AIWA(アイワ)XK-W828を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

AIWA(アイワ)XK-W828を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

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XK-W828は完全ヴィンテージなカセットデッキです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

AIWA(アイワ)XK-W828の概要と特徴

AIWA(アイワ)XK-W828の概要と特徴
XK-W828のスペック
ヘッド録再:PC-OCC巻線アモルファスヘッド
消去:ダブルギャップフェライトヘッド
モーターDCサーボモーターx2
ワウ・フラッター0.055%(W・Peak)
±0.09%(WRMS)
周波数特性(-20dB録音)ノーマル:20Hz~16kHz ±3dB
CrO2:20Hz~17kHz ±3dB
メタル:20Hz~18kHz ±3dB
SN比(ピークレベル)73dB(Dolby C type on、メタルテープ)
外形寸法幅430x高さ140x奥行313mm
重量5.4kg

XK-W828はステレオカセットデッキです。

ミュージックセンサーやブランクスキップ機能を搭載しています。

以下から、XK-W828の特徴について詳しく解説します。

①:PC-OCCアモルファスヘッドを採用

XK-W828はPC-OCCアモルファスヘッドを採用しています。

PC-OCCアモルファスヘッドってなに?

一言で解説するのは難しいので、言葉を分解しながら解説します。

まず、PC-OCCとは「Pure Copper Ohno Continuous Casting」の略で、特定の製法で作られた非常に純度の高い銅を指します。

PC-OCCの製造過程は、一般的な銅の製造方法とは異なります。

この方法では、銅を一定の速度で冷却することで、銅の結晶構造を一定に保ちます。

この一定の結晶構造が、信号伝送の劣化を極限まで抑える要因となっています。

次に、アモルファスとは、結晶構造を持たない物質を指す言葉です。

アモルファスヘッドは、この非結晶構造の特性を活かし、磁性体の微細な構造を一定に保つことで、高い信号伝送性能と耐久性を確保しています。

この二つの特性を組み合わせた「PC-OCCアモルファスヘッド」は、非常に高い音質と長寿命を実現します。

以下はPC-OCCアモルファスヘッドの利点や特徴です。

  1. 高い音質:純度の高いPC-OCC銅とアモルファス構造が組み合わさることで、非常に高い音質が実現されます。
  2. 高周波再生性能:アモルファス構造により、高周波の再生が非常にクリアで繊細です。
  3. 耐久性:アモルファス構造は耐摩耗性に優れているため、長期間の使用にも耐えることができます。

②:A・M・T・Sを採用

XK-W828はA・M・T・Sを採用しています。

A・M・T・Sという技術は、カセットテープがデッキ内で動作する際に発生するテープの振動を効果的に抑制します。

振動が抑制されることで、テープとヘッドの接触が安定し、より高品質な音声の再生と録音が可能になります。

以下はA・M・T・Sが動作する流れと特徴です。

STEP
テープの位置調整

最初のステップとして、カセットテープがデッキ内で正確な位置にセットされます。この位置調整が重要であり、テープと再生・録音ヘッドとの接触が安定する基盤を作ります。

STEP
磁気発生

次に、A・M・T・Sの磁気発生装置が作動します。この装置は、テープの両端に磁気を発生させることで、テープを安定化します。

STEP
テープ速度の検出

テープが動き始めると、A・M・T・Sはテープの速度を検出します。この速度に応じて、磁気の強さが調整されることで、テープの振動が抑制されます。

STEP
磁気強度の調整

テープの速度に応じて、磁気の強度が自動的に調整されます。これにより、テープが一定の位置に保たれ、振動が最小限に抑えられます。

STEP
音質の最適化

最後に、テープとヘッドの接触が安定した状態で音質が最適化されます。高周波の再生が明瞭になり、低周波も豊かに再生されるようになります。

③:デッキ1と2で独立したバイアスファイン機能を搭載

XK-W828はデッキ1と2で独立したバイアスファイン機能を搭載しています。

この機能は、各デッキで独立してバイアス(偏り)を微調整できるものです。

そもそもバイアスってなに?

バイアスとは、カセットテープに音を録音する際にテープに流れる電流の偏りを調整することです。

この偏りが適切でないと、音質が劣化する可能性があります。

特に高周波成分が失われやすく、音が「くぐもった」ように聞こえることがあります。

以下は独立したバイアスファイン機能のメリットです

  1. 多様なテープに対応:独立したバイアス調整機能があると、各デッキで異なる種類のテープに対応できます。例えば、デッキ1では高品質なメタルテープを、デッキ2では一般的なフェロテープを使用するといったことが可能です。
  2. 高度な録音設定:各デッキで独立してバイアスを調整できるため、より高度な録音設定が可能です。これにより、プロフェッショナルな録音が求められる場合でも、最適な設定で録音できます。
  3. 録音品質の向上:正確なバイアス調整により、高周波成分をしっかりと録音できます。これにより、音質が明瞭で豊かなものになります。

ちなみに、独立したバイアスファイン機能を使用する際は、テープの種類や録音内容に応じて設定を調整する必要があります。

AIWA XK-W828と他のヴィンテージカセットデッキとの比較

AIWA XK-W828と他のヴィンテージカセットデッキとの比較

当然ですが、ヴィンテージカセットデッキはAIWA XK-W828だけではありません。

以下では

  • Pioneer T-838
  • OTTO/SANYO RD-5150
  • YAMAHA KX-T950

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

AIWA XK-W828とPioneer T-838との比較

AIWA XK-W828とPioneer T-838との比較は以下の通りです。

  • ヘッド:AIWA XK-W828はPC-OCC巻線アモルファスヘッドを採用していますが、Pioneer T-838はレーザーアモルファスヘッドを採用しています。両者とも高い磁束密度を持つアモルファスヘッドを使用していますが、Pioneerの方がレーザー技術を用いているため、より精密な録音・再生が可能です。
  • モーター:AIWAはDCサーボモーターx2を、Pioneerはキャプスタン用とリール用、アシスト用の3つのDCモーターを採用しています。Pioneerの方が多機能で高度な制御が可能です。
  • ワウフラッター:AIWAのワウフラッターは0.055%(W・Peak)±0.09%(WRMS)、Pioneerは±0.04%W・peak(EIAJ) 0.024%WRMS(JIS)となっています。Pioneerの方が数値が低く、より安定した再生が可能です。
  • 周波数特性:AIWAはメタルテープで20Hz~18kHz、Pioneerはメタルテープで15Hz~21kHzとなっています。Pioneerの方が広い周波数範囲をカバーしています。
  • SN比:AIWAは73dB(Dolby C type on、メタルテープ)、Pioneerは57dB(EIAJ/ピーク録音レベル、聴感補正)となっています。AIWAの方が高いSN比を持っています。
  • 重量:AIWAは5.4kg、Pioneerは9.1kgとなっています。AIWAの方が軽量で設置が容易です。
  • 音質:AIWAはA・M・T・SやPC-OCCアモルファスヘッド、ドルビーHXプロなどを採用しています。Pioneerは先進の解析技術と独自の技術で高音質化を図っています。両者とも高音質を目指していますが、Pioneerの方がより高度な技術を投入しています。

>> Pioneer(パイオニア)T-838を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

AIWA XK-W828とOTTO/SANYO RD-5150との比較

AIWA XK-W828とOTTO/SANYO RD-5150との比較は以下の通りです。

  • ヘッド:AIWA XK-W828はPC-OCC巻線アモルファスヘッドを採用していますが、OTTO/SANYO RD-5150は硬質パーマロイヘッドを使用しています。磁束密度の高いAIWAのヘッドは、高域のダイナミックレンジや周波数特性に優れています。一方で、RD-5150の硬質パーマロイヘッドも堅牢で信頼性があります。
  • モーター:両機種ともDCサーボモーターを採用していますが、AIWAは2つのモーターを搭載しています。これにより、より精密なテープ制御が可能です。
  • ワウフラッター:AIWAのワウフラッターは0.055%(W・Peak) ±0.09%(WRMS)で、RD-5150は0.10%以下(WRMS)です。数値が低いほど性能が高いため、AIWAが優れています。
  • 周波数特性:AIWAはノーマルテープで20Hz~16kHz、メタルテープで20Hz~18kHzの周波数特性を持っています。一方、RD-5150は40Hz~16kHz(CrO2)です。AIWAの方が低域から高域まで広いレンジをカバーしています。
  • SN比:AIWAのSN比は73dB(Dolby C type on、メタルテープ)、RD-5150は48dBです。高いSN比はノイズが少ないことを示しており、AIWAが優れています。
  • 重量:AIWAは5.4kg、RD-5150は5.3kgとほぼ同等の重量です。
  • 音質:総合的に見て、AIWA XK-W828は高いSN比、優れた周波数特性、高性能なヘッドとモーターを搭載しており、音質面で優れています。RD-5150も堅牢で信頼性がありますが、音質面ではAIWAが一歩リードしています。

AIWA XK-W828とYAMAHA KX-T950との比較

AIWA XK-W828とYAMAHA KX-T950との比較は以下の通りです。

  • ヘッド:AIWA XK-W828はPC-OCC巻線アモルファスヘッドを採用していますが、YAMAHA KX-T950はアモルファスヘッドを採用しています。磁束密度の高い12層ラミネート・アモルファスコアにPC-OCC巻線を使用することで、AIWA XK-W828は高域のダイナミックレンジや周波数特性が優れています。
  • ワウフラッター:AIWA XK-W828のワウフラッターは0.055%(W・Peak) ±0.09%(WRMS)で、YAMAHA KX-T950は±0.05%(W.RMS)です。数値が低いほど安定したテープの動きが期待できるため、YAMAHA KX-T950がわずかに優れています。
  • 周波数特性:AIWA XK-W828はノーマル:20Hz~16kHz ±3dB、CrO2:20Hz~17kHz ±3dB、メタル:20Hz~18kHz ±3dBです。一方で、YAMAHA KX-T950は20Hz~20kHz ±3dB(メタル)です。周波数範囲が広いYAMAHA KX-T950が優れています。
  • SN比:AIWA XK-W828は73dB(Dolby C type on、メタルテープ)、YAMAHA KX-T950は72dB(ドルビーC NR ON)です。わずかにAIWA XK-W828が優れています。
  • 重量:AIWA XK-W828は5.4kg、YAMAHA KX-T950は8.3kgです。軽い方が設置や移動が容易なため、AIWA XK-W828が優れています。
  • 音質:AIWA XK-W828はA・M・T・SやPC-OCCアモルファスヘッド、ドルビーHXプロを採用しており、高域のダイナミックレンジや周波数特性が優れています。YAMAHA KX-T950も210kHzのハイバイアスやバイアスアジャストとプレイトリムによって高音域の録音/再生品質を向上させていますが、全体的にはAIWA XK-W828が優れています。

AIWA XK-W828とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

AIWA XK-W828とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

AIWA XK-W828のようなカセットデッキは、基本的にプリメインアンプに接続して使用するはずです。

その為、以下ではAIWA XK-W828とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを解説します。

AIWA XK-W828と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • SANSUI AU-α607DR
  • NEC A-700
  • TRIO KA-9900

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

AIWA XK-W828とSANSUI AU-α607DRの組み合わせ

AIWA XK-W828とSANSUI AU-α607DRの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:AIWA XK-W828はステレオカセットデッキであり、多くの高度な機能を備えています。一方で、YAMAHA NS-590はインテグレーテッド・アンプであり、高い出力と低い歪み率を誇ります。両機種は、それぞれのスペックが高いため、一見すると互換性に問題はなさそうです。しかし、AIWA XK-W828の「ワンタッチシンクロダビング機能」などの特殊な機能と、YAMAHA NS-590の「パワー・アンプダイレクト」や「6連ディテントボリューム」などの特性を最大限に活かすためには、適切なケーブル選びや設定が必要です。このような細かい部分での互換性を確保することで、両機種のポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
  • 音質の向上:AIWA XK-W828は「PC-OCCアモルファスヘッド」や「ドルビーHXプロ」など、音質向上のための多くの機能を搭載しています。一方、YAMAHA NS-590も「アドバンスドα-Xバランス回路」や「NM-LAPT」など、高音質を追求した設計がされています。これらの高度な機能と技術が組み合わさることで、音質はさらに向上します。特に、AIWA XK-W828の高いSN比とYAMAHA NS-590の高いダイナミックパワーが合致することで、クリアで力強い音質を実現できます。
  • 機能の拡張:AIWA XK-W828とYAMAHA NS-590を組み合わせることで、機能面でも多くのメリットがあります。例えば、AIWA XK-W828の「サイマルポーズ/サイマルレックミュート機能」を活用することで、YAMAHA NS-590が再生している音源を編集録音することが可能です。また、YAMAHA NS-590の「パワー・アンプダイレクト」を使用すると、AIWA XK-W828から直接アンプ部に信号を送ることができ、より高音質な再生が可能になります。

AIWA XK-W828とNEC A-700の組み合わせ

AIWA XK-W828とNEC A-700の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:AIWA XK-W828はステレオカセットデッキであり、NEC A-700はハイクオリティインテグレーテッドアンプです。NEC A-700には多くの入力端子があり、AIWA XK-W828もステレオピンコードx2とリモートコントローラーが付属しています。このような状況下で、両機種の接続は非常にスムーズに行えます。
  • 音質の向上:AIWA XK-W828は、PC-OCCアモルファスヘッドやドルビーHXプロなど、高音質を実現するための多くの機能を搭載しています。一方で、NEC A-700も全段ダイレクトDCサーボ回路やHigh-Gm FETダイレクト入力EQ回路など、高品質な音を出力するための独自の技術が詰まっています。この二つの高性能な機器を組み合わせることで、それぞれの機器が持つ高音質な特性を最大限に活かし合い、さらなる音質の向上が期待できます。
  • 機能の拡張:AIWA XK-W828には、サイマルポーズ/サイマルレックミュート機能やワンタッチシンクロダビング機能など、多くの便利な機能が搭載されています。一方、NEC A-700には、High-Precisionトーン回路やビジュアル機器用の入出力端子など、多様な機能があります。これらを組み合わせることで、例えばAIWA XK-W828で録音した高品質な音源をNEC A-700の高性能なアンプで再生するといった、より多くの用途でこれらの機器を活用することが可能になります。

AIWA XK-W828とTRIO KA-9900の組み合わせ

AIWA XK-W828とTRIO KA-9900の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:AIWA XK-W828はステレオカセットデッキであり、TRIO KA-9900はインテグレーテッドアンプです。両者は基本的には互換性があります。XK-W828にはステレオピンコードが付属しており、KA-9900には多くの入力端子がありますので、接続は非常にスムーズです。特に、KA-9900の高いSN比とXK-W828の高品質な録再ヘッドは、一緒に使用することで相乗効果を発揮します。
  • 音質の向上:TRIO KA-9900は高出力と低歪みを誇り、AIWA XK-W828は高い周波数特性とSN比を持っています。この組み合わせにより、音質は格段に向上します。特に、KA-9900のストレートDCアンプとXK-W828のPC-OCCアモルファスヘッドが協調することで、非常にクリアでダイナミックな音質を実現します。
  • 機能の拡張:AIWA XK-W828には多くの高度な機能が搭載されていますが、TRIO KA-9900と組み合わせることで、これらの機能をより広範に活用することができます。例えば、XK-W828のサイマルポーズ/サイマルレックミュート機能とKA-9900の多くの入力/出力オプションを活用することで、より複雑な録音と再生のセットアップが可能になります。また、KA-9900の高いダンピングファクターは、XK-W828のワウフラッターをさらに抑制し、安定した再生を実現します。

AIWA(アイワ)XK-W828を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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