量に加え、放熱スペースも見込んでおきたいモデルです。

Marantz PM-94と他のヴィンテージプリメインアンプとの比較

ここでは、Marantz PM-94とA級動作や高級プリメイン設計に特徴を持つヴィンテージアンプ3機種を、定格値を中心に並べます。

項目Marantz PM-94Marantz PM-95Marantz PM-84LUXMAN L-570
発売時期/価格1985年頃/228,000円1988年発売/319,000円1983年頃/125,000円1989年6月/350,000円
型式プリメインアンプデジタルインテグレーテッドアンププリメインアンプインテグレーテッド・アンプ
8Ω出力35W+35W(純A級)
140W+140W(AB級)
220W+220W(AB級)
Aクラス:30W+30W
ABクラス:120W+120W
30W+30W(純A級)
120W+120W(AB級)
50W+50W(A級動作)
4Ω出力Aクラス:50W+50W
ABクラス:190W+190W
190W+190W(1kHz)
全高調波歪率0.01%(4Ω)
0.005%(8Ω)
0.008%(20Hz~20kHz、8Ω負荷)0.015%(20Hz~20kHz、8Ω)0.01%以下(8Ω、定格出力、20Hz~20kHz)
周波数特性20Hz~20kHz +0 -0.2dB10Hz~150kHz +0 -3dB20Hz~20kHz +0 -0.2dBCD、Tuner、Line、Tape:10Hz~100kHz -1dB以内
ダンピングファクター120(8Ω)200(8Ω負荷、1kHz)120(8Ω)
フォノ入力MM:2.5mV/47kΩ
MC(High):350μV/40Ω
MC(Low):125μV/3Ω
MM:2.5mV/47kΩ
MC:250μV/100Ω
High MC:2.5mV/1kΩ
MM:2.5mV/50kΩ
MC:100μV/100Ω
消費電力395W330W290W270W
外形寸法幅454x高さ146x奥行410mm幅454x高さ170x奥行457mm幅416x高さ146x奥行410mm幅438x高さ176x奥行467mm
重量23kg27.2kg18kg30kg

Marantz PM-94とMarantz PM-95の比較

Marantz PM-94とMarantz PM-95との比較は以下の通りです。

  • 8Ω出力:PM-94は純A級35W+35W、PM-95はAクラス30W+30Wで、A級領域の出力値はPM-94が大きいです。
  • D/A部:PM-95はD/Aコンバーター部を持ち、PM-94は―のため、デジタル入力まで本体で扱うならPM-95です。
  • ダンピングファクター:PM-94は120、PM-95は200で、数値はPM-95の方が高いです。
  • 重量:PM-94は23kg、PM-95は27.2kgで、PM-94の方が軽い筐体です。

Marantz PM-94とMarantz PM-84の比較

Marantz PM-94とMarantz PM-84との比較は以下の通りです。

  • A級出力:PM-94は35W+35W、PM-84は30W+30Wで、A級領域の出力値はPM-94が大きいです。
  • 歪率:PM-94は8Ωで0.005%、PM-84は0.015%で、全高調波歪率の数値はPM-94が小さいです。
  • 周波数特性:どちらも20Hz~20kHz +0 -0.2dBで、この項目は同じ数値です。
  • 重量:PM-94は23kg、PM-84は18kgで、PM-94の方が重い筐体です。

Marantz PM-94とLUXMAN L-570の比較

Marantz PM-94とLUXMAN L-570との比較は以下の通りです。

  • A級出力:PM-94は35W+35W、L-570は50W+50Wで、A級動作の出力値はL-570が大きいです。
  • フォノ入力:PM-94はMC High/Low、L-570はMC 100μV/100Ωで、MC入力の表記条件に違いがあります
  • 消費電力:PM-94は395W、L-570は270Wで、数値はPM-94の方が大きいです。
  • 重量:PM-94は23kg、L-570は30kgで、L-570の方が重い筐体です。

Marantz PM-94とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

Marantz PM-94は、純A級35W+35WとAB級の大出力を持つプリメインアンプです。ここでは、インピーダンス、許容入力、推奨アンプ出力、出力音圧レベルを確認しながら、ヴィンテージスピーカー3機種との組み合わせを考えます。

Marantz PM-94とMonitor Audio Studio20 heritageとの組み合わせ

  • 互換性:Monitor Audio Studio20 heritageはインピーダンス8Ω、許容入力120W、出力音圧レベル88dBです。PM-94は純A級35W+35WとAB級出力を持つため、許容入力120Wを意識して音量を管理する組み合わせです。推奨アンプ出力は―です。
  • 音質の向上:Studio20 heritageは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型で、17cmコーン型と2.6cmドーム型の構成です。周波数特性は30Hz~30kHz、クロスオーバー周波数は3.5kHzです。
  • おすすめの音楽ジャンル:30Hzまで伸びる帯域と88dBの能率を踏まえると、クラシック、女性ボーカル、ジャズ、広がりを聴くポップスに合わせやすい組み合わせです。

Marantz PM-94とHARBETH HL-P3ESとの組み合わせ

  • 互換性:HARBETH HL-P3ESはインピーダンス6Ω、最大許容入力45W(連続)、出力音圧レベル82.5dB/W/mです。PM-94は出力に余裕があるため、小音量から慎重に上げる音量管理が合います。推奨アンプ出力は―です。
  • 音質の向上:HL-P3ESは2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型で、11cmコーン型と1.9cmドーム型の構成です。再生周波数帯域は76Hz~20kHz ±3dB、クロスオーバー周波数は3.5kHz(18dB/oct)です。
  • おすすめの音楽ジャンル:小型密閉型と82.5dB/W/mの能率を踏まえると、ボーカル、室内楽、ピアノ、深夜の近接リスニングに向く組み合わせです。

Marantz PM-94とINFINITY IRS-SIGMAとの組み合わせ

  • 互換性:INFINITY IRS-SIGMAはインピーダンス4Ω、推奨アンプ出力100W~500W/channel、感度87dB(1m/2.83V)です。PM-94はAB級の大出力を持つため、推奨アンプ出力の下限を満たしやすい組み合わせです。許容入力は―です。
  • 音質の向上:IRS-SIGMAは4ウェイ・5スピーカー・密閉方式・フロア型で、30cmコーン型、16cmコーン型、HE-EMIM、前面/後面HE-EMITを搭載しています。周波数特性は30Hz~42kHz ±2dB、クロスオーバー周波数は160Hz、600Hz、3.8kHzです。
  • おすすめの音楽ジャンル:4ウェイ密閉型と広帯域の構成を活かして、オーケストラ、フュージョン、映画音楽、低域から高域までレンジ感のある録音に合います。

Marantz PM-94は、A級領域とAB級領域を使い分けられる出力設計に加え、MOS FET出力段やMCトランスなど、アナログ再生にも力の入ったプリメインアンプです。

小型スピーカーでは音量を控えめに、大型4Ωスピーカーでは放熱と設置環境を整えながら使うと、PM-94の余裕を活かしやすくなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Marantz PM-94の詳細スペック一覧

項目内容
型式プリメインアンプ
定格出力(20Hz~20kHz)35W+35W(純A級、8Ω)
140W+140W(AB級、8Ω)
220W+220W(AB級、8Ω)
出力帯域幅10Hz~40kHz(THD 0.008%、8Ω)
全高調波歪率0.01%(4Ω)
0.005%(8Ω)
混変調歪率0.005%
周波数特性20Hz~20kHz +0 -0.2dB
ダンピングファクター120(8Ω)
入力感度/インピーダンスPhono MM:2.5mV/47kΩ
Phono MC(High):350μV/40Ω
Phono MC(Low):125μV/3Ω
Tape、Tuner、CD、Aux:150mV/25kΩ
出力インピーダンスPre out:220Ω
RIAA偏差20Hz~20kHz ±0.2dB
SN比Phono MM:90dB
Phono MC:76dB
Tape、Tuner、CD、Aux:100dB
Phono最大許容入力MM:220mV
MC:24mV
トーンコントロールBass:±10dB(100Hz)
Treble:±10dB(10kHz)
電源電圧AC100V、50Hz/60Hz
消費電力395W
最大外形寸法幅454x高さ146x奥行410mm
重量23kg
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