Marantz(マランツ)PM6100SAを徹底解説!【他のアンプとの比較】

Marantz(マランツ)PM6100SAを徹底解説!【他のアンプとの比較】

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Marantz PM6100SAはヴィンテージなプリメインアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

Marantz(マランツ)PM6100SAの概要と特徴

Marantz(マランツ)PM6100SAの概要と特徴
Marantz PM6100SA5のスペック
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動)70W+70W(4Ω)
60W+60W(6Ω)
50W+50W(8Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz、両ch駆動)0.01%(8Ω負荷時)
ダンピングファクター(20Hz~20kHz)
100以上(8Ω負荷)
入力感度/インピーダンスPhono MM:2.3mV/47kΩ
High Level:200mV/15kΩ
SN比(IHF Aネットワーク、入力ショート)Phono MM:85dB
High Level:110dB
電源電圧AC100V、50Hz/60Hz
重量7.5kg
外形寸法幅440x高さ124x奥行340mm

Marantz PM6100SAは2000年に発売したプリメインアンプです。

パワーデバイスには高域特性に優れたL・A・P・Tを採用しています。

では、以下からMarantz PM6100SAの特徴を解説します。

①:プリアンプ部はローノイズ/ハイスルーレート・ドライブ能力の高い電流帰還型プリアンプを採用

Marantz PM6100SAのプリアンプ部は、ローノイズ/ハイスルーレート・ドライブ能力の高い電流帰還型プリアンプを採用しています。

それを採用するとどうなるの?

一言で説明するのは難しいので、単語を分けながら解説します。

まず、「ローノイズ」とは、プリアンプが働く際に発生するノイズの量が非常に少ないということを意味します。

繊細な音のニュアンスを楽しむ場合、このノイズレベルが低いほど、よりクリアで透明感のある音質が実現できます。

次に「ハイスルーレート」とは、信号の変化に対してプリアンプが迅速に反応し、正確に増幅できる能力のことを指します。

そもそも、音楽信号というのは瞬時に大きな振幅の変化を伴います。

プリアンプがこれらの変化に素早く対応できる「ハイスルーレート」であればあるほど、音楽のダイナミクスやエネルギーを忠実に再現することが可能になります。

そして「ドライブ能力の高い電流帰還型プリアンプ」とは、パワーアンプへ効率良く信号を送ることができ、特に低音のレスポンスや音の力強さを向上させるプリアンプということを意味します。

さらに、電流帰還型プリアンプは信号の増幅過程で生じる誤差を電流で検出・リアルタイムで補正をし、非常に正確で歪みの少ない増幅を実現します。

これにより、音の細部までリアルに再現し、音楽の深みなどを豊かに表現することができます。

②:プリアンプ部に直結するCDダイレクト・インプットを搭載

Marantz PM6100SAには、プリアンプ部に直結するCDダイレクト・インプットが搭載されています。

これを端的に説明すると、CDプレーヤーからの信号を最も短い信号経路でプリアンプ部に直接送ることができる機能です。

オーディオシステムにおいて、信号経路は音質に大きな影響を及ぼします。

信号が経由する経路が長ければ長いほど、または多くのコンポーネントを通過するほど、ノイズの混入や信号の劣化が発生しやすくなります。

ですが、CDダイレクト・インプットを使用すると、CDプレーヤーからのアナログ信号がプリアンプ内の余分な回路を迂回し、直接プリアンプ部に送られます。

これにより信号経路が最短化され、信号の純度が保たれるため、音質の向上が期待できます。

さらに、CDダイレクト・インプット機能を利用することで、オーディオ機器間の接続が簡素化され、セットアップが容易になります。

③:Marantz PM6100SAはインレット式ACケーブルを採用

Marantz PM6100SAはインレット式ACケーブルが採用されています。

インレット式ACケーブルってなに?

「インレット式ACケーブルを採用」とは、電源ケーブルをアンプの背面にある専用のインレット(入力端子)に差し込む方式です。

この方式であれば、電源ケーブルの交換が可能ですし、あなたの好みにあった電源ケーブルに付け替えることも容易です。

ハイエンドな電源ケーブルや特定のノイズフィルタリング機能を持つケーブルなど、お好きなケーブルにカスタマイズしてみましょう。

Marantz PM6100SAと他のヴィンテージアンプとの比較

Marantz PM6100SAと他のヴィンテージアンプとの比較

当然ですが、ヴィンテージアンプはMarantz PM6100SAだけではありません。

以下では

  • ONKYO A-915R
  • KENWOOD KA-969
  • SANSUI AU-D707X

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

Marantz PM6100SAとONKYO A-915Rとの比較

Marantz PM6100SAとONKYO A-915Rとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:Marantz PM6100SAは70W+70W(4Ω)に対して、ONKYO A-915Rは90W+90W(4Ω)となり、ONKYOの方が高出力です。これにより、ONKYOは大音量での再生において優れています。
  • 負荷インピーダンス:MarantzとONKYOは共に4Ω、8Ωに対応しており、幅広いスピーカーとの互換性を持ちます。
  • SN比:MarantzはPhono MMで85dB、High Levelで110dB、ONKYOはPhono MMで84dB、CD他で104dBとなっており、Marantzの方が全体的にノイズ性能に優れていますが、差はわずかです。
  • 重量:Marantzは7.5kg、ONKYOは8.3kgとなり、ONKYOの方が若干重いです。
  • 音質:Marantzはプリ・パワー独立構成と電流帰還型プリアンプを採用し、細やかな音の再現に優れています。一方、ONKYOはツインモノレイアウト構成と高品質パーツの使用により、力強いドライブ能力が特徴です。音質に関してはユーザーの好みが決め手となります。

Marantz PM6100SAとKENWOOD KA-969との比較

Marantz PM6100SAとKENWOOD KA-969との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:Marantz PM6100SAは70W+70W(4Ω)ですが、KENWOOD KA-969は110W+110W(6Ω)となっています。これはKENWOODがより高い出力を持ち、大規模な部屋や要求の厳しいスピーカーに対しても十分なパワーを提供できることを意味します。
  • SN比:MarantzはPhono MMで85dB、High Levelで110dBであるのに対し、KENWOODはPhonoで86dB、CD、Tuner、Aux、Tape playで100dBとなっています。この結果から、KENWOODは特にデジタルソースでの使用時において非常にクリアな音質を提供することが期待できます。
  • 消費電力:Marantzが135Wであるのに対して、KENWOODは250Wと記載されています。消費電力が大きいことは、一般により高いパワー出力や機能性を意味しますが、エネルギー効率の面で考慮する必要があります。
  • 重量:Marantzは7.5kgで、KENWOODは8.8kgとなっています。重量が重いアンプは振動への耐性が高い可能性があります。
  • 音質:Marantzは次世代オーディオに対応する高速化とダイナミックレンジを特徴としていますが、KENWOODはD/Aコンバーターを内蔵し、デジタルソースの音質劣化を抑える設計がされています。特に、KENWOODはデジタルオーディオのクリアな再生において優れていると考えられます。

Marantz PM6100SAとSANSUI AU-D707Xとの比較

Marantz PM6100SAとSANSUI AU-D707Xとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:Marantz PM6100SAの実効出力は70W+70W(4Ω)ですが、SANSUI AU-D707Xは150W+150W(6Ω)と大幅に高い出力を持ちます。これはSANSUIがより大きな部屋や要求の高いスピーカーを容易に駆動できることを意味します。
  • 入力感度/インピーダンス:Marantzの入力感度はPhono MMで2.3mV/47kΩ、SANSUIではPhono MMが2.5mV/47kΩと非常に似ていますが、SANSUIはさらに多様なMCカートリッジに対応しています。これはSANSUIがより幅広いアナログソースに適応できることを示しています。
  • ダンピングファクター:Marantzは100以上(8Ω)で、SANSUIも100(6Ω)と記載されています。両者ともに優れたスピーカーコントロールを提供することが予想されます。
  • SN比:MarantzはPhono MMで85dB、High Levelで110dB、SANSUIはPhono MMで90dB、CD、Tuner、Tapeで110dBとなっており、SANSUIの方がわずかに優れたノイズパフォーマンスを提供します。
  • 消費電力:Marantzの消費電力は135W、SANSUIは320Wとなっています。SANSUIの方が高い消費電力は、その高出力と高機能を反映していますが、エネルギー効率の面で考慮する必要があります。
  • 重量:Marantzは7.5kgに対して、SANSUIは17.5kgと大幅に重く、これはSANSUIの堅牢な構造と高品質な内部コンポーネントを反映しています。
  • 音質:Marantzは次世代オーディオへの対応と高速化、ダイナミックレンジの拡大を特徴としますが、SANSUIはXバランス・アンプの採用により、IHM歪の抑制と歪や特性の大幅な改善を実現しています。特に、SANSUIはデジタルとアナログ両方のソースで高い音質を提供します。

Marantz PM6100SAとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

Marantz PM6100SAとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

以下では、Marantz PM6100SAとヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。

Marantz PM6100SAと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、

  • ONKYO Monitor 500
  • DENON SC-777SA
  • Pioneer S-A3-LR

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

Marantz PM6100SAとONKYO Monitor 500の組み合わせ

Marantz PM6100SAとONKYO Monitor 500の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Marantz PM6100SAの提供する豊富な入力感度オプションと、ONKYO Monitor 500の6Ωのインピーダンスは、この二つの機器をシームレスに接続することを可能にします。PM6100SAのプリアンプ部は、高いドライブ能力を持つ電流帰還型プリアンプを採用しており、ONKYO Monitor 500の低域用23cmコーン型ユニットと高域用2.5cmドーム型ユニットを効率的に駆動することができます。これにより、PM6100SAはONKYO Monitor 500との間で信号の完全性を保ちながら、高い互換性を実現します。
  • 音質の向上:Marantz PM6100SAは、全高調波歪率が極めて低い(0.01%)ため、純粋でクリアなサウンドを出力します。これと組み合わされたONKYO Monitor 500は、30Hzから45kHzの広い再生周波数帯域を持ち、特に低域の再生能力が高く、高域もクリアで細やかな音質を提供します。結果として、この組み合わせは、深みがありながらも明瞭で、細部まで捉えることができる音質の向上を実現します。
  • 機能の拡張:Marantz PM6100SAがプリアウト端子を搭載している点が重要です。これにより、SM6100SAとの連携でバイアンプドライブが可能となり、ONKYO Monitor 500の音質をさらに引き出すことができます。また、Marantz PM6100SAは、トーンコントロールとラウドネス機能を備えており、ユーザーが音質を細かく調整できるようになっています。この機能の拡張は、ONKYO Monitor 500のポテンシャルを最大限に引き出し、リスニング体験をより豊かなものにします。

Marantz PM6100SAとDENON SC-777SAの組み合わせ

Marantz PM6100SAとDENON SC-777SAの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Marantz PM6100SAは、プリアウト端子を搭載しており、他の機器との連携でバイアンプドライブも可能です。DENON SC-777SAスピーカーシステムと組み合わせることで、その高品質な入力信号を活かし、DENON SC-777SAの低域から超高域までの広範囲な再生能力をフルに引き出せるため、両者の互換性は非常に高いです。
  • 音質の向上:Marantz PM6100SAは、電流帰還型プリアンプの採用により、高速化とダイナミックレンジを確保しており、これにより細やかな音のニュアンスまで忠実に再生します。DENON SC-777SAのケブラコーンウーファーやソフトドーム型ツィーター、そしてリーフ型スーパーツィーターと組み合わせることで、低域の豊かさから超高域の細かいディテールまで、音質は大幅に向上します。
  • 機能の拡張:PM6100SAのプリ・パワー独立構成とSM6100SAとの連携によるバイアンプドライブ機能を活かすことで、DENON SC-777SAと組み合わせた際には、さらに高度な音響表現が可能になります。特に、SC-777SAのP.P.D.D. Serial方式による低域の再生能力と、超高域までカバーするリーフ型スーパーツィーターの性能を最大限に引き出すことができ、よりダイナミックでリアルな音場を実現します。

Marantz PM6100SAとPioneer S-A3-LRの組み合わせ

Marantz PM6100SAとPioneer S-A3-LRの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Marantz PM6100SAプリメインアンプは、高いドライブ能力を持ち、様々なスピーカーに対応可能です。Pioneer S-A3-LRスピーカーは6Ωのインピーダンスを持ち、PM6100SAの定格出力範囲内で安定して動作します。これにより、互換性が高く、組み合わせて使用する際に問題が発生する可能性が低いです。
  • 音質の向上:Marantz PM6100SAは、全高調波歪率が非常に低く、出力帯域幅が広いため、原音に忠実な音質を提供します。Pioneer S-A3-LRスピーカーは低域から高域まで幅広い周波数帯域をカバーし、特に高剛性ジョイントリングとケブラー繊維を採用したウーファーにより、クリアでダイナミックな低音を実現します。
  • 機能の拡張:Marantz PM6100SAには、バイアンプドライブが可能なプリアウト端子が装備されています。Pioneer S-A3-LRスピーカーと組み合わせることで、スピーカーのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になります。さらに、Marantz PM6100SAはトーンコントロールやラウドネス機能も備えており、リスニング環境に応じて音質調整が行えます。

Marantz(マランツ)PM6100SAを徹底解説!【他のアンプとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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