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SANSUI AU-999は、1970年2月に発売されたプリメインアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-999の概要と特徴

| 項目 | SANSUI AU-999 |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 70W/70W(4Ω) 80W/80W(8Ω) |
| ミュージックパワー | 180W(4Ω) 140W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.4% |
| 周波数特性 | 5Hz~100kHz |
| ダンピングファクター | 45(8Ω) |
| 負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
| 重量 | 17.5kg |
SANSUI AU-999は、PBシリーズの上位モデルとして登場したプリメインアンプです。
実効出力は80W/80W(8Ω)、負荷インピーダンスは4Ω~16Ω、周波数特性は5Hz~100kHzです。
広帯域と高出力を両立した70年代初頭の本格機として、現在でも存在感があります。
特徴①|完全直結方式のメインアンプ部
メインアンプ部には、2段差動増幅回路と、出力コンデンサーレスのプラス・マイナス2電源による完全直結方式が採用されています。超低域から超高域まで均等なNFBを狙った設計で、5Hz~100kHzという広い周波数特性につながっています。

AU-999のメインアンプ部は、どんなところが聴きどころですか?
聴きどころは、80W/80W(8Ω)の出力とダンピングファクター45(8Ω)を背景にした、低域の押し出しと見通しの良さです。大型スピーカーと組み合わせても、音量を少しずつ上げながら厚みを作りやすいアンプです。
特徴②|PNPシリコン・トランジスタ採用のイコライザー段
AU-999は、フォノ再生を重視した設計も魅力です。
イコライザー段には、PNPシリコン・トランジスタを3段E-E NF型で採用しています。入力感度はPhono1、2が2mV、ハム及び雑音はPhono1、2で80dBです。レコード再生の入口を丁寧に作った構成なので、ヴィンテージカートリッジとの組み合わせも楽しみやすいです。
特徴③|トリプル・トーンコントロールとトーンセレクター
Bass、Midrange、Trebleを備えたトリプル・トーンコントロールを搭載しています。さらにBass、Midrange、Trebleにはトーンセレクターが用意され、補正したい帯域を選びやすい構成です。
- Bassは20Hzで+12dB~-8dBです。
- Midrangeは1kHz、2kHzで±5dBです。
- Trebleは20kHzで+12dB~-8dBです。
低域と高域だけでなく、中域にも触れられるため、ボーカルの厚みやギターの前後感を部屋に合わせて調整しやすいのがAU-999らしいポイントです。
特徴④|プリメイン分離とテープ系の充実
AU-999はプリ部とメイン部を切り離して単独使用できます。さらに2台のテープデッキを同時に使える構成で、Tape to Tapeリプリント・スイッチも搭載しています。
単体プリ、単体パワーとして使える自由度に加えて、録音系の接続も考えられています。レコード、チューナー、テープをまとめて楽しむ時代の中心機として使いやすい設計です。
特徴⑤|バランスチェックやフィルターも装備
ステレオバランス・チェック回路、レベルアジャスター、NF型ロー/ハイフィルター、チューナーセレクター、マイク入力ジャック、ミューティングスイッチ、プログラムインジケーターなどを備えています。



細かな機能は、実際の再生でどう役立ちますか?
レコードやテープでは、左右差や不要な低域・高域ノイズを感じる場面があります。AU-999は調整系が多いため、古い音源を現代の部屋で聴きやすく整える使い方がしやすいです。
SANSUI AU-999と他のヴィンテージアンプとの比較


ここでは、SANSUI AU-999と、同時期のヴィンテージアンプ3機種を比較します。
対象はSANSUI AU-888、Pioneer SA-910、TRIO KA-7002です。
| 項目 | SANSUI AU-999 | SANSUI AU-888 | Pioneer SA-910 | TRIO KA-7002 |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ | ステレオプリメインアンプ | プリメインアンプ |
| 8Ω出力 | 80W/80W(8Ω) | 45/45W(8Ω) | 60W+60W(20Hz~20000Hz、両ch駆動、8Ω) | 55W+55W(両ch動作、8Ω) 70W/70W(片ch動作、8Ω) |
| 4Ω出力 | 70W/70W(4Ω) | 50/50W(4Ω) | 75W+75W(20Hz~20000Hz、両ch駆動、4Ω) | 68W+68W(両ch動作、4Ω) |
| 歪率 | 全高調波歪率:0.4% | 全高調波歪率:0.4%以下(定格出力) | 高調波歪率:0.1%以下(実効出力時) | 全高調波歪率:0.5%(定格出力時、8Ω) 0.05%(定格出力-3dB時、8Ω) |
| 周波数特性/出力帯域幅 | 周波数特性:5Hz~100kHz | 周波数特性:10Hz~70,000Hz、±1dB | 周波数特性:7Hz~80kHz、+0 -1dB | 出力帯域幅:2Hz~60kHz(IHF) プリアンプ部周波数特性:20Hz~50kHz ±1dB |
| 負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω | 4Ω~16Ω | Speaker:A、B、C、A+B、A+C(4Ω~16Ω) | ― |
| ダンピングファクター | 45(8Ω) | 20(8Ω負荷) | 70以上(1kHz、8Ω) | 45(8Ω) |
| 入力感度 | Phono1、2:2mV Tuner、Aux:200mV | Phono1:2mV/50kΩ Tuner、AUX:180mV/100kΩ | Phono1:2.5mV/50kΩ Tuner、AUX1:150mV/100kΩ | Phono1:2.5mV/30kΩ、50kΩ切換 Aux1/2、Tuner、Tape:200mV/100kΩ |
| 消費電力 | 370W | 400W(最大入力時) | 定格:152W 最大:400W | 最大出力時:275W |
| 外形寸法 | 幅461.5x高さ155x奥行316mm | 幅460x高さ140x奥行305mm | 幅430x高さ138x奥行341mm | 幅408x高さ134x奥行280mm |
| 重量 | 17.5kg | 12.6kg | 13.6kg | 10kg |
SANSUI AU-999とSANSUI AU-888との比較
SANSUI AU-999とSANSUI AU-888との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-999は80W/80W、AU-888は45/45Wです。8Ω時の出力ではAU-999が大きいです。
- 4Ω出力:AU-999は70W/70W、AU-888は50/50Wです。4Ω時の数値でもAU-999が大きいです。
- 全高調波歪率:AU-999は0.4%、AU-888は0.4%以下です。歪率の掲載値は近い内容です。
- 周波数特性:AU-999は5Hz~100kHz、AU-888は10Hz~70,000Hzです。帯域の掲載値ではAU-999が広いです。
- ダンピングファクター:AU-999は45、AU-888は20です。8Ω時の数値ではAU-999が大きいです。
- 重量:AU-999は17.5kg、AU-888は12.6kgです。重量ではAU-999が重いです。
SANSUI AU-999とPioneer SA-910との比較
SANSUI AU-999とPioneer SA-910との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-999は80W/80W、SA-910は60W+60W(20Hz~20000Hz、両ch駆動)です。8Ω時の出力ではAU-999が大きいです。
- 4Ω出力:AU-999は70W/70W、SA-910は75W+75W(20Hz~20000Hz、両ch駆動)です。4Ω時の数値ではSA-910が大きいです。
- 高調波歪率:AU-999は0.4%、SA-910は0.1%以下(実効出力時)です。歪率の数値ではSA-910が小さいです。
- 周波数特性:AU-999は5Hz~100kHz、SA-910は7Hz~80kHzです。上限の数値ではAU-999が高いです。
- ダンピングファクター:AU-999は45、SA-910は70以上です。8Ω時の数値ではSA-910が大きいです。
- 重量:AU-999は17.5kg、SA-910は13.6kgです。重量ではAU-999が重いです。
SANSUI AU-999とTRIO KA-7002との比較
SANSUI AU-999とTRIO KA-7002との比較は以下の通りです。
- 8Ω出力:AU-999は80W/80W、KA-7002は55W+55W(両ch動作、8Ω)です。両ch動作の8Ω出力ではAU-999が大きいです。
- 4Ω出力:AU-999は70W/70W、KA-7002は68W+68W(両ch動作、4Ω)です。4Ω時の数値はかなり近い内容です。
- 歪率:AU-999は0.4%、KA-7002は0.5%(定格出力時、8Ω)と0.05%(定格出力-3dB時、8Ω)です。条件が異なるため、掲載値を分けて見る必要があります。
- 帯域:AU-999は周波数特性5Hz~100kHz、KA-7002は出力帯域幅2Hz~60kHz(IHF)です。上限の数値ではAU-999が高いです。
- ダンピングファクター:どちらも45(8Ω)です。8Ω時の数値は同じ内容です。
- 重量:AU-999は17.5kg、KA-7002は10kgです。重量ではAU-999が重いです。
SANSUI AU-999とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-999は8Ωで80W/80W、負荷インピーダンス4Ω~16Ωに対応するプリメインアンプです。
ここでは出力に余裕があるAU-999で音量管理しながら個性を引き出したいスピーカーとして、JBL L88 Nova、SONY SS-G7、Celestion UL6を取り上げます。
SANSUI AU-999とJBL L88 Novaとの組み合わせ
- 互換性:L88 Novaはインピーダンス8Ω、許容入力50W(連続プログラム)、推奨アンプ出力は―、出力音圧レベルは―です。AU-999は8Ωで80W/80Wなので、許容入力50Wを意識して小さめの音量から段階的に調整する使い方が向いています。
- 音質の向上:L88 Novaは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、30cmコーン型(123A)と5cmコーン型(LE20、前期)または3.6cmコーン型(LE25-1、後期)を搭載しています。周波数特性、能率、クロスオーバー周波数は―です。AU-999のBassとMidrangeを使うと、30cmウーファーの厚みと中域の押し出しを整えやすい構成です。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、ブルース、ソウルに向いています。許容入力50Wの範囲を意識し、低域を持ち上げすぎずに音量を作ると、L88 Novaの太い鳴り方を楽しみやすいです。
SANSUI AU-999とSONY SS-G7との組み合わせ
- 互換性:SS-G7はインピーダンス8Ω、定格最大入力100W、瞬間最大入力200W、出力音圧レベル94dB/W/mです。推奨アンプ出力は―です。AU-999は8Ωで80W/80Wなので、94dB/W/mの能率を活かしながら余裕を持って音量を作れる組み合わせです。
- 音質の向上:SS-G7は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型で、38cmコーン型、10cmバランスドライブ型、3.5cmバランスドライブ型を搭載しています。再生周波数帯域は30Hz~20000Hz、出力音圧レベルは94dB/W/m、クロスオーバー周波数は550Hz、4500Hzです。AU-999の高出力とダンピングファクター45により、大型ウーファーの量感を整理しやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:オーケストラ、ジャズロック、シティポップに向いています。38cmウーファーと94dB/W/mの出力音圧レベルを活かし、広めの部屋で音像と低域の量を確認しながら鳴らすと聴きやすいです。
SANSUI AU-999とCelestion UL6との組み合わせ
- 互換性:UL6はインピーダンス―、許容入力―、推奨アンプ出力20W~80W、出力音圧レベル90dB/13.0W/mです。AU-999は8Ωで80W/80Wなので、推奨アンプ出力の上限を意識し、接続前に実機側のインピーダンス表記を確認することが大切です。
- 音質の向上:UL6は2ウェイ・2スピーカー・パッシブラジエーター方式・ブックシェルフ型で、16cmコーン型(PL6)、2.5cmドーム型(HD1000)、16cmA.B.R.を搭載しています。周波数特性は35Hz~28kHz、出力音圧レベルは90dB/13.0W/m、クロスオーバー周波数は2.5kHzです。AU-999のMidrangeとTrebleを控えめに使うと、小型機の中域と高域を自然にまとめやすくなります。
- おすすめの音楽ジャンル:室内楽、女性ボーカル、アコースティックに向いています。推奨アンプ出力20W~80Wの範囲を意識し、近距離で音量を細かく合わせると、UL6のまとまりを味わいやすいです。
SANSUI AU-999は、完全直結方式のメインアンプ部、トリプル・トーンコントロール、プリメイン分離機能を備えた、出力と調整幅のあるプリメインアンプです。
スピーカーを合わせるときは、4Ω~16Ωの負荷条件、許容入力、推奨アンプ出力、出力音圧レベルを確認し、最初は控えめな音量から鳴らしていくと、AU-999の力感と音色調整をつかみやすくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-999の詳細スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | プリメインアンプ |
| 実効出力 | 70W/70W(4Ω) 80W/80W(8Ω) |
| ミュージックパワー | 180W(4Ω) 140W(8Ω) |
| 全高調波歪率 | 0.4% |
| 混変調歪率 | 0.4% |
| パワーバンドウィズ | 10Hz~30kHz |
| 周波数特性 | 5Hz~100kHz |
| ステレオセパレーション | 50dB |
| ハム及び雑音 | 100dB |
| 入力感度/インピーダンス | メインアンプ部:1V/40kΩ |
| 負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
| ダンピングファクター | 45(8Ω) |
| プリアンプ部定格出力 | 1V |
| プリアンプ部全高調波歪率 | 0.1% |
| プリアンプ部周波数特性 | 15Hz~70kHz |
| プリアンプ部ハム及び雑音 | Phono1、2:80dB Mic:80dB Tuner、Aux:85dB |
| 入力感度 | Phono1、2:2mV Mic:3mV Tuner、Aux、Tape mon(Pin/Din):200mV |
| 録音出力 | Tape rec(Pin):200mV Tape rec(Din):30mV |
| トーンコントロール | Bass:+12dB~-8dB(20Hz) Midrange:±5dB(1kHz、2kHz) Treble:+12dB~-8dB(20kHz) |
| トーンセレクター | Bass:Defeat、200Hz、400Hz Midrange:Defeat、1kHz、2kHz Treble:Defeat、6kHz、3kHz |
| ローフィルター | -20dB(20Hz) |
| ハイフィルター | -18dB(20kHz) |
| ミューティング | -20dB |
| 消費電力 | 370W |
| 外形寸法 | 幅461.5x高さ155x奥行316mm |
| 重量 | 17.5kg |
| 別売 | ウッドケース C-17 |
