この記事の概要
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AD-FF90は完全ヴィンテージなカセットデッキです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。
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AIWA(アイワ)AD-FF90の概要と特徴
AD-FF90のスペック | |
---|---|
トラック方式 | 4トラック・2チャンネル |
ヘッド | 録音・再生:ピュアアモルファスコンビネーションヘッド 消去:Hi-Bsダブルギャップセンダストヘッド |
モーター | キャプスタン用:システムサーボモーター リール用:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.045%(W・Peak) 0.025%(WRMS) |
周波数特性 (-20VU録音/0VU録音) | ノーマルテープ:20Hz~19kHz ±3dB/20Hz~12kHz ±3dB クロームテープ:20Hz~20kHz ±3dB/20Hz~15kHz ±3dB メタルテープ:20Hz~21kHz ±3dB/20Hz~18kHz ±3dB |
SN比 (WTD、1kHz、 3%3次高調波歪率、 メタルテープ) | 60dB(Dolby NR off) 68dB(Dolby B type on) 75dB(Dolby C type on) |
重量 | 5.5kg |
AIWA AD-FF90はステレオカセットデッキです。
ワンタッチで4秒間の無音部が作れるオートRECミュートを搭載しています。
以下から、AD-FF90の特徴について詳しく解説します。
①:ピュア・アモルファスヘッドを採用
AIWA AD-FF90はピュア・アモルファスヘッドを採用しています。
ピュア・アモルファスヘッドってなに?
ピュア・アモルファスヘッドは、音楽再生の精度と品質を向上させるための重要な部分です。
この技術は、カセットテープの音楽信号を読み取る際に使用される特殊なヘッドで、非晶質合金で作られています。
以下はピュア・アモルファスヘッドの利点です。
- 非晶質合金の使用:結晶構造を持たない非晶質合金を使用することで、信号の歪みを最小限に抑えます。
- 高い磁気感受性:微細な信号でも忠実に再現することができるため、音楽の細部まで鮮明に聴くことが可能です。
- 音質の向上:高域の伸びや中域のクリアさが増し、よりリアルな音楽体験を提供します。
- 耐久性:非晶質合金は耐摩耗性に優れているため、長期間の使用にも耐えることができます。
- 高音質なカセットとの相性:高音質なカセットテープと組み合わせることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
②:スーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式の採用
AIWA AD-FF90は、スーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
スーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式は、テープのテンションを一定に保ち、再生や録音時の音質を向上させる役割を果たします。
スーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式の仕組みは以下のような形です。
- デュアルキャプスタン:テープを2つのキャプスタンで挟み込みます。
- テンションの安定化:テープのテンション(張り)を一定に保つことで、速度の変動を抑制します。
- フラッターの減少:テープの揺れ(フラッター)が減少し、音の歪みが少なくなります。
スーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式の利点は、音質の向上です。
特に中高域の音がクリアになり、音楽の細部まで正確に再現されます。
さらに、この方式はテープのテンションを一定に保つため、テープの摩耗や損傷を減少させる効果もあります。
③:ドルビーB・Cタイプの搭載
AIWA AD-FF90は、ドルビーB・Cタイプが搭載されています。
ドルビーB・Cタイプってなに?
ドルビーB・Cタイプの特徴は、ノイズの抑制能力にあります。
特に高周波のノイズを効果的に減少させることができます。
ドルビーB・Cタイプの仕組みは、録音時に特定の周波数帯域の信号を強調し、再生時にその強調を逆にすることでノイズを抑制します。
BタイプとCタイプの違いは、強調の度合いと対象となる周波数帯域にあります。
AIWA AD-FF90に搭載されているドルビーB・Cタイプの利点は音質の向上だけでなく、カセットテープの耐久性の向上にも繋がります。
④:タイマースタンバイメカを搭載
AIWA AD-FF90にはタイマースタンバイメカ(タイマースタンバイメカニズム)が搭載されています。(※以下「タイマースタンバイメカ」で統一)
タイマースタンバイメカは、特定の時間に録音や再生を開始するための待機モードを指します。
以下では、タイマースタンバイメカの機能について詳しく説明します。
- 目的:タイマースタンバイメカは、ユーザーが事前に設定した時間にカセットデッキの録音や再生を自動的に開始するための機能です。
- 動作:カセットデッキは設定された時間になると、自動的に録音または再生モードに切り替わります。この機能は、ラジオ番組の録音など、特定の時間に行いたい操作に便利です。
- 設定:開始時間・終了時間・操作モード(録音または再生)などを設定することができます。
- 連携:外部のタイマー装置と連携して動作をします。タイマー装置が指定時間になるとカセットデッキに信号を送り、操作を開始します。
AIWA AD-FF90のタイマースタンバイメカにより、人がいない時間帯でも自動的に録音や再生を行うことができます。
特定の時間に録音や再生を行いたい場合に非常に役立つ機能です。
AIWA AD-FF90と他のヴィンテージカセットデッキとの比較
当然ですが、ヴィンテージカセットデッキはAIWA AD-FF90だけではありません。
以下では
- ONKYO TA-W991
- SANSUI D-W10
- YAMAHA KX-W262
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
AIWA AD-FF90とONKYO TA-W991との比較
AIWA AD-FF90とONKYO TA-W991との比較は以下の通りです。
- ヘッド構成:AD-FF90はピュアアモルファスコンビネーションヘッドを採用しており、TA-W991はダイキャストマウント・ハードパーマロイ・リバースヘッドです。AD-FF90のヘッドは耐摩耗性が高く、長期間の使用には適しています。
- 周波数特性:AD-FF90の周波数特性はテープ種類により20Hz~21kHz、TA-W991は20Hz~17kHzです。AD-FF90の方が広い周波数範囲をカバーしており、よりリアルな音質再現が可能です。
- 消費電力:AD-FF90は40W、TA-W991は35Wの消費電力です。TA-W991の方がやや省エネルギー設計です。
- 外形寸法:AD-FF90の寸法は幅420x高さ110x奥行286mm、TA-W991は幅418x高さ115x奥行336mmです。
- 重量:AD-FF90は5.5kg、TA-W991は6.9kgです。TA-W991の方が重いです。
- ワウ・フラッター:AD-FF90は±0.045%(W・Peak) 0.025%(WRMS)、TA-W991は0.05%(WRMS) ±0.1%(Wpeak、EIAJ)です。AD-FF90の方がより精密な制御が可能で、安定した再生が期待できます。
- 音質:AD-FF90はピュアアモルファスヘッドやドルビーHXプロを搭載しており、TA-W991はダブルオートリバース構成とドルビーCシステムを搭載しています。AD-FF90は高域のクリアな録音、TA-W991はリバース再生に特化しています。
AIWA AD-FF90とSANSUI D-W10との比較
AIWA AD-FF90とSANSUI D-W10との比較は以下の通りです。
- ヘッド構成:AIWA AD-FF90はピュアアモルファスコンビネーションヘッドを採用しており、SANSUI D-W10はハードパーマロイヘッドを2つ使用しています。AIWAのヘッドは耐摩耗性が高く、音質も優れています。SANSUIのダブルヘッド構成はダブル録音に対応しています。音質と耐久性を重視するならAIWA、多機能性を求めるならSANSUIが良いかもしれません。
- 周波数特性:AIWA AD-FF90はテープの種類に応じて20Hz~21kHzの周波数特性を持ちます。SANSUI D-W10は20Hz~18kHzの範囲です。AIWAの方が若干広い周波数範囲をカバーしています。
- 消費電力:AIWA AD-FF90の消費電力は40Wで、SANSUI D-W10は30Wです。SANSUIの方が少し省エネです。
- 外形寸法:AIWAの外形寸法は幅420x高さ110x奥行286mm、SANSUIは幅430x高さ111x奥行304mmです。少し大きいSANSUIは、ダブルデッキ構造のためのサイズかもしれません。
- 重量:AIWA AD-FF90は5.5kg、SANSUI D-W10は6.2kgです。重量に大きな差はありません。
- ワウ・フラッター:AIWAのワウ・フラッターは±0.045%(W・Peak) 0.025%(WRMS)、SANSUIは0.05%以内(WRMS、JIS) ±0.1%(W.peak、EIAJ)です。こちらも大きな差はなく、どちらも高い精度を持っています。
- 音質:AIWA AD-FF90がピュアアモルファスヘッドやドルビーHXプロを搭載しているため、クリアで高品質な録音が可能です。SANSUI D-W10もドルビーB/Cタイプのノイズリダクションを搭載しており、高いSN比を実現しています。しかし、全体的にAIWAの方が音質において優れている可能性が高いです。
AIWA AD-FF90とYAMAHA KX-W262との比較
AIWA AD-FF90とYAMAHA KX-W262との比較は以下の通りです。
- ヘッド構成:AIWAは「ピュアアモルファスコンビネーションヘッド」を採用しており、YAMAHAは「ハードパーマロイヘッド」を採用しています。AIWAのヘッドは耐摩耗性が高く、音質も優れていると評価できます。
- 周波数特性:AIWAの周波数特性はテープ種類により異なりますが、最大で20Hz~21kHz ±3dBの範囲をカバーしています。一方、YAMAHAは20Hz~16kHz ±3dBです。AIWAの方が広い周波数範囲を持っています。
- 消費電力:AIWAは40W、YAMAHAは18Wの消費電力となっています。YAMAHAの方が省エネルギーです。
- 外形寸法:AIWAの寸法は幅420x高さ110x奥行286mm、YAMAHAは幅435x高さ131x奥行276mmです。サイズの違いは大差ありません。
- 重量:AIWAは5.5kg、YAMAHAは5.2kgとなっています。若干YAMAHAの方が軽いです。
- ワウ・フラッター:AIWAは±0.045%(W・Peak) 0.025%(WRMS)、YAMAHAは±0.15%以下(W.Peak、EIAJ) 0.08%以下(W.RMS)です。AIWAの方が数値が低く、より正確なテープ走行が可能です。
- 音質:AIWAはピュアアモルファスヘッドやドルビーHXプロなどの先進技術を採用しており、YAMAHAもハードパーマロイヘッドやドルビーB/Cなどを搭載しています。しかし、AIWAの方がより高品質な音質を提供していると評価できます。
AIWA AD-FF90とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ
AIWA AD-FF90のようなカセットデッキは、基本的にプリメインアンプに接続して使用するはずです。
その為、以下ではAIWA AD-FF90とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを解説します。
AIWA AD-FF90とDENON PMA-750の組み合わせ
AIWA AD-FF90とDENON PMA-750の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:AIWA AD-FF90のステレオカセットデッキは、多岐にわたる周波数特性と高い耐摩耗性を持つピュアアモルファスヘッドを採用しており、DENON PMA-550のプリメインアンプとの連携によって、信号経路にカップリングコンデンサーを使用しない完全DC構成を実現しています。これにより、音質の劣化を防ぎながら、両機器間のシームレスな接続が可能です。
- 音質の向上:AIWA AD-FF90のドルビーHXプロやオートレックレベルなどの機能が、DENON PMA-550のスーパーイコライザーやノンスイッチングAパワーアンプと相まって、広い周波数帯域でのクリアな録音と再生を実現します。特に、DENON PMA-550の完全コンデンサーレス構成とダイレクトDCサーボ方式が、音の細部まで忠実に再現し、リアルな音楽体験を提供します。
- 機能の拡張:AIWA AD-FF90の自動消磁システムやイントロプレイ機能、リモートコントローラー接続端子などの便利な機能が、DENON PMA-550のカートリッジのデュアル・リスニング機構やラウドネスコントロールなどと組み合わせることで、より多岐にわたる操作とカスタマイズが可能となります。
AIWA AD-FF90とLUXMAN LX-360の組み合わせ
AIWA AD-FF90とLUXMAN LX-360の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:LUXMAN LX-360は管球式インテグレーテッドアンプで、高い音質を提供する設計がされています。この組み合わせにより、AIWA AD-FF90の持つ高い機能性とLUXMAN LX-360の高品質な音響出力が組み合わさり、互いの特性を最大限に引き出すことが可能です。特に、LUXMAN LX-360の独立した電源トランスとAIWA AD-FF90の高い耐摩耗性を持つアモルファスヘッドが相互に作用し、非常に高い互換性を実現しています。
- 音質の向上:AIWA AD-FF90のピュアアモルファスヘッドやドルビーHXプロの搭載により、クリアな録音が可能で、高域信号の飽和現象を抑えることができます。これにLUXMAN LX-360の管球式の温かみのある音質と高いSN比が加わることで、非常にリッチで深みのある音楽体験が提供されます。特に、LUXMAN LX-360のS.T.A.R.サーキットの採用により、信号経路や電源ラインに直結された独立したループが形成され、音質のピュアリティが向上します。
- 機能の拡張:AIWA AD-FF90の多岐にわたる機能とLUXMAN LX-360の高い調整能力が組み合わさることで、機能の拡張が図られます。例えば、AIWA AD-FF90のオートレックレベルやコンピュ・ブレイン機能とLUXMAN LX-360のトーンコントロールやラインフェーズセンサーの組み合わせにより、より精緻な音楽再生が可能になります。また、LUXMAN LX-360のヘッドホン・ジャックやスピーカー・スイッチとAIWA AD-FF90のリモートコントローラー接続端子などの組み合わせにより、より多岐にわたる操作とカスタマイズが可能になります。
AIWA AD-FF90とPioneer A-8600Xの組み合わせ
AIWA AD-FF90とPioneer A-8600Xの組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:両者の接続端子と電源電圧が一致しているため、互換性は非常に高く、シームレスに連携できます。特に、AD-FF90のリモートコントローラー接続端子とA-8600Xの多岐にわたる入力感度設定が相互に補完し合い、使い勝手の向上を実現しています。
- 音質の向上:AIWA AD-FF90のピュアアモルファスヘッドやドルビーHXプロなどの高音質技術と、Pioneer A-8600Xのダイレクトパワーサプライ方式やSuper Linear RETなどの先進技術が組み合わさることで、音質の向上が図られます。特に、AD-FF90のヘッド技術とA-8600Xの高域特性の改善が相乗効果を生み出し、クリアでリッチなサウンドを実現します。また、両機種のノイズリダクション機能が連携することで、より洗練された音楽体験が可能になります。
- 機能の拡張:AIWA AD-FF90の自動消磁システムやイントロプレイ機能などの特殊機能と、Pioneer A-8600Xのトーンコントロールやラウドネスコンターなどの調整機能が連携することで、より多岐にわたる音楽再生と調整が可能になります。
AIWA(アイワ)AD-FF90を徹底解説!【スペックを網羅的に紹介】のまとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。