この記事の概要
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SANSUI AU-α907MRは、1995年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-α907MRの概要と特徴

| SANSUI AU-α907MRのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1995年 |
| 定価 | 295,000円 |
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| 実効出力 | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 重量 | 33.0kg |
SANSUI AU-α907MRは、New Hyper α-Xバランス回路を搭載した907シリーズの上級プリメインアンプです。190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)の実効出力に加え、New α-Xバランス電源やWBT社共同開発スピーカーターミナルを備えています。
特徴①|アドバンスドウィルソン方式で動作を安定させる
AU-α907MRでは、New Hyper α-Xバランス回路にアドバンスドウィルソン・カレントミラー方式を組み合わせています。
XR世代の高CMRR型定電流回路をさらに発展させ、上下対称バランス型定電流回路として搭載しています。ドライバー段を別巻線によるクローズドループとすることで、DCオフセットによる電流のばらつきと動作の不安定さを抑える設計です。
バランスアンプの動作環境を整え、回路内で発生する電気的ノイズを抑えるための構成です。AU-α907MRでは、ドライバー段とメイン電源部のクローズドループ化まで踏み込んでいます。
特徴②|New α-Xバランス電源で入口から出口まで整える
電源部にはNew α-Xバランス電源を採用しています。出力段をバランス型クローズ、ドライバー段を上下対称バランス型定電流電源とし、アースから独立したクローズドループ構成で動作させる設計です。
- ダイナミックパワー:580W(2Ω)、390W(4Ω)、310W(6Ω)
- 定格消費電力:400W
- 重量:33.0kg
電源の余裕は、低域の押し出しだけでなく、音量を上げたときの余裕にもつながります。大きなスピーカーを組み合わせても、音像の重心を崩しにくい構成です。
特徴③|WBT社共同開発端子でバイワイヤリングに対応する
AU-α907MRでは、スピーカー端子にも大きな変更が加えられています。ドイツWBT社共同開発のOFC合金・24カラット硬化金メッキ端子を採用し、バイワイヤリング接続にも対応しています。

端子の違いは音に関係しますか?
接点のロスや緩みを抑えやすくなるため、スピーカーケーブルとの接続安定性に関わります。大型スピーカーを長く使う場合、端子の質は地味ですが重要な部分です。
特徴④|強化ツイン・モノラル構造で左右干渉を抑える
電源部を中央に置き、左右のパワーユニットを筐体両サイドに対称配置する強化ツイン・モノラル・コンストラクションを採用しています。重量バランスを整えながら、左右チャンネルの干渉を抑える構造です。
マスターボリューム、パワートランジスタ、電解コンデンサーの取付けベースには純銅製アイソレーションパーツが使われています。さらに純銅楕円インシュレーターも備え、33.0kgの重量は物量だけでなく制振設計の密度も示しています。
特徴⑤|トーンコントロールとフォノ入力を残した実用性
AU-α907MRは、上級機らしい信号経路を持ちながら、実用的な調整機能も残しています。
バランス/CD/Line対応のパワーアンプダイレクト入力を備え、フォノイコライザー部はMM/MCに対応しています。XRで省かれていたトーンコントロールも搭載され、音質追求と使いやすさのバランスを取りやすい構成です。
SANSUI AU-α907MRと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-α907MRと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-α907MR | SANSUI AU-α907XR | SANSUI AU-α907DR | YAMAHA A-2000a |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) | 190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω) | 150W+150W(6Ω)、130W+130W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%以下(8Ω) | 0.003%(6Ω、定格出力時) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) | 150(8Ω) | 150(8Ω) | 200以上(8Ω) |
| 重量 | 33.0kg | 33.0kg | 33.0kg | 26kg |
| 消費電力 | 400W | 400W | 400W | 420W |
| サウンドキャラクター | New Hyper α-XバランスとWBT系端子による緻密な音 | Hyper α-Xバランスとシンプル信号経路による見通しの良い音 | アドバンスドα-Xバランスと大型電源による濃密な音 | Dual Amp Class A with ZDRの滑らかな音 |
SANSUI AU-α907MRとSANSUI AU-α907DRとの比較
SANSUI AU-α907MRとSANSUI AU-α907DRとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:どちらも190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)です。出力規模は同等です。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。数値上の低歪率は同等です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。低域制動の数値では同等です。
- 重量:どちらも33.0kgです。筐体の物量では同等です。
- 消費電力:どちらも400Wです。電源規模の目安では同等です。
- 音の方向性:AU-α907DRはアドバンスドα-Xバランス回路の濃密さ、AU-α907MRはNew Hyper α-Xバランス回路とNew α-Xバランス電源の緻密さが魅力です。回路世代の新しさではSANSUI AU-α907MRが優れています。
SANSUI AU-α907MRとSANSUI AU-α907XRとの比較
SANSUI AU-α907MRとSANSUI AU-α907XRとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:どちらも190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)です。出力規模は同等です。
- 高調波歪率:どちらも0.003%以下(8Ω)です。低歪率の数値では同等です。
- ダンピングファクター:どちらも150(8Ω)です。数値上の制動力は同等です。
- 重量:どちらも33.0kgです。筐体重量では同等です。
- 消費電力:どちらも400Wです。電源規模の目安では同等です。
- 音の方向性:AU-α907XRはHyper α-Xバランス回路とトーンコントロール排除による見通し、AU-α907MRはNew Hyper α-Xバランス回路とWBT系端子による完成度が魅力です。端子や電源まで含めた後期型のまとまりを重視するならSANSUI AU-α907MRが合いやすいです。
SANSUI AU-α907MRとYAMAHA A-2000aとの比較
SANSUI AU-α907MRとYAMAHA A-2000aとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-α907MRは190W+190W(6Ω)、160W+160W(8Ω)、A-2000aは150W+150W(6Ω)、130W+130W(8Ω)です。出力ではSANSUI AU-α907MRが優れています。
- 高調波歪率:AU-α907MRは0.003%以下(8Ω)、A-2000aは0.003%(6Ω、定格出力時)です。数値上は近い水準です。
- ダンピングファクター:AU-α907MRは150(8Ω)、A-2000aは200以上(8Ω)です。数値上の制動力ではYAMAHA A-2000aが優れています。
- 重量:AU-α907MRは33.0kg、A-2000aは26kgです。筐体重量ではSANSUI AU-α907MRが上回ります。
- 消費電力:AU-α907MRは400W、A-2000aは420Wです。消費電力の大きさではYAMAHA A-2000aが上回ります。
- 音の方向性:A-2000aはDual Amp Class A with ZDRによる滑らかさ、AU-α907MRは厚みと制動感が魅力です。低域の押し出しと音像の密度を重視するならSANSUI AU-α907MRが合いやすいです。
SANSUI AU-α907MRとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-α907MRは、160W+160W(8Ω)の実効出力とダンピングファクター150(8Ω)を備えているため、大型ウーファーや低能率寄りのスピーカーも落ち着いて鳴らしやすいアンプです。ここでは、性格の異なるヴィンテージスピーカーとの相性を見ていきます。
SANSUI AU-α907MRとJBL S3100との組み合わせ
SANSUI AU-α907MRとJBL S3100との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:S3100は6Ω、許容入力200W(IEC)、出力音圧レベル94dB/2.83V/mの2ウェイ・バスレフ方式フロア型です。AU-α907MRの6Ω時190W+190Wは許容入力の範囲に収まり、高能率を活かして余裕を残した音量で鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:S3100は38cmコーン型ウーファー(ME150HS)とホーン型ユニット(2426H+H2600)を搭載し、30Hz〜20kHzを再生します。750HzのクロスオーバーにAU-α907MRの制動力が加わることで、38cmウーファーの押し出しを締めながら、ホーンの立ち上がりを力強く出しやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、ロック、ファンク、ライブ録音に向いています。S3100の高能率とAU-α907MRの瞬発力が合わさるため、ドラムやホーンの迫力を前に出して聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907MRとDIATONE DS-2000HRとの組み合わせ
SANSUI AU-α907MRとDIATONE DS-2000HRとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-2000HRは6Ω、最大入力180W(EIAJ)、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ・密閉方式ブックシェルフです。AU-α907MRの6Ω時190W+190Wは最大入力に近いため、大音量では入力過多を避けて余裕を残す調整が重要です。
- 音質の向上:DS-2000HRは30cmコーン型ウーファー、6.0cmドーム型ミッドレンジ、2.3cmドーム型トゥイーターを搭載し、28Hz〜40kHzを再生します。500Hz、4.5kHzのクロスオーバーにAU-α907MRの制動力が加わることで、密閉型らしい低域の輪郭とボロナイズドチタンDUDの見通しを活かしやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、女性ボーカル、フュージョンに向いています。DS-2000HRの高剛性キャビネットとAU-α907MRの緻密さが合わさるため、ピアノや弦の芯を明瞭に聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907MRとYAMAHA NS-2000との組み合わせ
SANSUI AU-α907MRとYAMAHA NS-2000との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-2000は6Ω、許容入力125W、ミュージック許容入力250W、出力音圧レベル90dB/W/mの3ウェイ・密閉方式ブックシェルフです。AU-α907MRの6Ω時190W+190Wはミュージック許容入力内ですが、連続大音量では125Wの許容入力を意識した音量管理が大切です。
- 音質の向上:NS-2000は30cmコーン型ウーファー、8.8cmドーム型スコーカー、3.0cmドーム型トゥイーターを搭載し、28Hz〜20kHzを再生します。500Hz、6kHzのクロスオーバーを持つ密閉型にAU-α907MRを合わせることで、ピュアカーボンファイバーコーンの低域とベリリウム中高域を引き締めやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、ボーカル、アコースティックに向いています。NS-2000の密閉型らしい定位とAU-α907MRの静かな背景により、声や弦の余韻を自然な距離感で聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-α907MRの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-α907MRのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 定格出力 | 190W+190W(6Ω、10Hz〜20kHz、両ch同時動作)、160W+160W(8Ω、10Hz〜20kHz、両ch同時動作) |
| 全高調波歪率 | 0.003%以下(8Ω、実効出力時) |
| 周波数特性 | DC〜300kHz +0 -3dB(1W出力時) |
| 混変調歪率 | 0.003%以下(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| 入力感度/インピーダンス | 1V/5kΩ(1kHz) |
| SN比 | 120dB以上(Aネットワーク) |
| ダイナミックパワー | 6Ω:310W、4Ω:390W、2Ω:580W |
| TIM歪 | 測定限界値以下(SAWTOOTH) |
| スルーレイト | 200V/μsec |
| ライズタイム | 0.5μsec |
| <プリアンプ部> | |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ、Phono MC:300μV/100Ω、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:150mV/20kΩ(1kHz) |
| Phono最大許容入力 | MM:210mV(THD 0.01%)、MC:21mV(THD 0.1%) |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:DC〜300kHz +0 -3dB |
| SN比 | Phono MM:90dB以上、Phono MC:75dB以上、CD、Tuner、Line、Tape/DAT1、2:110dB以上 |
| トーンコントロール | Bass最大変化量:±6dB(50Hz)、Treble最大変化量:±6dB(15kHz) |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB)、6dB/oct |
| ラウドネス | 50Hz:+4dB、10kHz:+3dB |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 400W |
| 外形寸法 | 幅471x高さ163x奥行452mm |
| 重量 | 33.0kg |
