OTTO/SANYO DCA-1300を徹底解説!【他のアンプとの比較】

OTTO:SANYO DCA-1300を徹底解説!【他のアンプとの比較】

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OTTO/SANYO DCA-1300は、ヴィンテージなプリメインアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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OTTO/SANYO DCA-1300の概要と特徴

OTTO:SANYO DCA-1300の概要と特徴
OTTO/SANYO DCA-1300のスペック
<メインアンプ部>
回路方式全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路
入力感度/インピーダンス450mV/100kΩ
周波数特性15Hz~100kHz
ダンピングファクター70(8Ω)
負荷インピーダンス4Ω~16Ω
<プリアンプ部>
入力感度/インピーダンスPhono1、2:2.5mV/50kΩ
Tuner、Aux1、2:100mV/65kΩ
Mic:3.2mV/50kΩ
Tape PB:100mV/75kΩ
SN比Phono1、2:65dB
Tuner、Aux1、2:75dB
トーンコントロールBass:±10dB(100Hz)
Treble:±10dB(10kHz)
<総合>
電源電圧AC100V、50H/60Hz
消費電力55W
重量8.5kg

OTTO/SANYO DCA-1300は1971年に発売したプリメインアンプです。

電源回路にはトランジスタとツェナーダイオードを用いた、リップルフィルタ兼用の定電圧電源を採用しています。

では、以下からOTTO/SANYO DCA-1300の特徴を解説します。

①:全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路の採用

OTTO/SANYO DCA-1300は、全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路が採用されています。

全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路ってなに?

全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路を一言で解説するのは難しいので、分解しながら解説します。

  1. 全段直結:アンプの各段がケーブルやコンデンサなどの間接的な接続ではなく、直接接続されている状態を指します。これにより信号の伝達経路が短くなり、信号の損失や遅延が最小限に抑えられます。
  2. 差動増幅:2つの入力信号の差分を増幅する方式です。この方式の利点は、共通ノイズ(両方の入力に影響するノイズ)をキャンセルできることです。結果として、ノイズの影響を受けにくいクリーンな信号が得られます。
  3. ピュアコンプリメンタリー回路:同じ特性を持つPNP型とNPN型のトランジスタを対称に配置する設計です。この対称性により、信号の正負の波形が均等に増幅され、歪みが減少します。さらに、トランジスタの動作が安定するため、出力の安定性も向上します。

上記が、OTTO/SANYO DCA-1300に採用されている、全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路の意味合いです。

そして、全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路の利点は以下です。

  • 音質の向上:信号の歪みを減少させ、高い忠実度で音楽を再生します。
  • 効率の向上:全段直結により信号の損失を最小限に抑え、エネルギー効率を向上させます。
  • 安定した動作:差動増幅とピュアコンプリメンタリー回路によりアンプの動作が安定し、長期間にわたって一貫した性能を提供します。

ちなみに、先ほど少し紹介した「トランジスタ」とは、電子機器の中で信号を増幅したり、スイッチングしたりする部品です。

PNP型(正の電圧を入力すると動作)とNPN型(負の電圧を入力すると動作)という、2種類の主なタイプがあります。

プリメインアンプでは、同じ特性を持つPNP型とNPN型のトランジスタを対称に配置する設計が一般的です。

これにより、信号の歪みを最小限に抑えられ、よりクリアな音質になります。

②:プリアンプ部のイコライザ回路には2段NF型を採用

OTTO/SANYO DCA-1300は、プリアンプ部のイコライザ回路には2段NF型が採用されています。

「プリアンプ部のイコライザ回路には2段NF型を採用」についても、言葉を分解しながら解説します。

まず、プリアンプ部は信号源からの微弱な信号を増幅する役割を果たし、イコライザ回路は音楽の特定の周波数帯域を強調または減衰するために使用されます。

2段NF型は2段の負帰還を使用した回路設計です。負帰還の詳細なメカニズムは以下の通りです。

  1. ゲインの安定化:出力から取り出した信号を逆相で入力に加えることで、増幅率を一定に保ちます。
  2. 非線形歪みの減少:負帰還により、信号の歪みが減少します。
  3. 帯域幅の拡大より広い周波数範囲での動作が可能になります。

そして、2段NF型では以下の効果を2段階で適用します。

  • 第1段:初回の負帰還。ゲインの安定化や歪みの減少などの基本的な効果をもたらします。
  • 第2段:さらなる負帰還。第1段の効果を強化し、より精密な制御を可能にします。

つまり、OTTO/SANYO DCA-1300に採用されている、プリアンプ部のイコライザ回路に2段NF型を採用する技術は、音質の向上、操作性の強化など、オーディオ機器の多岐にわたる性能向上に繋がります。

③:メイン部の初段にはダイオードを用いた遅延回路が付加

OTTO/SANYO DCA-1300のメイン部の初段には、ダイオードを用いた遅延回路が付加されています。

遅延回路ってなに?

遅延回路とは、電子信号の伝達を一定の時間遅らせる回路のことを指します。

ダイオードは半導体素子で電流が一方向にしか流れない特性を持っており、この特性を利用して遅延回路を構成することができます。

この遅延回路の付加は、アンプの起動時にスピーカーから「ポン」というノイズが発生するのを防ぐために使用されることが一般的です。

アンプの電源が入ると一瞬大きな電流が流れることがあり、これがスピーカーに直接伝わるとノイズとして聞こえてしまいます。

ダイオードを用いた遅延回路は、この電流の流れを一定時間遅らせることでノイズの発生を抑制します。

OTTO/SANYO DCA-1300と他のヴィンテージアンプとの比較

OTTO:SANYO DCA-1300と他のヴィンテージアンプとの比較

当然ですが、ヴィンテージアンプはOTTO/SANYO DCA-1300だけではありません。

以下では

  • Pioneer A-D1
  • TRIO KA-770
  • OPTONICA SM-2500

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

OTTO/SANYO DCA-1300とPioneer A-D1との比較

OTTO/SANYO DCA-1300とPioneer A-D1との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:OTTO/SANYO DCA-1300は23W/23W(8Ω)で、Pioneer A-D1は45W+45W(8Ω)です。Pioneer A-D1の方が出力が高く、パワフルな音楽再生が可能です。
  • 入力感度/インピーダンス:DCA-1300は450mV/100kΩ、A-D1は200mV/50kΩです。DCA-1300の方が入力感度が高く、より多くの機器との互換性がありそうです。
  • 負荷インピーダンス:DCA-1300は4Ω~16Ω、A-D1はA、B:4Ω~16Ω、A+B:8Ω~32Ωです。A-D1の方がスピーカーの選択肢が広がります。
  • SN比:DCA-1300はPhono1、2:65dB、Tuner、Aux1、2:75dBで、A-D1はPhono MM:85dB、CD、Tuner、Aux、Tape1/CD-R/MD、Tape2/Monitor:106dBです。A-D1の方がノイズが少なく、クリアな音質を提供します。
  • 消費電力:DCA-1300は55W、A-D1は100Wです。DCA-1300の方が消費電力が少ないです。
  • 重量:CA-1300は8.5kg、A-D1は4.7kgです。CA-1300の方が重いです。
  • 音質:DCA-1300はピュアコンプリメンタリー結合と全段直結OCL回路を採用しており、A-D1はダイレクトエナジーMOS-FETとワイドレンジリニアサーキットを採用しています。音質は個人の好みにも依存するため、この部分の評価は聴き比べが必要です。

OTTO/SANYO DCA-1300とTRIO KA-770との比較

OTTO/SANYO DCA-1300とTRIO KA-770との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:OTTO/SANYO DCA-1300は23W/23W(片ch動作、8Ω)、TRIO KA-770は100W+100W(20Hz~20kHz、両ch動作、8Ω)です。TRIO KA-770の方が出力が大きく、大音量を求める場合に適しています。
  • 混変調歪率:OTTO/SANYO DCA-1300は0.2%(定格出力時)、TRIO KA-770は0.005%(定格出力時、8Ω)です。TRIO KA-770の方が歪みが少なく、音質の面では優れています。
  • ダンピングファクター:OTTO/SANYO DCA-1300は70(8Ω)、TRIO KA-770は1000(SP-A、100Hz)です。TRIO KA-770の方がダンピングファクターが高く、スピーカーの制御が効果的です。
  • SN比:両者のSN比は異なりますが、TRIO KA-770の方が一般に高い値を示しています。ノイズが少なくクリアな音質を求める場合にはTRIO KA-770が適しています。
  • 消費電力:OTTO/SANYO DCA-1300は55W、TRIO KA-770は240Wです。
  • 重量:OTTO/SANYO DCA-1300は8.5kg、TRIO KA-770は8.7kgです。
  • 音質:OTTO/SANYO DCA-1300は全段直結ピュアコンプリメンタリー回路を採用し、TRIO KA-770はDLDサーキットを採用しています。

OTTO/SANYO DCA-1300とOPTONICA SM-2500との比較

OTTO/SANYO DCA-1300とOPTONICA SM-2500との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:DCA-1300は23W/23W(片ch動作、8Ω)、SM-2500は52W+52W(8Ω、1kHz、両ch動作)で、SM-2500の方が出力が高いです。音量を大きくしたい場合、SM-2500の方が優れています。
  • 混変調歪率:DCA-1300は0.2%(定格出力時)、SM-2500は0.1%(実効出力時)で、SM-2500の方が歪みが少ないです。音質の純粋さを求める場合、SM-2500が良い選択となります。
  • 入力感度/インピーダンス:DCA-1300は450mV/100kΩ、SM-2500はPower in:800mV/70kΩで、感度の面ではSM-2500が高く、インピーダンスの面ではDCA-1300が高いです。用途に応じて選ぶべきモデルが異なります。
  • ダンピングファクター:DCA-1300は70(8Ω)、SM-2500は40以上で、DCA-1300の方が高いダンピングファクターを持っています。スピーカーのコントロールが求められる場合、DCA-1300が適しています。
  • 負荷インピーダンス:両方とも4Ω~16Ωの範囲で対応しており、この点では差異はありません。
  • 消費電力:DCA-1300は55W、SM-2500は125Wで、SM-2500の方が消費電力が高いです。
  • 重量:DCA-1300は8.5kg、SM-2500は10.5kgで、SM-2500の方が重いです。
  • 音質:両機種ともに高品質な音を提供していますが、DCA-1300は全段直結ピュアコンプリメンタリー回路、SM-2500は全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しており、音質の特性が異なります。

OTTO/SANYO DCA-1300とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

OTTO:SANYO DCA-1300と他のヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

以下では、OTTO/SANYO DCA-1300とヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。

OTTO/SANYO DCA-1300と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、

  • YAMAHA NS-590
  • KEF Model105/3S
  • OTTO SX-1166

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

DENON DP-5000とYAMAHA NS-590の組み合わせ

DENON DP-5000とYAMAHA NS-590の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:OTTO/SANYO DCA-1300のプリメインアンプとYAMAHA NS-590の3ウェイ・3スピーカー・密閉方式の組み合わせは、音響システムとしての互換性が高いです。DCA-1300の負荷インピーダンスが4Ω~16Ωで、NS-590のインピーダンスが8Ωであるため、接続がスムーズに行えます。
  • 音質の向上:DCA-1300の全段直結ピュアコンプリメンタリー回路とNS-590の高純度ベリリウム振動板のトゥイーターの組み合わせにより、クリアでダイナミックな音質が実現します。特に高域の再現性が向上し、音楽の細部まで忠実に再生されます。
  • 機能の拡張:DCA-1300のプリ・メイン分離端子やヘッドホン端子などの機能とNS-590のレベルコントロール機能の組み合わせにより、音響システムとしての機能が拡張されます。

>> YAMAHA(ヤマハ)NS-590を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

DENON DP-5000とKEF Model105/3Sの組み合わせ

DENON DP-5000とKEF Model105/3Sの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:DCA-1300のプリメインアンプは全段直結差動増幅ピュアコンプリメンタリー回路を採用しており、負荷インピーダンスが4Ω~16Ωの範囲で対応しています。一方、KEF Model105/3Sのインピーダンスは4Ωで、この範囲内に収まっています。また、DCA-1300の周波数特性15Hz~100kHzとModel105/3Sの周波数特性50Hz~20kHzも良好にマッチしており、音質の劣化を防ぎます。
  • 音質の向上:DCA-1300の全段直結ピュアコンプリメンタリー回路は、プラス信号とマイナス信号のつなぎ目が理想的になり、スイッチング歪を除去できるため、クリアな音質を提供します。一方、KEF Model105/3SのTCC方式やUNI-Qドライバーは、低音から高音まで均等に再生する能力があります。特に、TCC方式による重低音の再生とUNI-Qドライバーによる明快な音像感は、DCA-1300との組み合わせで一層引き立てられるでしょう。
  • 機能の拡張:DCA-1300とKEF Model105/3Sの組み合わせは、機能の拡張にも寄与します。DCA-1300のプリ・メイン分離端子やテープモニター、ローフィルター、ハイフィルターなどの付属回路は、音質調整の自由度を高めます。KEF Model105/3Sの4ウェイ・5スピーカー構造とTCC方式は、低域から高域までの再生能力を高めるため、これらの機能を最大限に活用することができます。

DENON DP-5000とOTTO SX-1166の組み合わせ

DENON DP-5000とOTTO SX-1166の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:OTTO/SANYO DCA-1300のプリメインアンプとOTTO SX-1166の3ウェイスピーカーは、インピーダンスや出力音圧レベルなどのスペックが適切にマッチしています。DCA-1300の負荷インピーダンスが4Ω~16Ωの範囲で、SX-1166のインピーダンスが8Ωであるため、互換性が高く、安定した動作が期待できます。また、DCA-1300の実効出力とSX-1166の最大許容入力も適切に合致しており、効率的な音響システムの構築が可能です。
  • 音質の向上:DCA-1300の全段直結ピュアコンプリメンタリー回路とSX-1166の3ウェイスピーカーの組み合わせにより、音質の向上が実現されます。低域から高域まで均等に忠実に再生するDCA-1300の特性と、SX-1166の30cmコーン型ウーファー、10cmコーン型スコーカー、ホーン型ツィーターの組み合わせにより、豊かな低音とクリアな中高音が楽しめます。
  • 機能の拡張:DCA-1300にはテープモニター、ローフィルター、ハイフィルター、ラウドネスコントロールなどの付属回路があり、SX-1166には中域用・高域用のレベルコントロールが搭載されています。これらの機能の組み合わせにより、音楽のジャンルやリスニング環境に応じた細かな音質調整が可能となります。また、DCA-1300のプリ・メイン分離端子やSX-1166のバスレフ方式などの設計も相まって、機能の拡張性が高く、将来的なシステムアップグレードにも対応できる組み合わせとなっています。

OTTO/SANYO DCA-1300を徹底解説!【他のアンプとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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