BOSE 121/121V WestBoroughを徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

BOSE 121:121V WestBoroughを徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

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BOSE 121/121V WestBoroughはヴィンテージなスピーカーです。

最初に解説すると、121シリーズには『121』と『121V』の二つのバリエーションが存在し、ユーザーは縦置きと横置きの2つの形状から選択することができました。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

BOSE(ボーズ)121/121V WestBoroughの概要と特徴

BOSE(ボーズ)121/121V WestBorough
方式1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・防磁設計
ユニット全帯域用:11.5cmコーン型(D-222)
許容入力60W(rms)
160W(peak IEC)
インピーダンス
接続端子デュアルバナナ対応ネジ込み式(金メッキ処理)
重量121:4.2kg
121:4.3kg
外形寸法121:幅270x高さ168x奥行180mm
121V:幅191x高さ260.5x奥行201mm

BOSE 121は1992年ごろに発売し、121Vは2000年ごろに発売したスピーカーシステムです。

スピーカーターミナルには、バナナプラグや太いワイヤが使用できる金メッキネジ式ターミナルを採用しています。

では、以下からBOSE 121/121V WestBoroughの特徴を解説します。

①:11.5cmコーン型フルレンジユニットD-222の採用

フルレンジユニットの採用は、複数のスピーカーユニットを使用することによって生じる『位相のずれ』や音質の不均一性を解消します。

『位相のずれ』ってなに?

位相のずれとは、二つ以上の波形や信号が時間軸上で同期しない状態を指します。

例えば、複数のスピーカーユニット(例:ウーファー、ミッドレンジ、ツイーターなど)から出力される音波が、人間の耳に届く際に位相のずれが生じると、音の明瞭さや定位感、音場の広がりに悪影響を及ぼすことがあります。

ですが、BOSE 121/121V WestBoroughは位相のずれが解消されているので、音の明瞭さと純度が向上しています。

また、特殊プラスチックのフレーム採用により、磁気回路の動作改善と磁気の乱れ防止が実現されています。

これにより、音質のクリアさと精密さが一層強化されています。

②:エアロフレアポートの採用

BOSE 121/121V WestBoroughはエアロフレアポートが採用されています。

エアロフレアポートってなんですか?

エアロフレアポートとは、低音再生能力を格段に向上させる技術です。

従来のバスレフポートと比較して、エアロフレアポートはスリット形状を採用することで、ポート共振による再生音のピークを抑え、よりクリーンで自然な低音を実現します。

さらに、ポーズの前後に設けられた新設計のエアロフレアポートは、低音再生に必要な空気の量とスピードを効果的にコントロールし、ポートノイズを減少させることで低音の濁りを無くしています。

この技術は、特に低音を重視する方にとっては大きなメリットをもたらします。

③:高度と比重が高いMDFのキャビネット採用

BOSE 121/121V WestBoroughは、高度と比重が高いMDFのキャビネットを採用しています。

キャビネットに高度と比重が高いMDFを採用することは、スピーカーの音響性能を大きく左右する要素です。

MDF材料は、その均一な密度と優れた内部減衰特性により、不要な共振や鳴きを抑制し、よりクリアで正確な音の再現を可能にします。

内部減衰特性とは

内部減衰特性とは、材料や構造が振動などを吸収し、その振動や伝播を減少させる能力のことを指します。

さらに、BOSE 121/121V WestBoroughでは、厳選された針葉樹を100%使用したMDFをキャビネットに採用しています。

それにより、従来のパーチクルボードに比べて約1.5倍の強度を実現し、無駄な鳴きを抑え、アコースティックな音の再生能力を高めています。

BOSE 121/121V WestBoroughと他のヴィンテージスピーカーとの比較

BOSE 121:121V WestBoroughと他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはBOSE 121/121V WestBoroughだけではありません。

以下では

  • DIATONE DS-8000
  • JBL A820 Vecchio
  • JBL 240Ti

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

BOSE 121/121V WestBoroughとDIATONE DS-8000との比較

BOSE 121/121V WestBoroughとDIATONE DS-8000との比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:BOSE 121/121V WestBoroughは、全帯域に11.5cmコーン型フルレンジユニットを使用しています。一方、DIATONE DS-8000は、低域に38cmコーン型、中域に16cmコーン型、高域に5cmコーン型ユニットを搭載しています。DIATONE DS-8000の方が複数の専用ユニットを採用しているため、より広い音域をカバーしています。
  • インピーダンス:BOSE 121/121Vは6Ωの入力インピーダンスを持ちますが、DIATONE DS-8000は5Ωとなっています。この差はアンプ選択において多少の影響を及ぼす可能性がありますが、実用上の大きな違いにはなりません。
  • 最大入力:BOSE 121/121Vは60W(rms)、160W(peak IEC)の入力に対応しています。DIATONE DS-8000は最大入力が200Wで、より高いパワーに耐える設計になっております。これにより、大音量での再生時でも音質の劣化を抑えることができます。
  • 外形寸法:BOSE 121/121Vは比較的コンパクトな設計であり、場所を選ばず設置しやすい利点があります。DIATONE DS-8000はその大きさと重さから、設置にはそれなりのスペースが必要ですが、それに見合うパフォーマンスを提供します。
  • 重量:BOSE 121/121Vは4.2kgと4.3kgで、比較的軽量です。DIATONE DS-8000は66kgと非常に重いですが、この重さが高い剛性と低音の再生能力に寄与していると考えられます。
  • 音質:BOSE 121/121Vはフルレンジユニットを用いたクリアな音質を提供しますが、DIATONE DS-8000は3ウェイスピーカーの高い解像度と豊かな低音を実現しています。特にDIATONE DS-8000は、その重量感のある低音と細部までクリアに再現される高音が大きな特徴です。

BOSE 121/121V WestBoroughとJBL A820 Vecchioとの比較

BOSE 121/121V WestBoroughとJBL A820 Vecchioとの比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:BOSE 121/121Vは11.5cmコーン型の全帯域ユニットを使用しているのに対し、JBL A820 Vecchioは20cmコーン型ウーファーと2.5cmドーム型トゥイーターの2ウェイ構成を採用しています。JBLの方が高低両域を専門のユニットでカバーしており、より広範囲の音域を得意とすることが予想されます。
  • インピーダンス:BOSE 121/121Vは6Ω、JBL A820 Vecchioは4Ωのインピーダンスを持っています。インピーダンスが低い方がより多くの電流を引き込むことができるため、理論上はJBLの方が高出力のアンプに適していると言えます。ですが、実際の音質への影響はアンプとの相性にもよるため、一概には言えません。
  • 最大入力:BOSE 121/121Vは60W(rms) 160W(peak IEC)、JBL A820 Vecchioは150W(連続プログラム)の最大入力を持っています。この数値はJBLの方が高い耐久性を示しており、大音量での使用に適していることを意味しています。音量を大きくしても歪みにくい特性はJBLが優れていると評価できます。
  • 外形寸法:BOSE 121/121VとJBL A820 Vecchioは、それぞれが異なるサイズを持っています。BOSEはよりコンパクトな設計であり、スペースを取りたくないユーザーに適しています。一方でJBLはより大きなユニットを搭載しており、その分大きなサイズとなっています。
  • 重量:BOSE 121/121Vは4.2kgおよび4.3kg、JBLは12.2kgとなっており、JBLの方がずっと重いことがわかります。重量が重いことは一般的に高い剛性と関連しており、それによって音質が向上する可能性があります。しかし、設置や移動のしやすさを考えるとBOSEの方が利便性が高いと言えます。
  • 音質:BOSE 121/121Vはフルレンジユニットに特化した設計で、一貫した音質を実現しています。一方、JBL A820 Vecchioは低域と高域それぞれ専用のユニットを用いることで、幅広い周波数帯域での再生能力と音質の細かな調整が可能です。音質に関しては、好みにもよりますが、JBLの方が多様な音楽ジャンルに対応しやすいという評価ができるでしょう。

BOSE 121/121V WestBoroughとJBL 240Tiとの比較

BOSE 121/121V WestBoroughとJBL 240Tiとの比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:BOSE 121/121Vは全帯域用の11.5cmコーン型ユニットを使用していますが、JBL 240Tiは3ウェイ構成で、36cmコーン型ウーファー、13cmコーン型ミッドレンジ、ドーム型ツイーターを搭載しています。JBLの方がより高い音質を期待できます。
  • インピーダンス:BOSE 121/121Vは6Ω、JBL 240Tiは8Ωのインピーダンスを持っています。インピーダンスが高いJBLはより多くのアンプとの互換性を持つ可能性がありますが、システムによってはBOSEの方が効率的に駆動できることもあります。使用するアンプによって、どちらが適しているかが変わります。
  • 最大入力:BOSE 121/121Vの最大入力は60W(rms)、160W(peak IEC)、JBL 240Tiは150Wの許容入力を持っています。JBLの方が高出力での使用に対する耐久性が高いことを示していますが、BOSEも日常の使用範囲では十分な性能を持っています。
  • 外形寸法:BOSE 121/121VとJBL 240Tiの外形寸法は大きく異なり、JBL 240Tiはフロア型でより大きなサイズを持っています。大きなサイズはより良い音響性能を意味することがありますが、設置場所やスペースの制約に影響されます。BOSEはコンパクトで使いやすいです。なスペースに適しているでしょう。
  • 重量:BOSE 121/121Vは4.2kgおよび4.3kg、JBL 240Tiは38.6kgと大幅に重いです。重量が重いスピーカーはより安定した音質を提供する傾向がありますが、設置や移動には不便さが伴います。
  • 音質:BOSE 121/121Vは単一のフルレンジユニットによるクリアな音質を実現していますが、JBL 240Tiの3ウェイ構成は、各音域を専門のユニットで再生することにより、より豊かでバランスの取れた音質を提供します。特に、低音の深さや高音の細かなニュアンス表現ではJBLが優れていると評価されるでしょう。

BOSE 121/121V WestBoroughとヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

BOSE 121:121V WestBoroughとヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、BOSE 121/121V WestBoroughとヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

BOSE 121/121V WestBoroughと組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • Unison Research Sinfonia
  • DENON PMA-1000G
  • LUXMAN L-580

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

BOSE 121/121V WestBoroughとUnison Research Sinfoniaの組み合わせ

BOSE 121/121V WestBoroughとUnison Research Sinfoniaの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:BOSE 121/121V WestBoroughの入力インピーダンスは6Ωで、Unison Research Sinfoniaの出力負荷インピーダンスは4Ω、8Ωに対応しています。このため、物理的な接続面では互換性があり、適切な設定を行うことで、両システムをスムーズに組み合わせることができます。Sinfoniaの多様な入力端子とBOSE 121/121Vの接続端子も合致し、簡単に接続可能です。
  • 音質の向上:BOSE 121/121V WestBoroughの特性とUnison Research Sinfoniaの管球式アンプの暖かみのある音質が組み合わさることで、音質は顕著に向上します。特に、Sinfoniaの純Aクラスの出力とBOSEスピーカーの高い再生能力が合わさり、豊かで深みのあるサウンドステージを提供します。また、Sinfoniaの低歪み率と広い周波数応答は、BOSEスピーカーが持つ細やかな音の再現性と相まって、音楽の細部までクリアに聞き取れるようになります。
  • 機能の拡張:Sinfoniaの機能面では、複数の入力端子を備えているため、BOSE 121/121V WestBoroughと組み合わせることで、ユーザーはより多くのオーディオソースを利用可能になります。さらに、Sinfoniaにはサブウーファー用の出力端子があり、必要に応じて低音の強化が可能です。この機能は、BOSEスピーカーの既存のサウンドを補完し、より豊かで満足度の高いオーディオ体験を提供します。

BOSE 121/121V WestBoroughとDENON PMA-1000Gの組み合わせ

BOSE 121/121V WestBoroughとDENON PMA-1000Gの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:BOSE 121/121V WestBoroughは1ウェイ・1スピーカーシステムで、特にその全帯域用11.5cmコーン型ユニットが特徴的です。一方、DENON PMA-1000Gは、定格出力が110W+110W(6Ω)と非常に高く、高いSN比と広範囲な入力感度を持つプリメインアンプです。PMA-1000Gの低インピーダンス設計と高出力はBOSE 121/121Vの許容入力とマッチし、システム全体としての効率とパフォーマンスを高めることができます。
  • 音質の向上:DENON PMA-1000Gは、NewスーパーオプティカルClassA回路を搭載しており、純粋A級増幅からノンスイッチングA級増幅まで、リスニングレベルに応じた最適なバイアス制御が可能です。これにより、BOSE 121/121Vで再生される音楽は、よりクリアで、歪みの少ない高品質なサウンドを実現します。特にBOSE 121/121Vの独特なカーブ形状やマイカを混入したコーン紙が生み出す豊かな音質と、DENON PMA-1000Gの純度の高い増幅が合わさることで、音楽の細部までクリアに聴き取ることが可能になります。
  • 機能の拡張:DENON PMA-1000Gには、ソースダイレクト機能が搭載されており、不要な信号経路をバイパスすることが可能です。これにより、BOSE 121/121Vと組み合わせた際、よりシンプルで純粋な音質を実現することができます。また、PMA-1000Gのトロイダルトランスやローインピーダンスボリュームの採用は、音量調節時の音質の損失を最小限に抑え、BOSE 121/121Vからの出力を最適化します。さらに、PMA-1000Gの豊富な入出力端子は、ユーザーが様々なオーディオソースや追加機器との接続を容易にし、システムの拡張性を高めます。

BOSE 121/121V WestBoroughとLUXMAN L-580の組み合わせ

BOSE 121/121V WestBoroughとLUXMAN L-580の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:BOSE 121/121V WestBoroughの入力インピーダンスは6Ωであり、LUXMAN L-580の連続実行出力50W+50W(8Ω、A級動作)は、BOSE 121/121Vとの組み合わせにおいて、スムーズな接続と安定した動作を保証します。これにより、互換性の面で優れた組み合わせが可能となります。
  • 音質の向上:LUXMAN L-580の純A級プリメインアンプは、その豊かな音色と高いダイナミックレンジを活かし、BOSE 121/121V WestBoroughの持つ独特のカーブ形状による高域特性と、エアロフレアポートによる低音のクリアな再生能力をさらに引き立てます。この組み合わせにより、音質の向上が期待でき、リスナーに高い満足度を提供します。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-580には、複数の入力ソースをサポートする機能があり、BOSE 121/121V WestBoroughの柔軟性と合わせて、ユーザーは様々な音源を楽しむことができます。また、LUXMAN L-580のトーンコントロール機能を活用することで、BOSE 121/121Vで再生する音楽の細かな調整が可能となり、機能の拡張面でもこの組み合わせは魅力的です。

BOSE 121/121V WestBoroughを徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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