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KENWOOD LS-X900はヴィンテージなスピーカーです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。
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KENWOOD(ケンウッド)LS-X900の概要と特徴
KENWOOD(ケンウッド)LS-X900のスペック | |
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方式 | 4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計 |
ユニット | 低域用:27cmコーン型 中低域用:10cmコーン型 中高域用:5cmセミドーム型 高域用:ホーン型 |
周波数特性 | 28Hz~47kHz |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 170(EIAJ) |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
重量 | 16kg |
外形寸法 | 幅315x高さ530x奥行332mm |
KENWOOD LS-X900は1987年に発売したスピーカーシステムです。
中高域のスコーカーの振動板には、ケンウッド独自のプラズマダイヤモンド・セミドーム振動板を採用しています。
では、以下からKENWOOD LS-X900の特徴を解説します。
①:低域にはニューHRカーボン・コーン・ウーファーを搭載
KENWOOD LS-X900の低域には、ニューHRカーボン・コーン・ウーファーが搭載されています。
ニューHRカーボン・コーン・ウーファーってなに?
一言で解説するのは難しいので、言葉を分解しながら解説します。
まず、「HR」は「High Rigidity(高剛性)」を意味します。
高剛性を持つことで、ウーファーが発生する不要な振動や歪みを抑制し、クリアな低音を再生することが可能です。
また、「カーボン・コーン」とは、ウーファーの振動板(コーン)がカーボン素材で作られていることを指します。
カーボン素材は軽くて強いため、高い剛性と低い質量を両立させることができます。
以下は、ニューHRカーボン・コーン・ウーファーの利点です。
- 高い音質:高剛性(High Rigidity)により低音の歪みを減少させ、クリアな音質を実現します。
- 応答性の向上:カーボン素材の軽さによってウーファーの応答性が高まります。これにより低音が素早く、正確に再生されます。
- 耐久性:カーボン素材は熱や摩耗に強く、長時間の使用でも性能が低下しにくいです。
②:高域にはダイレクト・アクションダイアフラム・ホーン型トゥイーターを搭載
KENWOOD LS-X900の高域には、ダイレクト・アクションダイアフラム・ホーン型トゥイーターが搭載されています。
ダイレクト・アクションダイアフラムってなに?
「ダイレクト・アクションダイアフラム・ホーン型トゥイーター」という言葉の中で、1番の謎は「ダイレクト・アクションダイアフラム」だと思います。
「ダイレクト・アクションダイアフラム」とは、文字通り「直接動作する振動板(ダイアフラム)」を意味します。
一般的なスピーカーでは、電気信号が磁場を介して振動板を動かします。
しかし、「ダイレクト・アクションダイアフラム」の場合、この振動板が電気信号によって直接動きます。
「ダイレクト・アクションダイアフラム」の最大のメリットは、音の歪みが非常に少ないことです。
振動板が直接動くため、磁場による影響や機械的な摩擦が少なく、非常にクリーンな音を生成することができます。
これは特に高域の音において重要で、明瞭性が求められる場面でその価値を発揮します。
また、ダイレクト・アクションダイアフラムは、応答性が非常に高いという特性もあります。
振動板が素早く動くことで、音の細かなニュアンスやダイナミクスをしっかりと再現することが可能です。
ちなみに、「ホーン型トゥイーター」とは、高域の音を再生するスピーカーユニットの一種です。
トゥイーターは高域を担当するスピーカーユニットであり、ホーン型とはその形状がホーン状になっていることを指します。
③:エンクロージャーはラウンドバッフルとして回折現象を低減
KENWOOD LS-X900のエンクロージャーは、ラウンドバッフルとして回折現象が低減されています。
以下は、「エンクロージャーはラウンドバッフルとして回折現象を低減」という言葉を分割したものです。
- エンクロージャー:スピーカーユニットを収める箱のことを指します。このエンクロージャーの形状や材質、内部の構造は、スピーカーが出す音の品質に直接影響を与えます。
- ラウンドバッフル:エンクロージャーの形状が丸みを帯びていることを指します。一般的には四角い形状が多いエンクロージャーですが、ラウンドバッフルは曲線を用いることで、内部での音波の反射や回折を抑制します。
- 回折現象:音波が障害物などにぶつかった際に、その周りに曲がって進む現象を指します。この回折によって、音が不自然に聞こえる場合があります。特に、高音域ではこの回折現象が顕著に現れやすいです。
このように、KENWOOD LS-X900のエンクロージャーは、ラウンドバッフル形状によって回折現象を抑えています。
具体的には、エンクロージャー内部での音波の反射や回折が少なくなるため、よりクリアで自然な音質を実現しています。
KENWOOD LS-X900と他のヴィンテージスピーカーとの比較
当然ですが、ヴィンテージスピーカーはKENWOOD LS-X900だけではありません。
以下では
- YAMAHA NS-1000M
- ONKYO Monitor 100R
- DENON SC-A50
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
KENWOOD LS-X900とYAMAHA NS-1000Mとの比較
KENWOOD LS-X900とYAMAHA NS-1000Mとの比較は以下の通りです。
- 方式:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式で、YAMAHA NS-1000Mは3ウェイ・3スピーカー・密閉方式です。4ウェイ方式のLS-X900はより広い周波数帯域をカバーする能力がありますが、密閉方式のNS-1000Mは低域の制御が優れています。
- 使用ユニット:LS-X900は低域から高域まで4つのユニットを使用しています。一方で、NS-1000Mは3つのユニットで構成されています。LS-X900が多機能性と広い周波数帯域を提供する一方、NS-1000Mは特に中高域でベリリウム振動板を採用しており、音質の純度が高いです。
- 再生周波数帯域:LS-X900は28Hz~47kHz、NS-1000Mは40Hz~20kHzです。LS-X900がより広い周波数帯域をカバーしています。
- インピーダンス:LS-X900は6Ω、NS-1000Mは8Ωです。一般的に低いインピーダンスは高い出力を可能にしますが、アンプとのマッチングが重要です。
- 外形寸法:LS-X900は幅315x高さ530x奥行332mm、NS-1000Mは幅375x高さ675x奥行326mmです。NS-1000Mがやや大きいです。
- 重量:LS-X900は16kg、NS-1000Mは31kgです。NS-1000Mはかなり重いですが、これはしっかりとした構造と高品質な材料に起因していると考えられます。
- 最大入力:LS-X900は最大入力が170(EIAJ)、NS-1000Mは最大許容入力が100Wです。LS-X900がより高い入力を処理できます。
- 音質:LS-X900は4ウェイでワイドレンジを実現していますが、NS-1000Mはベリリウム振動板を採用して高純度な音質を提供します。評価としては、音質の純度を求めるならNS-1000M、多機能性と広い周波数帯域を求めるならLS-X900が優れています。
KENWOOD LS-X900とONKYO Monitor 100Rとの比較
KENWOOD LS-X900とONKYO Monitor 100Rとの比較は以下の通りです。
- 方式:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式であり、ONKYO Monitor 100Rは3ウェイ3スピーカー・バスレフ方式です。4ウェイのLS-X900はより広い周波数帯域をカバーする能力がありますが、3ウェイのMonitor 100Rはシンプルな構造であり、特定の周波数帯域に焦点を当てることができます。
- 使用ユニット:KENWOODは低域用に27cmコーン型、中低域用に10cmコーン型、中高域用に5cmセミドーム型、高域用にホーン型を使用しています。一方、ONKYOは低域用に32cmコーン型、中域用に10cm複合型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。ONKYOのユニットはより大きく、特に低域でのパフォーマンスが期待できます。
- 再生周波数帯域:KENWOODは28Hz~47kHz、ONKYOは25Hz~45kHzです。ONKYOはより低い周波数をカバーしていますが、KENWOODは高周波で優れています。
- インピーダンス:両者ともに6Ωのインピーダンスを持っています。
- 外形寸法:KENWOODは幅315x高さ530x奥行332mm、ONKYOは幅430x高さ680x奥行371mmです。ONKYOの方が大きいため、設置スペースが必要です。
- 重量:KENWOODは16kg、ONKYOは35kgです。ONKYOの方が重く、移動が大変です。評価としては、軽量性を求めるならKENWOODが優れています。
- 最大入力:KENWOODは最大入力が170(EIAJ)、ONKYOは150Wです。大音量を求める場合、KENWOODが優れています。
- 音質:KENWOODは4ウェイでワイドレンジを実現し、特に低音でのパフォーマンスが優れています。一方、ONKYOはマグネシウム合金ダイアフラムを採用し、高域でのクリアな音質が特長です。
KENWOOD LS-X900とDENON SC-A50との比較
KENWOOD LS-X900とONKYO Monitor 100Rとの比較は以下の通りです。
- 方式:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式であり、DENON SC-A50は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式です。4ウェイ設計のLS-X900はより広い周波数帯域をカバーできるため、音質に優れています。
- 使用ユニット:LS-X900は低域用に27cmコーン型、中低域用に10cmコーン型、中高域用に5cmセミドーム型、高域用にホーン型を使用しています。一方で、SC-A50は低域用に14cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型、超高域用に1.9cmドーム型を使用しています。
- 再生周波数帯域:LS-X900は28Hz~47kHz、SC-A50は43Hz~90kHzです。SC-A50の方が高周波数帯域が広いため、高音質の音源に対応しています。
- インピーダンス:両方ともインピーダンスは6Ωです。
- 外形寸法:LS-X900は幅315x高さ530x奥行332mm、SC-A50は幅170x高さ281x奥行217mmです。SC-A50の方がコンパクトで設置しやすいです。
- 重量:LS-X900は16kg、SC-A50は3.7kgです。SC-A50の方が軽量で移動が容易です。
- 最大入力:LS-X900は最大入力が170(EIAJ)、SC-A50は最大許容入力が120W(Peak) 80W(EIAJ)です。LS-X900の方が高い入力に対応しています。
- 音質:LS-X900は4ウェイでワイドレンジを実現し、多様なユニットと高い最大入力により、高音質が期待できます。一方、SC-A50も高周波数帯域が広く、次世代オーディオに対応していますが、ユニットの種類とサイズがLS-X900より小さいため、全体的にLS-X900が優れています。
KENWOOD LS-X900とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ
以下では、KENWOOD LS-X900とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。
KENWOOD LS-X900と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、
- LUXMAN L-309X
- SANSUI AU-888
- SONY TA-4650
です。
興味のある方は参考にしてみてください。
KENWOOD LS-X900とLUXMAN L-309Xの組み合わせ
KENWOOD LS-X900とLUXMAN L-309Xの組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:KENWOOD LS-X900はインピーダンスが6Ω、出力音圧レベルが91dB/W/mであり、LUXMAN L-309Xは連続実効出力が85W+85W(8Ω)です。この数値から見ても、両者は非常に良好な互換性を持っています。特に、L-309Xの出力能力とLS-X900の最大入力がしっかりとマッチしている点が評価できます。また、L-309Xにはスピーカーセレクターがあり、複数のスピーカーとの組み合わせも容易です。
- 音質の向上:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカーで、低域から高域まで非常に広い再生周波数帯域を持っています。一方で、LUXMAN L-309XはピュアDC構成インテグレーテッド・アンプで、高い解像度とダイナミクスを持っています。この組み合わせによって、低域の力強さと高域のクリアさが一層引き出され、非常にバランスの取れたサウンドが得られます。特に、LS-X900のホーン型高域ユニットとL-309Xの高域安定化技術が相まって、高域の解像度が格段に向上します。
- 機能の拡張:LUXMAN L-309Xは多くの先進的な機能を持っています。例えば、リニア・イコライザーやトーンコントロール、ボリューム・プリセット機構などがあります。これらの機能を活かすことで、KENWOOD LS-X900の音質をさらに引き出すことが可能です。特に、L-309Xのトーンコントロールを使用することで、LS-X900の4ウェイスピーカーから出る音を更に微調整することができます。
KENWOOD LS-X900とSANSUI AU-888の組み合わせ
KENWOOD LS-X900とSANSUI AU-888の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:KENWOOD LS-X900はインピーダンスが6Ω、出力音圧レベルが91dB/W/mであり、SANSUI AU-888は負荷インピーダンスが4Ω~16Ωと非常に広い範囲をカバーしています。このことから、両者は非常に高い互換性を持っていると言えます。特に、SANSUI AU-888のダンピングファクターが20となっている点は、KENWOOD LS-X900の低域の制御能力を高める可能性があります。
- 音質の向上:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカーで、低域から高域まで非常に広い再生周波数帯域を持っています。一方で、SANSUI AU-888は周波数特性が10Hz~70,000Hzと非常に広く、全高調波歪率も低いです。これにより、低域の深みから高域のクリアさまで、よりバランスの取れたサウンドを実現することが可能です。
- 機能の拡張:SANSUI AU-888はトーンコントロールが非常に豊富で、Bass、Midrange、Trebleの調整が可能です。これにより、KENWOOD LS-X900の音質をさらに微調整することができます。また、SANSUI AU-888にはハイフィルターとローフィルターも搭載されているため、不要な高域と低域をカットして、よりクリーンな音質を得ることができます。
KENWOOD LS-X900とSONY TA-4650の組み合わせ
KENWOOD LS-X900とSONY TA-4650の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:KENWOOD LS-X900のインピーダンスは6Ω、一方でSONY TA-4650は8Ωのスピーカーに対応しています。この差は大きくありませんが、アンプのダンピングファクターが45以上であることから、スピーカーとのマッチングは十分可能です。また、SONY TA-4650の実効出力は35W+35W(8Ω)であり、KENWOOD LS-X900の最大入力は170W(EIAJ)ですから、出力面でも問題はありません。
- 音質の向上:KENWOOD LS-X900は4ウェイ・4スピーカーであり、再生周波数帯域は28Hz~47kHzと非常に広いです。一方、SONY TA-4650は出力帯域特性が5Hz~70kHzとなっています。この組み合わせにより、低域から高域まで非常に広い帯域での再生が可能となります。特に、KENWOOD LS-X900の低域用27cmコーン型ウーファーとSONY TA-4650のV-FET採用アンプが合致することで、深みのある低音とクリアな高音が実現します。
- 機能の拡張:SONY TA-4650にはトーンコントロールやラウドネスコントロールが搭載されています。これにより、KENWOOD LS-X900の音質をさらに調整することが可能です。特に、SONY TA-4650のトーンコントロールでBassとTrebleを調整することで、KENWOOD LS-X900の4ウェイスピーカーから出る音を更に磨き上げることができます。
KENWOOD(ケンウッド)LS-X900を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。