JBL 4401を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

JBL 4401を徹底比較!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

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JBL 4401はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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JBL 4401の概要と特徴

JBL 4401の概要と特徴
JBL 4401のスペック
方式2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
ユニット低域用:17cmコーン型(115H)
高域用:ドーム型(034)
再生周波数帯域70Hz~18kHz ±3dB
インピーダンス
重量16kg
許容入力60W(連続プログラム)
外形寸法幅238x高さ375x奥行203mm

JBL 4401は1982年に発売したスピーカーシステムです。

JBLのプロ用技術を凝縮して開発されたスピーカーです。

では、以下からJBL 4401の特徴を解説します。

①:ウーファーにはSFG磁気回路を採用

JBL 4401のウーファーにはSFG磁気回路が採用されています。

SFG磁気回路ってなに?

SFGは「Symmetrical Field Geometry」の略で、日本語に訳すと「対称場幾何学」となります。

この磁気回路はスピーカーのユニット内部で、磁場が均一になるように設計されています。

具体的には、磁気回路内の磁場がスピーカーの振動板(ダイアフラム)に均等に作用するように工夫されています。

以下は、SFG磁気回路の利点です。

  • 音質の向上:磁場が均一であるため、振動板(ダイアフラム)が正確に動作します。これにより、音質の歪みが少なく、よりクリアな音を再生することが可能です。
  • 効率の向上:磁場の均一性が高いとスピーカーの効率が向上します。つまり、同じ電力でより大きな音を出すことができます。
  • 耐久性の向上:磁場の均一性が保たれることで、スピーカーの耐久性も向上します。長期間にわたって安定した性能を発揮することができます。

③:アルミ蒸着された硬質ダイアフラムを用いたドーム型トゥイーターを採用

JBL 4401の高域には、軽量フェノールにアルミ蒸着された硬質ダイアフラムを用いた、ドーム型トゥイーターが採用されています。

それは一体なんですか?

これを一言で解説するのは難しいので、言葉を分割しながら解説します。

まず、ドーム型トゥイーターは、振動板(ダイアフラム)がドーム状に成形されているタイプのトゥイーターです。

ドーム型は広い音場と高い解像度を持つため、多くの高品質スピーカーで採用されています。

フェノール樹脂は、軽量でありながらも硬度が高いという特性を持っています。

この軽量性が高域の再生においては非常に重要で、繊細な音のニュアンスまでしっかりと捉えることができます。

また、硬度が高いという点は、音の歪みを最小限に抑える効果があります。

アルミ蒸着とは、フェノール樹脂の表面に極薄のアルミニウム層を付着させる工程です。

このアルミ層がダイアフラムをさらに硬くし、高音域の解像度を高めます。

アルミ蒸着によってダイアフラムはより剛性が増し、高域の再生が一段とクリアになります。

以下は、アルミ蒸着された硬質ダイアフラム総合的なメリットです。

  • 高解像度:アルミ蒸着によって硬度が増したダイアフラムは高い解像度を持ちます。これにより、高音域が非常にクリアで、ディテールに富んだ音を再生することができます。
  • 応答性の向上:フェノール樹脂の軽量性とアルミの硬度が組み合わさることで、非常に高い応答性が得られます。これにより高域の音がより速やかに、そして正確に再生されます。
  • 耐久性と信頼性:アルミ蒸着された硬質ダイアフラムは、長期間にわたってもその性能を維持します。これはプロフェッショナルな用途においても、非常に重要な要素となります。

③:エンクロージャーにはバスレフ方式を採用

JBL 4401のエンクロージャーにはバスレフ方式が採用されています。

バスレフ方式は、エンクロージャーに特定の長さと断面積を持つポート(通気孔)またはダクトを設置する方式です。

このポートを通して、スピーカー内部の空気が外部と連絡を持ちます。

以下は、バスレフ方式のメリットです。

  • 低域の拡張:バスレフ方式はポートを通じて低域の音を補強することができます。これにより、より深く、力強い低音が得られます。
  • 効率の向上:ポートを通じて内部の空気が動くことで、スピーカーの動作が効率的になります。これにより、同じ電力でより大きな音を出力することが可能です。
  • 歪みの低減:バスレフ方式は低域の歪みを低減する効果もあります。特に大音量での再生時にその効果を発揮します。

しかし、バスレフ方式のスピーカーは、設置場所によっては低音が強調されすぎる場合があります。

そのため、部屋のアコースティック特性にも注意が必要です。

JBL 4401と他のヴィンテージスピーカーとの比較

JBL 4401と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはJBL 4401だけではありません。

以下では

  • TANNOY Greenwich
  • ONKYO M55
  • SANSUI SP-70

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

JBL 4401とTANNOY Greenwichとの比較

JBL 4401とTANNOY Greenwichとの比較は以下の通りです。

  • 方式:JBL 4401は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型ですが、TANNOY Greenwichは2ウェイ・1スピーカー・特殊バスレフ方式・ブックシェルフ型です。JBL 4401は2スピーカーを採用しているため、音の分離がより明確です。一方で、TANNOY Greenwichの特殊バスレフ方式は低域特性の調整が可能です。
  • 使用ユニット:JBL 4401は低域用に17cmコーン型、高域用にドーム型を使用しています。TANNOY Greenwichは全帯域用に20cm同軸型を使用しています。TANNOY Greenwichの同軸型ユニットは、音場の一体感が高いです。しかし、JBL 4401は低域と高域で異なるユニットを使用しているため、各域での性能が高いです。
  • 再生周波数帯域:JBL 4401は70Hz~18kHz ±3dB、TANNOY Greenwichは45Hz~20kHz ±3dBです。TANNOY Greenwichの方が広い周波数帯域をカバーしています。
  • インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスを持っていますが、TANNOY Greenwichは最小で6Ωまで対応しています。
  • 外形寸法:JBL 4401は幅238x高さ375x奥行203mm、TANNOY Greenwichは幅380x高さ580x奥行270mmです。TANNOY Greenwichの方が大きいですが、それはより広い周波数帯域と高い出力を実現するためです。
  • 重量:JBL 4401は16kg、TANNOY Greenwichは15kgです。ほぼ同等の重量です。
  • 最大入力:JBL 4401は60W(連続プログラム)、TANNOY Greenwichは75W連続、150Wピークです。TANNOY Greenwichの方が高い入力に対応しています。
  • 音質:JBL 4401はプロ用技術を凝縮しており、低域と高域で優れた性能を発揮します。一方、TANNOY Greenwichは全帯域で一体感のある音場を提供します。評価としては、好みや用途によりますが、一般的にはJBL 4401がより高性能です。

JBL 4401とONKYO M55との比較

JBL 4401とONKYO M55との比較は以下の通りです。

  • 方式:JBL 4401は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型で、ONKYO M55も2ウェイ・2スピーカー・ブックシェルフ型ですが、密閉方式を採用しています。バスレフ方式は低音の再生能力が高い一方で、密閉方式は音の精度が高いです。
  • 使用ユニット:JBL 4401は低域用に17cmコーン型、高域用にドーム型を使用しています。一方、ONKYO M55は低域用に20cmコーン型、高域用に3cmドーム型を使用しています。ONKYO M55の方が低域用ユニットが大きいため、より深い低音が期待できます。しかし、JBL 4401の高域用ユニットは質量がコントロールされているため、高音質が期待できます。
  • 再生周波数帯域:JBL 4401は70Hz~18kHz ±3dB、ONKYO M55は50Hz~20000Hzとなっています。ONKYO M55の方が広い周波数帯域をカバーしているため、より多くの音域を楽しむことができます。
  • インピーダンス:JBL 4401は8Ω、ONKYO M55は6Ωです。一般的に、インピーダンスが低いと効率が良いですが、アンプとのマッチングが重要です。
  • 外形寸法:JBL 4401は幅238x高さ375x奥行203mm、ONKYO M55は幅235x高さ400x奥行238mmです。ONKYO M55の方がやや大きいです。
  • 重量:JBL 4401は16kg、ONKYO M55は6.5kgとなっています。
  • 最大入力:両方とも最大入力は60Wです。
  • 音質:JBL 4401はプロ用技術を凝縮しており、ONKYO M55は大型システムに迫るパワフルな演奏を目指しています。音質は主観的な要素も多いですが、JBL 4401は高音質、ONKYO M55はパワフルな音が特徴です。

JBL 4401とSANSUI SP-70との比較

JBL 4401とSANSUI SP-70との比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:JBL 4401は低域用に17cmコーン型、高域用にドーム型を使用しています。一方、SANSUI SP-70は低域用に20cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。SANSUI SP-70の方が低域用ユニットが大きいため、より深い低音が期待できます。
  • 再生周波数帯域:JBL 4401は70Hz~18kHz、SANSUI SP-70は30Hz~20000Hzと、SANSUI SP-70の方が広い再生周波数帯域を持っています。これにより、SANSUI SP-70はより広範な音域をカバーできます。
  • インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:JBL 4401は幅238x高さ375x奥行203mm、SANSUI SP-70は幅341x高さ568x奥行270mmと、SANSUI SP-70の方が大きいです。
  • 重量:JBL 4401は16kg、SANSUI SP-70は13kgと、JBL 4401の方が重いです。移動の頻度が高い場合は、SANSUI SP-70が便利です。
  • 最大入力:JBL 4401は60W、SANSUI SP-70は30Wと、JBL 4401の方が高い最大入力を持っています。
  • 音質:JBL 4401はプロ用技術を凝縮しており、SANSUI SP-70は情感にフィットする音作りを目指しています。音質は主観的な要素も多いですが、プロ用としてはJBL 4401、家庭用としてはSANSUI SP-70がそれぞれ優れています。

JBL 4401とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

JBL 4401とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、JBL 4401とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

JBL 4401と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • DENON PMA-7.5L
  • KENWOOD KA-990V
  • Marantz PM8000

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

JBL 4401とDENON PMA-7.5Lの組み合わせ

JBL 4401とDENON PMA-7.5Lの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:JBL 4401とDENON PMA-7.5Lは、インピーダンスが共に8Ωであり、非常に高い互換性を持っています。特に、DENON PMA-7.5Lの定格出力が45W+45W(8Ω、1kHz)であり、JBL 4401の許容入力が60W(連続プログラム)であるため、アンプとスピーカーのパワーバランスが非常に良いです。
  • 音質の向上:JBL 4401は低域と高域で非常に優れたユニットを使用しており、DENON PMA-7.5LはUHC-MOSを採用した高音質なアンプです。この組み合わせにより、低域から高域までバランスの良い、豊かな音質を実現します。特に、DENON PMA-7.5Lのソースダイレクト回路を活用することで、よりダイレクトな音質を得ることができます。
  • 機能の拡張:DENON PMA-7.5Lにはリモコンが付属しており、電源のon/off、ボリューム調節、ソースの切替えが容易にできます。一方で、JBL 4401は別売のマウントフレームを使用することで、ウォールマウントやコンソールマウントが可能です。これにより、場所を取らずに設置することができ、機能性が高まります。

JBL 4401とKENWOOD KA-990Vの組み合わせ

JBL 4401とKENWOOD KA-990Vの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:JBL 4401のインピーダンスは8Ωであり、KENWOOD KA-990Vは8Ωでの出力が110Wとなっています。これは、JBL 4401の許容入力60Wと比較しても十分な出力です。また、JBL 4401の出力音圧レベルは88dB/W/mであり、KA-990Vの高いSN比と組み合わせることで、非常にクリアな音質を実現できます。さらに、KENWOOD KA-990Vには多数の入力端子があり、JBL 4401を多様な音源と組み合わせることが可能です。
  • 音質の向上:JBL 4401は低域に17cmコーン型ウーファー、高域にはドーム型トゥイーターを採用しています。これに対し、KENWOOD KA-990VはVIG・DLDサーキットを搭載しており、非常に低い歪率で高出力を実現しています。特に、JBL 4401のクロスオーバー周波数が2.5kHzであることを考慮すると、低域から高域まで非常にバランスの良い音を出力することができます。また、KENWOOD KA-990Vの高いダンピングファクターは、JBL 4401の低域のコントロールを向上させ、よりタイトな低音を実現します。
  • 機能の拡張:KENWOOD KA-990Vは多様な入力端子を持っており、CD、Tape-Cポジションなども新設されています。これにより、JBL 4401と組み合わせても多様な音源からの再生が可能です。また、KENWOOD KA-990Vにはトーンコントロールやラウドネスコントロール、サブソニックフィルターなども搭載されており、これらの機能を駆使することで、JBL 4401の音質をさらに引き出すことができます。

JBL 4401とMarantz PM8000の組み合わせ

JBL 4401とMarantz PM8000の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:JBL 4401はインピーダンスが8Ωで、Marantz PM8000も8Ωのスピーカーに対応しています。これにより、両者は非常に高い互換性を持っています。また、JBL 4401の許容入力は60Wであり、Marantz PM8000の定格出力はクラスABで100W+100W、クラスAで25W+25Wとなっています。このことからも、両機種は電力面でも適切にマッチングすることができます。
  • 音質の向上:JBL 4401は低域に17cmコーン型ウーファー、高域にはドーム型トゥイーターを搭載しています。一方で、Marantz PM8000は純A級動作とツインモノラルコンストラクションを採用しており、非常に高い音質を誇ります。これらの特長を組み合わせることで、低音から高音までバランスの良い、よりリッチなサウンドを楽しむことができます。特に、Marantz PM8000のHDAMとJBL 4401のSFG磁気回路の相乗効果により、歪みの少ないクリアな音質が実現します。
  • 機能の拡張:Marantz PM8000にはソースダイレクトスイッチやアクティブフィルターNFB型トーンコントロール回路が搭載されています。これにより、JBL 4401の音質をさらにカスタマイズすることが可能です。また、Marantz PM8000にはシステムリモコンが付属しており、リモート操作でより便利にシステムをコントロールできます。JBL 4401には別売のマウントフレームがあり、場所を取らずに設置することができます。

JBL 4401を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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