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Lo-D D-909は完全ヴィンテージなカセットデッキです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。
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Lo-D D-909の概要と特徴
Lo-D D-909のスペック | |
---|---|
ヘッド | 録再:新形状チタン溶射R&Pコンビネーションヘッド 消去:マルチギャップセンダスト消去ヘッド |
モーター | ユニトルクDDモーター DCモーター |
ワウ・フラッター | 0.018%(WRMS) ±0.04%(W・Peak) |
周波数特性 | 30Hz~20kHz ±3dB(メタル) |
SN比(メタルテープ) | 75dB(Dolby C NR on) 69dB(Dolby B NR on) 61dB(Dolby NR off) 57dB(EIAJ、Dolby NR off) |
外形寸法 | 幅435x高さ115x奥行279mm |
重量 | 6kg |
Lo-D D-909はステレオカセットデッキです。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/Cを搭載しています。
以下から、Lo-D D-909の特徴について詳しく解説します。
①:録再ヘッドに新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドを搭載
Lo-D D-909の録再ヘッドには、新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドが搭載されています。
チタン溶射R&Pコンビネーションヘッドってなに?
一言で解説するのは難しいので、言葉を分解しながら解説します。
新形状の「チタン溶射R&Pコンビネーションヘッド」とは、具体的には以下のような特長があります。
- チタン溶射:チタンという金属を高温で溶かして、ヘッドの表面に塗布する技術です。これにより、ヘッドの耐久性が向上し、長期間にわたって高品質な録音と再生が維持できます。
- R&Pコンビネーション:これは「Recording(録音)& Playback(再生)」の略で、同じヘッドで録音と再生ができるという意味です。従来は録音用と再生用に別々のヘッドが必要でしたが、このコンビネーションヘッドにより、その両方が一つのヘッドで実現できます。
このように、新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドは、高品質な録音と再生を可能にするための多くの技術が組み込まれています。
②:メカニズム部にブラシレス・コアレス・スロットレスの3相ユニトルクモーターを搭載
Lo-D D-909の録再ヘッドには、新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドが搭載されています。
ブラシレス・コアレス・スロットレスの3相ユニトルクモーターを搭載ってなに?
これも一言で解説するのは難しいので、言葉を分解しながら解説します。
- ブラシレス・コアレス・スロットレス:これらの用語は、モーターの構造に関するものです。
- ブラシレス:従来のモーターにはブラシと呼ばれる部品がありましたが、このモーターはブラシがないため摩耗が少なく、長寿命です。
- コアレス:コア(鉄心)がないため、軽量で高効率です。
- スロットレス:スロット(溝)がないためノイズや振動が少なく、滑らかな動作が可能です。
- 3相ユニトルクモーター:このモーターは3相の電流を用いて動作し、一定のトルク(回転力)を維持します。特に「8極に着磁された駆動用ドーナツ型マグネット」と「電気的に120゜ずつずらした6枚の8分割3相コイル」が相互に補完し合うことで、非常に安定した動作が可能です。
- 安定した滑らかな回転:上記の技術により、このモーターは非常に安定した滑らかな回転を実現しています。これは、カセットテープの録音や再生において、高品質な結果を生むために非常に重要です。
ちなみに、上記で解説した「8極に着磁された駆動用ドーナツ型マグネット」は、ドーナツ(円環)の形状をしており、その表面には8つの極(磁極)が配置されています。
8極によって磁場が均等に分布され、モーターの動作が安定します。
また、8極の存在によってモーターのトルク(回転力)が高まり、より高い性能が得られます。
さらに、このマグネットは特定の方向に磁化(着磁)されています。
これにより磁場が一定の方向性を持ち、モーターの動作が非常に安定します。
③:オートメモリーリワインド機構を搭載
Lo-D D-909にはオートメモリーリワインド機構が搭載されています。
オートメモリーリワインド機構は、カセットテープが一定の位置に到達したとき、自動的に巻き戻し(リワインド)を行うものです。
具体的には、テープの再生や録音が終了した際に、ユーザーが事前に設定した特定の位置までテープを自動で巻き戻します。
オートメモリーリワインド機構があれば自動で巻き戻しを行うので、テープが緩んでしまうリスクを減らし、テープの寿命を延ばすことに繋がります。
Lo-D D-909と他のヴィンテージカセットデッキとの比較
当然ですが、ヴィンテージカセットデッキはLo-D D-909だけではありません。
以下では
- OTTO/SANYO RD-5300
- DENON DR-M10HX
- NEC K-535
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
Lo-D D-909とOTTO/SANYO RD-5300との比較
Lo-D D-909とOTTO/SANYO RD-5300との比較は以下の通りです。
- ヘッド:Lo-D D-909は新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドを採用しています。一方、OTTO/SANYO RD-5300は硬質パーマロイヘッドを使用しています。チタン溶射R&Pコンビネーションヘッドはテープ走行をスムーズにし、安定したヘッドタッチを獲得しています。この点で、Lo-D D-909のヘッドはOTTO/SANYO RD-5300よりも優れています。
- モーター:Lo-D D-909はユニトルクDDモーターを、OTTO/SANYO RD-5300はDCサーボモーターを採用しています。ユニトルクDDモーターは安定した滑らかな回転を獲得しています。
- ワウフラッター:Lo-D D-909のワウフラッターは0.018%(WRMS) ±0.04%(W・Peak)で、OTTO/SANYO RD-5300は0.08%以下(WRMS)です。この数値から見て、Lo-D D-909の方がより精度の高い再生が可能です。
- 周波数特性:Lo-D D-909は30Hz~20kHz ±3dB(メタル)、OTTO/SANYO RD-5300は30Hz~16kHz(CrO2)です。周波数特性の範囲が広いLo-D D-909の方が、より多くの音域をカバーできます。
- SN比:Lo-D D-909のSN比は75dB(Dolby C NR on)、OTTO/SANYO RD-5300は62dB(dolby on)です。この点でも、Lo-D D-909が優れています。
- 重量:両機種ともに6kgと、重量に差はありません。
- 音質:Lo-D D-909はNew ATRSシステムを搭載しており、音楽ソースに応じてバイアス調整が可能です。一方で、OTTO/SANYO RD-5300はバイアスとイコライザーの独立切換機能を搭載しています。しかし、全体的に見てLo-D D-909の方が高度な音質調整が可能です。
Lo-D D-909とDENON DR-M10HXとの比較
Lo-D D-909とDENON DR-M10HXとの比較は以下の通りです。
- ヘッド:Lo-D D-909は新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドを採用しています。一方、DENON DR-M10HXはSFハイパボリック・ハードパーマロイコンビネーションヘッドを使用しています。両者とも高品質のヘッドを採用しているため、音質に優れています。ただし、Lo-D D-909のヘッドはテープ走行をよりスムーズにする設計がされています。
- モーター:Lo-D D-909はユニトルクDDモーターとDCモーターを採用しています。DENON DR-M10HXはキャプスタン用に電子制御DCモーター、リール用とメカ制御用にDCモーターを使用しています。Lo-D D-909のモーターは一定のトルク総量を生み出し、安定した滑らかな回転を獲得しています。
- ワウフラッター:Lo-D D-909のワウ・フラッターは0.018%(WRMS) ±0.04%(W・Peak)で、DENON DR-M10HXは±0.1%W.Peak(EIAJ) 0.05%WRMS(JIS)です。数値的にはLo-D D-909が優れています。
- 周波数特性:Lo-D D-909は30Hz~20kHz ±3dB(メタル)、DENON DR-M10HXはMetalテープで20Hz~20kHz(25Hz~19kHz ±3dB)です。両者ともほぼ同等の周波数特性を持っています。
- SN比:Lo-D D-909のSN比は75dB(Dolby C NR on)で、DENON DR-M10HXは73dB以上(Dolby C NR on)です。わずかにLo-D D-909が優れています。
- 重量:Lo-D D-909は6kg、DENON DR-M10HXは4.6kgです。軽量なDENON DR-M10HXが設置や移動に便利です。
- 音質:Lo-D D-909はNew ATRSシステムを搭載しており、音楽ソースに応じて最適なバイアス調整が可能です。DENON DR-M10HXはドルビーHXプロを採用しています。両者とも高品質な音を提供しますが、Lo-D D-909はより多機能です。
Lo-D D-909とNEC K-535との比較
Lo-D D-909とNEC K-535との比較は以下の通りです。
- ヘッド:Lo-D D-909は新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドを採用しています。一方、NEC K-535はコンビネーションヘッドとダブルギャップフェライトヘッドを採用しています。Lo-D D-909のヘッドはテープ走行をよりスムーズにし、安定したヘッドタッチを獲得しています。
- モーター:Lo-D D-909はユニトルクDDモーターとDCモーターを採用しています。NEC K-535は電子制御DCモーターを使用しています。両者ともに高度なモーター技術を採用していますが、Lo-D D-909のモーターは更に安定した滑らかな回転を獲得しています。
- ワウフラッター:Lo-D D-909のワウフラッターは0.018%(WRMS) ±0.04%(W・Peak)で、NEC K-535は0.04%以下WRMSです。この数値から見て、Lo-D D-909の方が優れた性能を持っています。
- 周波数特性:Lo-D D-909は30Hz~20kHz ±3dB(メタル)、NEC K-535は20Hz~20kHz(メタルテープ)です。周波数特性に関してはほぼ同等であり、どちらも高い性能を持っています。
- SN比:Lo-D D-909は75dB(Dolby C NR on)、NEC K-535は65dB以上(CrO2、Dolby NR on)です。この点では、Lo-D D-909が高いSN比を持っているため、優れています。
- 重量:Lo-D D-909は6kg、NEC K-535は7.5kgです。重量に関しては、Lo-D D-909が軽く、設置や移動が容易です。
- 音質:Lo-D D-909はNew ATRSシステムを搭載しており、音楽ソースに応じて最適なバイアス調整が可能です。NEC K-535も3ポジションのテープセレクターを搭載していますが、Lo-D D-909の方がより高度な音質調整が可能です。
Lo-D D-909とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ
Lo-D D-909のようなカセットデッキは、基本的にプリメインアンプに接続して使用するはずです。
その為、以下ではLo-D D-909とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを解説します。
Lo-D D-909と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、
- DIATONE DA-U750
- OPTONICA SM-4000
- YAMAHA AX-890
です。
興味のある方は参考にしてみてください。
Lo-D D-909とDIATONE DA-U750の組み合わせ
Lo-D D-909とDIATONE DA-U750の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:Lo-D D-909はカセットデッキであり、DIATONE DA-U750はプリメインアンプです。Lo-D D-909の出力端子とDIATONE DA-U750の入力端子は、問題なく接続できます。特に、Lo-D D-909のSN比とDA-U750の高調波歪率が優れているため、ノイズの少ないクリアな音質を実現できます。また、Lo-D D-909にはリモコン端子が搭載されており、DA-U750との連携もスムーズです。
- 音質の向上:Lo-D D-909は新自動周波数特性補正(New ATRS)システムを搭載しており、DIATONE DA-U750は高調波歪率が非常に低いです。これにより、高音質な録音と再生が可能です。特に、Lo-D D-909の3ポジションのバイアス選択とDA-U750のトーンコントロールをうまく組み合わせることで、より広い音域での高音質な再生が可能です。
- 機能の拡張:Lo-D D-909には多くの便利な機能が搭載されていますが、DIATONE DA-U750と組み合わせることで、さらに多くの機能を活用できます。例えば、DA-U750にはプレゼンスコントロールがあり、これを活用することでLo-D D-909の音質をさらに引き出すことができます。また、DA-U750のフィルター機能とLo-D D-909のノイズリダクションシステムを組み合わせることで、よりクリアな音質を実現できます。
Lo-D D-909とOPTONICA SM-4000の組み合わせ
Lo-D D-909とDIATONE DA-U750の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:Lo-D D-909は多機能なカセットデッキであり、OPTONICA SM-4000はプリメインアンプとして高い性能を持っています。両機種の接続は非常にスムーズで、特に問題なく使用することができます。Lo-D D-909の多様な機能とOPTONICA SM-4000の高い出力と低歪率は、一緒に使用することで相乗効果を発揮します。
- 音質の向上:Lo-D D-909の新形状チタン溶射R&PコンビネーションヘッドとOPTONICA SM-4000の差動増幅2段全段直結純コンプリメンタリーOCL回路は、非常に高い音質を生み出します。特に、Lo-D D-909のノイズリダクションシステムとOPTONICA SM-4000の低歪率化によるSLADサーキットが合わさることで、クリアでダイナミックな音楽再生が可能です。
- 機能の拡張:Lo-D D-909には多くの便利な機能が搭載されていますが、OPTONICA SM-4000と組み合わせることで、さらに多くの機能が活かされます。例えば、Lo-D D-909のタイマースタンバイ機構とOPTONICA SM-4000の電源コンセントの連動により、よりスマートな操作が可能です。また、両機種の高いSN比と周波数特性が合わさることで、より広い音域での再生が可能になります。
Lo-D D-909とYAMAHA AX-890の組み合わせ
Lo-D D-909とYAMAHA AX-890の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:Lo-D D-909とYAMAHA AX-890の組み合わせにおいて、互換性は非常に高いです。Lo-D D-909は高度なカセットデッキであり、YAMAHA AX-890はプリメインアンプとして高い性能を持っています。特に、YAMAHA AX-890の定格出力が130W+130W(6Ω、歪0.03%)と高く、Lo-D D-909の消費電力が33Wであるため、十分な電力供給が可能です。また、両機種ともに外形寸法が幅435mmと同じであり、スペースの効率的な利用が可能です。
- 音質の向上:Lo-D D-909は新形状のチタン溶射R&Pコンビネーションヘッドと高度なノイズリダクションシステムを搭載しています。一方で、YAMAHA AX-890はCDダイレクトアンプやリニアダンピングサーキットを採用しています。これらの高度な機能が組み合わさることで、音質は格段に向上します。特に、YAMAHA AX-890の高いS/N比とダンピングファクターが、Lo-D D-909の高い周波数特性と相まって、クリアでダイナミックな音楽再生を実現します。
- 機能の拡張:Lo-D D-909は多くの便利な機能を持っていますが、YAMAHA AX-890と組み合わせることでさらに多くの機能が活かされます。例えば、YAMAHA AX-890にはプリ・パワー独立可能な機能があり、これによりLo-D D-909の高度な録音機能と連動させることができます。また、YAMAHA AX-890に付属するワイヤレスリモコンは、ヤマハのコンポーネントの操作も可能であり、Lo-D D-909との連携もスムーズです。
Lo-D D-909を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】のまとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。