FOSTEX NF-1を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

FOSTEX NF-1を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】

この記事の概要

※上記の青文字をタップすると該当箇所に飛びます。

FOSTEX NF-1はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

この記事の著者
目次

FOSTEX NF-1の概要と特徴

FOSTEX NF-1の概要と特徴
FOSTEX NF-1のスペック
方式2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計
ユニット低域用:16cmコーン型
高域用:2cmドーム型
周波数特性50Hz~40kHz
インピーダンス
入力120W(プログラム)
重量約9.1kg
外形寸法幅240x高さ340x奥行274mm

FOSTEX NF-1は2000年ごろに発売したスピーカーシステムです。

エンクロージャー内部の定在波をコントロールするため、独自のHPサウンドリフレクターを装備しています。

では、以下からFOSTEX NF-1の特徴を解説します。

①:低域にはフォステクス独自のHPダイアフラムを用いたウーファーを搭載

FOSTEX NF-1の低域には、フォステクス独自のHPダイアフラムを用いたウーファーが搭載されています。

フォステクス独自のHPダイアフラムってなに?

このHPダイアフラムは、双曲線(Hyperbolic)と放物面(Paraboloidal)によって構成される3次局面構造を持っています。

この独特な形状により、従来の振動板で避けられなかった固有共振を排除することができます。

固有共振とは、特定の周波数で振動板が不自然に振動してしまう現象で、これが発生すると音質が損なわれる可能性があります。

また、このHPダイアフラムは高い構造強度を持っているため、音の原音に非常に高速で追従することができます。

これにより音がクリアで、歪みの少ない再生が可能となります。

さらに、HPダイアフラムによってワイドレンジ再生も実現しています。

ワイドレンジ再生とは、低域から高域まで広い範囲の周波数を網羅できることを意味します。

これにより、多様な音楽ジャンルや映像コンテンツでも、高品質なサウンドを楽しむことができます。

このように、フォステクスのHPダイアフラムを用いたウーファーは、低域の再生能力に特化しています。

特に、高い構造強度と独自の3次局面構造によって、従来のスピーカーでは達成しきれなかった音質の向上が実現しています。

①:高域のユニットにはUFLC振動板を採用

FOSTEX NF-1の高域ユニットには、UFLC振動板を採用されています。

UFLC(Ultra Fine Layered Composite)振動板とは、超微細な層で構成された複合材料の振動板です。

このUFLC振動板は、高い剛性と軽量性を兼ね備えており、高域の音を非常に高い解像度で再生することができます。

一般的な振動板と比較して、UFLC振動板は高周波の振動に対しても非常に高い応答性を持っています。

この高い応答性により、高域の音が非常にクリアに再生されます。

例えば、楽器の音や人の声・自然な音など、高域が重要な役割を果たす多くの音源で、その違いを実感することができます。

以下は、高域ユニットにUFLC振動板を採用するメリットです

  • 高い解像度での再生:UFLC振動板は高い剛性と応答性を持っており、高域の音を非常に高い解像度で再生することができます。
  • クリアな音質:UFLC振動板の高い応答性により、高域の音が非常にクリアに再生されます。これにより、音楽や映画、ゲームのサウンドがより鮮明に感じられます。
  • 軽量性:UFLC振動板は軽量な材料で作られているため、スピーカー自体の重量を抑えつつ、高い性能を発揮することができます。

FOSTEX NF-1と他のヴィンテージスピーカーとの比較

FOSTEX NF-1と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはFOSTEX NF-1だけではありません。

以下では

  • DENON SC-E727
  • TANNOY Arden
  • SANSUI SP-L150

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

FOSTEX NF-1とDENON SC-E727との比較

FOSTEX NF-1とDENON SC-E727との比較は以下の通りです。

  • 方式:FOSTEX NF-1は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式であり、DENON SC-E727は2ウェイ・3スピーカー・P.P.D.D.方式です。DENONのP.P.D.D.方式は低音再生に優れていますが、FOSTEXのバスレフ方式も低域に強いです。
  • 使用ユニット:FOSTEXは低域用に16cmコーン型、高域用に2cmドーム型を使用しています。一方で、DENONは低域用に14.5cmコーン型x2、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。FOSTEXが一つの低域用ユニットを使用しているのに対し、DENONは二つを使用しているため、低域の再生が豊かです。
  • 再生周波数帯域:FOSTEXは50Hz~40kHz、DENONは33Hz~45kHzとなっています。DENONの方が低域と高域で広い範囲をカバーしています。
  • インピーダンス:FOSTEXは8Ω、DENONは6Ωです。一般的に低いインピーダンスは高出力に対応しやすいですが、アンプとのマッチングが重要です。
  • 外形寸法:FOSTEXは幅240x高さ340x奥行274mm、DENONは幅194x高さ326x奥行318mmです。DENONは少しコンパクトですが、奥行きがあります。
  • 重量:FOSTEXは約9.1kg、DENONは8.4kgです。ほぼ同等の重さです。
  • 最大入力:FOSTEXは120W、DENONは100Wです。FOSTEXがわずかに高出力に対応しています。
  • 音質:FOSTEXはHPダイアフラムと独自の素材で高い音質を実現しています。DENONもP.P.D.D.方式と高品質な内部配線で優れた音質を提供しています。評価としては、個々の好みに依存するため、一概には言えません。

FOSTEX NF-1とTANNOY Ardenとの比較

FOSTEX NF-1とTANNOY Ardenとの比較は以下の通りです。

  • 方式:FOSTEX NF-1は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計であり、TANNOY Ardenは2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・フロア型です。FOSTEX NF-1はコンパクトな設計でニアフィールド用モニターとして優れていますが、TANNOY Ardenは大型フロア型でより広い空間での使用に適しています。
  • 使用ユニット:FOSTEX NF-1は低域用に16cmコーン型、高域用に2cmドーム型を使用しています。一方で、TANNOY Ardenは全帯域用に38cm同軸型(HPD385A)を使用しています。TANNOY Ardenの同軸型ユニットは音像の分解能や定位感に優れています。
  • 再生周波数帯域:FOSTEX NF-1は50Hz~40kHz、TANNOY Ardenは30Hz~20kHzです。FOSTEX NF-1は高周波域での再生が優れていますが、TANNOY Ardenは低周波域での性能が高いです。
  • インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:FOSTEX NF-1は幅240x高さ340x奥行274mm、TANNOY Ardenは幅660x高さ990x奥行370mmです。TANNOY Ardenは大型であり、広いスペースが必要です。
  • 重量:FOSTEX NF-1は約9.1kg、TANNOY Ardenは43kgです。TANNOY Ardenは非常に重く、移動が難しいです。
  • 最大入力:FOSTEX NF-1は最大入力が120W、TANNOY Ardenは85Wです。
  • 音質:FOSTEX NF-1は低域と高域で特化したユニットを使用しており、バランスの良い音質を持っています。TANNOY Ardenは同軸型ユニットにより、音像の分解能や定位感が非常に高いです。評価としては、高い音質を求めるならTANNOY Ardenが優れています。

>> TANNOY(タンノイ)Arden(アーデン)を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

FOSTEX NF-1とSANSUI SP-L150との比較

FOSTEX NF-1とSANSUI SP-L150との比較は以下の通りです。

  • 方式:FOSTEX NF-1とSANSUI SP-L150はどちらも2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型のスピーカーです。ただし、FOSTEX NF-1には防磁設計が施されています。この点で、FOSTEX NF-1は特に電子機器への影響を考慮していると言えます。
  • 使用ユニット:FOSTEX NF-1は低域用に16cmコーン型、高域用に2cmドーム型を使用しています。一方、SANSUI SP-L150は低域用に25.5cmコーン型、高域用に5cmコーン型を使用しています。SANSUI SP-L150の方が大きなユニットを使用しているため、より力強い音を出力できる可能性があります。
  • 再生周波数帯域:FOSTEX NF-1は50Hz~40kHz、SANSUI SP-L150は32Hz~50kHzとなっています。SANSUI SP-L150の方が広い周波数帯域をカバーしているため、より多様な音を再生できます。
  • インピーダンス:両方とも8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:FOSTEX NF-1は幅240x高さ340x奥行274mm、SANSUI SP-L150は幅360x高さ625x奥行308mmです。SANSUI SP-L150の方が大きいため、設置スペースを多く取ります。
  • 重量:FOSTEX NF-1は約9.1kg、SANSUI SP-L150は19.9kgです。重量が重いSANSUI SP-L150は設置や移動が大変ですが、安定性は高いでしょう。
  • 最大入力:FOSTEX NF-1は最大入力が120W、SANSUI SP-L150は85Wです。FOSTEX NF-1がより高い出力を持っています。
  • 音質:FOSTEX NF-1はHPダイアフラムや独自のHPサウンドリフレクターを装備しています。一方、SANSUI SP-L150は新開発のコーン紙や大型フェライトマグネットを採用しています。両方とも高い音質を追求していますが、特にFOSTEX NF-1は構造強度と原音追従性に優れています。

FOSTEX NF-1とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

FOSTEX NF-1とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、FOSTEX NF-1とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

FOSTEX NF-1と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • Marantz Model-66
  • Pioneer A-636
  • LUXMAN L-505f

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

FOSTEX NF-1とMarantz Model-66の組み合わせ

FOSTEX NF-1とMarantz Model-66の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:FOSTEX NF-1はインピーダンスが8Ωであり、Marantz Model-66は4Ω、6Ω、8Ωに対応していますので、この点では問題ありません。また、FOSTEX NF-1の入力は120Wであり、Marantz Model-66の定格出力はULモード時に30W+30W、Triodeモード時に15W+15Wです。これにより、両者は電力面でも適切にマッチングします。さらに、FOSTEX NF-1がバイワイアリングに対応している点も、Marantz Model-66との組み合わせにおいて有用です。
  • 音質の向上:FOSTEX NF-1は低域に独自のHPダイアフラムを用いた16cmコーン型ウーファー、高域には2cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。これにより、高い構造強度とハイスピードな原音追従性を実現しています。一方で、Marantz Model-66は管球式プリメインアンプであり、出力管に6CA7/EL-34を4本使用しています。この組み合わせにより、FOSTEX NF-1のクリアで力強い音質とMarantz Model-66の温かみのある音色が融合し、非常に高いレベルの音質を実現できます。
  • 機能の拡張:Marantz Model-66はトーンコントロール機能があり、BassとTrebleを±12dBで調整可能です。この機能を活用することで、FOSTEX NF-1の音質をさらにカスタマイズすることが可能です。また、Marantz Model-66にはPhono入力もあり、FOSTEX NF-1と組み合わせてアナログレコードの再生も楽しむことができます。さらに、Marantz Model-66のUL接続とTriode接続の切り替え機能を用いることで、音質のニュアンスを瞬時に変更することもできます。

FOSTEX NF-1とPioneer A-636の組み合わせ

FOSTEX NF-1とPioneer A-636の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:FOSTEX NF-1とPioneer A-636を組み合わせる場合、互換性には特に問題がありません。FOSTEX NF-1のインピーダンスは8Ωで、Pioneer A-636も8Ωのスピーカーに対応しています。また、FOSTEX NF-1の最大入力は120Wであり、Pioneer A-636の定格出力も90W+90W(8Ω)となっているため、十分なパワー供給が可能です。さらに、Pioneer A-636には多様な入力端子が用意されており、FOSTEX NF-1との接続もスムーズです。
  • 音質の向上:FOSTEX NF-1は、低域に独自のHPダイアフラムを用いた16cmコーン型ウーファー、高域には2cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。これにより、高い構造強度とハイスピードな原音追従性が実現されています。一方で、Pioneer A-636は、クリーングランドシステムやダイレクトコンストラクションIIなどの高度な技術を採用しています。これらの組み合わせにより、音質はさらに向上します。特に、低音の深みと高音のクリアさが一段と引き立つでしょう。
  • 機能の拡張:Pioneer A-636には、Phonoイコライザーや多様な入力/出力端子が装備されています。これにより、FOSTEX NF-1と組み合わせた際にも、より多くのオーディオ機器との接続が可能となります。例えば、Phonoイコライザーを活用することで、アナログレコードからの再生も高音質で楽しむことができます。また、Pioneer A-636の電源スイッチ連動のACアウトレットを使用することで、スピーカーと同時に他のオーディオ機器も電源ON/OFFが可能となり、使い勝手が向上します。

FOSTEX NF-1とLUXMAN L-505fの組み合わせ

FOSTEX NF-1とLUXMAN L-505fの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:FOSTEX NF-1はインピーダンスが8Ωで、LUXMAN L-505fも連続実効出力が100W+100W(8Ω)となっています。これにより、両者は非常に高い互換性を持っていると言えます。また、FOSTEX NF-1はバイワイアリングに対応したスピーカー端子を搭載しており、LUXMAN L-505fにもスピーカーセレクターがありますので、接続の自由度も高いです。
  • 音質の向上:FOSTEX NF-1は低域に独自のHPダイアフラムを用いた16cmコーン型ウーファーを搭載しています。これにより、低音の再生が非常にリッチであり、高域には2cmソフトドーム型トゥイーターが搭載されています。一方で、LUXMAN L-505fはODNF回路を搭載しており、超広帯域・ハイスルーレート、低歪回路を実現しています。この組み合わせにより、低音から高音まで非常にバランスの取れた、豊かな音楽再現が可能です。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-505fはプリ・メイン分離型の設計を採用しており、他のパワーアンプやコントロールアンプと組み合わせてセパレートシステムへとグレードアップすることが可能です。また、バイアンプやマルチアンプ方式へと拡大させることもできます。FOSTEX NF-1もバイワイアリングに対応しているため、この機能の拡張は非常にスムーズに行えます。

FOSTEX NF-1を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

目次