Technics RS-M202を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

Technics RS-M202を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

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Technics RS-M202は音楽愛好家の方からの評価も高く、完全ヴィンテージなカセットデッキです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

Technics RS-M202の概要と特徴

Technics RS-M202の概要と特徴
Technics RS-M202のスペック
テープ速度Tape1 再生:高硬度パーマロイヘッド
Tape2 録再:MXヘッド
   消去:ダブルギャップフェライトヘッド
使用モーター電子制御DCモーターx2
周波数特性Normal:20Hz~16kHz
XAII:20Hz~17kHz
Metal:20Hz~18kHz
SN比57dB(XAIIテープ、ピークレベル)
Dolby NR in時:10dB改善(5kHz以上)
ワウ・フラッター0.05%WRMS
消費電力約10W
重量約5.4kg

Technics RS-M202はダブルカセットデッキです。

アンプからのライン入力とテープ1で再生している音楽のミキシング録音がテープ2で行えたりと、様々な機能を搭載しています。

以下から、Technics RS-M202の特徴について詳しく解説します。

①:オートテープセレクタを搭載

Technics RS-M202はオートテープセレクタを搭載しています。

オートテープセレクタってなに?

オートテープセレクタは、カセットテープの種類を自動的に識別し、最適な再生設定を選択する機能です。

以下はオートテープセレクタの主な利点です。

  1. ユーザーフレンドリー:オートテープセレクタは、テープの種類に応じた最適な設定を自動的に選択するため、ユーザーが手動で設定を変更する必要がなくなります。これにより、操作が簡単になり、初心者でも使いやすくなります。
  2. 最適な音質:この機能により、テープの種類に合わせて最適な再生・録音設定が自動的に選ばれるため、音質が向上します。
  3. 効率的な操作:手動でテープの種類を選ぶ手間が省かれるため、再生や録音のプロセスが迅速かつ効率的に行えます。

カセットテープにはさまざまな種類があり、それぞれに適した再生・録音設定が必要です。

ですが、Technics RS-M202に搭載されているオートテープセレクタ機能を使えば、それらの面倒な問題が解決します。

②:ソフトム・メカニズムの採用(テープ1とテープ2の両方)

Technics RS-M202はソフトム・メカニズムが、テープ1とテープ2の両方に採用されています。

ソフトム・メカニズムとは、カセットデッキにおけるテープの走行を制御するための特殊なメカニズムです。

この機能は、テープの走行をより滑らかで安定したものにするために設計されています。

以下は、ソフトム・メカニズムの主な特徴と機能です。

  1. 滑らかなテープ走行:ソフトム・メカニズムは、テープの走行を滑らかにするために摩擦を減らし、テープの引っ張りを均等にする役割があります。これによりテープの磨耗が減少し、長期間の使用に耐えることができます。
  2. 安定した再生・録音:テープの走行が均等で滑らかであることは、再生時の音質の安定や録音時の一貫した品質を保証するために重要です。ソフトム・メカニズムは、これらの要素を向上させる役割を果たします。
  3. テープの保護:カセットテープはデリケートなメディアであり、不適切な取り扱いにより容易に損傷することがあります。ソフトム・メカニズムは、テープへの過剰な圧力や摩擦を防ぐことでテープの寿命を延ばします。

Technics RS-M202に採用されているソフトム・メカニズムは、カセットデッキの性能を向上させるための重要な技術です。

③:ミュージックセレクタ機能搭載

Technics RS-M202はミュージックセレクタ機能が搭載されています。

ミュージックセレクタってなんですか?

ミュージックセレクタは、曲間の無信号部分を自動的に検出することができます。

この機能により、カセットテープ上の個々の曲を素早く正確に選ぶことが可能になります。

以下は、ミュージックセレクタの主な特徴と利点です。

  1. 曲の自動検出:ミュージックセレクタは、曲と曲の間に存在する無信号部分を検出し、次の曲の開始位置を特定します。これにより、テープ上の特定の曲に素早くアクセスすることができます。
  2. 曲の頭出し機能:この機能により、テープ上の任意の曲の最初から再生することが容易になります。曲の頭出しを行うことで、特定の曲を素早く見つけて再生することができます。
  3. プログラム再生:一部のカセットデッキでは、ミュージックセレクタを使用して特定の曲を順番に選び、カスタムプレイリストを作成することができます。これにより、お気に入りの曲を連続して再生することが可能になります。
  4. 操作の簡素化:ミュージックセレクタの自動検出機能により、テープ上の特定の位置への移動が容易になります。これにより、手動で早送りや巻き戻しを行う必要が減少し、操作がより直感的になります。
  5. テープの保護:曲の検出が自動化されるため、テープを過度に早送りや巻き戻しする必要がなくなります。これにより、テープの摩耗や損傷のリスクが低減します。

Technics RS-M202のようにミュージックセレクタが搭載されているカセットデッキは、シンプルに便利です。

Technics RS-M202と他のヴィンテージカセットデッキとの比較

Technics RS-M202と他のヴィンテージカセットデッキとの比較

当然ですが、ヴィンテージカセットデッキはTechnics RS-M202だけではありません。

以下では

  • Pioneer T-838
  • AIWA AD-FF5
  • DENON DR-650

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

Technics RS-M202とPioneer T-838との比較

Technics RS-M202とPioneer T-838との比較は以下の通りです。

  • 仕様: Technics RS-M202はステレオカセットデッキであり、一方Pioneer T-838はリファレンス3ヘッドデッキとなっています。用途や機能が異なるため、選ぶ際には目的に合った型式を選ぶ必要があります。
  • ヘッド構成:RS-M202は高硬度パーマロイヘッドとMXヘッドを使用しているのに対し、T-838はレーザーアモルファス録音ヘッド/レーザーアモルファス再生ヘッドを採用しています。音質や耐久性に影響する部分なので、詳細な比較が必要です。
  • 周波数特性:RS-M202のメタルテープの周波数特性は20Hz~18kHzで、T-838は15Hz~21kHz ±3dBとなっています。T-838の方が広い範囲をカバーしているため、音質の面で優れていると言えます。
  • 消費電力:RS-M202は約10W、T-838は20Wとなっており、T-838の方が消費電力が高いです。省エネルギーを考慮する場合、RS-M202が適しているかもしれませんね。
  • 外形寸法:RS-M202は幅430x高さ119x奥行287mm、T-838は幅459x高さ136x奥行370mmで、T-838の方が大きいです。
  • 重量:RS-M202は約5.4kg、T-838は9.1kgと、T-838の方が重いです。
  • ワウ・フラッター:RS-M202は0.05%WRMS、T-838は±0.04%W・peak(EIAJ)、0.024%WRMS(JIS)となっており、T-838の方が精度が高いです。音質の面での優れた点が見られます。

>> Pioneer(パイオニア)T-838を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】

Technics RS-M202とAIWA AD-FF5との比較

Technics RS-M202とAIWA AD-FF5との比較は以下の通りです。

  • 仕様:両方のデッキはステレオカセットデッキとして設計されています。この部分では大きな違いはありません。
  • ヘッド構成:Technics RS-M202はTape1で再生専用の高硬度パーマロイヘッド、Tape2で録再のMXヘッドを使用しています。一方、AIWA AD-FF5は録音、再生にコンビネーションDXヘッド、消去にHi-Bsダブルギャップフェライトヘッドを使用しています。ヘッドの構成と材料には明確な違いがあります。
  • 周波数特性:Technics RS-M202はNormal, XAII, Metalの範囲で20Hz~18kHzの周波数特性を提供します。AIWA AD-FF5はLH, CrO2, Metalの範囲で20Hz~19kHzの周波数特性を提供します。両者の周波数特性は非常に類似していますが、AIWA AD-FF5がわずかに広い範囲をカバーしています。
  • 消費電力:Technics RS-M202は約10Wの消費電力がありますが、AIWA AD-FF5は13Wの消費電力があります。AIWA AD-FF5の方がわずかに高い消費電力を持っています。
  • 外形寸法:Technics RS-M202の寸法は幅430x高さ119x奥行287mmで、AIWA AD-FF5の寸法は幅420x高さ110x奥行280mmです。AIWA AD-FF5はわずかにコンパクトな設計です。
  • 重量:Technics RS-M202は約5.4kgの重量がありますが、AIWA AD-FF5は4.4kgの重量があります。AIWA AD-FF5の方が1kg軽いです。
  • ワウ・フラッター:Technics RS-M202のワウ・フラッターは0.05%WRMSですが、AIWA AD-FF5のワウ・フラッターは0.035%(WRMS)です。AIWA AD-FF5の方がこの部分で優れた性能を示しています。

Technics RS-M202とDENON DR-650との比較

Technics RS-M202とDENON DR-650との比較は以下の通りです。

  • ヘッド構成:Technics RS-M202は高硬度パーマロイヘッドとMXヘッドを採用していますが、DENON DR-650はセンダストヘッドとフェライトヘッドを使用しています。RS-M202のヘッド構成はダビング機能に優れている一方、DR-650のヘッドは音質の安定性に優れています。
  • 周波数特性:Technics RS-M202の周波数特性はMetalテープで20Hz~18kHz、DENON DR-650はコバルト系テープで30Hz~18kHzです。DR-650の方が低域の再生が広がっており、音質の深みが感じられるはずです。
  • 消費電力:Technics RS-M202の消費電力は約10Wで、DENON DR-650は40Wです。RS-M202の方がエコフレンドリーで経済的です。
  • 外形寸法:Technics RS-M202の寸法は幅430x高さ119x奥行287mm、DENON DR-650は幅434x高さ185x奥行285mmです。設置スペースに応じて選びましょう。
  • 重量:Technics RS-M202は約5.4kgで、DENON DR-650は11kgです。RS-M202の方が軽量で取り扱いが容易です。
  • ワウ・フラッター:Technics RS-M202のワウ・フラッターは0.05%WRMS、DENON DR-650は0.05%WRMS以下です。両者ともに高い安定性を持っており、この点では選びにくいです。

Technics RS-M202とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

Technics RS-M202とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

Technics RS-M202のようなカセットデッキは、基本的にプリメインアンプに接続して使用するはずです。

その為、以下ではTechnics RS-M202とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを解説します。

Technics RS-M202とAIWA AD-FF5の組み合わせ

Technics RS-M202とAIWA AD-FF5の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  1. 互換性:Technics RS-M202の多機能なカセットデッキとAIWA AD-FF5のプリメインアンプの組み合わせは、互いの特性を引き出し合い、高品質なサウンドを提供します。
  2. 音質の向上:AIWA AD-FF5の高調波歪率と出力帯域幅がTechnics RS-M202の再生能力と相まって、クリアでリッチな音質を実現します。
  3. 機能の拡張:Technics RS-M202のダビング、編集、ミキシング録音機能とAIWA AD-FF5の多岐にわたる入力オプションが、多様な音楽体験を提供します。

Technics RS-M202とONKYO Integra A-925の組み合わせ

Technics RS-M202とONKYO Integra A-925の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Technics RS-M202とONKYO Integra A-925の組み合わせは、互換性が高く、両機種の機能を最大限に活用することができます。
  • 音質の向上:ONKYO Integra A-925の上級機の技術とTechnics RS-M202の高硬度パーマロイヘッドなどの機能が組み合わさることで、音質の向上が実現します。特に、低歪率と広帯域化によるクリアな音質が、音楽の細部まで楽しむことができます。
  • 機能の拡張:Technics RS-M202のダビングやミキシング録音機能とONKYO Integra A-925のリモコン付属やモータードライブ方式などの機能が組み合わさることで、操作性と機能性が大幅に拡張されます。

Technics RS-M202とSANSUI AU-α607 MOS Premiumの組み合わせ

Technics RS-M202とSANSUI AU-α607 MOS Premiumの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:Technics RS-M202とSANSUI AU-α607 MOS Premiumの組み合わせは、両機種の接続端子と信号レベルが一般的な規格に準拠しているため、問題なく接続することができます。特に、SANSUI AU-α607 MOS Premiumの多岐にわたる入力端子は、Technics RS-M202の機能を最大限に活用するための柔軟な接続を提供します。
  • 音質の向上:Technics RS-M202の高品質な録音・再生機能とSANSUI AU-α607 MOS Premiumの高精度な増幅機能の組み合わせにより、音質の向上が期待できます。特に、SANSUI AU-α607 MOS Premiumの高速増幅と低歪み設計は、Technics RS-M202からの信号を忠実に再現し、豊かな音楽体験を提供します。
  • 機能の拡張:この組み合わせにより、ダビング、ミキシング録音、ミュージックセレクションなど、Technics RS-M202の多岐にわたる機能を、SANSUI AU-α607 MOS Premiumの高品質なアンプを通して楽しむことができます。また、SANSUI AU-α607 MOS Premiumのバランス入力端子やパワーアンプダイレクト機能など、さらなる拡張性も提供します。

Technics RS-M202を徹底解説!【他のカセットデッキとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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