MENU

Technics SU-7300を徹底解説!【カレントミラー負荷を用いた増幅回路】

この記事の概要

※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。

Technics SU-7300は、1976年頃に35,800円で発売されたステレオプリメインアンプです。

1kHzで42W+42W(4Ω)、39W+39W(8Ω)、20Hz〜20kHzで36W+36W(8Ω)の実効出力を持ち、サイド端子構造による信号経路の整理を特徴とするモデルです。

本記事では、Technics SU-7300の特徴、他のヴィンテージプリメインアンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせをまとめます。

この記事の著者
目次

Technics SU-7300の概要と特徴

Technics SU-7300の簡易スペック
型式ステレオプリメインアンプ
発売時期1976年頃
価格35,800円
実効出力1kHz:42W+42W(4Ω)
39W+39W(8Ω)
20Hz〜20kHz:36W+36W(8Ω)
全高調波歪率0.08%
周波数特性Phono:RIAA標準カーブ±0.3dB
Tuner:7Hz〜80kHz +0 -3dB
消費電力95W
重量6.0kg

▼ 詳しいスペックはこちら

SU-7300は、左右の端子配置や信号の流れを意識した構成が印象的なプリメインアンプです。出力は8Ωで39W+39W(1kHz)、36W+36W(20Hz〜20kHz)とされ、中規模のブックシェルフや高能率スピーカーを現実的な音量で鳴らしやすいスペックです。

特徴①|サイド端子構造で信号経路を整理

SU-7300は、入力端子を右サイド、スピーカー端子を左サイドに配置した構造が特徴です。

入力から増幅、出力までの流れを意識したレイアウトで、配線の流れに沿ったシンプルな構成を狙った設計といえます。

特徴②|カレントミラー負荷を用いた増幅回路

SU-7300は回路面でもこだわりがありますか?

はい。イコライザ回路には、カレントミラー負荷による初段差動増幅器構成のICが採用されています。

また、メインアンプ部のプリドライブ段にもカレントミラー負荷の差動増幅器が使われ、低歪率を意識した増幅段として整理できます。

特徴③|6,800μFx2の電源コンデンサと高密度巻トランス

  • 電源トランス:高密度巻トランスを搭載しています。
  • 電解コンデンサ:6,800μFx2を搭載しています。
  • 整流:ゲルマニウムダイオードを使用しています。
  • 消費電力:95Wです。

定格上の出力は大出力級ではありませんが、電源部の構成が明記されているため、設計の方向性を把握しやすいモデルです。

特徴④|パワーメーターと実用的な操作系

SU-7300には、レンジを0dBと-10dBで切り換えられるパワーメーターが搭載されています。

さらにローフィルター、ラウドネススイッチ、独立したテープモニタと録音モードセレクタも備え、1970年代のプリメインらしい操作の楽しさも持っています。

特徴⑤|6.0kgの扱いやすい筐体サイズ

SU-7300は設置しやすいサイズですか?

はい。外形寸法は幅410x高さ140x奥行315mm、重量は6.0kgです。大型アンプほどの重量はなく、ヴィンテージアンプ入門にも置き場所を考えやすいサイズ感といえます。

使いこなしのポイント

SU-7300は負荷インピーダンスがMain or Remoteで4Ω〜16Ωとされています。スピーカーを1組で使う場合でも、音量を上げすぎず余裕を残して鳴らすと、ヴィンテージアンプらしい自然な聴き方がしやすくなります。

Technics SU-7300と他のヴィンテージプリメインアンプとの比較

ここでは、Technics SU-7300と、1970年代のヴィンテージプリメインアンプ3機種を定格値で並べます。

項目Technics SU-7300Pioneer SA-8800SANSUI AU-607SONY TA-F5
発売時期/価格1976年頃/35,800円1975年頃/58,500円1976年発売/69,800円1977年発売/59,800円
型式ステレオプリメインアンプステレオプリメインアンプDCプリメインアンププリメインアンプ
実効出力1kHz:42W+42W(4Ω)
39W+39W(8Ω)
20Hz〜20kHz:36W+36W(8Ω)
45W+45W(4Ω)
40W+40W(8Ω)
20Hz〜20kHz
65W+65W(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.03%)
65W+65W(8Ω、1kHz、THD 0.003%)
70W+70W(8Ω、20Hz〜20kHz)
全高調波歪率/高調波歪率0.08%0.1%以下(実効出力時)
0.05%以下(20W/1W出力時、8Ω)
0.03%以下(20Hz〜20kHz、実効出力時)0.04%(20Hz〜20kHz、実効出力時)
出力帯域幅8Hz〜55kHz、-3dB(両ch、8Ω)5Hz〜30kHz(歪率0.1%)5Hz〜50kHz(8Ω、THD 0.03%)5Hz〜35kHz(IHF、8Ω)
ダンピングファクター45(8Ω)25以上(8Ω)60(8Ω)40(1kHz、8Ω)
Phono入力感度2.5mV/47kΩ2.5mV/50kΩ2.5mV/47kΩ2.5mV
SN比Phono:78dB
Tuner:97dB
Phono:70dB以上
Tuner/Aux/Tape PB:90dB以上
Phono1、2:77dB以上
Aux/Tuner/Tape play:100dB以上
消費電力95W100W(定格)
280W(最大)
185W160W
外形寸法幅410x高さ140x奥行315mm幅420x高さ150x奥行345mm幅430x高さ168x奥行389mm幅410x高さ145x奥行370mm
重量6.0kg10.9kg15.3kg7.2kg

Technics SU-7300とPioneer SA-8800の比較

Technics SU-7300とPioneer SA-8800との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:SU-7300は39W+39W(8Ω/1kHz)、SA-8800は40W+40W(8Ω/20Hz〜20kHz)で、8Ω出力の数値は近いです。
  • ダンピングファクター:SU-7300は45(8Ω)、SA-8800は25以上(8Ω)で、数値上はSU-7300の方が高いです。
  • 重量:SU-7300は6.0kg、SA-8800は10.9kgで、SU-7300の方が設置時の負担は軽めです。
  • 価格:SU-7300は35,800円、SA-8800は58,500円で、発売時価格はSU-7300の方が抑えられています

Technics SU-7300とSANSUI AU-607の比較

Technics SU-7300とSANSUI AU-607との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:SU-7300は36W+36W(8Ω/20Hz〜20kHz)、AU-607は65W+65W(8Ω/20Hz〜20kHz)で、出力の余裕はAU-607が大きいです。
  • 歪率:SU-7300は0.08%、AU-607は0.03%以下で、定格上の低歪率ではAU-607が強いです。
  • 重量:SU-7300は6.0kg、AU-607は15.3kgで、筐体重量はAU-607がかなり重いです。
  • Phono入力:どちらも2.5mV系で、MMカートリッジを使う基本条件は近いです。

Technics SU-7300とSONY TA-F5の比較

Technics SU-7300とSONY TA-F5との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:SU-7300は36W+36W(8Ω/20Hz〜20kHz)、TA-F5は70W+70W(8Ω/20Hz〜20kHz)で、出力値はTA-F5が大きいです。
  • 高調波歪率:SU-7300は0.08%、TA-F5は0.04%で、TA-F5の方が低い数値です。
  • ダンピングファクター:SU-7300は45(8Ω)、TA-F5は40(1kHz、8Ω)で、数値は近い範囲です。
  • 重量:SU-7300は6.0kg、TA-F5は7.2kgで、どちらも比較的扱いやすい重量帯です。

Technics SU-7300とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

SU-7300は、Main or Remoteで4Ω〜16Ωの負荷インピーダンスに対応するプリメインアンプです。ここでは、8Ω前後で能率が極端に低すぎないヴィンテージスピーカーを中心に、音量管理もしやすい組み合わせを考えます。

Technics SU-7300とVICTOR SX-3との組み合わせ

  • 互換性:SX-3は8Ω、最大入力50W、出力音圧レベル88dB/W/mです。SU-7300は8Ωで36W+36W(20Hz〜20kHz)なので、中音量中心でボリュームを上げすぎない運用が向いています。推奨アンプ出力は―です。
  • 音質の向上:SX-3は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式で、25cmコーン型ウーファーと5cmソフトドーム型を搭載しています。周波数特性は35Hz〜20kHz、クロスオーバー周波数は2kHzで、密閉型らしい低域のまとまりとソフトドームの自然な中高域を狙えます。
  • おすすめの音楽ジャンル:ボーカル、フォーク、室内楽、小編成ジャズに向きます。派手さよりも声や楽器の質感を落ち着いて聴きたい場合に使いやすい組み合わせです。

Technics SU-7300とTechnics SB-4500との組み合わせ

  • 互換性:SB-4500は6Ω、瞬間最大入力75W、出力音圧レベル92.5dB/W/mです。SU-7300は4Ω〜16Ωの負荷に対応しており、6Ωスピーカーでも音量を控えめから中程度に保つことで扱いやすくなります。推奨アンプ出力は―です。
  • 音質の向上:SB-4500は2ウェイ・2スピーカー・リニアフェイズバスレフ方式のフロア型で、25cmコーン型と6cmコーン型を搭載しています。クロスオーバー周波数は2000Hz、能率は92.5dB/W/mで、SU-7300の出力でも音量を得やすい組み合わせです。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック、ポップス、フュージョン、70年代歌謡に合います。軽快なリズムと前に出る中域を楽しみたいときに選びやすい組み合わせです。

Technics SU-7300とTRIO LS-202との組み合わせ

  • 互換性:LS-202は8Ω、定格入力70W、最大入力100W、出力音圧レベル90dB/W/mです。SU-7300は8Ωで36W+36W(20Hz〜20kHz)なので、スピーカーの入力余裕を活かしつつ過大音量を避ける使い方が合います。推奨アンプ出力は―です。
  • 音質の向上:LS-202は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式で、25cmコーン型、10cmコーン型、4cmコーン型を搭載しています。周波数特性は35Hz〜20kHz、クロスオーバー周波数は1kHz/6kHzで、3ウェイ構成による帯域分担の明瞭さを期待できます。
  • おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、AOR、シティポップ、クラシックの小〜中編成に向きます。低域から高域までの見通しを整えて聴きたい場合に合わせやすい組み合わせです。

Technics SU-7300は、数値上は大出力を誇るタイプではありませんが、4Ω〜16Ω対応、8Ωで36W+36Wという定格を踏まえると、能率の高いスピーカーや中規模のブックシェルフと合わせやすいアンプです。

パワーメーターを眺めながら音量を追い込みすぎず、レコードやFM、テープを気軽に楽しむシステムにすると、SU-7300らしい1970年代の雰囲気を味わいやすいでしょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Technics SU-7300の詳細スペック一覧

型式ステレオプリメインアンプ
実効出力(両ch)1kHz:42W+42W(4Ω)
39W+39W(8Ω)
20Hz〜20kHz:36W+36W(8Ω)
全高調波歪率0.08%
出力帯域幅(両ch、8Ω)8Hz〜55kHz、-3dB
残留雑音0.7mV
ダンピングファクター45(8Ω)
負荷インピーダンスMain or Remote:4Ω〜16Ω
入力感度/インピーダンスPhono:2.5mV/47kΩ
Tuner、Aux、Tape1、2:150mV/47kΩ
Phono最大入力(1kHz、RMS)150mV
SN比(IHF-A)Phono:78dB
Tuner:97dB
周波数特性Phono:RIAA標準カーブ±0.3dB
Tuner:7Hz〜80kHz +0 -3dB
トーンコントロールBass:50Hz、±12dB
Treble:20kHz、±12dB
フィルタLow:30Hz、-6dB/oct
ラウドネスコントロール(Volume -30dB)100Hz:+6dB
出力電圧Tape1、2:150mV
電源AC100V、50/60Hz
消費電力95W
外形寸法幅410x高さ140x奥行315mm
重量6.0kg
目次