TANNOY(タンノイ)TD-100を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

TANNOY TD-100を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

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TANNOY TD-100はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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TANNOY TD-100の概要と特徴

TANNOY TD-100の概要と特徴
TANNOY(タンノイ)TD-100のスペック
方式2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
ユニット全帯域用:16.5cm同軸コーン型
周波数特性(±3dB)65Hz~30000Hz
入力インピーダンス
最大許容入力(瞬間)200W
重量7kg
外形寸法幅250x高さ360x奥行220mm

TANNOY TD-100は1997年ごろに発売したスピーカーシステムです。

メリハリのある音を目指し、特殊ラミネート技術を採用することで従来の紙より強度を高めたコーン紙を採用しています。

では、以下からTANNOY TD-100の特徴を解説します。

①:高域・低域それぞれにデュアル・マグネット方式を採用

TANNOY TD-100は、高域・低域それぞれにデュアル・マグネット方式が採用されています。

デュアル・マグネット方式ってなに?

一般的なスピーカーでは一つのマグネットが用いられることが多いですが、デュアル・マグネット方式では、二つのマグネットが用いられます。

これにより、高域と低域それぞれで磁束を独立して制御することが可能になります。

結果として、高域はよりクリアに低域はより力強く再生されます。

以下は、デュアル・マグネット方式の主な利点です。

  1. 高域と低域の最適化:デュアル・マグネット方式では、高域と低域それぞれに最適な磁束が得られます。これにより、音質が全体的に向上します。
  2. 音質のバランス:高域がクリアで低域が力強い音を出すことができます。音楽や映画の鑑賞において、高い音質が求められる場面で特に有用です。
  3. 独立した制御:高域と低域の磁束を独立して制御できるため、より精密な音質調整が可能です。

②:ウーファー部はポレオレフィン・コ・ポリマーLFコーンを採用

TANNOY TD-100のウーファー部は、ポレオレフィン・コ・ポリマーLFコーンが採用されています。

ポレオレフィン・コ・ポリマーLFコーンってなに?

これを一言で解説するのは難しいので、言葉を分解しながら解説します。

ポレオレフィン・コ・ポリマーとは?

ポレオレフィン・コ・ポリマーは合成樹脂の一種であり、特にスピーカーのウーファー部においてその優れた特性が活かされています。

この素材の基本的な構造はオレフィンと呼ばれる炭化水素の不飽和結合を持つモノマーが基本単位となっています。これに他の種類のモノマーが組み合わさることで、コ・ポリマー、すなわち共重合体が形成されます。

この素材がスピーカーに採用される最大の理由は、その高い剛性にあります。

高い剛性は、特に低音の歪みを減少させる効果があり、これがスピーカーの音質に非常に良い影響を与えます。さらに、この素材は耐水性、耐薬品性、耐熱性にも優れているため、長期間にわたって一定の性能を維持することができます。

また、ポレオレフィン・コ・ポリマーは軽量でありながら、高い剛性と耐久性を持っています。この軽量性がスピーカーの効率と性能を向上させる要因となっています。軽量であるために、スピーカー自体の重量も抑えられ、設置や移動が容易になります。

LFコーンとは?

LFコーン(Low-Frequency Cone)は、スピーカーにおいて低周波数、すなわち低音を再生するために特化したコーン部分のことを指します。

LFコーンの特性には、大きな振動板面積と高い剛性があります。

これにより、低音の再生時においても歪みが少なく、深みのあるサウンドを出力することができます。また、LFコーンは一般的に重量があり、これが低音の「重み」を生む要素となっています。

③:バイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応する入力端子のターミナルパネルを採用

TANNOY TD-100は、バイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応する入力端子のターミナルパネルが採用されています。

まず「バイ・ワイヤリング」とは、一つのスピーカーを二つの異なるケーブルでアンプに接続する方法です。

通常、スピーカーは高域(ツイーター)と低域(ウーファー)の両方を一つのケーブルで接続しますが、バイ・ワイヤリングではこれらを分けて接続します。

この方法により、高域と低域の信号が互いに干渉することなく、よりクリアな音質を実現します。

次に、「バイ・アンプ駆動」とは高域と低域を別々のアンプで駆動する接続方法です。

これにより、各アンプは特定の周波数範囲に特化した動作をするため、より高い性能と効率が期待できます。

「入力端子のターミナルパネルを採用」という部分は、これらの高度な接続方法をサポートするための特別な端子がスピーカーに備わっていることを示しています。

通常のスピーカーでは一つまたは二つの入力端子しかない場合が多いですが、バイ・ワイヤリングやバイ・アンプ駆動に対応したターミナルパネルでは、それぞれの駆動方法に適した複数の入力端子が用意されています。

TANNOY(タンノイ)TD-100と他のヴィンテージスピーカーとの比較

TANNOY TD-100と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはTANNOY TD-100だけではありません。

以下では

  • AIWA SX-9
  • AKAI ST-101
  • ONKYO D-40

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

TANNOY TD-100とAIWA SX-9との比較

TANNOY TD-100とAIWA SX-9との比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:TANNOY TD-100は全帯域用の16.5cm同軸コーン型ユニットを使用しています。一方、AIWA SX-9は低域用に18cmコーン型、高域用に4cmコーン型のユニットを使用しています。TANNOYの同軸ユニットは高域・低域のバランスが良いですが、AIWAは低域と高域で専用のユニットを使用しているため、それぞれの帯域での性能が高いです。
  • 再生周波数帯域:TANNOY TD-100は65Hz~30000Hz、AIWA SX-9は50Hz~22kHzです。AIWAの方が低域の再生が優れていますが、TANNOYは高域での再生が広いです。
  • インピーダンス:両方とも8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:TANNOY TD-100は幅250x高さ360x奥行220mm、AIWA SX-9は幅215x高さ375x奥行200mmです。TANNOYはわずかに大きいですが、設置場所によってはAIWAの方が適している場合もあります。
  • 重量:TANNOY TD-100は7kg、AIWA SX-9は4.6kgです。AIWAの方が軽いため、移動が容易です。
  • 最大入力:TANNOY TD-100は最大許容入力が200W、AIWA SX-9は45W(ピーク)です。TANNOYの方が大きな入力に耐えられるため、高音量での再生が可能です。
  • 音質:TANNOY TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。AIWA SX-9は低域と高域で専用のユニットを使用しているため、それぞれの帯域での性能が高いです。評価としては、どちらも高い性能を持っているため、好みによると言えます。

TANNOY TD-100とAKAI ST-101との比較

TANNOY TD-100とAKAI ST-101との比較は以下の通りです。

  • 方式:TANNOY TD-100は2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型であり、AKAI ST-101は2ウェイ・2スピーカー・アコースティックサスペンション方式・ブックシェルフ型です。TANNOYのバスレフ方式は低域のレスポンスが良く、AKAIのアコースティックサスペンション方式は密閉型に近い音質を提供します。
  • 使用ユニット:TANNOY TD-100は全帯域用の16.5cm同軸コーン型ユニットを使用しています。一方、AKAI ST-101は低域用に16cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。TANNOYの同軸ユニットは高域と低域が一体化しているため、音場が一元化しやすいです。AKAIは低域と高域で異なるユニットを使用しているため、より専門的な音質が期待できます。
  • 再生周波数帯域:TANNOY TD-100は65Hz~30000Hz、AKAI ST-101は35Hz~19000Hzです。AKAIは低域がより広く、TANNOYは高域が広いです。
  • インピーダンス:両方とも8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:TANNOY TD-100は幅250x高さ360x奥行220mm、AKAI ST-101は幅220x高さ465x奥行190mmです。AKAIはやや高く、TANNOYは幅が広いです。
  • 重量:TANNOY TD-100は7kg、AKAI ST-101は6.2kgです。TANNOYがわずかに重いです。
  • 最大入力:TANNOY TD-100は最大で200W、AKAI ST-101は最大で40Wです。TANNOYは大音量での再生に優れています。
  • 音質:TANNOY TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。AKAI ST-101は人間味にあふれた音質を意識して開発されています。音質は主観的な要素が強いため、どちらが優れているかは一概には言えません。

TANNOY TD-100とONKYO D-40との比較

TANNOY TD-100とONKYO D-40との比較は以下の通りです。

  • 方式:TANNOY TD-100は2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型ですが、ONKYO D-40も2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型です。両者ともバスレフ方式とブックシェルフ型を採用していますが、D-40は防磁設計がされています。この点では、D-40が一歩リードしています。
  • 使用ユニット:TD-100は全帯域用の16.5cm同軸コーン型を使用しています。一方で、D-40は低域用に9cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。同軸コーン型は高域・低域の再生が一つのユニットで行えるため、音場の一体感があります。
  • 再生周波数帯域:TD-100は65Hz~30000Hz、D-40は90Hz~35kHzです。TD-100の方が低域が広く、高域も広いため、より多くの音域をカバーしています。
  • インピーダンス:両者ともに異なるインピーダンスを持っています。TD-100は8Ω、D-40は6Ωです。一般的に、低いインピーダンスはアンプに負荷をかけやすいですが、D-40の最大入力が低いため問題ないでしょう。この点では、どちらも一長一短です。
  • 外形寸法:TD-100は幅250x高さ360x奥行220mm、D-40は幅115x高さ190x奥行157mmと、D-40の方がコンパクトです。
  • 重量:TD-100は7kg、D-40は1.5kgと、D-40の方が軽量です。
  • 最大入力:TD-100は最大許容入力が200Wで、D-40は40Wです。大音量での再生が可能な点で、TD-100が優れています。
  • 音質:TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。一方、D-40は天然繊維と不飽和樹脂をマトリクス構造にしたONFダイアフラムを用いています。どちらも音質に優れた設計がされていますが、全帯域用の同軸コーン型を使用しているTD-100が一体感のある音場を提供する点で優れています。

TANNOY(タンノイ)TD-100とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

TANNOY TD-100とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、TANNOY TD-100とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

TANNOY TD-100と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • ONKYO Integra A-805
  • DENON PMA-690
  • Marantz PM-64

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

TANNOY TD-100とONKYO Integra A-805の組み合わせ

TANNOY TD-100とONKYO Integra A-805の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:TANNOY TD-100は入力インピーダンスが8Ωで、ONKYO Integra A-805は定格出力が50W+50W(8Ω、両ch駆動)です。この数値から見ても、両者は非常によくマッチしています。また、TANNOY TD-100はバイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応しており、ONKYO Integra A-805も高度なアンプ回路を持っているため、より高度な接続も可能です。エンクロージャーの材質や形状、アンプのサーボ方式など、各々の高度なテクノロジーが互いに干渉することなく、最高のパフォーマンスを発揮します。
  • 音質の向上:TANNOY TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。一方で、ONKYO Integra A-805はスーパーサーボ方式を採用し、特に低域の音質が非常に安定しています。この組み合わせによって、高域も低域も非常にバランスの取れた音質を実現できます。特に、TANNOYの高精度なトゥイーターとONKYOの低歪率なアンプ回路が合致することで、クリアで力強いサウンドが得られます。
  • 機能の拡張:TANNOY TD-100は通常のスピーカーケーブル接続に加えて、バイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応しています。これにより、ONKYO Integra A-805の高度なアンプ機能と組み合わせることで、さまざまな接続方法や設定が可能です。例えば、ONKYO Integra A-805には4系統の入力セレクタと便利なレコーディングセレクタが装備されています。これにより、再生中の入力セレクタのソースとは別に、録音ソースを選択できます。

TANNOY TD-100とDENON PMA-690の組み合わせ

TANNOY TD-100とDENON PMA-690の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:TANNOY TD-100の入力インピーダンスは8Ωで、DENON PMA-690はスピーカー出力端子がAorB:6Ω~16Ω、A+B:12Ω~16Ωとなっています。この点から見ても、両者は非常に良好な互換性を持っています。また、TANNOY TD-100の最大許容入力は200Wで、DENON PMA-690の定格出力は130W+130W(6Ω)と105W+105W(8Ω)です。これにより、スピーカーがアンプの出力に耐えられることが確認できます。さらに、TANNOY TD-100はバイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応しており、DENON PMA-690も多機能な入力端子を備えているため、高度な設定も可能です。
  • 音質の向上:TANNOY TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。一方で、DENON PMA-690はNewスーパーオプティカルClassA回路を搭載しており、純粋A級の音質を実現しています。この組み合わせにより、高域も低域も非常にクリアで力強い音を楽しむことができます。特に、TANNOYの同軸2ウェイユニットとDENONの高音質化技術が相まって、非常にバランスの取れたサウンドが得られます。
  • 機能の拡張:TANNOY TD-100は通常のスピーカーケーブル接続に加え、バイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応しています。一方、DENON PMA-690はソースダイレクト機能やMM/MCのカートリッジを選ばないPhono Selectorを搭載しています。これにより、より多くのオーディオソースに対応可能であり、高度な設定も行えます。特に、DENON PMA-690のソースダイレクトを使用すると、不要な機能回路をバイパスできるため、より純粋な音質で楽曲を楽しむことができます。

TANNOY TD-100とMarantz PM-64の組み合わせ

TANNOY TD-100とMarantz PM-64の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:TANNOY TD-100は入力インピーダンスが8Ωで、Marantz PM-64は8Ωおよび4Ωに対応しています。これにより、両者は非常に良好な互換性を持っています。また、TANNOY TD-100の最大許容入力は200Wで、Marantz PM-64の定格出力は100W+100W(8Ω)です。このことからも、両機種はパワー供給面でも適切にマッチしています。さらに、TANNOY TD-100はバイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動に対応しており、Marantz PM-64もローインピーダンス対応設計がされているため、より高度な設定も可能です。
  • 音質の向上:TANNOY TD-100は高域・低域それぞれに最適な磁束が得られるデュアル・マグネット方式を採用しています。一方で、Marantz PM-64はパワーに応じて出力供給電圧をシフトするAVSS(オート・ボルテージ・シフト・サプライ)を搭載しています。この組み合わせにより、低域から高域まで均等にエネルギーが供給され、非常にバランスの取れた音質を実現します。特に、TANNOY TD-100の高域の再生位相特性とMarantz PM-64の全高調波歪率の低さが相まって、クリアで解像度の高い音楽再生が可能です。
  • 機能の拡張:Marantz PM-64はダイレクトスイッチを搭載しており、デジタルソースをパワーアンプに直接送り込むことができます。これとTANNOY TD-100のバイ・ワイヤリング/バイ・アンプ駆動の対応を組み合わせることで、より多様な音源と接続し、高度な音質調整が可能になります。また、Marantz PM-64にはアナログディスクの再生に対応したMMとMCの入力もあり、TANNOY TD-100と合わせてアナログ音源の再生も楽しむことができます。

TANNOY(タンノイ)TD-100を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】まとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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