この記事の概要
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SANSUI AU-D607Xは、1984年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-D607Xの概要と特徴

| SANSUI AU-D607Xのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1984年 |
| 定価 | 79,800円 |
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| 実効出力 | 90W+90W(8Ω、10Hz~20kHz) |
| ダンピングファクター | 80(6Ω) |
| 重量 | 15.0kg |
1984年のSANSUIが、アースの影響を断ち切る方向へ大きく踏み込んだモデルがAU-D607Xです。上位機の思想を受け継ぎながら、Xバランス・アンプ、3電源方式、Hi-Precisionイコライザーを79,800円クラスにまとめています。
今回はH2①を3つの視点に絞り、AU-D607Xの設計の核を見ていきます。出力だけでなく、スピーカーの駆動方法やフォノ再生まで含めて評価したいアンプです。
注目①|Xバランス・アンプによるノンアース思想
AU-D607X最大の特徴は、入力から出力までをバランス構成でまとめたXバランス・アンプです。スピーカーを+側と−側の両方から駆動し、従来のようにスピーカーの−側をアースと兼用しない設計を採っています。

Xバランス・アンプとは何ですか?
Xバランス・アンプは、バランス入力、バランス出力、バランス電源、ツイン・ダイアモンド・バランス差動回路、バランス・フィードバックなどで構成されるサンスイのアンプ方式です。AU-D607XではIHM歪の発生を抑えるための中心技術として採用されています。
実動作時の歪や特性を改善するため、プラス側とマイナス側の2つの出力段にバランス・フィードバックをかけている点も重要です。音の押し出しよりも、信号の乱れを抑えて輪郭を整える方向の設計です。
注目②|3電源方式と90W+90Wの扱いやすい駆動力
電源部には、レギュレーションに優れた大型EIトランスを用いた3電源方式を採用しています。プリドライブ/イコライザー専用電源とL/R独立2電源により、ハイパワー再生時の安定感を狙っています。
実効出力は90W+90W(8Ω、10Hz~20kHz)、100W+100W(6Ω、10Hz~20kHz)です。上位のAU-D707XやAU-D907Xほどの物量ではありませんが、一般的なブックシェルフ型や中型フロア型には十分な余裕があります。
- 8Ω時は90W+90Wの実効出力です。
- ダンピングファクターは80(6Ω)です。
- スルーレイトは±180V/μsec、ライズタイムは0.6μsecです。
注目③|Hi-Precisionイコライザーと実用機能のまとまり
イコライザー部には、DC構成のHi-Precisionイコライザーを採用しています。RIAA偏差は20Hz~300kHz ±0.2dBで、アナログ再生でも広帯域かつ高精度なフォノ特性を狙った設計です。
ゲイン切替により、MM型、High MC型、MC型のカートリッジに対応します。Phono MCのSN比は70dBで、手持ちのカートリッジを活かしやすい点もAU-D607Xの使いやすさです。
- フォノ対応:MM、High MC、MCに対応し、レコード再生の幅が広いです。
- 録音機能:レックセレクターにより、再生中とは別ソースの録音が可能です。
- 筐体・部品:ノンマグネティック素子や大型アルミブロック・ヒートシンクにより、振動や磁気歪の影響を抑える方向でまとめられています。
SANSUI AU-D607Xと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-D607Xと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-D607X | SANSUI AU-D707X | SANSUI AU-D907X | KENWOOD KA-990V |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 90W+90W(8Ω) | 130W+130W(8Ω) | 160W+160W(8Ω) | 110W+110W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%(8Ω) | 0.003%(8Ω) | 0.003%(8Ω) | 0.004%(8Ω) |
| ダンピングファクター | 80(6Ω) | 100(6Ω) | 100(6Ω) | 1000(50Hz) |
| 重量 | 15.0kg | 17.5kg | 20.5kg | 13.9kg |
| 消費電力 | 230W | 320W | 370W | 265W |
| サウンドキャラクター | Xバランスらしい整理感 | 物量を増した余裕 | 最上位級の駆動力 | 制動力と明瞭感 |
SANSUI AU-D607XとSANSUI AU-D707Xとの比較
SANSUI AU-D607XとSANSUI AU-D707Xとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D607Xは90W+90W、AU-D707Xは130W+130Wです。駆動力ではSANSUI AU-D707Xが優れています。
- 電源構成:AU-D607Xは3電源方式、AU-D707Xは4電源構成です。回路間の余裕ではSANSUI AU-D707Xが有利です。
- 重量:AU-D607Xは15.0kg、AU-D707Xは17.5kgです。設置しやすさではAU-D607X、物量感ではSANSUI AU-D707Xが上回ります。
- 選び方:Xバランスの魅力を扱いやすい価格帯で楽しむならSANSUI AU-D607Xが選びやすいです。
SANSUI AU-D607XとSANSUI AU-D907Xとの比較
SANSUI AU-D607XとSANSUI AU-D907Xとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D607Xは90W+90W、AU-D907Xは160W+160Wです。スピーカー駆動の余裕ではSANSUI AU-D907Xが大きく優れています。
- フォノ部:AU-D607XはMM/High MC/MC対応、AU-D907XはMCトランスHigh/Lowも備えています。MC再生の細かな対応力ではSANSUI AU-D907Xが有利です。
- 重量:AU-D607Xは15.0kg、AU-D907Xは20.5kgです。取り回しではAU-D607X、重厚な作りではSANSUI AU-D907Xが上回ります。
- 音の方向性:AU-D607XはXバランスの基本を軽快に楽しめます。よりスケール感を求めるならSANSUI AU-D907Xが向いています。
SANSUI AU-D607XとKENWOOD KA-990Vとの比較
SANSUI AU-D607XとKENWOOD KA-990Vとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D607Xは90W+90W、KA-990Vは110W+110Wです。出力ではKENWOOD KA-990Vが優れています。
- ダンピングファクター:AU-D607Xは80(6Ω)、KA-990Vは1000(50Hz)です。数値上の制動力ではKENWOOD KA-990Vが圧倒的に有利です。
- 重量:AU-D607Xは15.0kg、KA-990Vは13.9kgです。軽さではKA-990V、Xバランス構成の個性ではSANSUI AU-D607Xが魅力的です。
- 選び方:制動力重視ならKA-990V、サンスイらしいバランス駆動の音を味わうならSANSUI AU-D607Xがおすすめです。
SANSUI AU-D607Xとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-D607Xは8Ωで90W+90W、6Ωで100W+100Wのプリメインアンプです。Xバランスらしい整理感を活かすなら、中型ブックシェルフを余裕を持って鳴らす組み合わせが向いています。
SANSUI AU-D607Xと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。
- DIATONE DS-1000HR
- YAMAHA NS-100X
- JBL 4301BWX
以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。
SANSUI AU-D607XとDIATONE DS-1000HRとの組み合わせ
SANSUI AU-D607XとDIATONE DS-1000HRとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:DS-1000HRは6Ω、最大入力180W(EIAJ)、出力音圧レベル90dB/W/mです。AU-D607Xの6Ω出力100W+100Wと合わせると、余裕を残して密閉型を鳴らしやすい組み合わせです。
- 音質の向上:DS-1000HRは27cmウーファー、5cmドーム型ミッドレンジ、2.3cmドーム型トゥイーターを備えた密閉型で、クロスオーバーは600Hz、5kHzです。AU-D607Xにより、35Hz〜40kHzの広帯域と整理された音像を出しやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、フュージョン、女性ボーカル、クラシックに向いています。解像感と低域の締まりを楽しみたい人に合います。
SANSUI AU-D607XとYAMAHA NS-100Xとの組み合わせ
SANSUI AU-D607XとYAMAHA NS-100Xとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:NS-100Xは6Ω、許容入力80W、ミュージック許容入力160W、出力音圧レベル91dB/W/mです。AU-D607Xでは、中音量までを中心に音量を整えて鳴らす組み合わせです。
- 音質の向上:NS-100Xは23cmウーファー、6cm複合型ミッドレンジ、3cmドーム型トゥイーターを備えた密閉型で、クロスオーバーは2kHz、10kHzです。AU-D607Xの整理感により、40Hz〜20kHzのすっきりした帯域バランスを楽しみやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ポップス、ロック、シティポップ、ジャズボーカルに向いています。明快な中高域と日常の聴きやすさを重視する人に合います。
SANSUI AU-D607XとJBL 4301BWXとの組み合わせ
SANSUI AU-D607XとJBL 4301BWXとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:4301BWXは8Ω、許容入力15W(RMS)、出力音圧レベル88dB/W/mです。AU-D607Xでは、小音量を中心に慎重に音量管理して鳴らす組み合わせです。
- 音質の向上:4301BWXは20cmウーファーと3.6cmコーン型トゥイーターを備えた2ウェイ・バスレフ型で、クロスオーバーは2.5kHzです。AU-D607Xの低歪感により、45Hz〜15kHzのモニターらしい中域を楽しみやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズボーカル、ブルース、アコースティック、ラジオ音源に向いています。近距離で輪郭のある音を楽しみたい人に合います。
SANSUI AU-D607Xは、Xバランス・アンプを手の届きやすい価格帯へ落とし込んだプリメインアンプです。
90W+90W、0.003%、3電源方式、Hi-Precisionイコライザーを備えており、力任せではない整理されたヴィンテージサウンドを楽しみたい人に向いています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
SANSUI AU-D607Xの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-D607Xのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| パワーアンプ部 | Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式 |
| 実効出力(両ch駆動) | 100W+100W(6Ω、10Hz~20kHz) 90W+90W(8Ω、10Hz~20kHz) 125W+125W(4Ω、1kHz) 110W+110W(6Ω、1kHz) 100W+100W(8Ω、1kHz) |
| 全高調波歪率 | 0.003%(8Ω、10Hz~20kHz、実効出力時) 0.005%(6Ω、10Hz~20kHz、1/2実効出力時) |
| 混変調歪率 | 0.003%(8Ω、実効出力時) |
| 出力帯域幅 | 5Hz~70kHz(IHF、両ch動作、THD0.03%) |
| ダンピングファクター | 80(6Ω、新IHF、20Hz~20kHz) |
| 周波数特性 | DC~300kHz +0 -3dB(1W) |
| エンベロープ歪 | 測定限界以下 |
| TIM歪 | 測定限界以下(Sawtooth法) |
| スルーレイト | ±180V/μsec(6Ω) |
| ライズタイム | 0.6μsec |
| イコライザーアンプ部 | Hi-Precisionイコライザー |
| 入力感度/入力インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono High MC:2.5mV/100Ω Phono MC:300μV/100Ω CD、Tuner、Tape1、2:150mV/47kΩ |
| Phono最大許容入力 | MM:300mV High MC:300mV MC:30mV |
| 出力レベル/インピーダンス | Tape rec:150mV/600Ω |
| RIAA偏差 | 20Hz~300kHz ±0.2dB(MM、Rec out) |
| SN比 | Phono MM:88dB Phono MC:70dB CD、Tuner、Tape:110dB |
| トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB、6dB/oct) |
| ラウドネス | +8dB(50Hz)、+6dB(10kHz)(Volume-30dB) |
| オーディオミューティング | -20dB |
| 定格消費電力 | 230W |
| 外形寸法 | 幅466x高さ161x奥行431mm |
| 重量 | 15.0kg |
