LUXMAN(ラックスマン)MS-20を徹底解説!【1979年のスピーカー】

LUXMAN(ラックスマン)MS-20を徹底解説!【1979年のスピーカー】

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LUXMAN MS-20は完全ヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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LUXMAN(ラックスマン)MS-20の概要と特徴

LUXMAN MS-20の概要と特徴
LUXMAN(ラックスマン)MS-20のスペック
方式2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式・ブックシェルフ型
使用ユニット中低域用:20cmコーン型x2
高域用:2.5cmドーム型
インピーダンス
再生周波数帯域45Hz~20kHz
出力音圧レベル90dB/W/m
最大入力80W
外形寸法幅320x高さ636x奥行300mm

LUXMAN MS-20は1979年に発売したスピーカーシステムです。

このスピーカーはマルチウーファー方式を採用しています。

では、以下からLUXMAN MS-20の特徴を解説します。

①:中高域特性の優れたフィルム型コンデンサーを搭載

LUXMAN MS-20は、中高域特性の優れたフィルム型コンデンサーが搭載されています。

この中高域特性の優れたフィルム型コンデンサーは、以下のような特徴があります。

  1. 中高域特性:音楽には低い音から高い音までさまざまな音域があります。中高域とは、人の耳によく聞こえる中間から高い音域のことを指します。特性が優れているとは、この音域での音の再現が非常に良いという意味です。
  2. フィルム型コンデンサー:コンデンサーにはいくつかの種類がありますが、フィルム型は特に信号の精度が高いとされています。フィルムという薄い素材を使用しているため、この名前が付いています。

つまり、LUXMAN MS-20に搭載されている中高域特性の優れたフィルム型コンデンサーは、「人の耳によく聞こえる中間から高い音域での音の再現が非常に良い・精度の高いコンデンサーを使っている」ということです。

そもそもコンデンサーってなに?

コンデンサーは、スピーカーの中で電気の流れを調整する部品です。

②:ネットワークには低歪率のコア材を用いたコイルを採用

LUXMAN MS-20のネットワークには、低歪率のコア材を用いたコイルを採用されています。

ネットワークには低歪率のコア材を用いたコイルを採用ってどういう意味?

この言葉を一言で解説するのは難しいので、以下で分解しながら解説します。

  1. ネットワーク:スピーカーの中で、音の高さや強さを調整する部分です。
  2. 低歪率:「歪み」は音が元の信号から変形してしまうことを指します。低歪率とは、その歪みが少ない状態を指します。つまり、音がクリアで自然に聞こえるということです。
  3. コア材:コイルの中心部分に使われる素材のことで、この素材の選び方が音の品質に影響します。
  4. コイルの採用:ここでのコイルは電気信号を音に変える部品で、その素材や構造が音のクオリティに直結します。

つまり、「ネットワークには低歪率のコア材を用いたコイルを採用」の意味合いは「スピーカーの音を調整する部分に歪みの少ない素材を使ったコイルを使っている」ということです。

③:エンクロージャーにマルチ・ベント・チューニング方式を採用

LUXMAN MS-20のエンクロージャーには、マルチ・ベント・チューニング方式が採用されています。

マルチ・ベント・チューニング方式は、エンクロージャーに複数の通気孔(ベント)を設ける設計方法です。

この通気孔は、エンクロージャー内の空気の流れを調整し、特定の低音域を強調する役割を果たします。

LUXMAN MS-20に採用されているマルチ・ベント・チューニング方式は、以下のようなメリットがあります。

  • 低音の強調:通常のエンクロージャーに比べ、マルチ・ベント・チューニング方式を採用すると、低音がより豊かに感じられる効果があります。特に、音楽のリズムを感じる低音部分が強調されるため、より迫力感がある音楽になります。
  • 高音質の実現:この方式は、低音の品質を向上させるだけでなく、全体の音質のバランスも向上させる効果があります。複数の通気孔によって、エンクロージャー内の圧力を適切に調整することで、クリアで自然な音を実現することができます。

ちなみにエンクロージャーってなに?

エンクロージャーはスピーカーの外部構造、つまりスピーカーの箱の部分を指します。

この箱の形状や材質、構造が音質に大きく影響します。

LUXMAN MS-20と他のヴィンテージスピーカーとの比較

LUXMAN MS-20と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはLUXMAN MS-20だけではありません。

以下では

  • ALPINE/LUXMAN S-105
  • Lo-D HS-630
  • ONKYO HTS-SR10

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

LUXMAN MS-20とALPINE/LUXMAN S-105との比較

LUXMAN MS-20とALPINE/LUXMAN S-105との比較は以下の通りです。

  • 方式:MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式、S-105は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式です。S-105の3ウェイ設計は、より広い周波数範囲をカバーするために有利です。一方、MS-20のマルチベントチューニングはトランジェント特性に優れています。
  • 使用ユニット:MS-20は中低域用に20cmコーン型x2、高域用に2.5cmドーム型を使用。S-105は低域用に32cmコーン型、中域用に6.5cmドーム型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。S-105の低域用32cmコーン型は、より深い低音を再現できるでしょう。一方、MS-20の中低域ユニットの設計は、低音域の拡張に焦点を当てています。
  • 再生周波数帯域:MS-20は45Hz~20kHz、S-105は30Hz~30kHzです。S-105の方が広い周波数帯域をカバーしており、より多様な音楽ジャンルに対応できるでしょう。
  • インピーダンス:両方とも6Ωです。
  • 外形寸法:S-105の方が幅380x高さ690x奥行320mmと大きく、MS-20は幅320x高さ636x奥行300mmです。
  • 重量:S-105は28.0kgで、MS-20は19.5kgです。S-105の方が重く、安定感があるかもしれません。
  • 最大入力:MS-20は80W、S-105は100Wです。S-105の方が高い最大入力を持っており、大音量での再生にも対応できます。
  • 音質:MS-20はマルチウーファー方式で低音域の拡張を図り、S-105は3ウェイ設計で広い周波数範囲をカバーしています。MS-20は低音の迫力、S-105は全体的なバランスと解像度に優れていると言えます。

LUXMAN MS-20とLo-D HS-630との比較

LUXMAN MS-20とLo-D HS-630との比較は以下の通りです。

  • 方式:LUXMAN MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式を採用しており、Lo-D HS-630は3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式です。MS-20のマルチベントチューニング方式はトランジェント特性が優れていますが、HS-630の3ウェイ構造は各帯域の再生が明確です。
  • 使用ユニット:MS-20は中低域用に20cmコーン型を2つ、高域用に2.5cmドーム型を採用。HS-630は低域用に30cmコーン型、中域用に5.5cmコーン型、高域用に2.2cmドーム型を採用しています。HS-630の低域用ユニットが大きく、重低音の再生が期待できます。
  • 再生周波数帯域:MS-20は45Hz~20kHz、HS-630は30Hz~20000Hzとなっており、HS-630の方が低域の再生が広がっています。これは低音の迫力に寄与しています。
  • インピーダンス:両者ともに6Ωです。
  • 外形寸法:MS-20は幅320x高さ636x奥行300mm、HS-630は幅400x高さ710x奥行380mmで、HS-630の方が一回り大きい構造です。これも低域の再生に寄与していると言えます。
  • 重量:MS-20は19.5kg、HS-630は25kgとなっており、HS-630の方が重いです。重量の違いは、低域の再生能力に関連している可能性があります。
  • 最大入力:MS-20は80W、HS-630は140Wとなっており、HS-630の方が高い入力が可能です。これは大音量での再生に強いことを示しています。
  • 音質:MS-20はマルチウーファー方式で低音域の拡張を図り、位相歪の問題を解決しています。HS-630は高能率、広分散性をテーマにメタル振動板を採用しています。

LUXMAN MS-20とONKYO HTS-SR10との比較

LUXMAN MS-20とONKYO HTS-SR10との比較は以下の通りです。

  • 方式:LUXMAN MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式・ブックシェルフ型で、ONKYO HTS-SR10は2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁設計です。LUXMANの方が多機能であり、音質の拡張が図られています。ONKYOは防磁設計が特徴で、シンプルな構造です。
  • 使用ユニット:LUXMANは中低域用に20cmコーン型x2、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。ONKYOは低域用に13cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。LUXMANの方が低域の表現が豊かで、音域の広がりが感じられるはずです。
  • 再生周波数帯域:LUXMANは45Hz~20kHz、ONKYOは50Hz~35kHzです。ONKYOの方が高域の再生周波数が広く、高音のクリアさが期待できます。
  • インピーダンス:LUXMANは6Ω、ONKYOは8Ωです。インピーダンスの違いは、アンプとの相性に影響を与えるため、システム全体の調整が必要です。
  • 外形寸法:LUXMANは幅320x高さ636x奥行300mm、ONKYOは幅214x高さ273x奥行161mmです。LUXMANの方が大型で、部屋の空間に合わせた選定が必要です。
  • 重量:LUXMANは19.5kg、ONKYOは4.2kgです。LUXMANの方が重く、設置場所の選定に注意が必要です。
  • 最大入力:LUXMANは80W、ONKYOは135W(EIAJ)です。ONKYOの方が大きな入力に対応しており、大音量での再生が可能ですね。
  • 音質:LUXMANはマルチウーファー方式で低音域の拡張を図り、高域部分の問題を解決しています。ONKYOはOMFダイヤフラムと台形フォルムのエンクロージャーで、ダイナミックレンジの拡大と歪の低減を実現しています。LUXMANは低音の迫力、ONKYOはクリアな音質が特徴です。

LUXMAN MS-20とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

LUXMAN MS-20とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、LUXMAN MS-20とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

LUXMAN MS-20と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • OPTONICA SM-4000
  • YAMAHA CA-R11
  • Technics SU-A808

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

LUXMAN MS-20とOPTONICA SM-4000の組み合わせ

LUXMAN MS-20とLUXMAN L-510Xの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:LUXMAN MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式のスピーカーシステムで、インピーダンスが6Ω、最大入力が80Wです。一方、OPTONICA SM-4000はプリメインアンプで、実効出力が70W+70W(8Ω)で、スピーカー出力端子がA、B、C、A+B、A+C(4Ω~16Ω)となっています。この組み合わせにより、両機種の特性を最大限に引き出すことが可能で、互換性が高いと言えます。
  • 音質の向上:LUXMAN MS-20のマルチウーファー方式とOPTONICA SM-4000の差動増幅2段全段直結純コンプリメンタリーOCL回路の組み合わせにより、低音域の拡張と高域のクリアな再生が可能になります。特に、MS-20のマルチ・ベント・チューニング方式とSM-4000のSLADサーキットの相乗効果により、音質の向上が期待できます。この組み合わせによって、音楽の細部まで忠実に再現し、リアルな音場を楽しむことができます。
  • 機能の拡張:OPTONICA SM-4000は、多岐にわたる入力端子とコントロール機能を持っており、LUXMAN MS-20と組み合わせることで、様々な音源の接続や音質調整が可能になります。例えば、SM-4000のトーンコントロール機能を使用することで、MS-20の音質を自由にカスタマイズすることができます。また、SM-4000のヘッドフォン出力端子を利用することで、プライベートなリスニング環境も構築できます。

LUXMAN MS-20とYAMAHA CA-R11の組み合わせ

LUXMAN MS-20とYAMAHA CA-R11の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:LUXMAN MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式のスピーカーシステムで、インピーダンスが6Ω、最大入力が80Wです。一方、YAMAHA CA-R11はプリメインアンプで、実効出力が70W+70W(8Ω)で、出力インピーダンスコントロールが可変インピーダンス範囲:-1Ω~+1Ωとなっています。この組み合わせにより、インピーダンスの調整が可能で、スピーカーとアンプ間のマッチングを最適化することができます。
  • 音質の向上:LUXMAN MS-20のマルチウーファー方式とYAMAHA CA-R11のHigh Speed High ftトランジスタ採用のDCメインアンプの組み合わせは、低音域の拡張と高速な信号伝送を実現します。特に、MS-20のマルチ・ベント・チューニング方式とCA-R11のローノイズデュアルFETを初段に採用したDCイコライザーの相乗効果により、低域から高域まで均等でクリアな音質を提供します。
  • 機能の拡張:YAMAHA CA-R11は、出力インピーダンスを-1Ω~+1Ωまで連続可変できるRoコントロールを装備しており、スピーカーの特性に合わせた細かい調整が可能です。また、トーンコントロール特性やサブソニックフィルターなどの機能を活用することで、LUXMAN MS-20との組み合わせにおいても、音質のカスタマイズが容易に行えます。

LUXMAN MS-20とTechnics SU-A808の組み合わせ

LUXMAN MS-20とTechnics SU-A808の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:LUXMAN MS-20とTechnics SU-A808の組み合わせにおいて、互換性は非常に高いです。MS-20のインピーダンスが6Ωであるのに対し、SU-A808は6Ωで70Wの出力を提供できるため、両者は適切にマッチします。また、SU-A808の周波数特性が3Hz~100kHzと広範であるため、MS-20の45Hz~20kHzの周波数特性をしっかりとカバーします。
  • 音質の向上:Technics SU-A808のMOS ClassAA回路とバーチャルバッテリーオペレーション回路の採用は、LUXMAN MS-20の音質を大いに向上させます。特に、MS-20のマルチウーファー方式とSU-A808のMOS FETの組み合わせは、低音域の拡張とクリアな音の再生を実現します。また、SU-A808のTAKEII電解コンデンサーとMS-20のマルチ・ベント・チューニング方式の相乗効果により、トランジェント特性が向上し、より自然でリアルな音楽体験が可能となります。
  • 機能の拡張:SU-A808の多様な入力端子とリモコン機能は、LUXMAN MS-20との組み合わせにおいて、システムの機能を拡張します。例えば、Tuner、CD、DVD、Aux、Tape1、Tape2/MDなどの多岐にわたる入力選択が可能で、さまざまな音源との連携が容易になります。

LUXMAN(ラックスマン)MS-20を徹底解説!【1979年のスピーカー】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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