この記事の概要
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Pioneer A-120は、1982年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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Pioneer A-120の概要と特徴

| Pioneer A-120のスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1982年 |
| 定価 | 69,800円 |
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 120W+120W(20Hz~20kHz、両ch駆動、8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%(20Hz~20kHz、実効出力時) |
| 重量 | 12.0kg |
Pioneer A-120は、拡大する音楽ソースのダイナミックレンジに対応するために開発されたプリメインアンプです。ダイナミック・パワーサプライ方式とノンスイッチング回路を組み合わせ、120W+120Wの出力と低歪再生を両立しています。
①:ダイナミック・パワーサプライ方式
120W+120Wという実効出力は、1980年代前半の同価格帯プリメインアンプとして力強い数値です。A-120では通常レベルを低電圧部で、一定以上の出力を高電圧部でドライブする電源方式を採用しています。
この仕組みにより、効率を保ちながらピーク時の余裕を確保している点がA-120の大きな魅力です。音楽の瞬間的な盛り上がりを押し出すための設計といえます。

ダイナミックレンジって何ですか?
ダイナミックレンジは、小さな音から大きな音までの幅を示す言葉です。A-120では電源供給を切り替えることで、大きな音のピークにも余裕を持たせることを狙っています。
②:ノンスイッチング回路と低歪設計
A-120のパワー部には、パイオニア独自のノンスイッチング回路が採用されています。スイッチング歪を抑える思想により、大出力時でも音のつながりをなめらかに保つことを目指しています。
高調波歪率は0.003%、混変調歪率も0.003%です。出力だけでなく、歪の少なさにも力を入れた設計となっています。
- ノンスイッチング回路で歪感を抑えています。
- 実効出力時の高調波歪率は0.003%です。
- MC入力からスピーカー出力までをシンプルな構成にしています。
③:2アンプ構成とラインストレート機能
音の純度を高めるため、A-120はMC入力からスピーカー出力までをシンプルな2アンプ構成としています。ハイレベル入力はダイレクトにパワーアンプへ入り、余計な回路を通りにくい設計です。
ラインストレート機能を使うと、トーン回路やラウドネス回路をパスできます。音作りを足すよりも、信号経路を短くして素直な音を得る方向の機能です。



DCサーボとは何ですか?
DCサーボは、直流成分のずれを補正するための回路です。A-120ではイコライザーアンプとパワーアンプに採用され、ノンカップリングコンデンサー化に貢献しています。
LEDピークパワーインジケーターも搭載されており、出力のピークを3ポイントで確認できます。音質面だけでなく、再生状態を視覚的に把握できる実用性も備えています。
Pioneer A-120と他のヴィンテージアンプとの比較


Pioneer A-120と他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | Pioneer A-120 | Pioneer A-100 | TRIO KA-990 | SANSUI AU-D707F |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 120W+120W(8Ω) | 100W+100W(8Ω) | 105W+105W(8Ω) | 95W+95W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003% | 0.007% | 0.005%(Tuner系) | 0.005%以下 |
| ダンピングファクター | 70(8Ω) | 60(8Ω) | 1000(100Hz) | 100(8Ω) |
| 重量 | 12.0kg | 9kg | 10.7kg | 14.0kg |
| 消費電力 | 260W | 220W | 260W | 250W |
| サウンドキャラクター | 大出力と低歪を両立した明快な音 | 軽快でラインストレートな音 | DLDとΣドライブの高制動な音 | 厚みとフィードフォワードの低歪感 |
Pioneer A-120とPioneer A-100との比較
Pioneer A-120とPioneer A-100との比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-120は120W+120W、A-100は100W+100Wです。出力の余裕ではPioneer A-120が優れています。
- 高調波歪率:A-120は0.003%、A-100は0.007%です。数値上の低歪率でもPioneer A-120が上回ります。
- 重量:A-120は12.0kg、A-100は9kgです。設置性はA-100、物量感ではPioneer A-120が有利です。
- 音の方向性:A-100は軽快さ、A-120は大出力と低歪の余裕が魅力です。大型スピーカーまで視野に入れるならPioneer A-120が選びやすいです。
Pioneer A-120とTRIO KA-990との比較
Pioneer A-120とTRIO KA-990との比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-120は120W+120W、KA-990は105W+105Wです。出力ではPioneer A-120が優れています。
- ダンピングファクター:A-120は70、KA-990は1000です。数値上の制動力ではTRIO KA-990が大きく優れています。
- 消費電力:どちらも260Wです。電源消費の条件では同等です。
- 音の方向性:KA-990はΣドライブの高制動感、A-120はノンスイッチング回路の明快さが特徴です。大出力と癖の少なさを重視するならPioneer A-120が扱いやすいです。
Pioneer A-120とSANSUI AU-D707Fとの比較
Pioneer A-120とSANSUI AU-D707Fとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:A-120は120W+120W、AU-D707Fは95W+95Wです。出力の余裕ではPioneer A-120が優れています。
- 高調波歪率:A-120は0.003%、AU-D707Fは0.005%以下です。数値上の低歪率ではPioneer A-120が目立ちます。
- 重量:A-120は12.0kg、AU-D707Fは14.0kgです。筐体の物量感ではSANSUI AU-D707Fが上回ります。
- 音の方向性:AU-D707Fは濃さと厚み、A-120は明快なパワー感が魅力です。スピード感のあるポップスやロックではPioneer A-120が合わせやすいです。
Pioneer A-120とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


Pioneer A-120は8Ωで120W+120Wの出力を持つため、許容入力の小さいスピーカーでは音量管理が必要です。一方で、中型から大型のスピーカーでは余裕のあるドライブが期待できます。
Pioneer A-120とONKYO D-77Xとの組み合わせ
Pioneer A-120とONKYO D-77Xとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:D-77Xは6Ω、最大入力200Wです。A-120は4Ω~16Ω対応のため、互換性ではONKYO D-77Xとの組み合わせが優れています。
- 音質の向上:31cmウーファーと91dB/W/mの能率に、A-120の大出力がよく合います。低域の押し出しと余裕ではD-77Xが最も相性良好です。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、シティポップに向いています。迫力と明快さを重視するならONKYO D-77Xがおすすめです。
Pioneer A-120とCelestion SL-6との組み合わせ
Pioneer A-120とCelestion SL-6との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:SL-6は8Ω、最大許容入力200W、推奨アンプ出力35~100WRMSです。A-120の出力は推奨範囲を少し超えますが、許容入力面では余裕があり、互換性は良好です。
- 音質の向上:SL-6は82dB SPL/W/mの低能率スピーカーです。A-120の出力余裕を活かすことで、密閉型の定位と低域の反応を引き出しやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:室内楽、ジャズ、ピアノに向いています。小型スピーカーを余裕で鳴らす用途ではCelestion SL-6が魅力的です。
Pioneer A-120とTANNOY Mercury M20 Goldとの組み合わせ
Pioneer A-120とTANNOY Mercury M20 Goldとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Mercury M20 Goldは8Ω、75W連続、100Wピークです。A-120では音量管理が必要で、許容入力の余裕ではONKYO D-77Xが優れています。
- 音質の向上:90dB/W/1mの能率があるため、小音量から中音量でもA-120の明快さを活かしやすいです。軽快な中域ではTANNOY Mercury M20 Goldも魅力的です。
- おすすめの音楽ジャンル:ポップス、ロック、ジャズボーカルに向いています。安全性を考えるなら、音量を控えめにした運用がおすすめです。
Pioneer A-120は、120W+120Wの出力と0.003%の低歪率を両立した、ダイナミック・ノンスイッチング系のプリメインアンプです。
ダイナミック・パワーサプライ方式、ノンスイッチング回路、2アンプ構成、DCサーボ、ラインストレート機能が組み合わさり、力強さと信号経路の素直さを両立しています。大出力を活かした明快なヴィンテージサウンドを求める人に向いた一台です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Pioneer A-120の詳細スペック一覧
| Pioneer A-120のスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 120W+120W(20Hz~20kHz、両ch駆動、8Ω) |
| 高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.003%(実効出力時) |
| 混変調歪率(50Hz:7kHz=4:1) | 0.003%(実効出力時) |
| 出力帯域幅 | 5Hz~55kHz(IHF、両ch駆動、THD0.01%) |
| 出力端子 | Speaker(4Ω~16Ω):A、B、A+B、Tape Rec:150mV |
| ダンピングファクター | 70(20Hz~20kHz、8Ω) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ、Phono MC:0.2mV/100Ω、Tuner、AUX、Tape Play1、2:150mV/50kΩ |
| Phono最大許容入力(1kHz、THD0.005%) | MM:150mV、MC:11mV |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.2dB、Tuner、AUX、Tape Play:5Hz~100kHz +0 -3dB |
| SN比(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | Phono MM:88dB、Phono MC:70dB、Tuner、AUX、Tape Play:110dB |
| トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz)、Treble:±10dB(10kHz) |
| フィルター | Low:15Hz、6dB/oct. |
| ラウドネスコンター(Volume -40dB時) | +6dB(100Hz)、+3dB(10kHz) |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 260W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅420x高さ131x奥行411mm |
| 重量 | 12.0kg |
