この記事の概要
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SANSUI AU-5900は、1976年頃に発売されたプリメインアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-5900の概要と特徴

| 項目 | SANSUI AU-5900 |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 両ch動作:45W+45W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz) 50W+50W(4Ω、8Ω、1kHz) 片ch動作:80W+80W(4Ω) 55W+55W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力時) 0.08%以下(1/2出力時) |
| パワーバンドウィズ | 5Hz~40kHz(8Ω) |
| 周波数特性 | 10Hz~50kHz +0 -1.5dB(1W時) |
| ダンピングファクター | 80(8Ω) |
| 消費電力 | 106W(定格) 300W(最大) |
| 重量 | 11.5kg |
SANSUI AU-5900は、AU-7900と同じ思想のもとで開発されたプリメインアンプです。実効出力は両ch動作で45W+45W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、ダンピングファクターは80(8Ω)、周波数特性は10Hz~50kHzです。中級機のサイズに上位思想を凝縮した一台として、音色調整と駆動力の両方を楽しめます。
特徴①|全段直結純コンプリメンタリー回路
パワーアンプ部には、全段直結純コンプリメンタリー回路を採用しています。初段はデュアルトランジスタによる差動増幅、ドライブ段はアクティブロード付きダーリントン3段構成で、プリドライブ段の電源は出力段と別回路です。
過渡的な信号が入ったときの非直線性歪を抑える狙いがあり、力感と見通しを両立しやすい構成になっています。

AU-5900の回路構成は、どんな聴き方に向いていますか?
向いているのは、低域をゆるませずに中域の厚みも残したい聴き方です。ダンピングファクター80(8Ω)があるため、ブックシェルフ型から大型寄りのスピーカーまで、音量を整えながら輪郭を出しやすいです。
特徴②|NF型イコライザーとPhono1の3段切替
AU-5900は、レコード再生まわりの作りも丁寧です。
- Phono1は2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩです。
- Phono2は2.5mV/50kΩです。
- Phono最大許容入力は250mVです。
イコライザー回路は、ローノイズトランジスタ4個で構成されたNF型です。初段入力に直流バランスの良い差動増幅を採用し、合計51Vの高電圧による±2電源を供給しています。カートリッジ側の条件に合わせやすいフォノ入力が魅力です。
特徴③|トリプルトーンとトーンディフィート
トーンコントロール回路はNF型で、Bass、Midrange、Trebleを備えたトリプルトーンコントロールです。Bassは50Hzで±13dB、Midrangeは1.5kHzで±5dB、Trebleは15kHzで±13dBです。



中域まで調整できると、どんな場面で便利ですか?
ボーカルの厚み、ギターの前後感、古い録音のこもり感を整えたい場面で便利です。
トーンディフィートも備えているため、調整した音とフラットな音を切り替えながら聴けるのも使いやすい点です。
特徴④|上向き端子とプリメイン分離
背面の入力端子部は、端子類を上向きに取り付けた構造です。入力端子からセレクターまでシールド線を用いる必要を抑え、浮遊容量などによる高域特性の劣化を防ぐ狙いがあります。
さらに、プリアンプ部とメインアンプ部を背面パネルのスイッチで切り離せます。一体型として使いながら、外部機器との発展性も残した設計です。
特徴⑤|大型電源部と保護回路
電源部には大型電源トランスと10,000μF×2の電源コンデンサーを組み合わせています。パワー段とドライブ段を除く全ブロック段に安定化電源を供給する構成です。
出力端子DC検出回路、異常温度検出回路、ASO検出カレントリミッター回路を備えています。音量を上げる場面でも状態を見ながら使いやすい設計です。
SANSUI AU-5900と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、SANSUI AU-5900と、同時期のヴィンテージアンプ3機種を比較します。対象はSANSUI AU-6900、Pioneer SA-810、TRIO KA-5500です。
| 項目 | SANSUI AU-5900 | SANSUI AU-6900 | Pioneer SA-810 | TRIO KA-5500 |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ | プリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ | インテグレーテッドアンプ |
| 8Ω出力 | 45W+45W(両ch動作、20Hz~20kHz) 50W+50W(両ch動作、1kHz) 55W+55W(片ch動作) | 60W+60W(両ch動作、20Hz~20kHz) 62W+62W(両ch動作、1kHz) 62W+62W(片ch動作) | 40W+40W(20Hz~20000Hz、両ch駆動) 44W+44W(1kHz、両ch駆動) 50W/50W(1kHz、片ch駆動) | 55W+55W(20Hz~20kHz、両ch動作) 60W+60W(1kHz、両ch動作) |
| 4Ω出力 | 45W+45W(両ch動作、20Hz~20kHz) 50W+50W(両ch動作、1kHz) 80W+80W(片ch動作) | 60W+60W(両ch動作、20Hz~20kHz) 62W+62W(両ch動作、1kHz) 100W+100W(片ch動作) | 45W+45W(20Hz~20000Hz、両ch駆動) 50W+50W(1kHz、両ch駆動) 60W/60W(1kHz、片ch駆動) | ― |
| 歪率 | 全高調波歪率:0.1%以下(定格出力時) 0.08%以下(1/2出力時) | 全高調波歪率:0.1%以下(定格出力時) 0.08%以下(1/2出力時) | 高調波歪率:0.3%以下(実効出力時) 0.05%以下(1W出力時) | 全高調波歪率:0.1%(定格出力時、8Ω) 0.06%(1W出力時、20Hz~20kHz、8Ω) |
| 帯域 | パワーバンドウィズ:5Hz~40kHz(8Ω) 周波数特性:10Hz~50kHz +0 -1.5dB | パワーバンドウィズ:5Hz~40kHz(8Ω) 周波数特性:10Hz~50kHz +0 -1.5dB | 出力帯域幅:5Hz~40kHz 周波数特性:7Hz~80kHz +0 -1dB | 出力帯域特性:5Hz~40kHz Tuner、Aux、Tape Play:20Hz~40kHz +0 -0.5dB |
| 負荷インピーダンス | ― | ― | Speaker:A、B、A+B(4Ω~16Ω) | 4Ω~16Ω |
| ダンピングファクター | 80(8Ω) | 80(8Ω) | 60以上(1kHz、8Ω) | 30 |
| 入力感度/インピーダンス | Phono1:2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Aux1、2、Tuner、Tape1、2:130mV/50kΩ | Phono1:2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Aux1、2、Tuner、Tape1、2:130mV/50kΩ | Phono1:2.5mV/50kΩ Tuner、AUX1:150mV/100kΩ | Phono:2.5mV/50kΩ Tuner、Aux、Tape Play:150mV/50kΩ |
| 消費電力 | 106W(定格) 300W(最大) | 132W(定格) 370W(最大) | 105W(定格) 260W(最大) | 145W(定格) |
| 外形寸法 | 幅430x高さ132x奥行312mm | 幅430x高さ132x奥行340mm | 幅430x高さ138x奥行341mm | 幅380x高さ140x奥行255mm |
| 重量 | 11.5kg | 12.9kg | 12.1kg | 10.5kg |
SANSUI AU-5900とSANSUI AU-6900との比較
SANSUI AU-5900とSANSUI AU-6900との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-5900は45W+45W、AU-6900は60W+60Wです。両ch動作の20Hz~20kHz出力ではAU-6900が大きいです。
- 歪率:どちらも0.1%以下(定格出力時)、0.08%以下(1/2出力時)です。歪率の掲載値は同じ内容です。
- 帯域:どちらもパワーバンドウィズ5Hz~40kHz、周波数特性10Hz~50kHzです。帯域の掲載値は同じ内容です。
- ダンピングファクター:どちらも80(8Ω)です。8Ω時の数値は同じ内容です。
- 重量:AU-5900は11.5kg、AU-6900は12.9kgです。重量ではAU-6900が重いです。
SANSUI AU-5900とPioneer SA-810との比較
SANSUI AU-5900とPioneer SA-810との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-5900は45W+45W、SA-810は40W+40Wです。20Hz~20kHzの両ch駆動値ではAU-5900が大きいです。
- 4Ω出力:AU-5900は45W+45W、SA-810は45W+45Wです。20Hz~20kHzの両ch駆動値は同じ内容です。
- 歪率:AU-5900は0.1%以下(定格出力時)、SA-810は0.3%以下(実効出力時)です。数値ではAU-5900が小さいです。
- 周波数特性:AU-5900は10Hz~50kHz、SA-810は7Hz~80kHzです。上限の数値ではSA-810が高いです。
- ダンピングファクター:AU-5900は80、SA-810は60以上です。8Ω時の数値ではAU-5900が大きいです。
- 重量:AU-5900は11.5kg、SA-810は12.1kgです。重量はかなり近い数値です。
SANSUI AU-5900とTRIO KA-5500との比較
SANSUI AU-5900とTRIO KA-5500との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-5900は45W+45W、KA-5500は55W+55Wです。20Hz~20kHzの両ch動作値ではKA-5500が大きいです。
- 全高調波歪率:どちらも0.1%です。定格出力時の掲載値は同じ内容です。
- 帯域:どちらも5Hz~40kHz系の掲載があります。出力帯域系の上限は同じ40kHzです。
- ダンピングファクター:AU-5900は80、KA-5500は30です。数値ではAU-5900が大きいです。
- 入力感度:AU-5900はAux系が130mV、KA-5500はTuner/Aux/Tape Playが150mVです。ライン系の入力感度ではAU-5900が小さい入力値です。
- 重量:AU-5900は11.5kg、KA-5500は10.5kgです。重量ではAU-5900が重いです。
SANSUI AU-5900とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-5900は8Ωで45W+45Wの両ch動作出力と、ダンピングファクター80を備えたプリメインアンプです。
ここでは中出力アンプの駆動力と音色調整を活かしやすいスピーカーとして、JBL L26 Decade、KEF Coda、DIATONE DS-501を取り上げます。
SANSUI AU-5900とJBL L26 Decadeとの組み合わせ
- 互換性:L26 Decadeはインピーダンス8Ω、許容入力35W(連続プログラム)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベル89dB(新JIS)です。AU-5900は8Ωで45W+45W、負荷インピーダンスは―なので、許容入力35Wを意識して音量を少しずつ上げる使い方が向いています。
- 音質の向上:L26 Decadeは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、25.5cmコーン型と3.6cmドーム型を搭載しています。周波数特性は―、出力音圧レベルは89dB、クロスオーバー周波数は2kHzです。AU-5900のBassとMidrangeを使うと、25.5cmウーファーの厚みと中域の張りを整えやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ブルース、ソウルに向いています。89dBの出力音圧レベルと35Wの許容入力を見ながら、低域を持ち上げすぎず、リズムの押し出しを確認しながら鳴らすと聴きやすいです。
SANSUI AU-5900とKEF Codaとの組み合わせ
- 互換性:Codaはインピーダンス8Ω、最大許容入力20W(music)、適合入力15W~25W(8Ω負荷)、感度96dB(入力19W、8Ω、無響室、1m地点)です。AU-5900は8Ωで45W+45W、負荷インピーダンスは―なので、適合入力15W~25Wの範囲を意識して控えめな音量から調整することが大切です。
- 音質の向上:Codaは2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型で、コーン型B110とドーム型T27を搭載しています。周波数レンジは50Hz~40kHz、定格レスポンスは85Hz~30kHz±4dB、クロスオーバー周波数は3.5kHzです。AU-5900のトーンディフィートを使うと、小型密閉型のまとまりを崩さずに聴きやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:室内楽、女性ボーカル、フォークに向いています。最大許容入力20Wのため、近距離で音量を細かく決め、声の自然さと高域の余韻を確認しながら鳴らすと相性をつかみやすいです。
SANSUI AU-5900とDIATONE DS-501との組み合わせ
- 互換性:DS-501は定格インピーダンス6Ω、最大入力100W(EIAJ)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベル91dB/W/mです。AU-5900は4Ωと8Ωで45W+45Wの掲載があり、負荷インピーダンスは―なので、6Ωスピーカーとして実機表示を確認し、音量を段階的に上げる使い方が向いています。
- 音質の向上:DS-501は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型で、32cmコーン型、6.5cmドーム型、2.5cmドーム型を搭載しています。再生周波数帯域は30Hz~30kHz、出力音圧レベルは91dB/W/m、クロスオーバー周波数は600Hz、5kHzです。AU-5900のダンピングファクター80を活かすと、密閉型の32cmウーファーを締め気味にまとめやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、フュージョン、オーケストラに向いています。91dB/W/mの出力音圧レベルと最大入力100Wを見ながら、広めの部屋で低域の量と中高域の抜けを確認しつつ鳴らすと聴きやすいです。
SANSUI AU-5900は、全段直結純コンプリメンタリー回路、NF型イコライザー、トリプルトーンコントロール、大型電源部を備えた、音作りの幅が広いプリメインアンプです。
スピーカーを合わせるときは、インピーダンス、許容入力、推奨アンプ出力、出力音圧レベルを確認し、最初は控えめな音量から鳴らしていくと、AU-5900の駆動力と中域調整をつかみやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-5900の詳細スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 両ch動作:45W+45W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz) 50W+50W(4Ω、8Ω、1kHz) 片ch動作:80W+80W(4Ω) 55W+55W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力時) 0.08%以下(1/2出力時) |
| 混変調歪率 | 0.1%以下(70Hz:7kHz=4:1、SMPTE) |
| パワーバンドウィズ | 5Hz~40kHz(8Ω) |
| 周波数特性 | 10Hz~50kHz +0 -1.5dB(1W時) |
| RIAA偏差 | 30Hz~15kHz ±0.3dB |
| ダンピングファクター | 80(8Ω) |
| チャンネルセパレーション | Phono1、2:50dB以上 Aux1、2、Tuner、Tape1、2:55dB以上 Power amp:60dB以上 |
| ハム及びノイズ | Phono1、2:75dB以上 Aux1、2、Tuner、Tape1、2:90dB以上 Power amp:100dB以上 |
| Phono最大許容入力 | 250mV(1kHz、THD0.1%以下) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono1:2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Phono2:2.5mV/50kΩ Aux1、2、Tuner、Tape1、2(PIN):130mV/50kΩ Tape1(DIN):130mV Power amp:700mV/50kΩ |
| 録音出力 | Tape rec1、2(PIN):130mV Tape rec1(DIN):30mV |
| トーンコントロール | Bass:±13dB(50Hz) Midrange:±5dB(1.5kHz) Treble:±13dB(15kHz) |
| ラウドネス | +8dB(10kHz)、+10dB(50Hz) |
| ローフィルター | -3dB、70Hz(6dB/oct) |
| ハイフィルター | -3dB、7kHz(6dB/oct) |
| ミューティング | 0dB、-20dB |
| 消費電力 | 106W(定格) 300W(最大) |
| 外形寸法 | 幅430x高さ132x奥行312mm |
| 重量 | 11.5kg |
