この記事の概要
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SANSUI AU-α607 MOS Limitedは、1999年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-α607 MOS Limitedの概要と特徴

| SANSUI AU-α607 MOS Limitedのスペック | |
|---|---|
| 発売時期 | 1999年 |
| 定価 | 180,000円 |
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| 実効出力 | 75W+75W(6Ω)、50W+50W(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 重量 | 22.5kg |
SANSUI AU-α607 MOS Limitedは、07シリーズの最後に発売された限定生産のプリメインアンプです。旧型MOS FET、Ultimate α-Xバランス回路、10A対応の大型電源トランスを組み合わせ、607系の枠内でMOSらしい質感を狙っています。
特徴①|旧型MOS FETを出力素子に採用する
AU-α607 MOS Limitedは、生産終了後に保管されていた旧型MOS FETをペアで出力素子に採用した限定モデルです。
このMOS FETは、AU-X111、AU-X1111 MOS VINTAGE、B-2105 MOS VINTAGEなど、サンスイの上位MOS機にも使われてきた系譜の素子です。蓄積効果が発生しない特性により、リニアリティと安定した高速増幅を重視しています。

MOS FETらしさはどこに出ますか?
一般的には滑らかな質感や余韻の自然さを語られやすい素子です。AU-α607 MOS Limitedでは、50W+50W(8Ω)という控えめな定格の中で音色の密度を重視する設計として活かされています。
特徴②|10A巻線トランスと大型コンデンサーで電流余裕を稼ぐ
電源トランスは、2次巻線電流を従来の約2倍となる10Aにした大型・重量級タイプです。さらにB-2105 MOS VINTAGEに採用された65φ/8200μF×2の電源コンデンサーを使い、瞬時の大電流応答を支えています。
- 電源コードとパワースイッチは15Aの電流余裕に変更されています。
- ダイナミックパワーは100W(2Ω)、95W(4Ω)、75W(6Ω)です。
- MOS FETを電流動作アンプとして安定させるための電源強化が、このモデルの中心です。
特徴③|Ultimate α-Xバランス回路でMOSを駆動する
回路方式には、サンスイ独自のUltimate α-Xバランス回路を搭載しています。ドライバー段の電流マージンを従来の2倍にし、Aクラス動作とすることで、MOS FET出力段を安定して動かす狙いがあります。
定格では全高調波歪率0.008%以下、ダンピングファクター150、スルーレイト180V/μsec(8Ω)が確認できます。数値だけを競うモデルではなく、MOS出力段とバランス回路の組み合わせで音の質感を作るアンプです。



Ultimate α-XとMOS FETは相性が良いですか?
スピーカーを+側と-側の両方向から同条件で駆動し、MOS FETの滑らかさを制動力で支える考え方です。AU-α607 MOS Limitedでは、柔らかさと輪郭を同時に狙う構成といえます。
特徴④|Limited仕様のパーツとワインレッドサイドウッドを備える
内部には、Limited仕様の金メッキリード付きトップクォリティパーツが使われています。小型電解コンデンサー、フィルムコンデンサー、RMG抵抗など、音質に関わる部品も選別されています。
強化ツイン・モノラル・コンストラクション、純銅材やテフロンを使った電源トランスの振動対策、透明樹脂楕円形インシュレーターも採用されています。外装ではポリエステル鏡面仕上げのワインレッドサイドウッドが、限定モデルらしい存在感を出しています。
SANSUI AU-α607 MOS Limitedと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-α607 MOS Limitedと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-α607 MOS Limited | SANSUI AU-α607NRAII | SANSUI AU-X1111MOS VINTAGE | SANSUI B-2105 MOS VINTAGE |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 50W+50W(8Ω) | 80W+80W(8Ω) | 110W+110W(8Ω) | 110W+110W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.008%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.008%(8Ω) | 0.008%(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) | 150(8Ω) | 200(8Ω) | 200(8Ω) |
| 重量 | 22.5kg | 19.0kg | 35.1kg | 37.0kg |
| 消費電力 | 170W | 230W | 350W | 360W |
| サウンドキャラクター | 旧型MOS FETの滑らかさと限定仕様の密度感 | 2トランス電源とUltimate α-Xの安定感 | MOS VINTAGEらしい重厚なバランス駆動 | セパレートMOSパワーアンプらしい余裕 |
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI AU-α607NRAIIとの比較
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI AU-α607NRAIIとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α607 MOS Limitedは50W+50W、AU-α607NRAIIは80W+80Wです。8Ω時の出力ではSANSUI AU-α607NRAIIが優れています。
- 高調波歪率:AU-α607 MOS Limitedは0.008%以下、AU-α607NRAIIは0.003%以下です。数値上の低歪率ではSANSUI AU-α607NRAIIが有利です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。低域制動の数値では同等です。
- 重量:AU-α607 MOS Limitedは22.5kg、AU-α607NRAIIは19.0kgです。筐体重量ではSANSUI AU-α607 MOS Limitedが上回ります。
- 消費電力:AU-α607 MOS Limitedは170W、AU-α607NRAIIは230Wです。消費電力の低さではSANSUI AU-α607 MOS Limitedが選びやすいです。
- 音の方向性:AU-α607NRAIIは2トランス電源の安定感、AU-α607 MOS Limitedは旧型MOS FETの質感が特徴です。音色の個性ではSANSUI AU-α607 MOS Limitedが魅力的です。
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEとの比較
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α607 MOS Limitedは50W+50W、AU-X1111MOS VINTAGEは110W+110Wです。8Ω時の出力ではSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEが優れています。
- 高調波歪率:AU-α607 MOS Limitedは0.008%以下、AU-X1111MOS VINTAGEは0.008%です。低歪率では同等の水準です。
- ダンピングファクター:AU-α607 MOS Limitedは150、AU-X1111MOS VINTAGEは200です。低域制動の数値ではSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEが優れています。
- 重量:AU-α607 MOS Limitedは22.5kg、AU-X1111MOS VINTAGEは35.1kgです。物量ではSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEが上回ります。
- 消費電力:AU-α607 MOS Limitedは170W、AU-X1111MOS VINTAGEは350Wです。電源規模ではSANSUI AU-X1111MOS VINTAGEが大きいです。
- 音の方向性:AU-X1111MOS VINTAGEは大型MOSプリメインとして重厚です。扱いやすいサイズでMOSの音色を楽しむならSANSUI AU-α607 MOS Limitedが選びやすいです。
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI B-2105 MOS VINTAGEとの比較
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとSANSUI B-2105 MOS VINTAGEとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α607 MOS Limitedは50W+50W、B-2105 MOS VINTAGEは110W+110Wです。8Ω時の出力ではSANSUI B-2105 MOS VINTAGEが優れています。
- 高調波歪率:AU-α607 MOS Limitedは0.008%以下、B-2105 MOS VINTAGEは0.008%です。低歪率では同等の水準です。
- ダンピングファクター:AU-α607 MOS Limitedは150、B-2105 MOS VINTAGEは200です。低域制動の数値ではSANSUI B-2105 MOS VINTAGEが優れています。
- 重量:AU-α607 MOS Limitedは22.5kg、B-2105 MOS VINTAGEは37.0kgです。物量ではSANSUI B-2105 MOS VINTAGEが上回ります。
- 消費電力:AU-α607 MOS Limitedは170W、B-2105 MOS VINTAGEは360Wです。電源規模ではSANSUI B-2105 MOS VINTAGEが大きいです。
- 音の方向性:B-2105 MOS VINTAGEはセパレートのMOSパワーアンプです。一体型でフォノや入力切替までまとめるならSANSUI AU-α607 MOS Limitedが使いやすいです。
SANSUI AU-α607 MOS Limitedとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-α607 MOS Limitedは6Ωで75W+75W、8Ωで50W+50Wの定格出力を備えています。旧型MOS FETの質感を活かすなら、能率と許容入力を見ながら中音量で音色を楽しめるスピーカーと合わせやすいです。
SANSUI AU-α607 MOS Limitedと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- YAMAHA NS-690III
- DIATONE DS-77HR
- TANNOY Cheviot
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとYAMAHA NS-690IIIとの組み合わせ
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとYAMAHA NS-690IIIとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-690IIIは8Ω、最大許容入力80W、定格入力40W、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ密閉型です。AU-α607 MOS Limitedの8Ω出力50W+50Wと合わせる場合は、定格入力40Wを意識して中音量中心で扱う組み合わせです。
- 音質の向上:NS-690IIIは30cmコーン型ウーファー、7.5cmソフトドーム型スコーカー、3.0cmドーム型トゥイーターを搭載し、35Hz〜20000Hzを再生します。MOS Limitedの滑らかさにより、密閉型らしい低域の締まりとソフトドームの穏やかな中高域を出しやすいです。800Hz、6kHzのクロスオーバーも、声と楽器のつながりを自然にまとめやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、クラシック、女性ボーカル、アコースティックに向いています。余韻や木質感を落ち着いて聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとDIATONE DS-77HRとの組み合わせ
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとDIATONE DS-77HRとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-77HRは6Ω、最大入力230W(EIAJ)、出力音圧レベル91dB/W/mの3ウェイ密閉型です。AU-α607 MOS Limitedの6Ω出力75W+75Wと合わせる場合は、入力余裕を活かして無理なく鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:DS-77HRは31cmコーン型ウーファー、10cmコーン型スコーカー、2.5cmドーム型トゥイーターを備え、35Hz〜30kHzを再生します。MOS Limitedと合わせることで、31cmウーファーの量感を丸めすぎず、中域の厚みを出しやすい音になります。500Hz、4kHzのクロスオーバーにより、ボーカルとリズムの重心も作りやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:シティポップ、ロック、フュージョン、男性ボーカルに向いています。低域の張りと中域の濃さを楽しみたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとTANNOY Cheviotとの組み合わせ
SANSUI AU-α607 MOS LimitedとTANNOY Cheviotとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Cheviotは8Ω、許容入力60W、出力音圧レベル89dB/Wの2ウェイ・バスレフ型フロアスピーカーです。AU-α607 MOS Limitedの8Ω出力50W+50Wと合わせる場合は、許容入力60Wに近づけすぎない音量管理が大切な組み合わせです。
- 音質の向上:Cheviotは31.5cm同軸型HPD315Aを搭載し、40Hz〜20kHzを再生します。MOS Limitedの滑らかな出力段と合わせることで、同軸ユニットの定位感とバスレフ型のゆったりした量感を出しやすいです。1kHz(12dB/oct)のクロスオーバーにより、声のまとまりも自然に感じやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、クラシック、フォーク、古いロックに向いています。声の厚みと空間の広がりをゆったり味わいたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α607 MOS Limitedは、旧型MOS FETとUltimate α-Xバランス回路を組み合わせた限定生産のプリメインアンプです。
密閉型では音像のまとまり、同軸フロア型では余韻と広がりを楽しみやすい組み合わせになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-α607 MOS Limitedの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-α607 MOS Limitedのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 実効出力(10Hz〜20kHz、両ch同時動作) | 75W+75W(6Ω)、50W+50W(8Ω) |
| 全高調波歪率(実効出力時) | 0.008%以下(8Ω) |
| 混変調歪率 | 0.008%以下(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 周波数特性(1W) | DC〜300kHz +0 -3dB |
| 入力感度/インピーダンス | 1V/10kΩ(1kHz) |
| SN比(Aネットワーク) | 120dB以上 |
| ダイナミックパワー | 100W(2Ω)、95W(4Ω)、75W(6Ω) |
| TIM歪(SAWTOOTH) | 測定限界値以下 |
| スルーレイト | 180V/μsec(8Ω) |
| ライズタイム | 0.6μsec |
| <プリアンプ部> | |
| 入力感度/インピーダンス(1kHz) | Phono MM:2.5mV/47kΩ、Phono MC:300μV/100Ω、CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:150mV/20kΩ |
| Phono最大許容入力 | MM(THD 0.01%):210mV、MC(THD 0.1%):21mV |
| 周波数特性(1W) | Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB、CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:DC〜300kHz +0 -3dB |
| SN比(Aネットワーク) | Phono MM:88dB以上、Phono MC:70dB以上、CD、Tuner、DVD/Line、Tape-1/MD、Tape-2:110dB以上 |
| トーンコントロール | Bass最大変化量:±6dB(50Hz)、Treble最大変化量:±6dB(15kHz) |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB)、6dB/oct |
| ラウドネス | +6dB(50Hz)、+4dB(10kHz) |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 170W |
| 無信号消費電力 | 52W |
| 外形寸法 | 幅466x高さ162x奥行452mm |
| 重量 | 22.5kg |
