この記事の概要
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Marantz PM-84は、1983年頃に125,000円で発売されたプリメインアンプです。AB級で120W+120W(8Ω)、純A級で30W+30W(8Ω)を備え、クォーターAとAVSSを組み合わせた出力設計が特徴です。
本記事では、Marantz PM-84の特徴、他のヴィンテージプリメインアンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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Marantz PM-84の概要と特徴

| Marantz PM-84の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 発売時期 | 1983年頃 |
| 定価 | 125,000円 |
| 定格出力 | 120W+120W(AB級、8Ω) 30W+30W(純A級、8Ω) 190W+190W(4Ω) |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB |
| 重量 | 18kg |
PM-84は、クォーターA回路により、最大出力の1/4までは純A級、それ以上ではAB級へ移行するプリメインアンプです。定格出力はAB級で120W+120W(8Ω)、純A級で30W+30W(8Ω)、4Ωでは190W+190W(1kHz)で、A級の質感と大出力を両立させようとした設計が読み取れます。
特徴①|クォーターAによるA級/AB級動作

PM-84は純A級アンプとしても使えるのでしょうか?
はい。PM-84は30W+30W(純A級、8Ω、20Hz~20kHz)の定格出力を持ちます。さらにAB級では120W+120W(8Ω、20Hz~20kHz)で、小出力時のA級動作と大出力時のAB級動作を切り替える構成です。
- AB級出力:120W+120W(8Ω、20Hz~20kHz)です。
- 純A級出力:30W+30W(8Ω、20Hz~20kHz)です。
- 4Ω出力:190W+190W(1kHz)です。
特徴②|AVSSとローインピーダンス対応
PM-84には、パワーに応じて出力供給電圧をシフトするAVSSが搭載されています。小出力から大出力まで、パワー素子を歪や雑音の少ない領域で動作させる考え方で、A級/AB級動作を支える電源設計として重要な部分です。
全高調波歪率は0.015%(20Hz~20kHz、8Ω)、混変調歪率は0.015%。出力帯域幅は5Hz~40kHz(8Ω、THD 0.03%)、ダンピングファクターは120(8Ω)です。
特徴③|3種類のフォノ入力感度
PM-84はPhono MM:2.5mV/47kΩ、Phono MC:250μV/100Ω、Phono High MC:2.5mV/1kΩに対応しています。2ポジションのMC入力を備えるため、カートリッジに合わせた使い分けがしやすい仕様です。
RIAA偏差は20Hz~20kHzで±0.2dBです。SN比はPhono MMが90dB、Phono MCが76dB、Tape/Tuner/Aux/CDが100dBとされています。
特徴④|銅シャーシと大型電源部



PM-84は筐体や電源にも力が入っていますか?
PM-84は大型トランスやカスタム電解コンデンサー、銅シャーシを採用したモデルです。外形寸法は幅416x高さ146x奥行410mm、重量は18kgで、PM-64より奥行と重量を増した本格構成になっています。
消費電力は290Wで、別売サイドウッドとしてWPM-84が用意されていました。設置時は奥行410mmと18kgの重量を見込んで、しっかりしたラックを選びたいところです。
Marantz PM-84と他のヴィンテージプリメインアンプとの比較


ここでは、Marantz PM-84とA級動作や大出力設計に特徴を持つヴィンテージプリメインアンプ3機種を、定格値を中心に並べます。
| 項目 | Marantz PM-84 | Marantz PM-95 | YAMAHA A-1000 | LUXMAN L-550 |
|---|---|---|---|---|
| 発売時期/価格 | 1983年頃/125,000円 | 1988年頃/360,000円 | 1984年頃/128,000円 | 1981年11月/250,000円 |
| 型式 | プリメインアンプ | デジタルインテグレーテッドアンプ | プリメインアンプ | インテグレーテッド・アンプ |
| 8Ω出力 | 120W+120W(AB級) 30W+30W(純A級) | ABクラス:120W+120W Aクラス:30W+30W | 100W+100W | 50W+50W(A級動作) |
| 6Ω出力 | ― | ABクラス:155W+155W Aクラス:40W+40W | 120W+120W | ― |
| 4Ω出力 | 190W+190W(1kHz) | ABクラス:190W+190W Aクラス:50W+50W | 140W+140W | ― |
| 全高調波歪率 | 0.015%(20Hz~20kHz、8Ω) | 0.008%(20Hz~20kHz、8Ω負荷) | 0.003%(Aux/etc – SP out/8Ω) | 0.005%以下(8Ω、両ch動作、-3dB) |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB | 10Hz~150kHz +0 -3dB | ― | 10Hz~100kHz -1dB |
| ダンピングファクター | 120(8Ω) | ― | 200以上(1kHz、8Ω) | ― |
| フォノ入力 | MM:2.5mV/47kΩ MC:250μV/100Ω High MC:2.5mV/1kΩ | ― | MC:160μV/220Ω MM:2.5mV/47kΩ | MM:1.6mV MC:80μV |
| 消費電力 | 290W | 330W | 305W | 310W |
| 外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行410mm | 幅454x高さ170x奥行457mm | 幅473x高さ159x奥行434mm | 幅453x高さ174x奥行460mm |
| 重量 | 18kg | 27.2kg | 16.5kg | 21.4kg |
Marantz PM-84とMarantz PM-95の比較
Marantz PM-84とMarantz PM-95との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:どちらもAB級120W+120W、A級30W+30Wで、出力構成は同じ数値です。
- 4Ω出力:PM-84は190W+190W、PM-95はABクラス190W+190Wで、4Ωの出力値も同じです。
- 周波数特性:PM-84は20Hz~20kHz +0 -0.2dB、PM-95は10Hz~150kHz +0 -3dBで、表記帯域に違いがあります。
- 重量:PM-84は18kg、PM-95は27.2kgで、PM-84の方が設置時の負担は軽めです。
Marantz PM-84とYAMAHA A-1000の比較
Marantz PM-84とYAMAHA A-1000との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:PM-84はAB級120W+120W、A-1000は100W+100Wで、8Ωの出力値はPM-84が大きいです。
- 4Ω出力:PM-84は190W+190W、A-1000は140W+140Wで、4Ωの数値もPM-84が大きいです。
- ダンピングファクター:PM-84は120、A-1000は200以上で、数値はA-1000の方が高いです。
- 重量:PM-84は18kg、A-1000は16.5kgで、A-1000の方がやや軽いです。
Marantz PM-84とLUXMAN L-550の比較
Marantz PM-84とLUXMAN L-550との比較は以下の通りです。
- A級出力:PM-84は30W+30W(8Ω)、L-550は50W+50W(8Ω)で、A級動作の出力値はL-550が大きいです。
- AB級出力:PM-84は120W+120W(8Ω)を持ち、L-550はA級動作の50W+50Wが示され、出力設計の方向が異なります。
- 周波数特性:PM-84は20Hz~20kHz +0 -0.2dB、L-550は10Hz~100kHz -1dBで、表記条件に違いがあります。
- 重量:PM-84は18kg、L-550は21.4kgで、L-550の方が重い筐体です。
Marantz PM-84とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


Marantz PM-84は、AB級で120W+120W(8Ω)、純A級で30W+30W(8Ω)を持つプリメインアンプです。ここでは、インピーダンス、許容入力、推奨アンプ出力、出力音圧レベルを確認しながら、ヴィンテージスピーカー3機種との組み合わせを考えます。
Marantz PM-84とCelestion SL-6との組み合わせ
- 互換性:Celestion SL-6はインピーダンス8Ω、最大許容入力200W、推奨アンプ出力35~100WRMS、出力音圧レベル82dB SPL/W/mです。PM-84は8ΩでAB級120W+120W、純A級30W+30Wのため、低めの能率を踏まえて音量を少しずつ上げる運用が合います。
- 音質の向上:SL-6は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型で、15cmコーン型と3.5cmドーム型の構成です。周波数特性は75Hz~20kHz ±3dB、クロスオーバー周波数は2.3kHzです。
- おすすめの音楽ジャンル:密閉方式と82dB SPL/W/mの落ち着いた能率を踏まえると、室内楽、ボーカル、ピアノ、小編成ジャズを近い距離で聴くスタイルに合います。
Marantz PM-84とALTEC LANSING 620A Monitorとの組み合わせ
- 互換性:ALTEC LANSING 620A Monitorはインピーダンス8Ω、許容入力45W(連続プログラム)、出力音圧レベル103dB(新JIS)です。PM-84は8ΩでAB級120W+120W、純A級30W+30Wのため、高能率を活かして控えめな音量から始める組み合わせです。推奨アンプ出力は―です。
- 音質の向上:620A Monitorは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、38cm同軸型(604-8G)を搭載しています。再生周波数帯域は20Hz~22kHz、クロスオーバー周波数は1.5kHzです。
- おすすめの音楽ジャンル:103dBの高い出力音圧レベルと同軸構成を活かして、ジャズ、ビッグバンド、ライブ録音、ボーカルをゆとりある音量感で楽しみたい人に向きます。
Marantz PM-84とTechnics SB-6との組み合わせ
- 互換性:Technics SB-6はインピーダンス8Ω、許容入力120W(Music)/75W(Din)、出力音圧レベル93dB/W/mです。PM-84は8ΩでAB級120W+120W、純A級30W+30Wのため、Music入力の数値とAB級出力が近い組み合わせです。推奨アンプ出力は―です。
- 音質の向上:SB-6は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、25cm平面型、8cm平面型、2.8cm平面型の構成です。周波数特性は38Hz~35kHz -10dB、クロスオーバー周波数は800Hz、4kHzです。
- おすすめの音楽ジャンル:平面振動板と93dB/W/mの能率を活かして、フュージョン、シティポップ、電子音楽、録音の輪郭を楽しむロックに合わせやすい組み合わせです。
Marantz PM-84は、純A級30W+30WとAB級120W+120Wを切り替えて使えるため、スピーカーの能率や聴く音量に合わせて表情を変えやすいアンプです。
特に高能率スピーカーでは小音量時の質感を、低能率スピーカーではAB級時の出力を意識すると、PM-84らしい魅力を引き出しやすくなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
Marantz PM-84の詳細スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 定格出力 | 120W+120W(AB級、8Ω、20Hz~20kHz) 30W+30W(純A級、8Ω、20Hz~20kHz) 190W+190W(4Ω、1kHz) |
| 出力帯域幅 | 5Hz~40kHz(8Ω、THD 0.03%) |
| 全高調波歪率 | 0.015%(20Hz~20kHz、8Ω) |
| 混変調歪率 | 0.015% |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB |
| ダンピングファクター | 120(8Ω) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:250μV/100Ω Phono High MC:2.5mV/1kΩ Tape、Tuner、Aux、CD:150mV/47kΩ |
| 出力インピーダンス | Tape out:270Ω |
| RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
| SN比 | Phono MM:90dB Phono MC:76dB Tape、Tuner、Aux、CD:100dB |
| Phono最大許容入力 | MM:220mV MC:24mV |
| トーンコントロール特性 | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
| サブソニックフィルター特性 | 50Hz |
| 電源 | 100V、50/60Hz |
| 消費電力 | 290W |
| 外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行410mm |
| 重量 | 18kg |
| 別売 | サイドウッド WPM-84(¥4,000) |
