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Marantz PM-17の特徴・機能を徹底解説!【他のヴィンテージアンプとの比較】

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Marantz PM-17は、1997年発売のヴィンテージなアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

Marantz PM-17の概要と特徴

Marantz PM-17のスペック
発売年1997年
定価100,000円
型式プリメインアンプ
定格出力100W+100W(4Ω)、60W+60W(8Ω)
全高調波歪率0.01%(20Hz~20kHz、8Ω)
重量15.0kg

▼ 詳しいスペックはこちら

Marantzが1990年代後半に世に送り出したMarantz PM-17は、10万円クラスながら上級機の思想をしっかり盛り込んだプリメインアンプです。アジャスタブル・HDAM、カレントフィードバック方式、スーパーリングコア・トロイダルトランスを採用し、音の密度と反応の良さを両立しています。

Marantz PM-17がなぜ評価されているのか、3つの観点から紐解いていきます。

Point①|アジャスタブル・HDAMによる情報量の高さ

Marantz PM-17の大きな特徴は、マランツらしい高密度な中高域を支えるHDAM構成です。

HDAMは、ICオペアンプに頼り切らずディスクリート構成で高速動作を狙うマランツ独自のアンプモジュールです。PM-17では新設計のアジャスタブル・HDAMを搭載し、音の立ち上がりや余韻の見通しを整えています。

HDAMって何ですか?

HDAM

HDAMは、マランツが音質向上のために採用してきた高速アンプモジュールです。細かな音の輪郭や空間表現を引き出しやすい点が特徴です。

ボーカルや弦楽器を聴くと、線を細くしすぎずに輪郭を出す傾向があります。派手に鳴らすタイプではありませんが、音像の芯を丁寧に描くアンプとして使いやすいです。

  • ボーカルの息づかいを自然に出しやすいです。
  • 小音量でも音の芯が薄くなりにくいです。
  • CDプレーヤーやレコードプレーヤーの個性を活かしやすいです。

Point②|カレントフィードバック方式のスピード感

PM-17はパワーアンプ部にカレントフィードバック方式を採用しています。これはマランツのアンプを語るうえで欠かせない技術のひとつです。

一般的な音の印象としては、低域を過度に膨らませるよりも、リズムの輪郭を見せる方向に向きます。ジャズのウッドベースやロックのスネアなど、音の出入りを追いやすい点が魅力です。

カレントフィードバックって何ですか?

カレントフィードバック方式

カレントフィードバック方式は、電流帰還を利用して応答性を高めるアンプ回路です。スピード感や高域の伸びを重視した設計と相性が良いです。

音の勢いと整理された見通しを両立したい人には、PM-17の方向性が合いやすいです。

Point③|60W+60Wと15kg筐体の安定感

Marantz PM-17は、8Ω時で60W+60W、4Ω時で100W+100Wの定格出力を備えています。家庭用のブックシェルフ型スピーカーを鳴らすには十分な余裕があります。

15.0kgの筐体とスーパーリングコア・トロイダルトランスは、音の土台を支える要素です。軽快さだけでなく、低域の沈み込みや音量を上げたときの落ち着きにもつながっています。

ダンピングファクターって何ですか?

ダンピングファクター

ダンピングファクターは、アンプがスピーカーの低域ユニットを制動する力を見るための目安です。数値が高いほど単純に音が良いわけではありませんが、低域の締まりを考えるときの参考値になります。

PM-17の公式スペックにはダンピングファクターの記載がありません。そのため、数値で比較するときは無理に推測せず、出力、歪率、重量、電源設計を合わせて見るのが現実的です。

Marantz PM-17と他のヴィンテージアンプとの比較

Marantz PM-17と、同じくAudio Heritageに定格が掲載されているヴィンテージアンプを比較します。

項目Marantz PM-17ONKYO Integra A-927LUXMAN L-505sIIROTEL RA980BX
実効出力60W+60W(8Ω)100W+100W(8Ω)80W+80W(8Ω)100W+100W(8Ω)
高調波歪率0.01%(20Hz~20kHz、8Ω)0.04%(8Ω、20Hz~20kHz)0.005%以下(8Ω、1kHz)0.03%以下
ダンピングファクター150400
重量15.0kg18.0kg17.0kg10.1kg
消費電力180W230W188W60W~300W
サウンドキャラクター中高域の密度と反応の良さ駆動力と中低域の押し出しなめらかで厚みのある音制動力とワイドレンジ感

Marantz PM-17とONKYO Integra A-927との比較

Marantz PM-17とONKYO Integra A-927との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:PM-17は60W+60W(8Ω)、A-927は100W+100W(8Ω)です。出力の余裕はONKYO Integra A-927が優れています
  • 高調波歪率:PM-17は0.01%、A-927は0.04%です。スペック上の低歪率ではMarantz PM-17が優れています
  • 重量と電源余裕:A-927は18.0kg、PM-17は15.0kgです。大型筐体による力感ではONKYO Integra A-927が有利です。
  • 音の方向性:PM-17は輪郭と艶、A-927は駆動力と中低域の量感が魅力です。繊細さ重視ならMarantz PM-17が選びやすいです。

Marantz PM-17とLUXMAN L-505sIIとの比較

Marantz PM-17とLUXMAN L-505sIIとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:PM-17は60W+60W(8Ω)、L-505sIIは80W+80W(8Ω)です。鳴らしやすさの余裕ではLUXMAN L-505sIIが優れています
  • 高調波歪率:L-505sIIは1kHz定格出力で0.005%以下、PM-17は20Hz~20kHzで0.01%です。条件が異なるため単純比較は難しいものの、数値の細かさではLUXMAN L-505sIIが目立ちます
  • 重量:PM-17は15.0kg、L-505sIIは17.0kgです。筐体の物量感はLUXMAN L-505sIIが上回ります
  • 音の方向性:PM-17はスピードと明瞭さ、L-505sIIは厚みと滑らかさが魅力です。現代的な抜けを求めるならMarantz PM-17が合いやすいです。

Marantz PM-17とROTEL RA980BXとの比較

Marantz PM-17とROTEL RA980BXとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:PM-17は60W+60W(8Ω)、RA980BXは100W+100W(8Ω)です。出力ではROTEL RA980BXが優れています
  • ダンピングファクター:RA980BXは400の記載がありますが、PM-17は公式ページに記載がありません。低域制動の数値比較ではROTEL RA980BXが判断しやすいです。
  • 重量:PM-17は15.0kg、RA980BXは10.1kgです。筐体の重厚さではMarantz PM-17が優れています
  • 音の方向性:ROTELは締まりと駆動感、PM-17は中高域の艶とバランスが魅力です。長時間聴きやすい質感ならMarantz PM-17が有利です。

Marantz PM-17とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

Marantz PM-17は、8Ω時60W+60Wの出力を活かして、英国系や欧州系のブックシェルフスピーカーと組み合わせやすいアンプです。

Marantz PM-17とTANNOY Mercury M20 Goldとの組み合わせ

Marantz PM-17とTANNOY Mercury M20 Goldとの組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:Mercury M20 Goldは8Ω、許容入力75W連続です。PM-17の60W+60W(8Ω)と合わせやすく、扱いやすさはこの組み合わせが優れています
  • 音質の向上:TANNOYの90dB/W/1mという能率により、PM-17の中高域の艶を出しやすいです。音の伸びや明るさではMercury M20 Goldとの組み合わせが好相性です。
  • おすすめの音楽ジャンル:ボーカル、フォーク、アコースティックジャズに向いています。自然な響きと聴き疲れの少なさではこの組み合わせが優れています

Marantz PM-17とCelestion SL-6との組み合わせ

Marantz PM-17とCelestion SL-6との組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:SL-6は8Ω、推奨アンプ出力35~100WRMSです。PM-17の60W+60Wは推奨範囲内で、駆動の相性は十分に良好です。
  • 音質の向上:SL-6は82dB SPL/W/mと能率が低めです。PM-17は極端な大出力機ではありませんが、音量を欲張らなければ緻密で定位の良い音を狙えます。
  • おすすめの音楽ジャンル:室内楽、女性ボーカル、静かなジャズに向いています。大音量ロックより、細部を聴く音楽ではCelestion SL-6との組み合わせが優れています

Marantz PM-17とSPENDOR LS3/5Aとの組み合わせ

Marantz PM-17とSPENDOR LS3/5Aとの組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:SPENDOR LS3/5Aは時期により8Ωまたは11Ωで、最大入力は40Wです。音量を上げすぎない前提なら使えますが、余裕の扱いやすさではTANNOY Mercury M20 Goldの方が優れています
  • 音質の向上:LS3/5Aは82.5dB/W/mの小型密閉モニターです。PM-17の滑らかな中域と合わせると、ボーカルの距離感ではSPENDOR LS3/5Aとの組み合わせが魅力的です。
  • おすすめの音楽ジャンル:声楽、弦楽四重奏、深夜の小音量リスニングに向いています。低音の量より中域の表情を重視するならこの組み合わせが優れています

Marantz PM-17は、1990年代マランツらしい透明感と反応の良さを持ちながら、15.0kgの筐体で安定感も備えたプリメインアンプです。

比較機種より出力で上回る場面は多くありませんが、HDAMとカレントフィードバック方式による中高域の質感はPM-17ならではの魅力です。TANNOYやCelestion、SPENDORのようなブックシェルフと合わせると、音楽の表情を丁寧に楽しめます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Marantz PM-17の詳細スペック一覧

Marantz PM-17のスペック詳細
型式プリメインアンプ
入出力端子ライン入力:4系統、テープ系入出力:2系統、Phono入力:1系統、プリアンプ出力:1系統、スピーカー出力:1系統
定格出力(20Hz~20kHz、両ch動作)100W+100W(4Ω)、60W+60W(8Ω)
全高調波歪率(両ch駆動)0.01%(20Hz~20kHz、8Ω)
周波数特性(ソースダイレクト)CD:5Hz~70kHz +0 -1dB
SN比High Level:110dB
消費電力180W(電気用品取締法)
最大外形寸法幅458x高さ110x奥行444mm
重量15.0kg
付属ワイヤレスリモコン
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