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DIATONE(ダイヤトーン) DS-2000を徹底解説!【ボロン振動板が生む高解像度サウンドとは】

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DIATONE DS-2000は、1985年発売のヴィンテージなスピーカーシステムです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

DIATONE DS-2000の概要と特徴

DIATONE DS-2000のスペック
発売年1985年
定価168,000円(1台)
型式3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット低域用:30cmコーン型 中域用:6.0cmドーム型(ボロンD.U.D.) 高域用:2.3cmドーム型(ボロンD.U.D.)
再生周波数帯域28Hz~40kHz
公称インピーダンス
最大入力180W(EIAJ)
重量38kg

▼ 詳しいスペックはこちら

ダイヤトーンが1985年に世に送り出したDS-2000。業界に先駆けてモーダルアナリシスとエネルギータイムレスポンス解析というデジタル計測技術を開発に取り入れ、立ち上がり応答のハイスピード化と高密度・高解像度化の完成を追い求めたスピーカーシステムです。定価168,000円(1台)という価格帯に、ボロンD.U.D.振動板やハニカム・コンストラクション・コーンといった当時の最先端素材技術が惜しみなく投入されています。

以下では、DIATONE DS-2000の主要な特徴を一つずつ解説していきます。

ボロンD.U.D.振動板とは?

DS-2000の中核をなす中域(6cmドーム型)と高域(2.3cmドーム型)のユニットには、ダイヤトーン独自のD.U.D.(ダイヤトーン・ユニファイド・ダイアフラム)構造を採用したボロン振動板が搭載されています。

D.U.D.構造とは、振動板に直接ボイスコイルを巻きつけるシンプルな構造でダイアフラムとボイスコイルボビンを一体化したものです。従来のように接着剤を介した接合部を持たないため、ボイスコイルに発生する駆動力が振動板に直接・無損失で伝達されます。その結果、入力振動に対するトランジェント応答性が大幅に改善され、接着による剛性低下もなく高域限界周波数も高く設定できるという複合的な効果を生み出しています。

ボロンという素材はどんな特性を持っているんですか?

ボロン振動板の特性

ボロン(硼素)はダイヤモンドに次ぐ硬度を誇り、比弾性率など優れた音響特性を持ちながら、共振周波数における特性を滑らかにする金属に近い物性も備えています。振動板自身への制動材やコーティングを必要とせず(ノートリートメント振動板)、素材が本来持つ特性をそのまま再生音として引き出せるのが最大の強みです。

DS-2000ではさらに結晶成長ボロンによってチタン母材のボロン化を推し進める「強化拡散ボロン」技術を採用し、振動板の完成度を一段と高めた独自の拡散成長ボロン振動板となっています。この技術がDS-2000の中高域再生に独特の密度感と純度をもたらしています。

ハニカム・コンストラクション・コーンとは?

再生周波数帯域28Hz~40kHz——DS-2000の低域端から超高域まで伸びるこの帯域を支えるのが、30cmウーファーに採用されたハニカム・コンストラクション・コーンです。蜂の巣(ハニカム)構造をスキン材に高抗張力ポリアミド繊維を使って構成することで、軽量でありながら極めて高い曲げ剛性を実現しています。

DMM方式とはどんな取り付け方法ですか?

DMM(ダイレクト・マグネット・サーキットマウント)方式

強固なアルミダイカストフレームで磁気回路を後方から包み込むように固定し、磁気回路とフレームを事実上一体化させる方式です。DS-2000ウーファーでは8本フレームと均等8点留めによって共振を抑える新技術を追加し、大入力時でもフレームと磁気回路の微振動を徹底的に排除しています。

また、振動板の高次高調波歪を低減するカーブドコーン形状の採用や、ポリイミド・フィルム製ボイスコイルボビンによる耐入力性と応答性の向上が組み合わされており、最大入力180W(EIAJ)という高耐入力を実現しています。DS-2000の低域は、密閉型エンクロージャーの制動効果とハニカムコーンの剛性が相まって、引き締まりと量感を両立した質の高い低域再生を可能にしています。

3ピース分離ネットワークとデジタル計測開発とは?

DS-2000の開発には、業界に先駆けてデジタル計測が導入されています。モーダルアナリシスとエネルギータイムレスポンス解析によって時間領域応答の問題点を系統的に発掘・解決することで、高い完成度を誇るシステムが生まれました。

ネットワーク回路には3ピース分離分割方式を採用しています。各ネットワーク回路部を物理的に分離することで、回路間の電磁干渉とエンクロージャー振動による悪影響を低減しています。さらに各ネットワーク部の取付位置もモーダル解析によって最適配置されており、設計段階から徹底したコンピューター解析が貫かれています。

配線には無酸素銅スリーブ圧着方式を採用し、金属境界面における歪を低減しています。各ユニットへの給電には、ラジアル分電板を用いたダイレクト・バランス給電方式により、3ウェイの全ユニットが同じ条件で電力を受け取れる設計となっています。

  • 業界先駆けのデジタル計測(モーダルアナリシス・エネルギータイムレスポンス解析)による開発
  • 3ピース分離分割方式ネットワーク(電磁干渉・振動影響を低減)
  • ラジアル分電板によるダイレクト・バランス給電方式
  • 無酸素銅スリーブ圧着ワイヤリングで金属境界歪を排除

DIATONE DS-2000と他のヴィンテージスピーカーとの比較

DIATONE DS-2000と他のヴィンテージスピーカーとの比較は以下の通りです。

項目DIATONE DS-2000YAMAHA NS-1000TANNOY StirlingONKYO D-77
発売年1985年1978年頃1983年頃1986年頃
定価(1台)168,000円145,000円198,000円59,800円
方式3ウェイ密閉3ウェイ密閉2ウェイ特殊バスレフ3ウェイバスレフ
再生周波数帯域28Hz~40kHz40Hz~20kHz35Hz~20kHz ±3dB28Hz~45000Hz
インピーダンス
最大許容入力180W(EIAJ)100W100W連続/250Wピーク200W(EIAJ)
出力音圧レベル90dB/W/m90dB/W/m90dB/W/1m91dB/W/m
重量38kg39kg22kg26.5kg

DIATONE DS-2000とYAMAHA NS-1000との比較

DIATONE DS-2000とYAMAHA NS-1000との比較は以下の通りです。

  • 振動板素材:NS-1000は中域・高域にベリリウム振動板を採用し、DS-2000はボロンD.U.D.振動板を採用しています。ベリリウムは軽量・高剛性・高音速が特長で、ボロンはダイヤモンドに次ぐ硬度と金属に近い物性を持ちます。中高域の透明感と解像度はほぼ互角のハイレベルな競合関係にあり、どちらが優れているかは好みと使用環境に依存します。
  • 再生周波数帯域:DS-2000は28Hz~40kHzとNS-1000の40Hz~20kHzを大きく上回る広帯域を誇ります。低域の伸長と超高域の再生能力ではDS-2000が優位で、デジタルソースや高解像度音源の再生に向いています。
  • 最大許容入力:DS-2000が180W(EIAJ)に対し、NS-1000は100Wです。ハイパワーアンプへの適応力と大音量再生の余裕ではDS-2000が有利で、NS-1000よりも幅広いアンプと組み合わせられます。
  • 価格・インピーダンス:DS-2000(168,000円・6Ω)はNS-1000(145,000円・8Ω)より高価です。インピーダンスの違いから、NS-1000は8Ω対応のアンプで確実に動作しますが、DS-2000の6Ωはアンプの選定に若干の注意が必要です。汎用性ではNS-1000が有利です。

DIATONE DS-2000とTANNOY Stirlingとの比較

DIATONE DS-2000とTANNOY Stirlingとの比較は以下の通りです。

  • 設計思想:DS-2000はデジタル計測とボロン振動板による高解像度・ハイスピード再生を追求した日本のモニター系スピーカーです。一方Stirlingはタンノイ伝統の25cm同軸型デュアルコンセントリックが生む点音源の音場感を重視した英国系スピーカーで、設計哲学が根本的に異なります。
  • 再生周波数帯域:DS-2000は28Hz~40kHzとStirlingの35Hz~20kHz ±3dBを大幅に上回る広帯域です。周波数再生の広さではDS-2000が圧倒的に有利で、超高域の解像度に明確な差が出ます。
  • 最大許容入力・重量:DS-2000は180W・38kgに対し、Stirlingは100W連続・22kgです。ハイパワーへの対応力と堅牢さではDS-2000が有利ですが、設置性の軽さと扱いやすさではStirlingに軍配が上がります。
  • 音質傾向:DS-2000は分析的でリスニングデータを正確に提示するモニター的なサウンドを持ちます。Stirlingはバリアブル・ポートによる部屋への適応性と音楽的な豊かさを持ちます。測定的な正確さを求めるならDS-2000、音楽の情感を楽しむならStirlingという選択肢の違いが明確です。

DIATONE DS-2000とONKYO D-77との比較

DIATONE DS-2000とONKYO D-77との比較は以下の通りです。

  • 振動板素材・方式:D-77はピュア・クロスカーボン振動板によるバスレフ型、DS-2000はボロンD.U.D.振動板による密閉型です。再生周波数はほぼ同等(D-77は28Hz~45000Hz)ですが、密閉型の制動感と音程の正確さではDS-2000が有利で、バスレフの低域量感ではD-77が優位です。
  • 最大許容入力:D-77は200W(EIAJ)でDS-2000の180Wをわずかに上回ります。両機ともに6Ωでハイパワーアンプへの耐性は同水準で、100W超のアンプとも安心して組み合わせられます。
  • 出力音圧レベル:D-77は91dB/W/mとDS-2000の90dB/W/mを1dB上回ります。同じアンプ出力でわずかに大きな音量が得られる点ではD-77が有利ですが、実用上の差は限定的です。
  • 価格・重量:D-77は59,800円・26.5kgとDS-2000(168,000円・38kg)の約3分の1の価格で大幅に軽量です。コストパフォーマンスと設置性ではD-77が圧倒的に有利ですが、ボロンD.U.D.振動板とデジタル計測開発に裏打ちされたDS-2000の中高域表現力は価格差を超えた魅力を持ちます。

DIATONE DS-2000とヴィンテージアンプとの組み合わせ

DIATONE DS-2000とLUXMAN L-430との組み合わせ

DIATONE DS-2000とLUXMAN L-430との組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:LUXMAN L-430(¥99,000、1982年)は8Ω負荷で105W+105Wを出力するプリメインアンプです。DS-2000の公称インピーダンスは6Ωのため8Ω出力より実際の出力はやや上昇しますが、DS-2000の最大入力180Wに対して適切な余裕をもって使用できます。デュオベータ・サーキット/S搭載によるTHD 0.009%以下の低歪率も両機の親和性を高めています。
  • 音質の向上:L-430は一段増幅アンプにより位相ズレが少なく、plusX電源回路によるSN比110dBという高い静粛性を持ちます。DS-2000のボロンD.U.D.振動板が描く中高域の精細さを余計な着色なしに引き出してくれます。デュオベータ・サーキットによる全帯域の安定したNFBが、DS-2000の28Hz~40kHzにわたる広帯域再生を均質に支えます。
  • おすすめの音楽ジャンルジャズのピアノトリオやアコースティックギター、室内楽など、楽器の音色と空間感の再現が求められる音楽に向いた組み合わせです。L-430の透明感あるサウンドがDS-2000の精密な中高域表現を引き立てます。

DIATONE DS-2000とSANSUI AU-D907との組み合わせ

DIATONE DS-2000とSANSUI AU-D907との組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:SANSUI AU-D907(¥142,000、1979年頃)は負荷インピーダンス4〜16Ωに対応し、8Ω時に100W+100Wを出力するワイドレンジDCプリメインアンプです。DS-2000の6Ω負荷では出力がやや上昇しますが、AU-D907の設計余裕内に収まります。ダンピングファクター100という制動力が30cmハニカムコーン・ウーファーを的確にコントロールします。
  • 音質の向上:AU-D907はダイアモンド作動回路によりTHD 0.008%・スルーレート±200V/μsecという俊敏な過渡応答を持ちます。DS-2000のハニカムコーンが持つ立ち上がりの速さと、AU-D907の高速応答特性が組み合わさることで、打楽器のアタックや弦の弓の動きに至るまで鋭いトランジェント再現が得られます。
  • おすすめの音楽ジャンルロックやR&B、フュージョンなど、ドラムやベースのグルーヴ感とリズムの切れが重要な音楽に最適です。AU-D907の躍動感あるドライブ力とDS-2000のハイスピードなユニット特性が生み出すアンサンブルは、現代的なジャンルにも十分な説得力を持ちます。

DIATONE DS-2000とAccuphase E-303との組み合わせ

DIATONE DS-2000とAccuphase E-303との組み合わせは以下の通りです。

  • 互換性:Accuphase E-303(¥245,000、1978年)は負荷インピーダンス4〜16Ωに対応し、8Ω時に130W+130W出力のプリメインアンプです。DS-2000の6Ω負荷でさらに出力が上昇し、最大入力180Wに対しても余裕をもったドライブが可能です。ダンピングファクター80の制動力が密閉型DS-2000の30cmウーファーを落ち着いてコントロールします。
  • 音質の向上:E-303はMOS FET 4パラレルプッシュプルと全段完全対称型回路によりTHD 0.02%を実現し、TIM歪も大幅に改善されています。DS-2000のボロンD.U.D.振動板とデジタル計測設計が引き出す高解像度の中高域に対し、E-303の低歪・低着色な増幅が忠実に応えることで、録音空間の空気感まで再現する透明な再生音が得られます。
  • おすすめの音楽ジャンルクラシックのオーケストラや合唱、大規模な室内楽など、豊かなダイナミックレンジと広い音場再現が求められる音楽に最適です。E-303の余裕あるドライブ力がDS-2000の密閉型低域を力強く制御し、フルオーケストラのトゥッティも歪みなく再現します。

DIATONE DS-2000は、ボロンD.U.D.振動板とハニカム・コンストラクション・コーン、そしてデジタル計測に裏打ちされた3ピース分離ネットワークを組み合わせた、1985年発売の密閉型3ウェイスピーカーです。

比較3機種(YAMAHA NS-1000・TANNOY Stirling・ONKYO D-77)との検討を通じて明らかになったのは、再生周波数帯域の広さと最大入力耐性という点でDS-2000が同価格帯を超えた優位性を持つという事実です。組み合わせるアンプにはLUXMAN L-430・SANSUI AU-D907・Accuphase E-303のような低歪率のヴィンテージプリメインアンプが、DS-2000のポテンシャルを最大限に引き出す組み合わせとなります。

最後まで読んでいただきありがとうございました

DIATONE DS-2000の詳細スペック一覧

DIATONE DS-2000のスペック詳細
方式3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット低域用:30cmコーン型(ハニカム・コンストラクション・コーン) 中域用:6.0cmドーム型(強化拡散ボロンD.U.D.) 高域用:2.3cmドーム型(強化拡散ボロンD.U.D.)
公称インピーダンス
再生周波数帯域28Hz~40kHz
出力音圧レベル90dB/W/m
クロスオーバー周波数500Hz、4.5kHz
定格入力60W(EIAJ)
最大入力180W(EIAJ)
外形寸法幅410×高さ710×奥行362mm
重量38kg
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