OPTONICA SM-4000を徹底解説!【他のヴィンテージアンプとの比較】

OPTONICA SM-4000を徹底解説【他のヴィンテージアンプとの比較】

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OPTONICA SM-4000は、ヴィンテージなプリメインアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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OPTONICA SM-4000の概要と特徴

OPTONICA SM-4000の概要と特徴
OPTONICA SM-4000のスペック
<パワーアンプ部>
実行出力70W+70W(8Ω、両ch駆動、1kHz)
入力感度/インピーダンスPower in:800mV/50kΩ
出力端子Speaker:A、B、C、A+B、A+C(4Ω~16Ω)
Headphone:4Ω~16Ω
<プリアンプ部>
回路方式力イコライザアンプ:初段差動増幅
コントロールアンプ:初段差動増幅
Phono最大許容入力(1kHz)450mVrms、300mVp-p
SN比(IHF-A)Phono:80dB以上
Mic:70dB以上
Tuner、Aux、Tape mon:90dB以上
<総合>
電源コンセント電源スイッチ連動:2系統
電源スイッチ非連動:1系統
外形寸法幅442x高さ144x奥行380mm
重量16kg

OPTONICA SM-4000は1974年ごろに発売したプリメインアンプです。

Phono入力切換えスイッチを搭載しており、入力インピーダンスと入力感度をそれぞれ調整できます。

では、以下からOPTONICA SM-4000の特徴を解説します。

①:パワーアンプ部には差動増幅を2段採用したPNP-NPNパワートランジスタによる全段直結OCL回路を採用

OPTONICA SM-4000のパワーアンプ部には、差動増幅を2段採用したPNP-NPNパワートランジスタによる全段直結OCL回路が採用されています。

その長い名前のモノはなんですか?

一言で解説するのは不可能なので、言葉を分解しながら解説します。

まず、「差動増幅を2段採用」は「差動増幅」と「2段採用」の2つの要素に分けて解説します。

差動増幅とは、2つの入力信号の差を増幅する方式です。

具体的には、正相と逆相の2つの信号を入力として受け取り、その差分を増幅します。

この方式の最大の利点は、共通モードノイズ(両方の信号に共通するノイズ)を効果的に除去できる点です。

つまり、差動増幅は高い信号対ノイズ比を実現するための重要なテクニックとなります。

次に「2段採用」とは、この差動増幅を2回、つまり2段階にわたって行うという意味です。

一般的に、増幅器の段数が多いほど、より高度な信号処理が可能になります。

2段採用によって、より精度の高い信号増幅が可能となり、さらには各段で異なる増幅率を設定することもできます。

そして「PNP-NPNパワートランジスタ」とは、PNP型とNPN型の二つの異なるタイプのトランジスタを用いることを指します。

これにより、各トランジスタの長所を活かしながら、短所を補完することができます。

PNPトランジスタとは?

PNPトランジスタは、P型半導体とN型半導体が交互に配置された三層構造の半導体デバイスです。このトランジスタは、主に「ホール」(正の電荷を持つ)をキャリアとして動作します。PNPトランジスタは、一般的には低電流、高電圧のアプリケーションでよく使用されます。

NPNトランジスタとは?

NPNトランジスタは、N型半導体とP型半導体が交互に配置された三層構造を持ちます。このトランジスタは、「電子」(負の電荷を持つ)をキャリアとして動作します。NPNトランジスタは、高電流、低電圧のアプリケーションで一般的に使用されます。

最後に「全段直結OCL回路を採用」とは、全ての増幅段が直接連結されている(全段直結)ということです。

以下は、全段直結OCL回路を採用する利点です。

  1. 高い信号忠実度:信号の歪みが少なく、原信号に忠実な増幅が可能です。
  2. 低ノイズコンデンサやトランスを使用しないため、それらの素子が生むノイズが存在しない。
  3. 広い帯域特性:高周波数まで忠実に増幅できるため、高音質が期待できます。
  4. 線形性の向上:各段が直接接続されているため、全体としての線形性が高くなります。

ちなみに、OCL(Output Capacitor-Less)回路とは、出力にコンデンサを使用しない回路設計を意味します。

これにより、信号の歪みを最小限に抑えつつ、高い出力効率を実現しています。

②:電源部には大型の電源トランスと15,000μFx2本の大容量コンデンサを採用

OPTONICA SM-4000の電源部には、大型の電源トランスと15,000μFx2本の大容量コンデンサが採用されています。

電源トランスは、電圧を変換するための装置です。

大型のものを使用する理由は、主に電力供給の安定性と効率性を高めるためです。

大型のトランスは、一般的には高い電流を安定して供給できるため、音質の安定性が向上します。

コンデンサは、電気エネルギーを一時的に蓄える部品です。

15,000μF(マイクロファラッド)という大容量のコンデンサが2本使用されているということは、非常に大量の電気エネルギーを蓄えられるということです。

これにより、音楽のダイナミックレンジが広がり、低域から高域まで均等にエネルギーを供給できます。

以下は、大型の電源トランスと大容量コンデンサを採用する利点です。

  • 電力供給のロバスト性:大型の電源トランスは、高い「サチュレーション耐性」を持つため、急激な負荷変動にも柔軟に対応できます。これにより、「トランジェントレスポンス」が向上し、音楽のダイナミックレンジにおける瞬間的な電力需要にも確実に応えられます。
  • 音質の高次元最適化:大容量コンデンサの採用により「リップル電流」の影響が大幅に低減します。これは、アンプの「線形性」を高め、特に低周波数域での「歪み」(THD: Total Harmonic Distortion)を低減させる効果があります。
  • シグナル・トゥ・ノイズ比(S/N比)の向上:大型トランスと大容量コンデンサは、不要な「ノイズフロア」を抑制し、シグナル・トゥ・ノイズ比(S/N比)を向上させます。これにより、微細な音のニュアンスまで忠実に再現することが可能となります。

③:OPTONICA SM-4000のトーン回路にはNF型高利得ICを使用

OPTONICA SM-4000のトーン回路には、NF型高利得ICを使用されています。

NF型高利得ICってなに?

NF(Negative Feedback)型高利得ICは、負帰還(Negative Feedback)を用いた高利得(高増幅率)の集積回路(IC)です。

負帰還は、出力から一部の信号を逆相で入力に戻すことで、全体のゲイン(増幅率)を安定させ、歪みを低減する技術です。

以下は、NF型高利得ICを使用する利点です。

  • ゲイン安定性の向上:NF型高利得ICは「負帰還(Negative Feedback)」を用いることで、ゲイン(増幅率)の安定性が高まります。これにより、「ゲイン・バンド幅積(GBW: Gain-Bandwidth Product)」が最適化され、広い周波数帯域で一定のゲインを維持できます。
  • 低THD(Total Harmonic Distortion):負帰還の効果により、全高調波歪み(THD)が低減します。これは、信号の「線形忠実度(Linearity)」を向上させ、高品質な信号再生を可能にします。
  • 高いCMRR(Common-Mode Rejection Ratio):NF型高利得ICは、共通モード信号に対する耐性が高く、その結果「共通モード除去比(CMRR)」が向上します。これにより、外部からのノイズが信号に与える影響が最小限に抑えられます。
  • 効率的なパワーマネジメント:高利得ICの採用により、「クオイズィング電流(Quiescent Current)」が低減し、電力効率が向上します。これは、バッテリー駆動の機器において特に重要な要素です。
  • 高いSlew Rate(スルーレート):NF型高利得ICは高い「スルーレート(Slew Rate)」を持つため、高周波数の信号でも歪みが少なく、忠実な再生が可能です。

OPTONICA SM-4000と他のヴィンテージアンプとの比較

OPTONICA SM-4000と他のヴィンテージアンプとの比較

当然ですが、ヴィンテージアンプはOPTONICA SM-4000だけではありません。

以下では

  • DENON PMA-451
  • Marantz Model 1200B
  • Technics SU-8011

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

OPTONICA SM-4000とDENON PMA-451との比較

OPTONICA SM-4000とDENON PMA-451との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:OPTONICA SM-4000は70W+70W(8Ω、両ch駆動、1kHz)ですが、DENON PMA-451は定格出力が45W+45W(8Ω、20Hz~20kHz)です。OPTONICA SM-4000の方が出力が高く、よりパワフルです。
  • 混変調歪率:OPTONICA SM-4000は0.1%(実効出力時)、DENON PMA-451は0.1%以下(定格出力時)と、ほぼ同等の性能を持っています。
  • 入力感度/インピーダンス:OPTONICA SM-4000はPower in:800mV/50kΩ、DENON PMA-451はPhono:2.5Vrms/50kΩです。入力感度とインピーダンスに関しては、用途によって選ぶべきモデルが変わる可能性があります。
  • 負荷インピーダンス:OPTONICA SM-4000は4Ω~16Ω、DENON PMA-451は4Ω~16Ω(AorB)または8Ω~16Ω(A+B)と、ほぼ同等です。
  • SN比:OPTONICA SM-4000は100dB以上(IHF-A)、DENON PMA-451はPhono:75dB以上、Tuner、Aux、Tape1、2:95dB以上と、OPTONICA SM-4000の方がわずかに優れています。
  • 音質:OPTONICA SM-4000は低歪率と広帯域に優れ、DENON PMA-451も高いダイナミックレンジと低歪率を持っています。音質は主観的な要素も多いため、個々の好みによると言えます。

OPTONICA SM-4000とMarantz Model 1200Bとの比較

OPTONICA SM-4000とMarantz Model 1200Bとの比較は以下の通りです。

  • 実効出力:OPTONICA SM-4000は70W+70W(8Ω、両ch駆動、1kHz)ですが、Marantz Model 1200Bは100W+100W(8Ω、20Hz~20kHz、両ch駆動)です。Marantz Model 1200Bの方が出力が高いため、よりパワフルなサウンドが期待できます。
  • 混変調歪率:OPTONICA SM-4000は0.1%(実効出力時)、Marantz Model 1200Bは0.15%以下(20Hz~20kHz)。この点では、OPTONICA SM-4000がわずかに優れています。
  • 入力感度/インピーダンス:OPTONICA SM-4000はPower in:800mV/50kΩ、Marantz Model 1200BはPhono:1.35mV、Aux:135mVとなっています。入力感度とインピーダンスの数値は異なるため、直接の比較は難しいですが、用途に応じて選ぶべきでしょう。
  • ダンピングファクター:OPTONICA SM-4000は60以上(1kHz、8Ω)、Marantz Model 1200Bは100以上(8Ω負荷)。この点では、Marantz Model 1200Bが優れています。
  • 負荷インピーダンス:両方とも8Ωの負荷インピーダンスに対応しています。
  • 消費電力:OPTONICA SM-4000は160W、Marantz Model 1200Bは420Wです。
  • 重量:OPTONICA SM-4000は16kg、Marantz Model 1200Bは14.1kgです。
  • 音質:音質は主観的な要素も多いですが、実効出力やダンピングファクター、混変調歪率などを考慮すると、Marantz Model 1200Bがより高品質なサウンドを提供する可能性が高いです。

OPTONICA SM-4000とTechnics SU-8011との比較

OPTONICA SM-4000とTechnics SU-8011との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:OPTONICA SM-4000は70W+70W(8Ω)の出力がありますが、Technics SU-8011は25W+25W(8Ω)です。OPTONICA SM-4000の方が高出力です。
  • 混変調歪率:OPTONICA SM-4000は0.1%(実効出力時)、Technics SU-8011は全高調波歪率が0.1%です。数値的には同等ですが、OPTONICA SM-4000は高出力でこの数値を維持しています。
  • 負荷インピーダンス:OPTONICA SM-4000は4Ω~16Ω、Technics SU-8011は8Ωです。OPTONICA SM-4000はより多くのスピーカーに対応しています。
  • SN比:OPTONICA SM-4000は100dB以上(IHF-A)、Technics SU-8011はPhono:80dB、Tuner、Aux、Tape:97dB(IHF-A)です。OPTONICA SM-4000の方が高いSN比を持っています。
  • 消費電力:OPTONICA SM-4000は160W、Technics SU-8011は55Wです。
  • 重量:OPTONICA SM-4000は16kg、Technics SU-8011は5.0kgです。
  • 音質:OPTONICA SM-4000は高度な回路設計と大容量のコンデンサを使用しており、Technics SU-8011も低歪・低雑音設計を採用しています。しかし、OPTONICA SM-4000はより高いダイナミックレンジと低歪率を確保しています。

OPTONICA SM-4000とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

OPTONICA SM-4000と他のヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

以下では、OPTONICA SM-4000とヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。

OPTONICA SM-4000と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、

  • FOSTEX NF-1
  • JBL CF120
  • INFINITY Reference 60

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

OPTONICA SM-4000とFOSTEX NF-1の組み合わせ

OPTONICA SM-4000とFOSTEX NF-1の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:OPTONICA SM-4000のプリメインアンプは、実効出力が70W+70W(8Ω)であり、FOSTEX NF-1のスピーカーは8Ωのインピーダンスを持っています。これにより、アンプとスピーカーの間で最適な電力伝送が可能です。また、OPTONICA SM-4000の高調波歪率や混変調歪率が非常に低いため、FOSTEX NF-1の高性能なユニットが持つ音質を最大限に引き出すことができます。
  • 音質の向上:OPTONICA SM-4000は、SLADサーキットと差動増幅回路を採用しているため、非常に低い歪率で高品質な音を出力することができます。一方で、FOSTEX NF-1は、低域用にHPダイアフラムを用いた16cmコーン型ウーファーと、高域用に2cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。これにより、低域から高域までバランスの取れた音質を実現しています。この組み合わせによって、非常にクリアでダイナミックレンジの広い音楽再生が可能です。
  • 機能の拡張:OPTONICA SM-4000には多数の入力端子があり、Phono、Mic、Tuner、Auxなど多様な音源に対応しています。また、3系統のスピーカー出力も搭載しているため、FOSTEX NF-1以外にも複数のスピーカーと組み合わせることができます。FOSTEX NF-1はバスレフ方式を採用しているため、低域の再生能力が高く、OPTONICA SM-4000のパワフルなアンプと組み合わせることで、より広い空間での使用や、多チャンネルシステムの構築も容易です。

>> FOSTEX NF-1を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

OPTONICA SM-4000とJBL CF120の組み合わせ

OPTONICA SM-4000とJBL CF120の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:OPTONICA SM-4000は、実効出力が70W+70Wで、インピーダンスが8Ωに対応しています。一方、JBL CF120は、インピーダンスが8Ωで、許容入力が250Wです。このように、両者のスペックが合致しているため、安心して組み合わせることができます。また、OPTONICA SM-4000には複数のスピーカー出力があり、JBL CF120もバナナプラグ対応のスピーカーターミナルを採用しているため、接続もスムーズです。
  • 音質の向上:OPTONICA SM-4000は、差動増幅2段全段直結純コンプリメンタリーOCL回路といった高度な技術を採用しており、非常に低い歪率で高品質な音を出力します。一方で、JBL CF120は、低域から高域までバランスの取れた音質を持っています。特に、高域には1.4cmドーム型トゥイーターが搭載されており、クリアな音質が得られます。この組み合わせによって、OPTONICA SM-4000の高品質なアンプの性能を最大限に引き出し、JBL CF120のスピーカーからはよりクリアでバランスの良い音が出力されます。
  • 機能の拡張:OPTONICA SM-4000には、多くの入力端子があり、Phono、Tuner、Auxなど多種多様な音源に対応しています。また、イコライザやトーン調整も豊富です。JBL CF120には、過大入力時にユニットを保護するプロテクションヒューズが内蔵されています。このように、各々が持つ機能を最大限に活かすことで、より多機能で高品質なオーディオシステムを構築することが可能です。

OPTONICA SM-4000とINFINITY Reference 60の組み合わせ

OPTONICA SM-4000とINFINITY Reference 60の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:SM-4000のプリメインアンプは、実効出力が70W+70W(8Ω、両ch駆動、1kHz)であり、INFINITY Reference 60の許容入力は200Wです。この数値から見ても、両者は十分に互換性があります。また、SM-4000の出力帯域幅は5Hz~40kHz、INFINITY Reference 60の周波数帯域は42Hz~40kHzと、非常によくマッチしています。さらに、SM-4000の出力端子には複数のスピーカー接続オプションがあり、INFINITY Reference 60のインピーダンスは6Ωで、これもSM-4000が対応しています。
  • 音質の向上:OPTONICA SM-4000は、差動増幅2段全段直結純コンプリメンタリーOCL回路とSLADサーキットを採用しており、非常に低い歪みで高い出力を実現しています。一方で、INFINITY Reference 60は、低域から高域までバランスの取れたサウンドを提供する3ウェイ・4スピーカー・密閉方式です。特に、高域にはEMIT-R型ツィーターが採用されており、非常にクリアな高音が得られます。このような特性を持つ両機種を組み合わせることで、低歪でダイナミックレンジの広いサウンドが実現します。
  • 機能の拡張:OPTONICA SM-4000には、Phono入力、マイク入力、Aux入力など多様な入力オプションがあります。これにより、INFINITY Reference 60と組み合わせても、多くのオーディオソースを楽しむことができます。また、SM-4000は3系統のスピーカー出力を搭載しており、INFINITY Reference 60との組み合わせだけでなく、他のスピーカーとも同時に接続することが可能です。さらに、INFINITY Reference 60はバイアンプに対応しているため、必要に応じて機能を拡張することも可能です。

OPTONICA SM-4000を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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