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SANSUI(サンスイ) AU-D707Xを徹底解説!【Xバランス・アンプを採用】

この記事の概要

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SANSUI AU-D707Xは、1984年発売のヴィンテージなアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

SANSUI AU-D707Xの概要と特徴

SANSUI AU-D707Xのスペック
発売年1984年
定価129,000円
型式インテグレーテッドDCアンプ
実効出力130W+130W(8Ω、10Hz~20kHz)
ダンピングファクター100(6Ω)
重量17.5kg

▼ 詳しいスペックはこちら

AU-D707Xは、サンスイがXバランス世代で中核に据えたプリメインアンプです。AU-D607Xより物量を増やし、上位のAU-D907Xほど大柄ではない位置づけで、130W+130W、4電源構成、MCトランスを備えています。

ここでは、AU-D707Xの魅力を4つのポイントで見ていきます。出力の大きさだけでなく、バランス電源、フォノ部、パーツ構成のまとまりまで確認します。

ポイント①|Xバランス・アンプとバランス駆動

AU-D707Xは、入力から出力までをバランス構成とするXバランス・アンプを採用しています。スピーカーを+側と−側の両方から駆動し、従来のアース兼用による干渉を抑える設計です。

Xバランス・アンプとは何ですか?

Xバランス・アンプ

Xバランス・アンプは、バランス入力、バランス出力、バランス電源、ツイン・ダイアモンド・バランス差動回路などで構成されるサンスイの方式です。AU-D707XではIHM歪の発生を抑えるための中心技術になっています。

プラス側とマイナス側の2つの出力段にバランス・フィードバックをかけることで、実動作時の歪や特性の改善も狙っています。サンスイらしい濃さに、見通しの良さを加えた設計です。

ポイント②|トロイダルトランスと4電源構成

AU-D707Xは、AU-D607Xより電源部の物量が一段引き上げられています。トロイダルトランスとピュアフォーカス・コンデンサーを採用し、プリ部、プリドライブ部、パワー部L/Rを独立させた4電源構成です。

バランス電源方式と組み合わせることで、電源由来のノイズを抑える設計になっています。定格消費電力は320W、重量は17.5kgで、中核モデルらしい電源余裕を感じさせます。

  • トロイダルトランスを採用しています。
  • ピュアフォーカス・コンデンサーを採用しています。
  • プリ部、プリドライブ部、パワー部L/Rを独立させた4電源構成です。

ポイント③|MCトランスとHi-Precisionイコライザー

AU-D707Xは、MCカートリッジに対応するためにMCトランスを搭載しています。高純度・低磁気歪のパーマロイをコアに用い、トランス・ユニットは充填剤で固定され、振動歪への対策も施されています。

MCトランスのメリットは何ですか?

MCトランス

MCトランスは、MCカートリッジの小さな信号を昇圧するための部品です。AU-D707XではMMとMCの負荷インピーダンスを独立させ、最適ロードによる純度の高い増幅を狙っています。

イコライザー部はIC化を避けたディスクリート構成で、DCアンプ構成とHi-Precisionイコライザーにより20Hz~300kHz ±0.2dBのRIAA偏差を実現しています。アナログ再生を重視する人には魅力の大きい部分です。

ポイント④|130W+130Wと高品位パーツのまとまり

実効出力は130W+130W(8Ω、10Hz~20kHz)で、全高調波歪率は0.003%です。AU-D607Xより大きな出力を持ち、一般的なヴィンテージスピーカーを余裕を持って鳴らしやすいアンプです。

  • 応答性:スルーレイトは±200V/μsec、ライズタイムは0.5μsecです。
  • 部品構成:銅箔スチロールコンデンサー、無共振RM抵抗、ノンマグネティック素子を採用しています。
  • 筐体対策:大型アルミブロック・ヒートシンクと銅メッキリアパネルにより、振動歪や磁気変調の影響を抑える方向でまとめられています。

SANSUI AU-D707Xと他のヴィンテージアンプとの比較

SANSUI AU-D707Xと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。

項目SANSUI AU-D707XSANSUI AU-D607XSANSUI AU-D907XKENWOOD KA-990V
実効出力130W+130W(8Ω)90W+90W(8Ω)160W+160W(8Ω)110W+110W(8Ω)
高調波歪率0.003%(8Ω)0.003%(8Ω)0.003%(8Ω)0.004%(8Ω)
ダンピングファクター100(6Ω)80(6Ω)100(6Ω)1000(50Hz)
重量17.5kg15.0kg20.5kg13.9kg
消費電力320W230W370W265W
サウンドキャラクターXバランスと電源余裕の両立軽快なXバランス入門機最上位級の駆動力制動力と明瞭感

SANSUI AU-D707XとSANSUI AU-D607Xとの比較

SANSUI AU-D707XとSANSUI AU-D607Xとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-D707Xは130W+130W、AU-D607Xは90W+90Wです。駆動力ではSANSUI AU-D707Xが優れています
  • 電源構成:AU-D707Xは4電源構成、AU-D607Xは3電源方式です。回路間の余裕ではSANSUI AU-D707Xが有利です。
  • 重量:AU-D707Xは17.5kg、AU-D607Xは15.0kgです。設置しやすさではAU-D607X、物量感ではSANSUI AU-D707Xが上回ります
  • 選び方:Xバランスに加えて電源と出力の余裕も求めるならSANSUI AU-D707Xが選びやすいです。

SANSUI AU-D707XとSANSUI AU-D907Xとの比較

SANSUI AU-D707XとSANSUI AU-D907Xとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-D707Xは130W+130W、AU-D907Xは160W+160Wです。スピーカー駆動の余裕ではSANSUI AU-D907Xが優れています
  • フォノ部:AU-D707XもAU-D907XもMCトランスを備えます。MC入力の低域側インピーダンスや余裕ではSANSUI AU-D907Xが有利です。
  • 重量:AU-D707Xは17.5kg、AU-D907Xは20.5kgです。取り回しではAU-D707X、重厚な作りではSANSUI AU-D907Xが上回ります
  • 音の方向性:AU-D707Xは力感と扱いやすさのバランスが魅力です。よりスケール感を求めるならSANSUI AU-D907Xが向いています

SANSUI AU-D707XとKENWOOD KA-990Vとの比較

SANSUI AU-D707XとKENWOOD KA-990Vとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:AU-D707Xは130W+130W、KA-990Vは110W+110Wです。出力ではSANSUI AU-D707Xが優れています
  • ダンピングファクター:AU-D707Xは100(6Ω)、KA-990Vは1000(50Hz)です。数値上の制動力ではKENWOOD KA-990Vが圧倒的に有利です。
  • 重量:AU-D707Xは17.5kg、KA-990Vは13.9kgです。軽さではKA-990V、物量とXバランス構成の個性ではSANSUI AU-D707Xが魅力的です。
  • 選び方:制動力重視ならKA-990V、出力とサンスイらしいバランス駆動を重視するならSANSUI AU-D707Xがおすすめです。

SANSUI AU-D707Xとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

SANSUI AU-D707Xは8Ωで130W+130W、6Ωで150W+150Wのプリメインアンプです。Xバランスらしい駆動力を活かすなら、大型ブックシェルフを余裕を持って鳴らす組み合わせが向いています。

SANSUI AU-D707Xと組み合わせるヴィンテージスピーカーは、以下の3機種です。

  • DIATONE DS-1000ZX
  • VICTOR Zero-5Fine
  • KENWOOD LS-990HG

以下では、互換性・音質・おすすめジャンルに分けて解説します。

SANSUI AU-D707XとDIATONE DS-1000ZXとの組み合わせ

SANSUI AU-D707XとDIATONE DS-1000ZXとの組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:DS-1000ZXは6.3Ω、最大入力180W、出力音圧レベル90dB/W/mです。AU-D707Xの6Ω出力150W+150Wと合わせると、余裕を残して密閉型を鳴らしやすい組み合わせです。
  • 音質の向上:DS-1000ZXは27cmウーファー、6cmドーム型ミッドレンジ、2.3cmドーム型トゥイーターを備えた密閉型で、クロスオーバーは600Hz、5kHzです。AU-D707Xにより、39Hz〜40kHzの広帯域と引き締まった音像を出しやすいです。
  • おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、フュージョン、女性ボーカル、クラシックに向いています。密閉型らしい定位感と高解像度を楽しみたい人に合います。

SANSUI AU-D707XとVICTOR Zero-5Fineとの組み合わせ

SANSUI AU-D707XとVICTOR Zero-5Fineとの組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:Zero-5Fineは8Ω、最大入力120W(ミュージック・パワー)、出力音圧レベル92dB/W/mです。AU-D707Xでは、中音量までを中心に音量を整えて鳴らす組み合わせです。
  • 音質の向上:Zero-5Fineは30cmウーファー、10cmファインセラミック・ダイアフラム型中域、リボン型高域を備えたバスレフ型で、クロスオーバーは550Hz、5kHzです。AU-D707Xの整理感により、30Hz〜100kHzのワイドレンジ感を楽しみやすいです。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック、シティポップ、フュージョン、ライブ音源に向いています。明るい中高域とスピード感を楽しみたい人に合います。

SANSUI AU-D707XとKENWOOD LS-990HGとの組み合わせ

SANSUI AU-D707XとKENWOOD LS-990HGとの組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:LS-990HGは6Ω、最大入力200W(EIAJ)、出力音圧レベル92dB/W/mです。AU-D707Xの6Ω出力150W+150Wと合わせると、音量に余裕を残して力強く鳴らせる組み合わせです。
  • 音質の向上:LS-990HGは33cmウーファー、12cmミッドレンジ、2.5cmドーム型トゥイーターを備えたバスレフ型で、クロスオーバーは500Hz、5kHzです。AU-D707Xにより、28Hz〜47kHzの厚みある低域と抜けの良さを楽しみやすいです。
  • おすすめの音楽ジャンル:ロック、ファンク、ジャズ、AORに向いています。低域の押し出しと明快な高域を楽しみたい人に合います。

SANSUI AU-D707Xは、Xバランス・アンプに加えて電源部とフォノ部の物量を高めた中核プリメインアンプです。

130W+130W、0.003%、4電源構成、MCトランス、Hi-Precisionイコライザーを備えており、力強さと整理されたヴィンテージサウンドを両立したい人に向いています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

SANSUI AU-D707Xの詳細スペック一覧

SANSUI AU-D707Xのスペック詳細
型式インテグレーテッドDCアンプ
パワーアンプ部Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式
実効出力(両ch駆動)150W+150W(6Ω、10Hz~20kHz)
130W+130W(8Ω、10Hz~20kHz)
200W+200W(4Ω、1kHz)
170W+170W(6Ω、1kHz)
150W+150W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率0.003%(8Ω、10Hz~20kHz、実効出力時)
0.005%(6Ω、10Hz~20kHz、1/2実効出力時)
混変調歪率0.003%(8Ω、実効出力時)
出力帯域幅5Hz~80kHz(IHF、両ch動作、THD0.03%)
ダンピングファクター100(6Ω、新IHF、20Hz~20kHz)
周波数特性DC~300kHz +0 -3dB(1W)
エンベロープ歪測定限界以下
TIM歪測定限界以下(Sawtooth法)
スルーレイト±200V/μsec(6Ω)
ライズタイム0.6μsec
イコライザーアンプ部Hi-Precisionイコライザー
入力感度/入力インピーダンスPhono MM:2.5mV/47kΩ
Phono High MC:2.5mV/100Ω
Phono MC Low:100μV/5.3Ω(MCトランス採用)
Phono MC High:300μV/40Ω(MCトランス採用)
CD、Tuner、Tape1、2:150mV/47kΩ
Phono最大許容入力MM:300mV
High MC:300mV
MC High:25mV(トランス方式)
出力レベル/インピーダンスTape rec:150mV/600Ω
RIAA偏差20Hz~300kHz ±0.2dB(MM、Rec out)
SN比Phono MM:90dB
Phono MC:80dB以上(70μV)
CD、Tuner、Tape:110dB
トーンコントロールBass:±10dB(20Hz)
Treble:±10dB(20kHz)
トーンセレクターBass:100Hz、200Hz
Treble:4kHz、8kHz
サブソニックフィルター16Hz(-3dB、6dB/oct)
ラウドネス+8dB(50Hz)、+6dB(10kHz)(Volume-30dB)
オーディオミューティング-20dB
定格消費電力320W
外形寸法幅466x高さ161x奥行431mm
重量17.5kg
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