この記事の概要
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Pioneer D-23は、2ウェイから4ウェイまで対応するエレクトロニック・クロスオーバーネットワークです。
本記事では、Pioneer D-23の特徴、他のヴィンテージチャンネルデバイダーとの違い、ヴィンテージパワーアンプとの組み合わせを整理します。

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Pioneer D-23の概要と特徴

| Pioneer D-23の簡易スペック | |
|---|---|
| 型式 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク |
| 発売時期 | 1980年頃 |
| 定価 | 100,000円(1980年頃) |
| 対応構成 | 2、3、4ウェイ可能 |
| スロープ特性 | 6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct |
| 重量 | 8.7kg |
Pioneer D-23は、1980年頃に100,000円で発売されたエレクトロニック・クロスオーバーネットワークです。Low、Mid-Low、Mid-High、Highの4分割に対応し、2ウェイから4ウェイまでのマルチアンプシステムを組めます。大型スピーカーやホーンシステムを能動的に帯域分割したい人向けの一台です。
特徴①|2ウェイから4ウェイまで構成できる
D-23は、2ウェイ、3ウェイ、4ウェイのマルチアンプ構成に対応します。帯域はLow、Mid-Low、Mid-High、Highに分けられ、各帯域を独立したパワーアンプへ送る設計です。スピーカーのユニットごとにアンプを割り当てたい場合に使いやすいネットワークです。

Pioneer D-23は4ウェイのマルチアンプにも使えますか?
はい。D-23は2、3、4ウェイ可能とされており、Low/Mid-Low/Mid-High/Highの4分割に対応します。1台で多帯域のマルチアンプ構成を考えられる点が大きな特徴です。
特徴②|1/3オクターブごとの11点セレクト
- Low/Mid-Low:63Hzから630Hzまでの11点を選べます。
- Mid-Low/Mid-High:320Hzから3.5kHzまでの11点を選べます。
- Mid-High/High:1.6kHzから16kHzまでの11点を選べます。
カットオフ周波数は、各帯域で1/3オクターブごとの11点セレクトです。ハイカットとローカットが独立しているため、スピーカーユニットの受け持ち帯域を細かく追い込みやすい構成になっています。
特徴③|6・12・18dB/octのスロープ切換
スロープ特性は6dB/oct、12dB/oct、18dB/octの3種類です。6dB/octと18dB/octはクロスオーバー点で-3dB、12dB/octは-6dBクロスです。ユニットのつながり方に合わせて減衰のしかたを選べる点がD-23の強みです。
特徴④|1dBステップの左右独立レベル調整
レベルコントロールは0~-30dBを1dBステップで調整でき、-∞も選べます。さらに左右チャンネル独立可変なので、左右差や帯域ごとの音量差を追い込みやすい仕様です。マルチアンプで重要になる帯域バランスを細かく整えられる点が魅力です。



Pioneer D-23は左右の帯域バランスも調整できますか?
はい。各帯域のレベルコントロールは左右チャンネル独立で可変できます。0~-30dBを1dBステップで調整できるため、部屋やユニット能率に合わせて細かく合わせ込める仕様です。
Pioneer D-23と他のヴィンテージチャンネルデバイダーとの比較


ここでは、Pioneer D-23と他のヴィンテージチャンネルデバイダー3機種を比べます。対応ウェイ数、クロスオーバー周波数、スロープ特性、入出力仕様を見ると、D-23の方向性が見えやすくなります。
| 機種 | 型式 | スロープ特性 | 重量 |
|---|---|---|---|
| Pioneer D-23 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク | 6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct | 8.7kg |
| Accuphase F-15 | チャンネル・ディバイダー | -12dB/oct、-18dB/oct、-24dB/oct | 16.0kg |
| YAMAHA EC-1 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク | -6dB/oct、-12dB/oct、-18dB/oct | 7.5kg |
| Accuphase F-20/F-20M | チャンネル・ディバイダー | -12dB/oct、-18dB/oct、-24dB/oct | 10.4kg |
Pioneer D-23とAccuphase F-15の比較
Pioneer D-23とAccuphase F-15との比較は以下の通りです。
- 対応構成:D-23は2、3、4ウェイ可能、F-15は4~5ウェイ時に2台使用する構成も用意されています。1台で4ウェイまでまとめやすいのはD-23です。
- クロスオーバー周波数:D-23は各帯域11点セレクト、F-15はクロスオーバーボード差し替えで標準21ポイントです。周波数変更の自由度は方式が異なります。
- スロープ特性:D-23は6/12/18dB/oct、F-15は-12/-18/-24dB/octです。急峻な-24dB/octまで使うならF-15が候補です。
- 高調波歪率:D-23は0.005%(1V出力)、F-15は0.003%(20Hz~20kHz、出力2.0V)です。掲載値ではF-15が小さい数値です。
- 重量:D-23は8.7kg、F-15は16.0kgです。設置の軽さではD-23が扱いやすいです。
Pioneer D-23とYAMAHA EC-1の比較
Pioneer D-23とYAMAHA EC-1との比較は以下の通りです。
- 対応構成:D-23は2、3、4ウェイ可能、EC-1は3way、2way-1、2way-2、Passモードを選択できます。4ウェイまで視野に入れるならD-23が組みやすいです。
- クロスオーバー周波数:D-23は1/3オクターブごとの11点セレクト、EC-1はLow-Midで35Hz~1.13kHz、Mid-Highで565Hz~18.1kHzの連続可変です。連続可変の細かさではEC-1が便利です。
- スロープ特性:D-23は6/12/18dB/oct、EC-1は-6/-12/-18dB/octです。スロープの選択肢は近い構成です。
- 入出力:D-23は入力100kΩ、出力4kΩ(MAX)、EC-1は定格入力1V/50kΩ、定格出力1V/300Ωです。出力インピーダンスの数値ではEC-1が低いです。
- SN比:D-23は100dB、EC-1は102dBです。数値ではEC-1が少し大きいです。
Pioneer D-23とAccuphase F-20/F-20Mの比較
Pioneer D-23とAccuphase F-20/F-20Mとの比較は以下の通りです。
- 基本構成:D-23は2、3、4ウェイ可能、F-20/F-20Mは2ウェイ専用構成です。多ウェイ構成の幅ではD-23が広いです。
- クロスオーバー周波数:D-23は本体側のセレクト式、F-20/F-20Mはクロスオーバーボード差し替えで標準21ポイントです。固定ボードで詰めるならF-20/F-20Mが向きます。
- スロープ特性:D-23は6/12/18dB/oct、F-20/F-20Mは-12/-18/-24dB/octです。-24dB/octを使うならF-20/F-20Mが候補です。
- 入力インピーダンス:D-23は100kΩ、F-20/F-20MはBalanced 40kΩ、Unbalanced 20kΩです。入力インピーダンスの数値ではD-23が大きいです。
- 重量:D-23は8.7kg、F-20/F-20Mは10.4kgです。重量ではD-23が軽いです。
Pioneer D-23とヴィンテージパワーアンプとの組み合わせ


Pioneer D-23は、出力が1V、最大10V(RL:50kΩ)、出力インピーダンスが4kΩ(MAX)です。ここでは、入力感度や入力インピーダンスを見ながら、D-23の帯域別出力を受けやすいヴィンテージパワーアンプを組み合わせます。
Pioneer D-23とPioneer M-22との組み合わせ
- 互換性:D-23は出力1V、10V(MAX)、出力インピーダンス4kΩ(MAX)で、M-22は入力1V/50kΩです。D-23の出力条件に近い50kΩ入力なので、レベルを0dB付近から慎重に合わせやすい組み合わせです。
- 音質の向上:M-22はA級動作のステレオパワーアンプで、実効出力は30W+30W(10Hz~30kHz、8Ω)、周波数特性は2Hz~150kHz +0 -1dBです。中高域やホーン帯域を丁寧に受け持たせたい場合に向いています。
- おすすめの音楽ジャンル:ジャズ、ボーカル、アコースティック、室内楽など、音像の密度や余韻を大切にしたい音楽に合います。
Pioneer D-23とTechnics SE-A5との組み合わせ
- 互換性:D-23は出力1V、10V(MAX)、出力インピーダンス4kΩ(MAX)で、SE-A5は入力感度/インピーダンスが1V/47kΩです。入力感度が1Vなので、D-23の各帯域出力と合わせて音量を管理しやすい組み合わせです。
- 音質の向上:SE-A5は定格出力full時120W+120W(8Ω)、limited時30W+30W(8Ω)で、周波数特性はDC~200kHz +0 -3dB、ダンピングファクターは140(8Ω)です。低域用と中高域用で出力モードを考えやすいパワーアンプです。
- おすすめの音楽ジャンル:フュージョン、ロック、シティポップ、ライブ録音など、低域の押し出しと帯域整理を楽しみたい音楽に向いています。
Pioneer D-23とYAMAHA B-2との組み合わせ
- 互換性:D-23は出力1V、10V(MAX)、出力インピーダンス4kΩ(MAX)で、YAMAHA B-2は入力感度775mV、入力インピーダンス25kΩです。D-23側のレベルを上げすぎず、各帯域のアッテネーターで音量差を整える使い方が合います。
- 音質の向上:B-2はステレオパワーアンプで、実効出力は100W+100W(8Ω)、140W+140W(4Ω)、周波数特性は10Hz~100kHz +0 -1dB(Normal)、ダンピングファクターは70(1kHz、8Ω)です。低域側をしっかり支えたいマルチアンプ構成で存在感があります。
- おすすめの音楽ジャンル:クラシック大編成、ジャズロック、プログレ、電子音楽など、帯域ごとの余裕を感じたい音楽に向いています。
Pioneer D-23は、スピーカーを受け身で鳴らすための機器ではなく、帯域を分けて複数のパワーアンプへ渡すための中核機です。
4ウェイまでの構成、細かなカットオフ周波数、1dBステップのレベル調整を活かせば、マルチアンプならではの音作りを楽しめます。最後まで読んでいただきありがとうございました。
Pioneer D-23の詳細スペック一覧
| 型式 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク |
| 回路方式 | バッファアンプ部:正負2電源A級SEPP フィルター部:CRパッシブフィルター(6dB/oct、12dB/oct) CRアクティブフィルター+CRパッシブフィルター(18dB/oct) |
| 対応構成 | 2、3、4ウェイ可能 |
| カットオフ周波数 Low(High Cut)、Mid Low(Low Cut) | 63、80、100、125、160、200、250、320、400、500、630Hz |
| カットオフ周波数 Mid Low(High Cut)、Mid High(Low Cut) | 320、400、500、630、800、1k、1.25k、1.6k、2k、2.5k、3.5kHz |
| カットオフ周波数 Mid High(High Cut)、High(Low Cut) | 1.6k、2k、2.5k、3.2k、4k、5k、6k、8k、10k、12.5k、16kHz |
| スロープ特性 | 6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct |
| レベルコントロール | 0~-30dB(1dBステップ)、-∞、左右チャンネル独立可変 |
| 挿入損失 | 0~-2dB |
| 入力インピーダンス | 100kΩ |
| 出力インピーダンス | 4kΩ(MAX) |
| 出力(RL:50kΩ) | 1V、10V(MAX) |
| 高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.005%(1V出力) 0.1%(10V出力) |
| 周波数特性(Low end/High end) | 10Hz/100kHz +0 -1dB |
| SN比(出力1V時) | 100dB(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) |
| 使用半導体 | トランジスタ:71個 ダイオード、他:18個 |
| 電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力(電気用品取締法) | 11W |
| ACアウトレット | 電源スイッチ非連動:1系統 |
| 外形寸法 | 幅420x高さ150x奥行352mm |
| 重量 | 8.7kg |
