ONKYO(オンキョー)HTS-SR10を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

ONKYO(オンキョー)HTS-SR10を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

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ONKYO HTS-SR10はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

ONKYO HTS-SR10の概要と特徴

ONKYO HTS-SR10の概要と特徴
ONKYO HTS-SR10のスペック
方式2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ)
使用ユニット低域用:13cmコーン型
高域用:2.5cmドーム型
インピーダンス
再生周波数帯域50Hz~35kHz
出力音圧レベル91dB/W/m
最大入力135W(EIAJ)
外形寸法幅214x高さ273x奥行161mm

ONKYO HTS-SR10は1999年に発売したスピーカーシステムです。

エンクロージャーはバスレフ効果を高めるため、ダブルダクトを採用しています。

以下から、ONKYO HTS-SR10の特徴について詳しく解説します。

①:振動板にはOMFダイヤフラムを採用

ONKYO HTS-SR10の振動板には、OMF(Onkyo Micro Fiber)ダイヤフラムが採用されています。

OMFダイヤフラムってなに?

OMFダイヤフラムは、ONKYO(オンキョー)が開発した特殊な振動板のことです。

ちなみに、振動板はスピーカーの中心部にあり、音を発生させる役割を果たしています。

以下では、OMFダイヤフラムの特徴を解説します。

  1. 高い音質:OMFダイヤフラムは、微細な繊維を高密度に組み合わせた構造をしています。この特殊な構造によって、振動板が非常に軽く、かつ剛性が高いため、音の歪みを最小限に抑えることができます。結果として、クリアで美しい音質を実現しています。
  2. 幅広い音域の再現:このダイヤフラムの素材と構造は、低音から高音まで幅広い音域を均等に再現する能力があります。音楽を聴く際に、各楽器の音や歌声が自然に響くといった特徴もあります。
  3. 耐久性の向上:OMFダイヤフラムは、従来の振動板に比べて耐久性が高いです。長時間の使用や高い音量でも、性能が低下することなく、長く安定した音質を楽しむことができます。

②:スピーカーのネットワーク部にはS.G.L.型・1点集中回路を採用

ONKYO HTS-SR10のスピーカーのネットワーク部には、S.G.L.(Steady Ground Level)型・1点集中回路が採用されています。

S.G.L.型・1点集中回路は、スピーカーのネットワーク部における特定の設計手法です。

音声信号の基準となるグランド(接地)部分に関連しています。

以下は、S.G.L.型・1点集中回路の特徴やメリットです。以下は、S.G.L.型・1点集中回路の特徴やメリットです。

  • 安定した接地:S.G.L.は「Steady Ground Level」の略で、文字通り「安定した接地レベル」を意味します。スピーカー内部の回路において、全ての接地点を1箇所に集中させることで、接地の安定性を高める設計です。
  • 音質の向上:接地が不安定だと、音声信号にノイズが混入しやすくなります。S.G.L.型・1点集中回路の採用によって接地の安定性が向上し、ノイズの混入を抑制します。その結果、クリアで純粋な音質が得られます。
  • 信号の正確な伝達:この設計によって音声信号の伝達経路が整理され、信号の損失や遅延が最小限に抑えられます。音楽の細部まで正確に再現することが可能になります。

そもそもスピーカーのネットワーク部ってなに?

スピーカーのネットワーク部は、音声信号を適切に処理して各部分に振り分ける役割を果たしています。

もう少し詳しく解説すると、多くのスピーカーは

  1. 低音を担当するウーファー
  2. 中音を担当するミッドレンジ
  3. 高音を担当するツイーター

など、異なる部分で構成されています。

さらに、ネットワーク部には「クロスオーバー」と呼ばれる回路があり、音声信号をこれらの部分に適切に振り分ける役割を果たします。

③:エンクロージャーに密閉方式を採用

ONKYO HTS-SR10のエンクロージャーには、密閉方式が採用されています。

エンクロージャーとは、スピーカーの振動板(ウーファー、ツイーターなど)を収める箱のことを指します。

この箱の形状や構造は、スピーカーの音質に大きく影響を与える重要な部分です。

そして、密閉方式というのは、エンクロージャーの中が完全に密閉された状態であることを指します。

以下は、エンクロージャーが密閉方式であることの特徴やメリットです。

  • 低音のクリアな再現:密閉式エンクロージャーは、振動板の背面からの音波が外部に漏れないように設計されています。その結果、低音が非常にクリアに再現されます。特に、音楽のリズムを感じるための重要な部分である低音の質が向上します。
  • 音の反響の抑制:密閉された箱の中で、音波が反響することなく吸収されるため、音の歪みや余分な響きが抑制されます。音楽がより自然で、原音に忠実に聞こえる効果があります。
  • コンパクトな設計:密閉方式は、他の方式に比べてエンクロージャーのサイズを小さくすることが可能です。

ONKYO HTS-SR10と他のヴィンテージスピーカーとの比較

ONKYO HTS-SR10と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはONKYO HTS-SR10だけではありません。

以下では

  • ONKYO Scepter SC-1
  • Pioneer S-N901-LR
  • YAMAHA NS-100

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

ONKYO HTS-SR10とONKYO Scepter SC-1との比較

ONKYO HTS-SR10とONKYO Scepter SC-1との比較は以下の通りです。

  • 方式:HTS-SR10は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式、SC-1は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式です。密閉方式は定在波の影響を抑えるために適していますが、バスレフ方式は低域の応答が向上します。どちらが優れているかは使用状況によります。
  • 使用ユニット:両方とも低域用にコーン型、高域用にドーム型を使用していますが、サイズが異なります。HTS-SR10の低域用は13cm、SC-1は12cmです。大きなサイズは低域の再生が向上する可能性があります。
  • 再生周波数帯域:SC-1の40Hz~45000HzはHTS-SR10の50Hz~35kHzより広い範囲をカバーしています。これにより、SC-1はより広い音域を再生できると言えます。
  • インピーダンス:HTS-SR10は8Ω、SC-1は4Ωです。4Ωの方が効率が良い場合が多いですが、アンプとの相性も考慮する必要があります。
  • 外形寸法:SC-1は幅224x高さ325x奥行290mmで、HTS-SR10の幅214x高さ273x奥行161mmより大きいです。
  • 重量:SC-1の11kgはHTS-SR10の4.2kgより重いです。重い方が安定感がありますが、設置には工夫が必要かもしれません。
  • 最大入力:HTS-SR10の135WはSC-1の100Wより高いです。大音量での再生にはHTS-SR10が適していると言えます。
  • 音質:両者ともに高品質な素材と技術が採用されています。HTS-SR10はOMFダイヤフラムやSライン・エッジなど、SC-1はバイオクロスコーンや真鍮削り出しのポール・フェイズ・イコライザーなどが特徴です。

ONKYO HTS-SR10とPioneer S-N901-LRとの比較

ONKYO HTS-SR10とPioneer S-N901-LRとの比較は以下の通りです。

  • 方式:ONKYO HTS-SR10は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式で、Pioneer S-N901-LRは3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式です。3ウェイのPioneerは中域の再現がより精緻で、音質のバランスが優れています。
  • 使用ユニット:ONKYOは低域用13cmコーン型、高域用2.5cmドーム型を使用しています。Pioneerは低域用16cmコーン型、中域用3.5cmドーム型、高域用2.5cmドーム型を使用しています。Pioneerの方が多彩なユニット構成で、音の表現が豊かです。
  • 再生周波数帯域:ONKYOは50Hz~35kHz、Pioneerは35Hz~60kHzです。Pioneerの方が広い周波数帯域を持ち、低音から高音までの再現性が高いです。
  • インピーダンス:ONKYOは8Ω、Pioneerは4Ω(定格)です。ONKYOの方が一般的なアンプとの相性が良いでしょう。
  • 外形寸法:ONKYOは幅214x高さ273x奥行161mm、Pioneerは幅210x高さ340x奥行312mmです。Pioneerの方が大きく場所を取りますが、音の広がりが期待できます。
  • 重量:ONKYOは4.2kg、Pioneerは7.9kgです。Pioneerの方が重く、安定感がありますが、設置には工夫が必要かもしれません。
  • 最大入力:ONKYOは135W(EIAJ)、Pioneerは100Wです。ONKYOの方が高い入力に対応しており、大音量での再生が可能です。
  • 音質:ONKYOはOMFダイヤフラムやSライン・エッジなどの独自技術を採用しています。PioneerはパルプコーンやPPTA樹脂フィルムなどを使用しています。両者ともに高い音質を提供しますが、ONKYOは低域の強さ、Pioneerは中高域のクリアさが特徴です。

ONKYO HTS-SR10とYAMAHA NS-100との比較

ONKYO HTS-SR10とYAMAHA NS-100との比較は以下の通りです。

  • 方式:ONKYO HTS-SR10は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ)で、YAMAHA NS-100は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計です。密閉方式とバスレフ方式の違いにより、音質の特性が異なります。ONKYOの方が低域の再生が強化されている印象です。
  • 使用ユニット:低域用にONKYOは13cmコーン型、YAMAHAは16cmコーン型を使用しています。高域用には、それぞれ2.5cmドーム型、3cmドーム型を採用。YAMAHAの方が大型のユニットを使用しているため、より力強い音が期待できます。
  • 再生周波数帯域:ONKYOは50Hz~35kHz、YAMAHAは38Hz~35kHzとなっており、YAMAHAの方が低域の再生が広がっています。低音の深みを求める方にはYAMAHAがおすすめです。
  • インピーダンス:ONKYOは8Ω、YAMAHAは6Ωです。インピーダンスの違いにより、アンプとの相性が変わるため、システム全体でのバランスを考慮する必要があります。
  • 外形寸法:ONKYOは幅214x高さ273x奥行161mm、YAMAHAは幅212x高さ416x奥行270mmとなっており、YAMAHAの方が大きいサイズです。
  • 重量:ONKYOは4.2kg、YAMAHAは8.6kgで、YAMAHAの方が重いです。重量が重いほど振動の影響を受けにくいとされるため、音質の安定性が期待できます。
  • 最大入力:ONKYOは135W(EIAJ)、YAMAHAは300Wとなっており、YAMAHAの方が大きな入力に対応しています。大音量での再生を楽しむ方にはYAMAHAが適しています。
  • 音質:ONKYOはOMFダイヤフラムやSライン・エッジなどの独自技術を採用しており、YAMAHAはPMDコーンやシルク素材のトゥイーターなどを採用しています。

ONKYO HTS-SR10とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

ONKYO HTS-SR10とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、ONKYO HTS-SR10とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

ONKYO HTS-SR10と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • YAMAHA CA-S1
  • VICTOR JA-S41
  • LUXMAN L-540

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

ONKYO HTS-SR10とYAMAHA CA-S1の組み合わせ

ONKYO HTS-SR10とYAMAHA CA-S1の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:ONKYO HTS-SR10のスピーカーシステムは、8Ωのインピーダンスを持ち、最大入力135W(EIAJ)に対応しています。一方、YAMAHA CA-S1のプリメインアンプは、90W+90W(8Ω)の実効出力を持ち、出力インピーダンスコントロールが可能です。これにより、両機種の組み合わせによって、音響システムの最適な調整が可能となります。
  • 音質の向上:ONKYO HTS-SR10のスピーカーシステムは、低域に13cmのコーン型ウーファー、高域に2.5cmソフトドーム型トゥイーターを採用しており、50Hz~35kHzの再生周波数帯域を持っています。これに対して、YAMAHA CA-S1のプリメインアンプは、10Hz~50kHzのパワーバンド幅を持ち、全高調波歪率が非常に低いです。この組み合わせにより、音質の向上が期待できます。
  • 機能の拡張:ONKYO HTS-SR10は、密閉方式のエンクロージャーを採用し、定在波を抑えつつ内容積の確保を実現しています。一方、YAMAHA CA-S1は、ローノイズDual FETやHigh Speed High-fTトランジスタの採用など、先進的なアンプ技術を駆使しています。これらの組み合わせにより、音響システムの機能が拡張され、より多岐にわたる音楽ジャンルやオーディオ環境に対応することが可能となります。

ONKYO HTS-SR10とVICTOR JA-S41の組み合わせ

ONKYO HTS-SR10とVICTOR JA-S41の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:ONKYO HTS-SR10は2ウェイ・2スピーカーの密閉方式で、インピーダンスが8Ω、最大入力が135Wです。一方、VICTOR JA-S41はプリメインアンプで、実効出力が65W+65W(8Ω)です。両者のインピーダンスと出力が一致しているため、互換性が高く、組み合わせて使用することが可能です。特に、JA-S41の全段直結ピュアコンプリメンタリーOCL回路とHTS-SR10の防磁設計が相互に効果を発揮し、安定した動作が期待できます。
  • 音質の向上:ONKYO HTS-SR10の低域には13cmのコーン型ウーファー、高域には2.5cmソフトドーム型トゥイーターが採用されており、再生周波数帯域が50Hz~35kHzです。VICTOR JA-S41の周波数特性が20Hz~50kHzであるため、両者を組み合わせることで、低音から高音まで幅広い周波数帯域をカバーし、よりリアルな音質を実現します。また、JA-S41の電源重視設計とHTS-SR10のS.G.L.型・1点集中回路が相乗効果を生み出し、クリアで歪みの少ない音質が得られます。
  • 機能の拡張:VICTOR JA-S41はA・B独立2電源方式や4連ツイン・ボリュームなどの高機能を持っており、ONKYO HTS-SR10と組み合わせることで、より高度な音響調整が可能になります。例えば、JA-S41のサブソニック・フィルターやラウドネス・スイッチを使用することで、HTS-SR10の音質をさらにカスタマイズし、自分好みの音楽体験を楽しむことができます。また、JA-S41の3大重点保護回路が、HTS-SR10のスピーカーをオーバーロードや不足から守り、長期間にわたって安心して使用することができます。

ONKYO HTS-SR10とLUXMAN L-540の組み合わせ

ONKYO HTS-SR10とLUXMAN L-540の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:ONKYO HTS-SR10は密閉方式のブックシェルフ型スピーカーで、8Ωのインピーダンスと50Hz~35kHzの再生周波数帯域を持っています。一方、LUXMAN L-540はインテグレーテッド・アンプで、8Ωでの100W+100Wの実効出力を持ちます。この組み合わせにより、スピーカーとアンプの間のインピーダンスのマッチングが適切に行われ、安定した動作が可能です。
  • 音質の向上:ONKYO HTS-SR10の低域用13cmコーン型ウーファーと高域用2.5cmドーム型トゥイーターは、OMFダイヤフラムとSライン・エッジの採用により、ダイナミックレンジの拡大と歪の低減を実現しています。LUXMAN L-540のピュアA級方式と多層構造の電源部は、A級の音質とAB級のパワーを組み合わせることで、音楽を純粋に再現します。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-540は、フォノ回路の4イコライザーアンプ構成やシグナルプロセッサー入力など、多岐にわたる機能を提供しています。ONKYO HTS-SR10の密閉エンクロージャーと台形フォルムの設計は、共振によるノイズを低減し、定在波を抑える効果があります。この組み合わせにより、様々な音源からの再生が可能となり、システム全体の機能が拡張されます。

ONKYO(オンキョー)HTS-SR10を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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