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LUXMAN L-507は、1973年9月発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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LUXMAN L-507の概要と特徴

| 項目 | LUXMAN L-507 |
|---|---|
| 型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
| 発売年 | 1973年9月 |
| 連続実効出力 | 50W+50W(8Ω、両ch同時動作) |
| 全高調波歪率 | 0.03%以下(8Ω、50W) |
| ダンピングファクター | 40(8Ω、20Hz〜20kHz) |
| トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点切換付 |
| 消費電力 | 200W(8Ω同時負荷、最大出力時) |
| 重量 | 11kg |
LUXMAN L-507は、ラックスを代表する500シリーズの最高位として発表されたプリメインアンプです。50W+50Wの連続実効出力、ダンピングファクター40、LUX方式NF型トーンコントロールを備え、70年代ラックスマンらしい端正な音作りが魅力です。
特徴①|全段直結ピュア・コンプリメンタリ方式を採用する
L-507のメインアンプ部には、全段直結ピュア・コンプリメンタリ方式が採用されています。出力段のBクラス動作部分にはNPN型とPNP型のパワートランジスタをダーリントン接続し、上下の半サイクルの対称性を意識した設計です。

全段直結は何が良いですか?
全段直結は、段間のコンデンサーを減らし、信号のつながりを素直にする考え方です。L-507では、低電流駆動による2段差動増幅回路でBクラス動作段を安定させ、ノッチング歪を抑える方向で設計されています。
特徴②|3段直結イコライザーでレコード再生を支える
プリアンプ部のイコライザー段には、NPN型-PNP型-NPN型のトランジスタで構成する3段直結回路が採用されています。
Phono1は50kΩ、65kΩ、90kΩの入力インピーダンス切換に対応し、Phono2は65kΩです。標準RIAAカーブとの偏差は±0.5dB以内に収められており、カートリッジに合わせた調整を行いやすい構成です。
- Phono1/2の入力感度は2.4mVです。
- Phonoの最大許容入力は300mVです。
- Phono1は入力インピーダンス切換を備えています。
特徴③|LUX方式NF型トーンで細かく音を整える
L-507は、変化特性の素直なLUX方式NF型トーンコントロールを搭載しています。低域の湾曲点は150Hz、300Hz、600Hz、高域の湾曲点は1.5kHz、3kHz、6kHzで、音源や部屋に合わせて補正ポイントを選べる点が特徴です。
トーン回路を使わず、よりフラットな方向で聴くための機能です。L-507では補正する聴き方と、素の音色を活かす聴き方を切り替えやすくなっています。
特徴④|フィルターとローブーストで再生環境に合わせる
L-507は、ローカット、ハイカット、ローブーストを搭載しています。ローカットは30Hz、ハイカットは8kHzで、レコードの反りやテープヒスなど、ソース由来の不要成分を整えたい場面で使いやすい設計です。
電源部のフィルタ回路には10,000μFの電解コンデンサを2個使用しています。さらに電源投入時と遮断時のショックノイズを抑えるため、ミューティング回路も搭載されています。
LUXMAN L-507と他のヴィンテージアンプとの比較


LUXMAN L-507と他のヴィンテージアンプを比較すると、以下のようになります。
| 項目 | LUXMAN L-507 | SANSUI AU-9500 | Pioneer SA-910 | YAMAHA CA-1000 |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 50W+50W(8Ω) | 75W+75W(8Ω、20Hz〜20kHz) | 60W+60W(8Ω、20Hz〜20kHz) | 70W+70W(8Ω、B級動作時) |
| 高調波歪率 | 0.03%以下(8Ω、50W) | 0.1%以下 | 0.1%以下(実効出力時) | 0.1%以下(実効出力時) |
| ダンピングファクター | 40(8Ω) | 50(8Ω) | 70以上(8Ω) | 70(8Ω) |
| 重量 | 11kg | 23.3kg | 13.6kg | 15.5kg |
| 消費電力 | 200W | 205W | 152W | 250W |
| サウンドキャラクター | ラックスマンらしい端正さとトーン調整の細かさ | 物量感とサンスイらしい厚み | 明快で操作系の多いパイオニアらしい音 | A級/B級切換によるしなやかさと力感 |
LUXMAN L-507とSANSUI AU-9500との比較
LUXMAN L-507とSANSUI AU-9500との比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-507は50W+50W、AU-9500は75W+75Wです。出力ではSANSUI AU-9500が優れています。
- 高調波歪率:L-507は0.03%以下、AU-9500は0.1%以下です。数値上の低歪率ではLUXMAN L-507が有利です。
- ダンピングファクター:L-507は40、AU-9500は50です。低域制動の数値ではSANSUI AU-9500が上回ります。
- 重量:L-507は11kg、AU-9500は23.3kgです。物量ではSANSUI AU-9500が大きく上回ります。
- 消費電力:L-507は200W、AU-9500は205Wです。電源入力の数値ではほぼ同等です。
- サウンドキャラクター:AU-9500は厚み、L-507はLUX方式NF型トーンとフォノ入力調整の細かさが魅力です。レコードの音色調整を楽しむならLUXMAN L-507が選びやすいです。
LUXMAN L-507とPioneer SA-910との比較
LUXMAN L-507とPioneer SA-910との比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-507は50W+50W、SA-910は60W+60Wです。出力ではPioneer SA-910が優れています。
- 高調波歪率:L-507は0.03%以下、SA-910は0.1%以下です。数値上の低歪率ではLUXMAN L-507が有利です。
- ダンピングファクター:L-507は40、SA-910は70以上です。低域制動の数値ではPioneer SA-910が上回ります。
- 重量:L-507は11kg、SA-910は13.6kgです。重量ではPioneer SA-910が上回ります。
- 消費電力:L-507は200W、SA-910は152Wです。消費電力の数値ではLUXMAN L-507が大きいです。
- サウンドキャラクター:SA-910は明快な操作性、L-507は端正な中域とローブースト/フィルターの使いやすさが魅力です。落ち着いた音色を作りたいならLUXMAN L-507が合いやすいです。
LUXMAN L-507とYAMAHA CA-1000との比較
LUXMAN L-507とYAMAHA CA-1000との比較は以下の通りです。
- 実効出力:L-507は50W+50W、CA-1000はB級動作時70W+70Wです。出力ではYAMAHA CA-1000が優れています。
- 高調波歪率:L-507は0.03%以下、CA-1000は実効出力時0.1%以下です。数値上の低歪率ではLUXMAN L-507が有利です。
- ダンピングファクター:L-507は40、CA-1000は70です。低域制動の数値ではYAMAHA CA-1000が上回ります。
- 重量:L-507は11kg、CA-1000は15.5kgです。物量ではYAMAHA CA-1000が上回ります。
- 消費電力:L-507は200W、CA-1000は定格250Wです。電源入力の数値ではYAMAHA CA-1000が大きいです。
- サウンドキャラクター:CA-1000はA級/B級切換、L-507はラックスマンらしいトーン調整とフォノまわりの柔軟性が魅力です。音色を細かく追い込みたいならLUXMAN L-507が魅力的です。
LUXMAN L-507とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


LUXMAN L-507は、8Ωで50W+50Wの連続実効出力とダンピングファクター40を持つプリメインアンプです。組み合わせでは、8Ωを中心に、許容入力と能率のバランスが取りやすいヴィンテージスピーカーを選ぶと扱いやすいです。
LUXMAN L-507と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- DIATONE DS-301
- TANNOY Arden
- ONKYO M-6
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
LUXMAN L-507とDIATONE DS-301との組み合わせ
LUXMAN L-507とDIATONE DS-301との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-301は8Ω、最大入力100W、出力音圧レベル90dB/W(新JIS)の4ウェイ・アコースティックエアーサスペンション方式ブックシェルフ型です。L-507の50W+50Wと合わせる場合は、最大入力100Wに対して余裕を残しやすい組み合わせです。
- 音質の向上:DS-301は30cmコーン型ウーファー、5cmドーム型スコーカー、3cmドーム型トゥイーター、3cmコーン型スーパートゥイーターを搭載し、30Hz〜25kHzを再生します。L-507のLUX方式NF型トーンと合わせることで、密閉系らしい低域のまとまりと4ウェイ構成の細かな表情を整えやすいです。1.5kHz、6kHz、10kHzのクロスオーバーにより、声や弦の質感も追い込みやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、クラシック小編成、ボーカル、昭和歌謡に向いています。落ち着いた低域と中高域の繊細さを楽しみたい人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-507とTANNOY Ardenとの組み合わせ
LUXMAN L-507とTANNOY Ardenとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Ardenは8Ω、許容入力85W、出力音圧レベル91dB/Wの2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式フロア型です。L-507の50W+50Wと合わせる場合は、許容入力85Wに対して無理のない音量で鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:Ardenは38cm同軸型HPD385Aを搭載し、30Hz〜20kHzを再生します。L-507の端正な中域と合わせることで、同軸ユニットの定位感と大型フロア型のゆったりした響きを活かしやすいです。1kHzのクロスオーバーにより、ボーカルと楽器のまとまりも自然に出しやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズボーカル、室内楽、アコースティックに向いています。音像のまとまりと余韻をゆったり聴きたい人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-507とONKYO M-6との組み合わせ
LUXMAN L-507とONKYO M-6との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:M-6は8Ω、最大入力100W、出力音圧95dB/W/mの2ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフ型です。L-507の50W+50Wと合わせる場合は、95dB/W/mの高能率を活かして小さめの出力でも音量を得やすい組み合わせです。
- 音質の向上:M-6は31cmコーン型ウーファーと4cm複合型トゥイーターを搭載し、30Hz〜20kHzを再生します。L-507のダンピングファクター40と合わせることで、バスレフ型の量感を保ちながら低域を過度に膨らませにくい方向へまとめやすいです。2kHzのクロスオーバーにより、ウーファー主体の厚みある中低域も楽しみやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ソウル、ジャズ、ニューミュージックに向いています。高能率らしい元気な鳴り方とラックスマンの落ち着きを合わせたい人に合う組み合わせです。
LUXMAN L-507は、500シリーズ上位機らしい回路構成と、音色調整の自由度を持つプリメインアンプです。
密閉系の整った低域、同軸フロア型の音場、高能率バスレフの躍動感を選び分けることで、L-507の端正なラックスマンサウンドを幅広く楽しめます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
LUXMAN L-507の詳細スペック一覧
| LUXMAN L-507のスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | ステレオ・インテグレーテッド・アンプ |
| 発売年月 | 1973年9月 |
| 価格 | 98,000円 |
| <メインアンプ部> | |
| 連続実効出力 | 50W+50W(8Ω、両ch同時動作)、60W/60W(8Ω、片ch動作) |
| 全高調波歪率 | 0.03%以下(8Ω、50W) |
| 混変調歪率 | 0.04%以下(8Ω、50W、70Hz:7kHz=4:1) |
| 出力帯域幅 | 5Hz〜50kHz -3dB(0.1%) |
| 入力感度/インピーダンス | 580mV/50kΩ |
| 残留雑音 | 0.5mV以下 |
| ダンピングファクター | 40(8Ω、20Hz〜20kHz) |
| 付属装置 | アッテネーター(-18dB)、メインスピーカー・スイッチ、リモートスピーカー・スイッチ、ヘッドホンジャック |
| <プリアンプ部> | |
| 標準出力電圧 | Pre out:580mV、Rec out:100mV |
| 最大出力電圧 | Pre out:5V |
| 出力インピーダンス | Pre out:約100Ω、Rec out:約100Ω |
| 周波数特性 | 10Hz〜50kHz -1dB(Aux1) |
| 全高調波歪率 | 0.04%以下(Aux1、1kHz、1V) |
| 入力感度 | Phono1、2:2.4mV、Tuner:100mV(入力レベルセット付)、Aux1、2:100mV、Mic:2.4mV |
| 入力インピーダンス | Phono1:50kΩ、65kΩ、90kΩ、切換 / Phono2:65kΩ / Tuner:50kΩ / Aux1、2:50kΩ / Mic:50kΩ |
| SN比 | Phono1、2:65dB以上、Mic:60dB以上、Tuner、Aux1、2:80dB以上 |
| 最大許容入力 | Phono:300mV(1kHz、R・M・S) |
| トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点切換付、低域湾曲点:150Hz、300Hz、600Hz、高域湾曲点:1.5kHz、3kHz、6kHz |
| フィルター | ローカット:30Hz、6dB/oct、ハイカット:8kHz、6dB/oct |
| ローブースト | 70Hz |
| 付属装置 | テープモニタースイッチ(2系統)、ダンピング・スイッチ、入力インピーダンス切換、入力レベルセット |
| <総合> | |
| 使用半導体 | トランジスタ:2SC1345(12個)、2SA640(4個)、2SA606(2個)、2SA620K(4個)、2SC1103A(4個)、2SC1431(2個)、2SA762(2個)、2SD388A(2個)、2SB541A(2個)、2SC853(1個)、2SC735(3個)、2SA562(1個)、2SC496(1個) / IC:TA7122AP(1個) / ダイオード:1S1555V(2個)、1N4003(4個)、1S188(4個) / ツェナーダイオード:WZ120(2個) / バリスタ:SV-03(2個)、SV-02(2個) |
| 消費電力 | 200W(8Ω同時負荷、最大出力時) |
| 外形寸法 | 幅450x高さ160x奥行268mm |
| 重量 | 11kg |
