Pioneer(パイオニア)S-HE7を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

Pioneer(パイオニア)S-HE7を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

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Pioneer(パイオニア)S-HE7はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

Pioneer(パイオニア)S-HE7の概要と特徴

Pioneer S-HE7の概要と特徴
Pioneer(パイオニア)S-HE7のスペック
方式2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計
使用ユニット低域用:14cmコーン型x2
高域用:2cmドーム型+W.F.ダイレクター
インピーダンス
再生周波数帯域50Hz~40000Hz
出力音圧レベル93dB/W/m
最大入力100W(EIAJ)
外形寸法幅250x高さ340x奥行256mm

Pioneer(パイオニア)S-HE7はスピーカーシステムです。

エンクロージャーはバスレフ効果を高めるため、ダブルダクトを採用しています。

以下から、Pioneer(パイオニア)S-HE7の特徴について詳しく解説します。

①:クロスシェイプドW.F.ダイレクター採用

Pioneer S-HE7の前面には、クロスシェイプドW.F.(ウェイブフロント)ダイレクターが採用されています。

クロスシェイプドW.F.ダイレクターがあるとどうなるの?

クロスシェイプドW.F.ダイレクターがあることで、音の指向性がコントロールされ、特定の方向に音を集中させることができます。

以下は、クロスシェイプドW.F.ダイレクターの意味や利点です。

  1. クロスシェイプドの意味:クロスシェイプドとは、交差する形状を持つことを意味します。この特殊な形状が音波の拡散をコントロールし、よりクリアで均等な音響を生み出します。
  2. W.F.の意味:W.F.はWave Frontの略で、音波の前線を指します。この部分が音波の進行方向を整える役割を果たします。
  3. ダイレクターの役割:ダイレクターは指揮者のような役割を果たし、音波を所定の方向へ誘導します。これにより、リスナーが所望の位置で最適な音質を体験できるようになります。
  4. 音響効果の向上:この技術は音の歪みを減少させ、音場の均等性を高めるために使用されます。結果として、より自然でリアルな音響体験が可能になります。

②:各ユニットの磁気回路はキャンセリングマグネットが採用

Pioneer S-HE7の各ユニットの磁気回路には、キャンセリングマグネットが採用されています。

キャンセリングマグネットは、音質の向上・エネルギー効率の最適化・耐久性の強化など、様々なメリットがあります

以下は、キャンセリングマグネットの主な特徴と機能です。

  1. 磁場の制御:キャンセリングマグネットは、スピーカー内の磁場を制御し、不要な磁場を取り除く役割を果たします。これにより、音の歪みや干渉を減少させることができます。
  2. 音質の向上:この部品は、スピーカーの音質を向上させるために使用されます。磁場の制御により、よりクリアで正確な音の再現が可能になります。
  3. サイズの削減:キャンセリングマグネットは、スピーカーの全体的なサイズを削減するのに役立つことがあります。これにより、コンパクトなデザインのスピーカーが実現可能です。
  4. 効率の向上:磁場の最適化により、スピーカーの効率が向上します。これにより、同じ入力電力でより高い出力が得られることがあります。
  5. 干渉の低減:キャンセリングマグネットは、他の電子機器との干渉を減少させる役割も果たします。これにより、スピーカーを他の機器の近くに配置しても問題が発生しにくくなります。
  6. コスト効率:キャンセリングマグネットの採用により、全体的なコストを抑えることが可能な場合があります。これにより、高品質なスピーカーをより手頃な価格で提供することができる場合があります。

Pioneer S-HE7に採用されているキャンセリングマグネットは、スピーカーの性能と信頼性を向上させる重要な部品となっています。

③:フルミッドシップマウントの採用

Pioneer S-HE7には、フルミッドシップマウントが採用されています。

フルミッドシップマウントを採用することで、『付帯音』を防ぐことが可能になります。

付帯音ってなに?

少し分かりづらいので、以下で付帯音とフルミッドシップマウントの詳細を噛み砕きながら解説します。

スピーカーは音楽を再生するための装置で、その中には「ユニット」と呼ばれる部分があります。

ユニットは音を作り出す役割を果たしています。

しかし、ユニットが動くときに振動が生じ、その振動がスピーカーの他の部分に伝わります。

この振動が伝わると、音楽に『付帯音』と呼ばれる余計な音が混ざってしまうことがあります。

付帯音が混ざると音楽が濁って聞こえたり、クリアでなくなったりすることがあります。

ここで「フルミッドシップマウント」の出番です。

これは、ユニットをスピーカーの中央に特別な方法で取り付ける技術です。

この配置によって、ユニットの振動がスピーカーの他の部分に伝わりにくくなります。

つまり、フルミッドシップマウントを採用することで余計な振動を抑えられ、音楽を濁らせる『付帯音』を防ぐことができるということです。

Pioneer S-HE7と他のヴィンテージスピーカーとの比較

Pioneer S-HE7と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはPioneer S-HE7だけではありません。

以下では

  • LUXMAN MS-20
  • ONKYO D-5R
  • YAMAHA KX-W262

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

Pioneer S-HE7とLUXMAN MS-20との比較

Pioneer S-HE7とLUXMAN MS-20との比較は以下の通りです。

  • 方式:Pioneer S-HE7は2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式で、LUXMAN MS-20は2ウェイ・3スピーカー・マルチベントチューニング方式です。両者とも2ウェイ・3スピーカーを採用していますが、チューニング方式が異なります。バスレフ方式は低域の再生が強化される一方、マルチベントチューニング方式は低音域の拡張に焦点を当てています。
  • 使用ユニット:低域用にPioneer S-HE7は14cmコーン型x2、LUXMAN MS-20は20cmコーン型x2を使用しています。高域用にはそれぞれ2cmドーム型、2.5cmドーム型を採用しています。LUXMAN MS-20の方が低域用のユニットが大きく、より深い低音が期待できます。
  • 再生周波数帯域:Pioneer S-HE7は50Hz~40000Hz、LUXMAN MS-20は45Hz~20kHzです。Pioneer S-HE7の方が高域の再生周波数が広いため、より広い音域を楽しめます。
  • インピーダンス:両者とも6Ωです。この点では差異がなく、同等の評価となります。
  • 外形寸法:Pioneer S-HE7は幅250x高さ340x奥行256mm、LUXMAN MS-20は幅320x高さ636x奥行300mmです。LUXMAN MS-20の方が大きいため、設置スペースに余裕が必要です。
  • 重量:Pioneer S-HE7は7.1kg、LUXMAN MS-20は19.5kgです。LUXMAN MS-20の方が重く、移動が困難かもしれません。
  • 最大入力:Pioneer S-HE7は100W(EIAJ)、LUXMAN MS-20は80Wです。Pioneer S-HE7の方が高い最大入力を持っており、大音量での再生が可能です。
  • 音質:両者ともに高い技術を採用しており、音質には個人の好みが大きく影響するでしょう。Pioneer S-HE7は高感度技術と波面コントロール技術に焦点を当てています。LUXMAN MS-20は低音域の拡張とクリアな再生に重点を置いています。

Pioneer S-HE7とONKYO D-5Rとの比較

Pioneer S-HE7とONKYO D-5Rとの比較は以下の通りです。

  • 方式:Pioneer S-HE7は2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式で、ONKYO D-5Rは3ウェイ3スピーカー・エアサスペンション方式です。ONKYO D-5Rの方がより複雑な構造で、音の分離が優れている可能性がありますね。
  • 使用ユニット:Pioneer S-HE7は低域用に14cmコーン型x2、高域用に2cmドーム型を使用しています。一方、ONKYO D-5Rは低域用に28cmコーン型、中域用に10cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。ONKYO D-5Rの方がより広範な音域をカバーしているようですね。
  • 再生周波数帯域:Pioneer S-HE7の再生周波数帯域は50Hz~40000Hzで、ONKYO D-5Rは30Hz~45000Hzです。ONKYO D-5Rの方がより広い周波数帯域を持っており、音の再現性が高いと言えるでしょう。
  • インピーダンス:両方のスピーカーのインピーダンスは6Ωで、この点では差異はありませんね。
  • 外形寸法:Pioneer S-HE7の寸法は幅250x高さ340x奥行256mmで、ONKYO D-5Rは幅350x高さ630x奥行325mmです。ONKYO D-5Rの方が大きく、場所を取る可能性がありますね。
  • 重量:Pioneer S-HE7は7.1kgで、ONKYO D-5Rは16.5kgです。ONKYO D-5Rの方が重く、設置には注意が必要ですね。
  • 最大入力:Pioneer S-HE7の最大入力は100Wで、ONKYO D-5Rは120Wです。ONKYO D-5Rの方がより大きな入力に対応しているため、音量の面では優れていると言えるでしょう。
  • 音質:Pioneer S-HE7は波面コントロール技術と高感度技術を採用しています。ONKYO D-5Rはデルタオレフィン・リファインド・ダイアフラムを採用しています。両者ともに独自の技術を持っており、音質の好みは個人の耳に依存する部分もあるでしょうね。

Pioneer S-HE7とYAMAHA NS-2HXとの比較

Pioneer S-HE7とYAMAHA NS-2HXとの比較は以下の通りです。

  • 方式:Pioneer S-HE7は2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式で、YAMAHA NS-2HXは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式です。Pioneerの方が1つ多いスピーカー構成になっており、音の広がりが期待できます。
  • 使用ユニット:低域用にPioneerは14cmコーン型x2、YAMAHAは13cmコーン型を使用しています。高域用にはそれぞれ2cmドーム型と3cmドーム型を使用しています。Pioneerの低域用ユニットが大きく、重厚な低音が楽しめるはずです。
  • 再生周波数帯域:Pioneerは50Hz~40000Hz、YAMAHAは60Hz~50kHzです。Pioneerの方が低域の再生が可能で、YAMAHAは高域が広い範囲をカバーしています。
  • インピーダンス:両方とも6Ωで、この点では差がありません。
  • 外形寸法:Pioneerは幅250x高さ340x奥行256mm、YAMAHAは幅186x高さ318x奥行173mmです。Pioneerの方が大きいです。
  • 重量:Pioneerは7.1kg、YAMAHAは5.8kgです。YAMAHAの方が軽いです。
  • 最大入力:Pioneerは100W(EIAJ)、YAMAHAは200Wです。YAMAHAの方が高い最大入力を持っており、大音量での再生に適しています。
  • 音質:Pioneerは波面コントロール技術と高感度技術を採用し、YAMAHAは空間表現をコントロールするHXシリーズの技術を採用しています。Pioneerは低域の強化と波面のコントロールに焦点を当てているのに対し、YAMAHAは自然な音色と広いダイナミックレンジを追求しています。

Pioneer S-HE7とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

Pioneer S-HE7とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、Pioneer S-HE7とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

Pioneer S-HE7と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • LUXMAN L-550
  • YAMAHA A-9
  • Pioneer A-D5X

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

Pioneer S-HE7とLUXMAN L-550の組み合わせ

Pioneer S-HE7とLUXMAN L-550の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Pioneer S-HE7は、2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型スピーカーで、インピーダンスが6Ω、最大入力が100W(EIAJ)です。一方、LUXMAN L-550はインテグレーテッド・アンプで、実効出力が50W+50W(A級動作、8Ω、両ch動作)です。この組み合わせにより、高い互換性が確保され、スムーズな接続が可能です。
  • 音質の向上:Pioneer S-HE7の振動板には、高剛性物質とパルプの結合力を高めるアルギン酸繊維が使用されており、低域の再生能力が向上しています。また、高域にはピュアなセラミックカーボンとセラミックグラファイトの複合材が採用されています。これらとLUXMAN L-550のDUOβサーキット/S、真性のA級動作、一段増幅アンプの組み合わせにより、クリアで豊かな音質が実現します。特に、中高域の解像度の向上と低域の深みが増し、音楽の細部まで忠実に再現されます。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-550には、フォノ・ストレート機能、リニア・イコライザ、9つのターンオーバ周波数を選べるトーンコントロールなど、多岐にわたる機能が搭載されています。これらの機能とPioneer S-HE7の波面コントロール技術、ダブルダクト、ラウンドバッフルなどの組み合わせにより、音質調整の幅が広がります。特に、音場感のコントロールや音像定位の改善が可能です。

Pioneer S-HE7とYAMAHA A-9の組み合わせ

Pioneer S-HE7とYAMAHA A-9の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Pioneer S-HE7は、2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式のブックシェルフ型スピーカーで、インピーダンスが6Ω、最大入力が100W(EIAJ)です。一方、YAMAHA A-9はプリメインアンプで、定格出力がclassAとclassBで異なり、4Ωと8Ωに対応しています。この組み合わせにより、Pioneer S-HE7の高感度技術とYAMAHA A-9のピュアカレントサーボアンプ方式が融合し、高い互換性を実現しています。特に、YAMAHA A-9のダンピングファクターの可変機能とPioneer S-HE7の防磁設計が相互に補完し合い、安定した音響再生が可能です。
  • 音質の向上:Pioneer S-HE7の低域用14cmコーン型ウーファーと高域用2cmドーム型トゥイーターは、波面コントロール技術とハイスピード化技術を採用しています。YAMAHA A-9のA級/B級切換え式DCメインアンプと組み合わせることで、低域から高域までの広い再生周波数帯域を実現し、音質の向上が図られます。特に、YAMAHA A-9の周波数特性とPioneer S-HE7の波面コントロール技術が一体となり、リスニングポイントでの音像定位と音場感の向上が期待できます。
  • 機能の拡張:Pioneer S-HE7とYAMAHA A-9の組み合わせにより、機能の拡張が可能です。Pioneer S-HE7のバスレフ効果を高めるダブルダクトと、YAMAHA A-9のトーンコントロール可変幅やフィルター特性が連携し、より細かい音質調整が可能になります。また、YAMAHA A-9のヘッドホン出力機能とPioneer S-HE7の横置き、縦置きの両方に対応する設計が組み合わさり、多様なリスニングスタイルに対応する機能の拡張が実現されます。

>> YAMAHA(ヤマハ)A-9を徹底解説!【音質・修理など網羅的に解説】

Pioneer S-HE7とPioneer A-D5Xの組み合わせ

Pioneer S-HE7とPioneer A-D5Xの組み合わせについて、以下の3つの項目で解説します。

  • 互換性:Pioneer S-HE7のスピーカーシステムとPioneer A-D5Xのプリメインアンプの組み合わせは、互換性が非常に高いです。S-HE7のインピーダンスは6Ωで、A-D5Xのスピーカー負荷インピーダンスは4Ω~16Ωとなっており、この範囲内での接続が可能です。また、S-HE7の最大入力100WとA-D5Xの定格出力110W+110W(4Ω)というスペックが、効率的なエネルギー伝達を実現しています。この組み合わせにより、安定した動作と高い音質が得られるでしょう。
  • 音質の向上:Pioneer S-HE7の高感度技術とA-D5XのダイレクトエナジーMOS-FETの採用は、音質の向上に寄与します。S-HE7の波面コントロール技術とA-D5Xのワイドレンジリニアサーキットの組み合わせにより、広い周波数帯域でのクリアな音質が実現します。特に、低域の振動板にアルギン酸繊維を混抄したウーファーと、ダイレクトエナジーMOS-FETによる低負荷ドライブ能力が、深みのある低音と鮮明な高音を生み出します。
  • 機能の拡張:Pioneer A-D5Xのプリメインアンプは、多岐にわたる機能を提供しており、S-HE7との組み合わせによって機能の拡張が可能です。例えば、A-D5XのSB(サラウンドバック)モードを活用することで、サラウンドバック用アンプとしても使用できるため、ホームシアターシステムの一部としても活躍します。また、金メッキ入出力端子やバナナプラグ対応スピーカーターミナルなどの高品質な接続部品が、信号伝達の精度を高め、より豊かな音楽体験を提供します。

Pioneer(パイオニア)S-HE7を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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