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LUXMAN L-309Xは、1980年8月発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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LUXMAN L-309Xの概要と特徴

| LUXMAN L-309Xのスペック | |
|---|---|
| 発売時期 | 1980年8月 |
| 定価 | 158,000円 |
| 型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
| 連続実効出力 | 85W+85W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.01%以下 |
| 重量 | 17.0kg |
LUXMAN L-309Xは、L-309Vの改良型として内容を一新したインテグレーテッドアンプです。85W+85WのピュアDC構成、RET/EBT採用の出力段、大型トロイダル・パワートランスを備え、1970年代ラックスマンの多機能性を1980年代的な低歪率設計へ進めたモデルです。
特徴①|ピュアDC構成で低歪率を追い込む
L-309Xのパワーアンプ部は、DC構成を採用しています。出力段にはリング・エミッター・トランジスタ、ドライバー段にはエミッター・バラスト・トランジスターを投入し、スイッチング・タイムの短い素子でノッチ歪を抑える設計が特徴です。

RETやEBTは何のための部品ですか?
出力段やドライバー段の応答を整え、歪の発生を抑えるための素子です。L-309Xでは、全高調波歪率0.01%以下という定格にもつながる重要な設計です。
特徴②|大型トロイダル電源で駆動の余裕を作る
電源部には、大型トロイダル・パワートランスと15,000μF×2のブロックコンデンサーを採用しています。
- 連続実効出力は85W+85W(8Ω、20Hz〜20kHz)です。
- 消費電力は210Wです。
- 17.0kgの筐体重量からも、電源部を含めた物量が感じられます。
さらに音質改良型フィルム・コンデンサーなどを採用し、回路だけでなく部品選定でも音質を詰めています。
特徴③|DC化したプリアンプ部で信号を安定させる
L-309Xは、プリアンプ部のイコライザー段とフラットアンプ段もDC化しています。深いNFBだけに頼るのではなく、多めの動作電流でローインピーダンス化を図り、裸特性と高域安定性を改善する思想が取り入れられています。
Phono1は100kΩ、50kΩ、30kΩ、100Ωを切り替えられます。MM系だけでなく、条件によっては低インピーダンス入力も選べるため、カートリッジに合わせた追い込みがしやすい構成です。
特徴④|プリセットボリュームと音質補正機能が実用的
L-309Xは、プリセット機構付4連型ボリュームを搭載しています。実使用時のSN比改善を狙った機能で、最適音量レベルへ戻しやすい操作性も魅力です。



L-309Xは音質調整もできますか?
リニア・イコライザー、LUX方式NF型トーンコントロール、サブソニックフィルター、ハイカット、ローブーストを搭載しています。古いレコードや録音ごとのバランス差にも、自然に対応しやすいアンプです。
LUXMAN L-309Xと他のヴィンテージアンプとの比較


LUXMAN L-309Xと他のヴィンテージアンプを比較すると、以下のようになります。
| 項目 | LUXMAN L-309X | LUXMAN L-309V | SANSUI AU-D707F | YAMAHA CA-2000 |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 85W+85W(8Ω) | 80W+80W(8Ω) | 95W+95W(8Ω) | 120W+120W(8Ω、B級) |
| 高調波歪率 | 0.01%以下 | 0.03%以下 | 0.005%以下 | 0.01%以下(Main in→SP out、60W、B級、8Ω) |
| ダンピングファクター | ― | 40(8Ω) | 100(8Ω) | 45以上(8Ω) |
| 重量 | 17.0kg | 15.5kg | 14.0kg | 20kg |
| 消費電力 | 210W | 300W | 250W | 300W |
| サウンドキャラクター | ピュアDC構成らしい低歪率感とラックスマンらしい滑らかさ | 70年代ラックスマンらしい多機能で穏やかな方向性 | スーパー・フィードフォワードによる鋭い低歪率感 | A級/B級切換を備えた力感と緻密さ |
LUXMAN L-309XとLUXMAN L-309Vとの比較
LUXMAN L-309XとLUXMAN L-309Vとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-309Xは85W+85W、L-309Vは80W+80Wです。出力ではLUXMAN L-309Xがわずかに優れています。
- 高調波歪率:L-309Xは0.01%以下、L-309Vは0.03%以下です。数値上の低歪率ではLUXMAN L-309Xが有利です。
- ダンピングファクター:L-309Xは定格記載がなく、L-309Vは40です。数値比較ではLUXMAN L-309Vのみ確認できます。
- 重量:L-309Xは17.0kg、L-309Vは15.5kgです。物量ではLUXMAN L-309Xが上回ります。
- 消費電力:L-309Xは210W、L-309Vは300Wです。定格消費電力ではLUXMAN L-309Vが大きいです。
- 音の方向性:L-309Vは70年代ラックスマンの多機能性、L-309XはピュアDC化による低歪率感が魅力です。クリアさを重視するならLUXMAN L-309Xが選びやすいです。
LUXMAN L-309XとSANSUI AU-D707Fとの比較
LUXMAN L-309XとSANSUI AU-D707Fとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-309Xは85W+85W、AU-D707Fは95W+95Wです。出力ではSANSUI AU-D707Fが優れています。
- 高調波歪率:L-309Xは0.01%以下、AU-D707Fは0.005%以下です。数値上の低歪率ではSANSUI AU-D707Fが有利です。
- ダンピングファクター:L-309Xは定格記載がなく、AU-D707Fは100です。低域制動の数値ではSANSUI AU-D707Fのみ確認できます。
- 重量:L-309Xは17.0kg、AU-D707Fは14.0kgです。物量ではLUXMAN L-309Xが上回ります。
- 消費電力:L-309Xは210W、AU-D707Fは250Wです。消費電力ではSANSUI AU-D707Fが大きいです。
- 音の方向性:AU-D707Fは鋭い低歪率感、L-309Xは低歪率設計にラックスマンらしい滑らかさが加わる点が魅力です。聴きやすさと調整機能を重視するならLUXMAN L-309Xが合いやすいです。
LUXMAN L-309XとYAMAHA CA-2000との比較
LUXMAN L-309XとYAMAHA CA-2000との比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-309Xは85W+85W、CA-2000はB級時120W+120Wです。出力ではYAMAHA CA-2000が優れています。
- 高調波歪率:L-309Xは0.01%以下、CA-2000はMain in→SP outで0.01%以下です。数値上の低歪率では同等です。
- ダンピングファクター:L-309Xは定格記載がなく、CA-2000は45以上です。数値比較ではYAMAHA CA-2000のみ確認できます。
- 重量:L-309Xは17.0kg、CA-2000は20kgです。物量ではYAMAHA CA-2000が上回ります。
- 消費電力:L-309Xは210W、CA-2000は300Wです。電源規模ではYAMAHA CA-2000が大きいです。
- 音の方向性:CA-2000はA級/B級切換を備えた本格派、L-309XはピュアDC構成と音質補正機能の両立が魅力です。日常的な操作性まで含めるならLUXMAN L-309Xが扱いやすいです。
LUXMAN L-309Xとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


LUXMAN L-309Xは、8Ωで85W+85Wの連続実効出力を備えたピュアDC構成のプリメインアンプです。組み合わせでは、解像度の高い中高域や低域の量感を受け止められるヴィンテージスピーカーを選ぶと、L-309Xの低歪率感を活かしやすいです。
LUXMAN L-309Xと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- YAMAHA NS-1000M
- JBL L112
- TANNOY Cheviot
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
LUXMAN L-309XとYAMAHA NS-1000Mとの組み合わせ
LUXMAN L-309XとYAMAHA NS-1000Mとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-1000Mは8Ω、定格入力50W、最大許容入力100W、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ密閉方式ブックシェルフ型です。L-309Xの8Ω時85W+85Wと合わせる場合は、最大許容入力100Wの範囲でピークを抑える音量管理が大切です。
- 音質の向上:NS-1000Mは30cmコーン型ウーファー、8.8cmベリリウムドーム型スコーカー、3.0cmベリリウムドーム型トゥイーターを搭載し、40Hz〜20kHzを再生します。L-309Xの低歪率なピュアDC構成と合わせることで、ベリリウム中高域の解像度を滑らかに聴かせやすい組み合わせです。500Hz、6kHzのクロスオーバーにより、ボーカル帯域と高域の分離も見通しよくまとまります。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、女性ボーカル、フュージョンに向いています。細かな響きや定位をきれいに聴きたい人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-309XとJBL L112との組み合わせ
LUXMAN L-309XとJBL L112との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:L112は8Ω、許容入力80W(連続プログラム)、100W(IEC規格)、出力音圧レベル89dB/W/mの3ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフ型です。L-309Xの85W+85Wと合わせる場合は、IEC規格100Wを目安に余裕を残す使い方が扱いやすいです。
- 音質の向上:L112は30cmコーン型128H、13cmコーン型LE5-12、2.5cmドーム型044を搭載しています。L-309Xと組むことで、JBLらしい低域の量感とラックスマンの滑らかな中高域を両立しやすいです。1.1kHz、3.7kHzのクロスオーバーにより、ベースやドラムの存在感とボーカルの輪郭を自然にまとめやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、AOR、ファンクに向いています。低域の厚みとリズムの勢いを楽しみたい人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-309XとTANNOY Cheviotとの組み合わせ
LUXMAN L-309XとTANNOY Cheviotとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Cheviotは8Ω、許容入力60W、出力音圧レベル89dB/Wの2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式フロア型です。L-309Xの85W+85Wと合わせる場合は、許容入力60Wを超えないように音量を控えめに整える使い方が大切です。
- 音質の向上:Cheviotは31.5cm同軸型HPD315Aを搭載し、40Hz〜20kHzを再生します。L-309Xのリニア・イコライザーやトーン機能と合わせることで、同軸ユニットの定位感とフロア型らしいゆったりした音場を整えやすいです。1kHzのクロスオーバーにより、声や弦のまとまりも自然に出しやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズボーカル、アコースティック、室内楽に向いています。音像のまとまりと自然な余韻を重視する人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-309Xは、ピュアDC構成による低歪率感と、ラックスマンらしい音質調整機能を併せ持つプリメインアンプです。
密閉型の解像度、バスレフ型の量感、同軸型の定位感を選び分けることで、L-309Xの滑らかでクリアな持ち味を引き出しやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
LUXMAN L-309Xの詳細スペック一覧
| LUXMAN L-309Xのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
| 連続実効出力 | 85W+85W(8Ω、両ch動作、20Hz〜20kHz) |
| 全高調波歪率 | 0.01%以下(8Ω、85W、20Hz〜20kHz) |
| 混変調歪率 | 0.01%以下(8Ω、85W、60Hz:7kHz=4:1) |
| 周波数特性 | DC〜100kHz -1dB以内 |
| 入力感度/インピーダンス | Phono1:2.5mV/100kΩ、50kΩ、30kΩ、100Ω(切替可能)、Phono2:2.5mV/50kΩ、Tuner、AUX1、2:150mV/50kΩ |
| SN比(IHF-A) | Phono1、2:80dB以上、Tuner、AUX1、2:100dB以上 |
| トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点周波数切替付、低域湾曲点:150Hz、300Hz、600Hz、高域湾曲点:1.5kHz、3kHz、6kHz |
| フィルター | サブソニック:10Hz、20Hz(-6dB/oct)、ハイカット:7kHz、12kHz(-6dB/oct) |
| ローブースト | 100Hz(+6dB/oct.) |
| 付属装置 | リニア・イコライザー(downtilt2段階、flat、uptilt2段階)、ボリューム・プリセット機構、テープモニター回路(2系統)、テープダビング回路、アッテネーター(-20dB)、Phono1用入力インピーダンス調整、スピーカーセレクター、ヘッドホンジャック、DC検出によるスピーカー保護回路、過電流防止回路 |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 210W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅481x高さ166x奥行355mm |
| 重量 | 17.0kg |
