OTTO/SANYO DCA-V3を徹底解説!【他のアンプとの比較】

OTTO:SANYO DCA-V3を徹底解説!【他のアンプとの比較】

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OTTO/SANYO DCA-V3は、ヴィンテージなプリメインアンプです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

OTTO/SANYO DCA-V3の概要と特徴

OTTO:SANYO DCA-V3の概要と特徴
OTTO/SANYO DCA-V3のスペック
<アンプ部>
実効出力60W+60W(8Ω、両ch動作、20Hz~20kHz、0.02%歪)
全高調波歪率(Aux-SP端子)0.02%(定格出力時、20Hz~20kHz)
0.005%(-3dB出力時、1kHz)
ダンピングファクター50(8Ω)
入力感度/インピーダンスPhono1:2.5mV/47kΩ
Phono2:0.06mV/22kΩ
Aux、Tuner、Tape1/2:150mV/47kΩ
Main input:1000mV/47kΩ
周波数特性10Hz~30kHz +0 -3dB(Tuner、Aux、Tape – SP out)
DC~50kHz +0 -3dB(Main input – SP out)
<パルス電源>
電圧変換方式パルス幅変調整流方式(定電圧)
入力電圧(動作電圧)85V~135V
出力電圧40V
<総合>
電源AC100V、50H/60Hz
定格消費電力100W
重量6.2kg

OTTO/SANYO DCA-V3は1978年に発売したプリメインアンプです。

電源回路にはトランジスタとツェナーダイオードを用いた、リップルフィルタ兼用の定電圧電源を採用しています。

では、以下からOTTO/SANYO DCA-V3の特徴を解説します。

①:電源部にH-R ICパルス電源を採用

OTTO/SANYO DCA-V3の電源部には、H-R ICパルス電源が採用されています。

H-R ICパルス電源ってなに?

H-R ICパルス電源は、高解像度オーディオ再生を実現するために特化した電源供給システムです。

このシステムは高度な集積回路によって制御され、非常に高い効率で電源を変換・供給します。

以下は、OTTO/SANYO DCA-V3に採用されているH-R ICパルス電源の仕組みです。

STEP
電源の受け入れ

まず、外部からのAC(交流電源)を受け入れます。この段階で初めて、H-R ICパルス電源の集積回路(IC)が動き出します。

STEP
ACからDCへの変換

受け入れたAC電源は、高度な集積回路(IC)によってDC(直流電源)に変換されます。この変換過程で、電源の効率が高まります。

STEP
パルス制御

変換されたDC電源はパルス制御されます。これによって非常に安定した電源が得られ、ノイズも低減されます。

STEP
高解像度対応

この段階で高解像度オーディオデータに対応するための調整が行われます。

STEP
出力

最後に、調整されたDC電源がアンプの各部に供給されます。

そして、電源部にH-R ICパルス電源が採用される利点は以下です。

  • 高音質:安定した電源供給により、音質が向上します。
  • 低ノイズ電源ノイズが低減され、クリアな音を楽しむことができます。
  • 高効率:電源の変換効率が高く、エネルギーの無駄が少ないです。
  • 高解像度対応高解像度のオーディオデータにも対応しています。
  • 信頼性:高度な集積回路(IC)による制御で、長期間安定した性能が得られます。

②:パワーアンプ部の回路構成はFETソースフォロア差動入力など3つの要素で構成

OTTO/SANYO DCA-V3のパワーアンプ部の回路構成は、

  • FETソースフォロア差動入力
  • 2段目エミッタフォロアー差動増幅
  • ローディストーションパワーIC

といった3つの要素で構成されています。

以下は3つの要素それぞれの特徴です。

①:FETソースフォロア差動入力とは

FETソースフォロア差動入力とは、Field-Effect Transistor(FET)を使用した差動入力回路の一種です。

FETは高い入力インピーダンスを持ち、信号の細部まで忠実に再現することができます。

ソースフォロアはFETの一種の動作モードで、この回路は特に低ノイズと高速応答性に優れています。

②:2段目エミッタフォロアー差動増幅とは

2段目エミッタフォロアー差動増幅とは、エミッタフォロアーと呼ばれるトランジスタの動作モードを用いた差動増幅回路です。

この回路は信号をさらに強化し、高い線形性を持つため、歪みが少ない信号を出力します。

③:ローディストーションパワーICとは

「ローディストーションパワーIC」とは、低歪みのパワー増幅を行う集積回路(IC)です。

このICは高い出力を持ちながらも歪みを極力抑える設計になっています。

OTTO/SANYO DCA-V3のパワーアンプ部の回路構成は、これらの要素が組み合わさることで高品質な音楽再生が可能になります。

そして、上記3つの動きとしては

STEP
FETソースフォロア差動入力によって高精度な信号処理が行われる
STEP
2段目エミッタフォロアー差動増幅でその信号が強化される
STEP
ローディストーションパワーICで高品質な音声が出力される

といった流れです。

③:トーンコントロール回路にはBAX型を採用

OTTO/SANYO DCA-V3のトーンコントロール回路にはBAX型を採用されています。

BAX型のトーンコントロール回路ってなに?

以下で、BAX型のトーンコントロール回路について詳しく解説します。

BAX型(Baxandall型)トーンコントロール回路、1952年に英国の電子工学者Peter Baxandallによって発表されました。

BAX型トーンコントロール回路は、高音域と低音域の調整が非常にスムーズで、音質に自然な感じを与えることができます。

一般的なトーンコントロール回路と比較して、BAX型はより広い周波数レンジで効果を発揮し、音質の歪みを最小限に抑えます。

BAX型トーンコントロール回路の最大の特長は、その「平坦な中性点」です。

つまり、トーンコントロールを中央位置にセットした場合、音質にほとんど影響を与えず、原音に忠実な再生が可能です。

また、高音と低音を独立して調整できるため、より細かな音質調整が可能です。

OTTO/SANYO DCA-V3にはBAX型トーンコントロール回路の採用されているので、音楽のジャンルや録音環境による音質の違いを繊細に調整できます。

OTTO/SANYO DCA-V3と他のヴィンテージアンプとの比較

OTTO:SANYO DCA-V3と他のヴィンテージアンプとの比較

当然ですが、ヴィンテージアンプはOTTO/SANYO DCA-V3だけではありません。

以下では

  • Lo-D HA-7700
  • Pioneer A-505
  • Accuphase E-530

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

OTTO/SANYO DCA-V3とLo-D HA-7700との比較

OTTO/SANYO DCA-V3とLo-D HA-7700との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:DCA-V3は60W+60W(8Ω)であり、HA-7700は70W+70W(8Ω)です。HA-7700の方が出力が高いため、より大きなスピーカーを駆動する能力があります。
  • 混変調歪率:DCA-V3は0.02%、一方でHA-7700は0.008%と非常に低いです。この指標が低いほど音質の歪みが少ないため、HA-7700が優れています。
  • ダンピングファクター:DCA-V3は50(8Ω)、HA-7700は60(1kHz、8Ω)です。ダンピングファクターが高いほどスピーカーのコントロールが効きます。この点では、HA-7700が優れています。
  • SN比:DCA-V3はPhono1(MM):90dB、HA-7700は115dBです。この数値が高いほどノイズが少ないため、HA-7700が優れています。
  • 消費電力:DCA-V3は100W、HA-7700は175Wです。
  • 音質:両者とも高品質なコンポーネントを使用していますが、混変調歪率やSN比、ダンピングファクターなどの数値から判断すると、HA-7700がより優れた音質を提供する可能性が高いです。

OTTO/SANYO DCA-V3とPioneer A-505との比較

OTTO/SANYO DCA-V3とPioneer A-505との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:DCA-V3は60W+60W(8Ω)、Pioneer A-505は100W+100W(6Ω)または85W+85W(8Ω)です。Pioneer A-505の方が出力が高いです。
  • ダンピングファクター:DCA-V3は50(8Ω)、Pioneer A-505は65(8Ω、1kHz)です。Pioneer A-505の方がダンピングファクターが高く、スピーカー制御が優れています。
  • 負荷インピーダンス:DCA-V3は8Ω、Pioneer A-505は6Ω~16Ωとなっています。Pioneer A-505の方が負荷インピーダンスの範囲が広いため、優れています。
  • SN比:DCA-V3はPhono1(MM):90dB、Phono2(MC):80dBなど、Pioneer A-505はPhono MM:87dB、Phono MC:69dBなどです。DCA-V3の方がSN比が高く、ノイズが少ないです。
  • 消費電力:DCA-V3は100W、Pioneer A-505は180Wです。エネルギー効率の観点からはDCA-V3が優れています。
  • 重量:DCA-V3は6.2kg、Pioneer A-505は8.7kgです。軽量なDCA-V3が設置や移動に便利です。
  • 音質:DCA-V3はH-R ICパルス電源と高品質なトランジスタを使用しています。Pioneer A-505は大型の電源トランスと高品質な電解コンデンサーを使用しています。

OTTO/SANYO DCA-V3とAccuphase E-530との比較

OTTO/SANYO DCA-V3とAccuphase E-530との比較は以下の通りです。

  • 実効出力:DCA-V3は60W+60W(8Ω)ですが、E-530は最大で150W/ch(1Ω)となります。E-530の方が高出力です。
  • 混変調歪率:DCA-V3は0.02%、E-530はIM歪率が0.01%です。E-530の方が若干優れています。
  • ダンピングファクター:DCA-V3は50(8Ω)、E-530は120(8Ω)です。E-530の方が高いダンピングファクターを持っています。
  • SN比:DCA-V3は最高で100dB、E-530は最高で118dBです。E-530の方が優れています。
  • 消費電力:DCA-V3は100W、E-530は最大で280Wです。E-530の方が高い消費電力がありますが、それは高出力と関連しています。
  • 音質:音質は主観的な要素も多いですがE-530の方が高出力であり、より広い周波数レンジを持っています。評価としては、E-530が優れている可能性が高いです。

>> Accuphase E-530を徹底解説!【他のアンプとの比較】

OTTO/SANYO DCA-V3とヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

OTTO:SANYO DCA-V3と他のヴィンテージスピーカーとの組み合わせ

以下では、OTTO/SANYO DCA-V3とヴィンテージスピーカーとの組み合わせを一部解説します。

OTTO/SANYO DCA-V3と組み合わせるヴィンテージスピーカーは、

  • YAMAHA NS-690III
  • TANNOY Mercury m2
  • KENWOOD LS-11

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

OTTO/SANYO DCA-V3とYAMAHA NS-690IIIの組み合わせ

OTTO/SANYO DCA-V3とYAMAHA NS-690IIIの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:DCA-V3の実効出力は60W+60W(8Ω)であり、NS-590IIIの最大許容入力は80W、定格入力は40Wです。これにより、アンプとスピーカーの出力と入力が適切にマッチしています。また、両者ともに8Ωのインピーダンスを持っているため、電気的な負荷も適切です。
  • 音質の向上:DCA-V3の高いS/N比と低い歪み率は、NS-590IIIの高性能スピーカーユニットと相まって、非常に高い音質を生み出します。特に、DCA-V3のH-R ICパルス電源と高速応答の保護回路が、NS-590IIIの30cmコーン型ウーファーと7.5cmドーム型中域用ユニット、3.0cmドーム型高域用ユニットと組み合わさることで、低域から高域まで非常にバランスの取れたサウンドを実現します。
  • 機能の拡張:DCA-V3には多数の入力端子があり、Phono、Aux、Tuner、Tapeなど多様な音源に対応しています。これにより、NS-590IIIと組み合わせた際も、多様な音源から最高のパフォーマンスを引き出すことができます。また、DCA-V3のテープモニタースイッチやデュプリケートスイッチ、MCヘッドアンプなどの機能を活用することで、NS-590IIIの音質をさらに引き上げることが可能です。

OTTO/SANYO DCA-V3とTANNOY Mercury m2の組み合わせ

OTTO/SANYO DCA-V3とTANNOY Mercury m2の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:DCA-V3の実効出力は60W+60W(8Ω)であり、Mercury m2の最大許容入力は120W(瞬間)です。これにより、アンプとスピーカーのパワーバランスが良く、安定した音響性能を発揮します。また、DCA-V3の入力インピーダンスとMercury m2の入力インピーダンスも8Ωで一致しているため、信号の損失が少なく、クリアな音質が得られます。
  • 音質の向上:DCA-V3は高品質なパルス電源と高速応答の保護回路を採用しており、Mercury m2の16cmコーン型ウーファーと2.5cmソフトドーム型トゥイーターとの相性も抜群です。特に、DCA-V3の周波数特性が10Hz~30kHzと広く、Mercury m2の周波数特性が48Hz~20kHzであるため、低音から高音まで均一に再生されます。
  • 機能の拡張:DCA-V3には多様な入力端子と調整機能が備わっています。Phono端子には金メッキ端子が採用されており、高品質な音源もしっかりと再生できます。また、トーンコントロールやラウドネス特性、フィルター特性なども細かく調整可能です。これにより、Mercury m2スピーカーと組み合わせた際にも、多様な音源や音楽ジャンルに対応した高度な音質調整が可能です。

OTTO/SANYO DCA-V3とKENWOOD LS-11の組み合わせ

OTTO/SANYO DCA-V3とKENWOOD LS-11の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:DCA-V3のアンプ部の実効出力は60W+60W(8Ω)であり、LS-11の瞬間最大入力は200W、最大入力は130W(EIAJ)です。これにより、アンプとスピーカーの出力と入力が適切にマッチしています。また、LS-11のインピーダンスは6Ωであり、DCA-V3のダンピングファクターが50(8Ω)であるため、安定した動作が期待できます。さらに、DCA-V3の入力感度とLS-11の出力音圧レベルも良好にマッチしています。
  • 音質の向上:DCA-V3はH-R ICパルス電源を採用しており、非常に安定した電源供給が可能です。これが、LS-11の3ウェイ・3スピーカー構成と相まって、低域から高域まで非常にクリアでダイナミックな音質を実現します。特に、DCA-V3の全高調波歪率と混変調歪率が非常に低いため、LS-11の高性能なユニットが持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
  • 機能の拡張:DCA-V3には多数の入力端子が備わっており、Phono端子には金メッキ端子が採用されています。これにより、LS-11との接続が非常にスムーズで、信号の劣化も最小限に抑えられます。また、DCA-V3にはテープモニタースイッチやデュプリケートスイッチが搭載されているため、LS-11と組み合わせても多様なオーディオセットアップが可能です。

OTTO/SANYO DCA-V3を徹底解説!【他のアンプとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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