この記事の概要
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SANSUI AU-888は、完全直結コンプリメンタリー・ダーリントン回路方式を採用したプリメインアンプです。
本記事では、AU-888の特徴、同時代アンプとの違い、ヴィンテージスピーカーとの組み合わせを整理します。

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SANSUI AU-888の概要と特徴

| SANSUI AU-888の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 発売時期 | 1971年頃 |
| 定価 | 72,500円 |
| 実効出力 | 50/50W(4Ω) 45/45W(8Ω) |
| 負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
| 重量 | 12.6kg |
SANSUI AU-888は、1971年頃に登場したステレオプリメインアンプです。実効出力は50/50W(4Ω)、45/45W(8Ω)、負荷インピーダンスは4Ω~16Ωで、AU-999に近い性能と機能を持つ上級寄りの構成が確認できます。
特徴①|完全直結コンプリメンタリー・ダーリントン回路
AU-888のメインアンプ部は、2段差動増幅回路と出力コンデンサーレスのプラス・マイナス2電源による完全直結、コンプリメンタリー・ダーリントン回路方式です。45/45W(8Ω)の実効出力と0.4%以下の全高調波歪率を持つ点が見どころです。

AU-888はAU-777より出力に余裕がありますか?
はい。8Ωの実効出力ではAU-888が45/45W、AU-777が25W+25Wなので、公開値だけを見るとAU-888の方が出力に余裕があります。
特徴②|T.T.Cで中域まで細かく補正
- Bass:20Hz +12 -8dB(2dBステップ)
- Midrange:1,000Hz、2,000Hz ±5dB(1dBステップ)
- Treble:20,000Hz +12 -8dB(2dBステップ)
AU-888はBass、Midrange、Trebleを個別に調整できるT.T.Cを搭載しています。MidrangeはDefeat、1,000Hz、2,000Hzのトーンセレクターも備え、ボーカル帯域や部屋の響きを細かく追い込める構成です。
特徴③|Phono2の負荷インピーダンス切替
Phono1は2mV/50kΩ、Phono2は2mVで30kΩ、50kΩ、100kΩに対応しています。カートリッジとの組み合わせで、Phono2の負荷を選べる点はアナログ再生を重視する人にうれしい仕様です。
ライン入力はTuner、AUX、Tape Mon(Pin)が180mV/100kΩです。録音出力もTape Rec(Pin)180mV、Tape Recorder(Din)30mVが示されており、レコードとテープを組み合わせるシステムに向いています。
特徴④|プリ部とメイン部を独立使用できる



AU-888は後からシステムを発展させやすいですか?
はい。スピーカー切替Cシステムの位置でプリアンプ部とメインアンプ部を独立して使える構成です。一体型として使いながら、後でマルチアンプ方式も考えられる点がAU-888の面白さです。
特徴⑤|保護回路と独立リップルフィルター
AU-888は、温度補償用トランジスタ、差動アンプ安定化回路、6本の速断ヒューズ、SCRによるスピーカー保護回路を備えています。さらにメインアンプのプラス/マイナス電源とプリアンプ電源に独立したリップルフィルターを搭載し、電源の安定化と保護面にも配慮した設計です。
SANSUI AU-888と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、SANSUI AU-888と近い年代のプリメインアンプ3機種を比較していきます。
SANSUI AU-888とSANSUI AU-777との比較
SANSUI AU-888とSANSUI AU-777との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-888は45/45W(8Ω)、AU-777は25W+25W ±1dBです。8Ωの出力値ではAU-888が大きいです。
- 全高調波歪率:AU-888は0.4%以下、AU-777は0.5%以下です。掲載値ではAU-888が低い数値です。
- 周波数特性:AU-888は10Hz~70kHz ±1dB、AU-777は20Hz~100kHz ±1dBです。低域側はAU-888、高域側はAU-777が広く示されています。
- 負荷インピーダンス:AU-888は4Ω~16Ω、AU-777は8Ω~16Ωです。対応下限ではAU-888が広いです。
- 重量:AU-888は12.6kg、AU-777は12.3kgです。重量は近い水準です。
SANSUI AU-888とSANSUI AU-999との比較
SANSUI AU-888とSANSUI AU-999との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-888は45/45W(8Ω)、AU-999は80W/80W(8Ω)です。8Ωの出力値ではAU-999が大きいです。
- 全高調波歪率:AU-888は0.4%以下、AU-999は0.4%です。掲載値は近い水準です。
- 周波数特性:AU-888は10Hz~70kHz ±1dB、AU-999は5Hz~100kHzです。帯域表記ではAU-999が広く示されています。
- ダンピングファクター:AU-888は20(8Ω)、AU-999は45(8Ω)です。公開値ではAU-999が大きい数値です。
- 重量:AU-888は12.6kg、AU-999は17.5kgです。軽さではAU-888、出力と物量ではAU-999が候補になります。
SANSUI AU-888とTRIO KA-6000との比較
SANSUI AU-888とTRIO KA-6000との比較は以下の通りです。
- 定格出力:AU-888は45/45W(8Ω)、KA-6000は70W/70W(8Ω、歪0.5%)です。8Ωの出力値ではKA-6000が大きいです。
- 歪率:AU-888は全高調波歪率0.4%以下、KA-6000は0.1%(50W/50W、1kHz、8Ω負荷)です。条件は異なりますが、掲載値ではKA-6000が低い数値です。
- 周波数特性:AU-888は10Hz~70kHz ±1dB、KA-6000は10Hz~60kHz ±0.5dBです。上限帯域の表記ではAU-888が少し広いです。
- ダンピングファクター:AU-888は20(8Ω)、KA-6000は30(8Ω)です。公開値ではKA-6000が大きい数値です。
- 重量:AU-888は12.6kg、KA-6000は11.5kgです。重量は近く、KA-6000が少し軽いです。
SANSUI AU-888とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


AU-888は4Ω~16Ω負荷に対応し、8Ωで45/45Wの実効出力を持つプリメインアンプです。
ここでは、入力値と能率を確認しながら音量を整えやすい3機種を取り上げます。
- SANSUI SP-4000
- YAMAHA NS-690
- KEF Concerto
SANSUI AU-888とSANSUI SP-4000の組み合わせ
- 互換性:SANSUI SP-4000は8Ω、最大許容入力50W、推奨アンプ出力―、出力音圧レベル92dB/W(New JIS)です。AU-888は8Ωで45/45Wなので、最大許容入力50Wを意識しつつ、92dB/Wの能率で音量を作りやすい組み合わせです。
- 音質の向上:SP-4000は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型です。25.5cmコーン型、16.5cmコーン型、6.4cmホーン型を搭載し、再生周波数帯域は32Hz~20kHz、能率は92dB/W、クロスオーバー周波数は800Hz/7kHzです。
- おすすめの音楽ジャンル:同じSANSUI同士の押し出しとT.T.Cの調整力を活かすなら、ジャズ、昭和歌謡、ロック、ブルースを力強く楽しみやすいです。
SANSUI AU-888とYAMAHA NS-690の組み合わせ
- 互換性:YAMAHA NS-690は8Ω、最大許容入力60W、推奨アンプ出力―、出力音圧レベル90dB/W/m(新JIS)です。AU-888は8Ω負荷に対応するため、最大許容入力60Wを目安に、90dB/W/mの能率で音量を丁寧に調整する使い方が合います。
- 音質の向上:NS-690は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型です。30cmコーン型、7.5cmドーム型、3.0cmドーム型を搭載し、再生周波数帯域は35Hz~20kHz、能率は90dB/W/m、クロスオーバー周波数は800Hz/6kHz(12dB/oct)です。
- おすすめの音楽ジャンル:密閉型の整った低域とAU-888の中域補正を合わせるなら、ピアノトリオ、ボーカル、室内楽、アコースティックを落ち着いて聴きやすいです。
SANSUI AU-888とKEF Concertoの組み合わせ
- 互換性:KEF Concertoは8Ω、最大許容入力50W(music)、適合入力15~50W(8Ω負荷)、感度96dB(入力9.5W、8Ω、無響室、1m地点)です。AU-888は8Ωで45/45Wなので、適合入力範囲内で使いやすく、音量は上げすぎずに整える組み合わせです。
- 音質の向上:Concertoは3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型です。B139平面型、B110コーン型、T27ドーム型を搭載し、周波数レンジは25Hz~40kHz、周波数レスポンスは35Hz~30kHz ±3dB、クロスオーバー周波数は400Hz/3.5kHzです。
- おすすめの音楽ジャンル:英国スピーカーらしいまとまりとAU-888の厚みを合わせるなら、クラシック、ボーカル、フォーク、プログレッシブロックを自然に楽しみやすいです。
SANSUI AU-888は、45/45W(8Ω)の出力、4Ω~16Ω対応、T.T.Cによる中域補正を備えたプリメインアンプです。
スピーカーの入力値と能率を確認しながら音量を整えることで、力感と音色調整の両方を楽しみやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-888の詳細スペック一覧
| SANSUI AU-888の詳細スペック | |
|---|---|
| 型式 | ステレオプリメインアンプ |
| 定格出力 | ミュージックパワー(IHF):140W(4Ω)、100W(8Ω) / 実効出力:50/50W(4Ω)、45/45W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.4%以下(定格出力) |
| 混変調歪率 | 0.4%以下(定格出力、SMPTE、60Hz:7kHz=4:1) |
| パワーバンドウィズ | 10Hz~40,000Hz(8Ω、IHF) |
| 周波数特性 | メインアンプ部:10Hz~70,000Hz ±1dB / プリアンプ部:15Hz~50,000Hz +0.5 -1.5dB |
| チャンネルセパレーション | メインアンプ部:50dB以上(1kHz、定格出力) / Phono:50dB / AUX:50dB |
| ハム及び雑音 | メインアンプ部:100dB以上 / Phono1、2:80dB以上 / MIC:80dB以上 / Tuner、AUX:85dB以上 |
| 入力感度/インピーダンス | メインアンプ部:1V/50kΩ / Phono1:2mV/50kΩ / Phono2:2mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ / MIC:2mV/50kΩ / Tuner:180mV/100kΩ / AUX:180mV/100kΩ / Tape Mon(Pin):180mV/100kΩ / Tape Recorder(Din):180mV/50kΩ |
| ダンピングファクター | 20(8Ω負荷) |
| 負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
| 出力電圧 | 最大出力電圧:4V / 定格出力電圧:1V |
| 録音出力 | Tape Rec(Pin):180mV / Tape Recorder(Din):30mV |
| トーンコントロール | Bass:20Hz +12 -8dB(2dBステップ) / Midrange:1,000Hz、2,000Hz ±5dB(1dBステップ) / Treble:20,000Hz +12 -8dB(2dBステップ) |
| トーンセレクター | Midrange:Defeat、1,000Hz、2,000Hz |
| ラウドネス | +8dB(50Hz)、+3dB(10,000Hz) |
| スイッチ | ハイフィルター:10,000Hz -8dB(12dB/oct、NF型) / ローフィルター:50Hz -8dB(12dB/oct、NF型) / ミューティング:-20dB |
| 電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 400W(最大入力時) |
| 外形寸法 | 幅460x高さ140x奥行305mm |
| 重量 | 12.6kg |
