この記事の概要
※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。
SANSUI AU-α907iは、1987年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

ten
SANSUI AU-α907iの概要と特徴

| SANSUI AU-α907iのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1987年 |
| 定価 | 198,000円 |
| 型式 | α-Xバランスインテグレーテッドアンプ |
| 定格出力 | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 重量 | 28.0kg |
SANSUI AU-α907iは、α-Xバランス・サーキットを採用した上位プリメインアンプです。190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)の定格出力に加え、ダンピングファクター150(8Ω)、28.0kgの筐体を備えています。
特徴①|190W+190Wを支えるα-Xバランス構成
AU-α907iの中心は、信号の+側と-側に独立した専用アンプを使うα-Xバランス・サーキットです。アースから信号を分離して扱うことで、アース由来のノイズや歪の影響を抑える思想です。
- 定格出力は190W+190W(6Ω)です。
- 8Ω時でも160W+160Wを確保しています。
- 大型スピーカーの駆動余裕を作りやすい上位機らしい出力です。
特徴②|超大型トランスとツインレギュレーターの安定感
AU-α907iは、バランス電源とツインレギュレーターシステムを組み合わせています。
トランスには、高密度充填材で防振性と耐熱性を高めた超大型トランスを搭載しています。さらに、マスター・レギュレーターに加え、フォノイコライザー基板とプリアンプ基板にローカルレギュレーターを配置し、電源変動や負荷変動に強いクリーンな供給を狙っています。
電源トランス側の大きな安定化に加え、フォノやプリアンプの近くでも電源を整える構成です。小信号回路まで配慮することで、音のにじみを抑えた安定感につながります。
特徴③|ツイン・モノラル構造とディスポーシャル基板
AU-α907iは、電源部を中央に置き、その左右に対称にパワーアンプ部を配置したツイン・モノラルコンストラクションを採用しています。左右チャンネルの干渉を抑え、ステレオ再生の見通しを整えるための構造です。
パワー部の基板には、微細な振動をカットするディスポーシャル基板が使われています。回路だけでなく、基板振動まで抑えて音像の安定感を高める点が、上位機らしい作り込みです。
特徴④|フォノ、バランス入力、ソースダイレクトの使いやすさ
アナログディスク用のイコライザー部には、ディスクリート構成のフォノイコライザーを採用しています。Phono MMは2.5mV/47kΩ、Phono MCは300μV/100Ωで、MM/MCの両方に対応します。

入力まわりも上位機らしいですか?
バランス入力とパワーアンプダイレクト機能も搭載しています。さらにソースダイレクトでは、サブソニックフィルターやミューティング、バランスコントロールなどをパスして、入力ソースをプリドライブ段へ直結できます。
特徴⑤|ソリッド&アンチフラックス・シャーシの制振思想
シャーシには、振動やノイズの干渉を抑えるソリッド&アンチフラックス・シャーシを採用しています。各ステージをセパレーターで分離シールドし、最適に荷重配分された5つの大型インシュレーターも備えています。



28kgの重さは音に関係しますか?
重量そのものだけで音は決まりませんが、上位機では電源部、シャーシ、インシュレーターまで含めて安定性を作ります。AU-α907iの28.0kgは、電源と制振に物量を投じた設計を示す数値です。
SANSUI AU-α907iと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-α907iと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-α907i | SANSUI AU-α907 | SANSUI AU-α707i | YAMAHA A-2000a |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) | 190W+190W(6Ω)、180W+180W(8Ω) | 160W+160W(6Ω)、130W+130W(8Ω) | 150W+150W(6Ω)、130W+130W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%(6Ω、定格出力時) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) | 100(6Ω) | 150(8Ω) | 200以上(8Ω) |
| 重量 | 28.0kg | 28.0kg | 20.5kg | 26kg |
| 消費電力 | 400W | 370W | 320W | 420W |
| サウンドキャラクター | 制動力と大出力を両立したα-Xバランスサウンド | 大出力と重量感のある初代α907系サウンド | 扱いやすさと制動感のバランス | Dual Amp Class A with ZDRの滑らかさ |
SANSUI AU-α907iとSANSUI AU-α907との比較
SANSUI AU-α907iとSANSUI AU-α907との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α907iは190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)、AU-α907は190W+190W(6Ω)、180W+180W(8Ω)です。8Ω時の出力ではSANSUI AU-α907が優れています。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。低歪率の定格では同等です。
- ダンピングファクター:AU-α907iは150(8Ω)、AU-α907は100(6Ω)です。数値上の制動力ではSANSUI AU-α907iが優れています。
- 重量:どちらも28.0kgです。筐体重量では同等です。
- 消費電力:AU-α907iは400W、AU-α907は370Wです。消費電力の大きさではSANSUI AU-α907iが上回ります。
- 音の方向性:AU-α907は初代α907らしい力感、AU-α907iは制動力と電源安定度を強めた方向です。低域の締まりと入力系の完成度を重視するならSANSUI AU-α907iが合いやすいです。
SANSUI AU-α907iとSANSUI AU-α707iとの比較
SANSUI AU-α907iとSANSUI AU-α707iとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α907iは190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)、AU-α707iは160W+160W(6Ω)、130W+130W(8Ω)です。出力の余裕ではSANSUI AU-α907iが優れています。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。低歪率の定格では同等です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。制動力の定格では同等です。
- 重量:AU-α907iは28.0kg、AU-α707iは20.5kgです。物量感ではSANSUI AU-α907iが上回ります。
- 消費電力:AU-α907iは400W、AU-α707iは320Wです。電源規模ではSANSUI AU-α907iが大きいです。
- 音の方向性:AU-α707iは扱いやすい上位中核機、AU-α907iは大型電源と筐体物量の余裕が魅力です。スケール感まで求めるならSANSUI AU-α907iが選びやすいです。
SANSUI AU-α907iとYAMAHA A-2000aとの比較
SANSUI AU-α907iとYAMAHA A-2000aとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α907iは190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)、A-2000aは150W+150W(6Ω)、130W+130W(8Ω)です。出力ではSANSUI AU-α907iが優れています。
- 高調波歪率:AU-α907iは0.003%以下、A-2000aは6Ω定格出力時0.003%です。低歪率の定格では同等水準です。
- ダンピングファクター:AU-α907iは150(8Ω)、A-2000aは200以上(8Ω)です。数値上の制動力ではYAMAHA A-2000aが優れています。
- 重量:AU-α907iは28.0kg、A-2000aは26kgです。物量感ではSANSUI AU-α907iが上回ります。
- 消費電力:AU-α907iは400W、A-2000aは420Wです。消費電力の大きさではYAMAHA A-2000aが上回ります。
- 音の方向性:A-2000aはDual Amp Class A with ZDRによる滑らかさ、AU-α907iはα-Xバランスらしい厚みと制動感が魅力です。濃密で力強い方向を重視するならSANSUI AU-α907iが合いやすいです。
SANSUI AU-α907iとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-α907iは、8Ωで160W+160W、6Ωで190W+190Wの定格出力を持つため、大型スピーカーにも余裕を持たせやすい上位プリメインアンプです。
ここではYAMAHAの密閉型、JBLのホーン搭載バスレフ型、TANNOYの同軸特殊バスレフ型を選び、AU-α907iとの相性を解説します。
SANSUI AU-α907iとYAMAHA NS-2000との組み合わせ
SANSUI AU-α907iとYAMAHA NS-2000との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-2000は6Ω、許容入力125W、ミュージック許容入力250W、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ密閉型ブックシェルフです。AU-α907iの6Ω時190W+190Wは許容入力125Wを超えるため、連続大音量は避け、ピークに余白を残す音量管理が大切です。90dB/W/mの能率があるため、家庭内では十分な音量を得ながら33cm級ウーファーを制御しやすい組み合わせです。
- 音質の向上:NS-2000は30cmコーン型ウーファー、8.8cmドーム型スコーカー、3.0cmドーム型トゥイーターを搭載し、28Hz〜20kHzを再生します。80Lの完全密閉エンクロージャーにAU-α907iのダンピングファクター150が加わることで、低域の沈み込みを締めながらベリリウム中高域の見通しを活かしやすい音になります。500Hz、6kHzのクロスオーバーにより、ボーカル帯域と高域のつながりも整えやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、女性ボーカル、シティポップに向いています。AU-α907iの厚みとNS-2000の高解像度な密閉型サウンドが合わさるため、低域の安定感と声の透明感を両方楽しみたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907iとJBL 4425との組み合わせ
SANSUI AU-α907iとJBL 4425との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:JBL 4425は8Ω、許容入力200W(連続プログラム)、ピーク入力1kW、出力音圧レベル91dB/W/mの2ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフです。AU-α907iの8Ω時160W+160Wは連続プログラム200Wに収まり、音量管理をしながら使いやすい関係です。91dB/W/mの能率があるので、アンプの出力余裕をホーンと30cmウーファーの瞬発力に活かしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:JBL 4425は30cmコーン型2214Hと、2416H+2342のホーン型ユニットを搭載し、40Hz〜16kHz ±3dBを再生します。54LのバスレフエンクロージャーにAU-α907iの制動力を合わせることで、JBLらしい前に出る中域と低域の締まりを両立しやすい音になります。1.2kHzのクロスオーバーにより、ボーカルや管楽器の押し出しも出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ファンク、ジャズ、フュージョン、ライブ録音に向いています。AU-α907iの厚い中低域と4425のホーンの鮮度が合わさるため、ドラムやホーンセクションの勢いを力強く聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907iとTANNOY Stirlingとの組み合わせ
SANSUI AU-α907iとTANNOY Stirlingとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Stirlingは8Ω、許容入力100W連続/250Wピーク、出力音圧レベル90dB/W/1mの2ウェイ・特殊バスレフ方式ブックシェルフです。AU-α907iの8Ω時160W+160Wは連続許容入力100Wより大きいため、大音量での連続再生よりも、余裕を残した音量設定が向いています。90dB/W/1mの能率を踏まえると、音量を上げすぎずに同軸ユニットの定位感を楽しみやすい組み合わせです。
- 音質の向上:Stirlingは25cm同軸型ユニット2558を搭載し、35Hz〜20kHz ±3dBを再生します。1.2kHzのクロスオーバーと68Lの内容積を持つ特殊バスレフ型にAU-α907iを合わせることで、声の定位と中低域の厚みを落ち着いてまとめやすい音になります。バリアブル・ディストリビューテッド・ポートは、部屋に合わせて低域量を調整できる点も魅力です。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、クラシック、室内楽、アコースティック、オペラに向いています。AU-α907iの濃密な中域とStirlingの同軸表現が合わさるため、声の奥行きや楽器の位置関係をゆったり聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907iの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-α907iのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | α-Xバランスインテグレーテッドアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 定格出力 | 190W+190W(6Ω、20Hz〜20kHz、両ch駆動)、160W+160W(8Ω、20Hz〜20kHz、両ch駆動) |
| 全高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω、実効出力時) |
| 混変調歪率 | 0.003%以下(8Ω、実効出力時) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 周波数特性 | DC〜300kHz +0 -3dB(1W) |
| 入力感度/インピーダンス | Balance、Normal:1V/3kΩ(1kHz) |
| SN比 | 120dB以上(Aネットワーク) |
| TIM歪 | 測定限界値以下(SAWTOOTH) |
| スルーレイト | ±200V/μsec(6Ω) |
| ライズ・タイム | 0.5μsec |
| <プリアンプ部> | |
| 入力感度/入力インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ、Phono MC:300μV/100Ω、CD、Tuner、Line、Prosessor、Tape/DAT/Play1・2・3:150mV/47kΩ(1kHz) |
| Phono最大許容入力 | MM:250mV、MC:25mV(THD 0.01%) |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB、CD、Line、Tape/DAT/Play1・2・3:DC〜300kHz +0 -3dB |
| SN比 | Phono MM:90dB以上、Phono MC:75dB以上、Tuner、Line、CD、Tape/DAT/Play1・2・3:110dB以上 |
| トーンコントロール | Bass最大変化量:±5dB(50Hz)、Treble最大変化量:±5dB(15kHz) |
| ターンオーバー周波数 | 75Hz、150Hz |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB)、6dB/oct |
| ラウドネス | 50Hz:+6dB、10kHz:+4dB |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 400W |
| 外形寸法 | 幅448x高さ160x奥行441mm |
| 重量 | 28.0kg |
