この記事の概要
※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。
SANSUI AU-6900は、全段直結純コンプリメンタリー回路とパラレルプッシュプル出力段を備えたプリメインアンプです。
本記事では、AU-6900の特徴、同時代アンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

ten
SANSUI AU-6900の概要と特徴

| SANSUI AU-6900の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 発売時期 | 1976年頃 |
| 定価 | 65,000円 |
| 実効出力 | 60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz) 62W+62W(4Ω、8Ω、1kHz) |
| 全高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力時) |
| 重量 | 12.9kg |
SANSUI AU-6900は、1976年頃に65,000円で発売されたプリメインアンプです。
実効出力は60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、ダンピングファクターは80(8Ω)で、中級機の価格帯に力強い駆動系を盛り込んだモデルです。
特徴①|パラレルプッシュプル出力段
出力段にはパラレルプッシュプル方式が採用され、1チャンネルあたり4個のパワートランジスタを組み合わせています。60W+60W級の出力を低歪で得るための構成として、AU-6900の性格をよく表しています。
パワーアンプ部は全段直結純コンプリメンタリー回路で、初段にはデュアルトランジスタによる差動増幅、ドライブ段にはアクティブロード付きダーリントン3段構成が使われています。過渡的な信号でも崩れにくい方向を狙った設計です。
- 実効出力:60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)です。
- 1kHz出力:62W+62W(4Ω、8Ω、1kHz)です。
- ダンピングファクター:80(8Ω)です。
特徴②|Phono1の3段インピーダンス切替

AU-6900はレコードカートリッジに合わせやすいですか?
Phono1は2.5mVで、入力インピーダンスを30kΩ、50kΩ、100kΩから選べます。Phono2は2.5mV/50kΩで、2系統のPhonoを用途に応じて使い分けられる構成です。
Phono最大許容入力は250mV(1kHz、THD0.1%以下)、RIAA偏差は30Hz~15kHz ±0.3dBです。アナログ入力を重視する場合、負荷切替とRIAA偏差の細かさが見どころになります。
特徴③|トリプルトーンと2段トーンセレクター
- Bass:±13dB(50Hz)です。
- Midrange:±5dB(1.5kHz)です。
- Treble:±13dB(15kHz)です。
- トーンセレクター:Bassは600Hz/300Hz、Trebleは2kHz/4kHzです。
低域と高域だけでなく中域も調整できるため、スピーカーや部屋の響きに合わせて声の厚みを整えやすい構成です。トーンディフィートも備え、補正して聴く使い方とフラットに戻す使い方を選べる点が実用的です。
特徴④|上向き端子とプリメイン分離
背面の入力端子部を上向きに取り付けた構造もAU-6900の特徴です。入力端子からセレクターまでの配線を短くし、高域特性の劣化を抑える狙いがあります。
プリ部とメイン部は背面スイッチで切り離し可能です。Power amp入力は700mV/50kΩで、プリメイン一体型から一歩進んだ接続も試せる仕様になっています。
特徴⑤|大型電源部と保護回路



AU-6900は長く使う前提の保護機能も見られますか?
出力端子DC検出回路、異常温度検出回路、ASO検出カレントリミッター回路を備えています。定格上の消費電力は132W、最大は370Wで、出力と保護の両面を意識した設計です。
外形寸法は幅430x高さ132x奥行340mm、重量は12.9kgです。見た目は標準的な幅のプリメインアンプですが、奥行と重量に電源部重視の雰囲気が出ている一台です。
SANSUI AU-6900と他のヴィンテージアンプとの比較


ここではSANSUI AU-6900と、同時代のヴィンテージアンプ3機種を比べます。
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-5900の比較
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-5900との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-6900は60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、AU-5900は45W+45W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)です。出力値ではAU-6900が大きいです。
- 全高調波歪率:両機とも0.1%以下(定格出力時)、0.08%以下(1/2出力時)です。歪率の掲載値は同じです。
- ダンピングファクター:両機とも80(8Ω)です。制動力の数値は同じ掲載値です。
- 消費電力:AU-6900は132W(定格)と370W(最大)、AU-5900は106W(定格)と300W(最大)です。電源消費の表示ではAU-6900が大きいです。
- 重量:AU-6900は12.9kg、AU-5900は11.5kgです。筐体重量ではAU-6900が重いです。
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-7900の比較
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-7900との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-6900は60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)、AU-7900は75W+75W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz)です。出力値ではAU-7900が大きいです。
- 周波数特性:両機とも10Hz~50kHz +0 -1.5dB(1W時)です。周波数特性の掲載値は同じです。
- トーンセレクター:AU-6900はBassが600Hz/300Hz、Trebleが2kHz/4kHz、AU-7900はBassが600Hz/300Hz/150Hz、Trebleが2kHz/4kHz/8kHzです。調整ポイント数ではAU-7900が多いです。
- ミューティング:AU-6900は0dB/-20dB、AU-7900は0dB/-15dB/-30dBです。減衰量の選択肢ではAU-7900が多いです。
- 重量:AU-6900は12.9kg、AU-7900は14.2kgです。重量ではAU-7900が重いです。
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-7700の比較
SANSUI AU-6900とSANSUI AU-7700との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-6900は60W+60W(8Ω、20Hz~20kHz)、AU-7700は52W+52W(8Ω、20Hz~20kHz)です。8Ω時の連続出力ではAU-6900が大きいです。
- RIAA偏差:AU-6900は30Hz~15kHz ±0.3dB、AU-7700は30Hz~15kHz ±0.5dBです。RIAA偏差の数値ではAU-6900が細かいです。
- ダンピングファクター:AU-6900は80(8Ω)、AU-7700は30(8Ω)です。制動力の数値ではAU-6900が大きいです。
- 消費電力:AU-6900は132W(定格)、AU-7700は120W(定格)です。定格消費電力ではAU-6900が大きいです。
- 重量:AU-6900は12.9kg、AU-7700は12.3kgです。重量ではAU-6900が少し重いです。
SANSUI AU-6900とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


AU-6900は4Ω/8Ωで60W+60Wの実効出力を持ち、ダンピングファクターは80(8Ω)です。
ここでは能率や入力値を見ながら、音量管理をしやすいスピーカーを選びます。
- YAMAHA NS-690
- JBL L36 Decade
- Technics SB-7000
SANSUI AU-6900 × YAMAHA NS-690
- 互換性:NS-690は8Ω、最大許容入力60W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは90dB/W/mです。AU-6900の8Ω出力と合わせる場合は、最大許容入力と同じ60W級なので、音量を急に上げず余裕を見て使うのが合います。
- 音質の向上:NS-690は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式のブックシェルフ型で、30cmコーン型、7.5cmドーム型、3.0cmドーム型を搭載します。再生周波数帯域は35Hz~20000Hz、クロスオーバーは800Hz、6000Hz(12dB/oct)で、AU-6900の制動力を密閉型の低域に生かしやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック、ジャズ、女性ボーカル、アコースティックに向きます。中域の整い方を大切にしたい時に合わせやすい組み合わせです。
SANSUI AU-6900 × JBL L36 Decade
- 互換性:L36 Decadeは8Ω、許容入力50W(連続プログラム)、推奨アンプ出力は―、音圧レベルは89dB(新JIS)です。AU-6900では入力値を意識して、中音量から鳴り方を決めるとバランスを取りやすいです。
- 音質の向上:L36 Decadeは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型と記載され、低域用25cmコーン型、中域用13cmコーン型、高域用3.6cmコーン型を備えます。再生周波数帯域は―、クロスオーバーは1.5kHz、6kHzで、AU-6900の厚みとJBLらしい前に出る中域を合わせやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ブルース、ソウル、ライブ盤に向きます。ギターやスネアを少し近く感じたい聴き方に向いています。
SANSUI AU-6900 × Technics SB-7000
- 互換性:SB-7000は6Ω、瞬間最大入力150W、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは93dB/W/mです。AU-6900は4Ωと8Ωの出力値が示されているため、6Ωスピーカーでは接続数を増やさず、発熱と音量を見ながら使うのが大切です。
- 音質の向上:SB-7000は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のフロア型で、35cmコーン型、12cmコーン型、3.2cmドーム型を搭載します。再生周波数帯域は―、クロスオーバーは―、能率は93dB/W/mで、AU-6900の出力余裕を大型フロア型のスケール感に生かしやすい組み合わせです。
- おすすめの音楽ジャンル:オーケストラ、フュージョン、プログレ、映画音楽に向きます。広がりと低域のスケールを楽しみたい時に合わせやすいです。
SANSUI AU-6900は、60W+60Wの出力、Phono1の3段インピーダンス切替、トリプルトーンコントロールを備えた、調整力のあるプリメインアンプです。
スピーカー選びでは、インピーダンスと入力値を確認しながら、普段使う音量で低域が膨らみすぎない位置を探すと、AU-6900らしい厚みと制動感を楽しみやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-6900の詳細スペック一覧
| 型式 | プリメインアンプ |
| 定価 | 65,000円(1976年頃) |
| 実効出力 | 両ch動作:60W+60W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz) 62W+62W(4Ω、8Ω、1kHz) 片ch動作:100W+100W(4Ω) 62W+62W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力時) 0.08%以下(1/2出力時) |
| 混変調歪率 | 0.1%以下(70Hz:7kHz=4:1、SMPTE) |
| パワーバンドウィズ | 5Hz~40kHz(8Ω、IHF) |
| 周波数特性 | 10Hz~50kHz +0 -1.5dB(1W時) |
| RIAA偏差 | 30Hz~15kHz ±0.3dB |
| ダンピングファクター | 80(8Ω) |
| チャンネルセパレーション | Phono1、2:50dB以上(1kHz) Aux1、2、Tuner、Tape1、2:55dB以上(1kHz) Power amp:60dB以上(1kHz) |
| ハム及びノイズ | Phono1、2:75dB以上(IHF) Aux1、2、Tuner、Tape1、2:90dB以上(IHF) Power amp:100dB以上(IHF) |
| Phono最大許容入力 | 250mV(1kHz、THD0.1%以下) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono1:2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Phono2:2.5mV/50kΩ Aux1、2、Tuner、Tape1、2(PIN):130mV/50kΩ Tape1(DIN):130mV Power amp:700mV/50kΩ |
| 録音出力 | Tape rec1、2(PIN):130mV Tape rec1(DIN):30mV |
| トーンコントロール | Bass:±13dB(50Hz) Midrange:±5dB(1.5kHz) Treble:±13dB(15kHz) |
| トーンセレクター | Bass:600Hz、300Hz Treble:2kHz、4kHz |
| ラウドネス | +8dB(10kHz)、+10dB(50Hz) |
| ローフィルター | -3dB、70Hz(6dB/oct) |
| ハイフィルター | -3dB、7kHz(6dB/oct) |
| ミューティング | 0dB、-20dB |
| 消費電力 | 132W(定格) 370W(最大) |
| 外形寸法 | 幅430x高さ132x奥行340mm |
| 重量 | 12.9kg |
