この記事の概要
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SANSUI AU-D907F Extraは、1981年発売のヴィンテージなアンプです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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SANSUI AU-D907F Extraの概要と特徴

| SANSUI AU-D907F Extraのスペック | |
|---|---|
| 発売年 | 1981年 |
| 定価 | 175,000円 |
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| 実効出力 | 130W+130W(8Ω、10Hz〜20kHz) |
| ダンピングファクター | 100(8Ω) |
| 重量 | 17.7kg |
SANSUI AU-D907F Extraは、AU-D907FのEXTRAバージョンとして改良されたインテグレーテッドDCアンプです。130W+130Wの実効出力、Super Feedforward & DD/DC方式、MOS-FET採用のエラーコレクションアンプを備え、低歪と力強い駆動力を両立しています。
特徴①|Super Feedforward & DD/DC方式の低歪設計
AU-D907F Extraは、パワーアンプ部にサンスイ独自のスーパーフィードフォワードシステムを採用しています。
エラーコレクションアンプにはMOS-FETを採用し、歪打ち消し信号の安定性を高めています。実効出力時の全高調波歪率は0.003%以下で、強い出力と低歪を同時に狙った設計です。

スーパーフィードフォワードって何ですか?
出力段で生じる歪成分を検出し、補正する発想の回路です。AU-D907F Extraでは、大出力時の荒さを抑えながら音の密度を保つ方向で活かされています。
特徴②|リニアステップMCトランスを内蔵
AU-D907F Extraは、MCカートリッジに対応するリニアステップMCトランスを搭載しています。HighインピーダンスとLowインピーダンスの切替ができるため、カートリッジ側の個性に合わせやすい設計です。
Phono1、2 MCの入力感度はLowで70μV、Highで250μVです。アナログ再生まで一台で深く楽しみたい人にとって、MC入力の充実度が大きな魅力になります。
特徴③|大型CIコアトランスとトータル5電源構造
電源部には、CIコアによるバランス巻線の大型トランスを採用しています。さらに、12,000μF×4と4,700μF×4のαコンデンサーを組み合わせ、低域と中域以上の充実を狙っています。
- 定格消費電力は320Wです。
- ファーストリカバリーダイオードを採用しています。
- トータル5電源構造により、左右独立とステージ間の干渉低減を狙っています。
特徴④|非磁性化を意識したコンストラクション
AU-D907F Extraでは、シャーシに銅メッキを施し、NM素子の採用などによってマグネットディストーション対策を徹底しています。ヒートループを中央に配する構造も、磁気フラックスの影響を避けるための工夫です。
磁性体や磁束による音質への影響を抑える考え方です。AU-D907F Extraでは、銅メッキシャーシやNM素子によって、音の濁りを減らす方向へ作り込まれています。
SANSUI AU-D907F Extraと他のヴィンテージアンプとの比較


SANSUI AU-D907F Extraと他のヴィンテージアンプとの比較は以下の通りです。
| 項目 | SANSUI AU-D907F Extra | SANSUI AU-D907 | SANSUI AU-D707 | Pioneer A-150D |
|---|---|---|---|---|
| 実効出力 | 130W+130W(8Ω) | 100W+100W(8Ω) | 90W+90W(8Ω) | 120W+120W(8Ω) |
| 高調波歪率 | 0.003%以下 | 0.008%以下 | 0.008%以下 | 0.003% |
| ダンピングファクター | 100 | 100 | 100 | 100 |
| 重量 | 17.7kg | 20.8kg | 20.1kg | 16.6kg |
| 消費電力 | 320W | 250W | 230W | 350W |
| サウンドキャラクター | 低歪でスピード感のある力強いサンスイサウンド | 厚みと駆動力のある上位機サウンド | 本格設計と扱いやすさのバランス | 透明感と電流供給力 |
SANSUI AU-D907F ExtraとSANSUI AU-D907との比較
SANSUI AU-D907F ExtraとSANSUI AU-D907との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D907F Extraは130W+130W、AU-D907は100W+100Wです。出力ではSANSUI AU-D907F Extraが優れています。
- 高調波歪率:AU-D907F Extraは0.003%以下、AU-D907は0.008%以下です。低歪率ではSANSUI AU-D907F Extraが有利です。
- ダンピングファクター:どちらも100です。低域制動の数値では同等です。
- 重量:AU-D907F Extraは17.7kg、AU-D907は20.8kgです。筐体重量ではSANSUI AU-D907が上回ります。
- 消費電力:AU-D907F Extraは320W、AU-D907は250Wです。電源規模ではSANSUI AU-D907F Extraが大きいです。
- 音の方向性:AU-D907は初期DCシリーズらしい厚み、AU-D907F ExtraはSuper Feedforwardによる低歪とスピード感が魅力です。現代的な見通しを求めるならSANSUI AU-D907F Extraが選びやすいです。
SANSUI AU-D907F ExtraとSANSUI AU-D707との比較
SANSUI AU-D907F ExtraとSANSUI AU-D707との比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D907F Extraは130W+130W、AU-D707は90W+90Wです。出力ではSANSUI AU-D907F Extraが優れています。
- 高調波歪率:AU-D907F Extraは0.003%以下、AU-D707は0.008%以下です。低歪率ではSANSUI AU-D907F Extraが有利です。
- ダンピングファクター:どちらも100です。低域制動の定格では同等です。
- 重量:AU-D907F Extraは17.7kg、AU-D707は20.1kgです。筐体重量ではSANSUI AU-D707が上回ります。
- 消費電力:AU-D907F Extraは320W、AU-D707は230Wです。電源規模ではSANSUI AU-D907F Extraが大きいです。
- 音の方向性:AU-D707はまとまりの良さ、AU-D907F Extraは低歪で力強い駆動感が魅力です。大型スピーカーを余裕を持って鳴らすならSANSUI AU-D907F Extraが合いやすいです。
SANSUI AU-D907F ExtraとPioneer A-150Dとの比較
SANSUI AU-D907F ExtraとPioneer A-150Dとの比較は以下の通りです。
- 実効出力:AU-D907F Extraは130W+130W、A-150Dは120W+120Wです。8Ω時の出力ではSANSUI AU-D907F Extraがわずかに優れています。
- 高調波歪率:AU-D907F Extraは0.003%以下、A-150Dは0.003%です。低歪率ではほぼ同等です。
- ダンピングファクター:どちらも100です。低域制動の数値では同等です。
- 重量:AU-D907F Extraは17.7kg、A-150Dは16.6kgです。筐体重量ではSANSUI AU-D907F Extraが上回ります。
- 消費電力:AU-D907F Extraは320W、A-150Dは350Wです。消費電力ではPioneer A-150Dが大きいです。
- 音の方向性:A-150Dは透明感と電流供給力、AU-D907F Extraはサンスイらしい密度と低歪の両立が魅力です。中低域の厚みを重視するならSANSUI AU-D907F Extraが合いやすいです。
SANSUI AU-D907F Extraとヴィンテージスピーカーとの組み合わせ


SANSUI AU-D907F Extraは、8Ωで130W+130Wの実効出力とダンピングファクター100を備えたアンプです。大型ウーファーや高能率ホーンを持つスピーカーと合わせると、低歪な駆動力とサンスイらしい密度を活かしやすいです。
ここではAudio Heritageで定格を確認できるスピーカーから、SONYの大型フロア型、JBLのスタジオモニター、TANNOYの同軸フロア型を選び、AU-D907F Extraとの相性を解説します。
SANSUI AU-D907F ExtraとSONY SS-G7との組み合わせ
SANSUI AU-D907F ExtraとSONY SS-G7との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:SS-G7は8Ω、定格最大入力100W、瞬間最大入力200W、出力音圧レベル94dB/W/mの3ウェイ・バスレフ方式フロア型です。AU-D907F Extraの8Ω時130W+130Wは定格最大入力100Wを超えるため、音量を上げ切らずに使う意識が大切です。94dB/W/mの能率があるので、家庭内では出力を使い切らなくても十分な音量を得やすい組み合わせです。
- 音質の向上:SS-G7は38cmコーン型ウーファー、10cmバランスドライブ型ミッドレンジ、3.5cmバランスドライブ型トゥイーターを搭載し、30Hz〜20kHzを再生します。550Hz、4.5kHzのクロスオーバーとPLUMB INLINE方式の音像設計にAU-D907F Extraの低歪な出力を合わせることで、大口径ウーファーの量感と定位の見通しを両立しやすい音になります。約48kgの大型筐体なので、設置面を安定させると低域が整いやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ロック、フュージョン、映画音楽、オーケストラに向いています。AU-D907F Extraの駆動力とSS-G7の38cmウーファーを合わせることで、スケールのある低域と奥行きのある音場を楽しみたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-D907F ExtraとJBL 4343との組み合わせ
SANSUI AU-D907F ExtraとJBL 4343との組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:JBL 4343は8Ω、ネットワーク時の許容入力75W、出力音圧レベル93dBの4ウェイ・バスレフ方式ブックシェルフ型です。AU-D907F Extraの8Ω時130W+130Wは許容入力75Wより余裕があるため、音量管理を丁寧に行う必要があります。93dBの能率を活かせるため、小さめのボリューム位置でもモニターらしい押し出しを得やすい組み合わせです。
- 音質の向上:4343は38cmコーン型ウーファー、25cmコーン型ミッドウーファー、ホーン型ミッドレンジ、ホーン型トゥイーターを備え、35Hz〜20kHz ±3dBを再生します。300Hz、1.25kHz、9.5kHzのクロスオーバーを持つ4ウェイ構成にAU-D907F Extraのダンピングファクター100を合わせることで、低域の輪郭とホーン帯域の勢いをまとめやすい音になります。156Lのウーファー容積を持つ大型機なので、部屋の容積に合わせた配置が重要です。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、ロック、ソウル、ライブ録音に向いています。AU-D907F Extraの密度感と4343のスタジオモニターらしい反応を合わせることで、ベースラインやドラムのアタックを前に出して聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-D907F ExtraとTANNOY Berkeleyとの組み合わせ
SANSUI AU-D907F ExtraとTANNOY Berkeleyとの組み合わせは以下の通りです。
- 互換性:Berkeleyは8Ω、許容入力85W、出力音圧レベル91dB/Wの2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式フロア型です。AU-D907F Extraの8Ω時130W+130Wは許容入力85Wより大きいため、音量を急に上げない使い方が大切です。91dB/Wの能率があるため、余裕を残したボリュームでも同軸ユニットの鳴りを引き出しやすい組み合わせです。
- 音質の向上:Berkeleyは38cm同軸型HPD385Aを搭載し、35Hz〜20kHzを再生します。1kHz、12dB/octのクロスオーバーを持つデュアル・コンセントリック構成にAU-D907F Extraの低歪な出力を合わせることで、声の定位と中低域の厚みを自然につなげやすい音になります。バスレフ方式のフロア型なので、壁から少し距離を取ると低域の量感を整えやすいです。
- おすすめの音楽ジャンル:ボーカル、クラシック、ジャズ、アコースティックに向いています。AU-D907F Extraの滑らかな密度感とBerkeleyの同軸定位を合わせることで、声や弦楽器の中心像を落ち着いて聴きたい人に合う組み合わせです。
SANSUI AU-D907F Extraは、130W+130Wの出力と低歪設計を備えた、力強さと見通しの良さを両立したプリメインアンプです。
大型フロア型やスタジオモニター系のスピーカーと合わせると、サンスイらしい中低域の密度と、Super Feedforward & DD/DC方式の制動感を楽しみやすいです。
SANSUI AU-D907F Extraの詳細スペック一覧
| SANSUI AU-D907F Extraのスペック詳細 | |
|---|---|
| 型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
| <パワーアンプ部(Super Feedforward & DD/DC方式)> | |
| 実効出力 | 130W+130W(8Ω、10Hz〜20kHz、THD 0.003%)、130W+130W(8Ω、1kHz、THD 0.002%) |
| 全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz、実効出力時、8Ω) |
| 混変調歪率 | 0.003%以下(60Hz:7kHz=4:1、SMPTE、8Ω) |
| 出力帯域幅 | 5Hz〜80kHz(IHF、両ch動作、THD 0.02%、8Ω) |
| ダンピングファクター | 100(新IHF、20Hz〜20kHz、8Ω) |
| 周波数特性 | DC〜300kHz +0 -3dB(1W) |
| エンベロープ歪 | 測定限界以下 |
| TIM歪 | 測定限界以下(Sawtooth法) |
| スルーレイト | ±250V/μsec(8Ω) |
| ライズタイム | 0.5μsec |
| <イコライザーアンプ部(Hi-Precision DCサーボイコライザー)> | |
| 入力感度/入力インピーダンス | Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ、Phono1、2 MC(Low/High):70μV(3.2Ω)/250μV(40Ω)、Tuner、Aux、Tape play1、2:250mV/27kΩ |
| Phono最大許容入力 | MM:200mV、MC:25mV(low)、トランス方式 |
| 出力レベル/インピーダンス | Tape rec(PIN):250mV(47kΩ)/600Ω |
| 全高調波歪率 | Phono1、2 MM:0.005%以下(20Hz〜20kHz、5V出力時)、Phono1、2 MC:トランス方式 |
| RIAA偏差 | 20Hz〜300kHz ±0.2dB(MM、Rec out) |
| SN比 | Phono1、2 MM:90dB以上、Phono1、2 MC:75dB以上(Low)、Tuner、Aux、Tape play1、2:110dB以上 |
| Phono入力換算雑音 | Phono1、2 MM:-142dBV、Phono1、2 MC:-155dBV(Aネットワーク、ショートサーキット) |
| チャンネルセパレーション | Phono1、2 MM:60dB以上、Phono1、2 MC:50dB以上、Tuner、Aux、Tape play:80dB以上(1kHz) |
| トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz)、Treble:±10dB(10kHz) |
| トーンセレクター | Bass:150Hz、300Hz、Treble:3kHz、6kHz |
| フィルター | Low:16Hz(-3dB、6dB/oct)、High:20kHz(-3dB、6dB/oct) |
| オーディオミューティング | -20dB |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 320W(電気用品取締法) |
| 外形寸法 | 幅460x高さ160x奥行444mm |
| 重量 | 17.7kg |
