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BOSE 214はヴィンテージなスピーカーです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。
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BOSE 214の概要と特徴
BOSE 214のスペック | |
---|---|
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・セッティングフリー型 |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型 高域用:5.1cmコーン型 |
インピーダンス | 8Ω |
重量 | 3.9kg |
最大入力 | 60W(IEC) |
外形寸法 | 幅380x高さ240x奥行170mm |
BOSE 214は1996年に発売したスピーカーシステムです。
コンパクトなキャビネットで効率よく低域を再現するため、バスレフ方式を採用しています。
では、以下からBOSE 214の特徴を解説します。
①:On-Site Soundを体験できる初めてのスピーカー
BOSE 214はOn-Site Soundを体験できる、初めてのスピーカーとして開発されています。
On-Site Soundってなに?
On-Site Soundとは、音楽や音声に臨場感を出す技術のことを指します。
例えば、
- コンサート会場にいるような感覚:あたかもライブコンサートに足を運んでいるかのように、演奏者の位置や楽器の音がリアルに感じられます。
- 映画館のサラウンドサウンド:映画館で映画を見ているときのように、音が全方向から聞こえる体験が自宅でも楽しめます。
この技術は音楽を楽しむためだけでなく、映画やゲームなどのエンターテイメント体験を向上させるためにも使用されます。
③:トゥイーターのマグネットとボイスコイルの隙間に磁性流体を充填
BOSE 214はトゥイーターのマグネットとボイスコイルの隙間に、磁性流体を充填しています。
磁性流体とは、磁場に反応する液体で特定の条件下で固体のように振る舞います。
そして、磁性流体の充填によって、以下のような効果が得られます。
- 冷却効果:スピーカーが動作すると熱を発生しますが、磁性流体はその熱を効率よく逃がす役割を果たします。
- 振動の改善:磁性流体は振動をよりスムーズにし、音質の向上に寄与します。
ちなみに、「トゥイーター」・「ボイスコイル」・「マグネット」は以下の意味合いです。
- トゥイーター:高音を出す部分です。
- ボイスコイル:電気信号を受け取り、振動を作り出す部分です。
- マグネット:ボイスコイルを振動させるための磁力を提供する部分です。
③:エンクロージャーにはコンポジット・キャビネットを採用
BOSE 214のエンクロージャーには、コンポジット・キャビネットを採用しています。
コンポジット・キャビネットってなに?
コンポジット・キャビネットは、エンクロージャーの素材の一種で、複数の異なる素材を組み合わせて作られます。
この「コンポジット」という言葉は、英語で「合成物」や「複合材料」を意味します。
コンポジット・キャビネットの採用によって、以下のような効果が得られます。
- 剛性の向上:複数の素材を組み合わせることで箱がしっかりと固定され、不要な振動が減少します。
- 音質の改善:箱の素材が音の反響や共鳴に影響を与えるため、コンポジット素材は音質の向上に寄与します。
- 耐久性の強化:複合材料は一般的な木製やプラスチック製の箱よりも耐久性が高く、長持ちします。
ということで、BOSE 214のエンクロージャーにはコンポジット・キャビネットを採用されているので、音質の向上と耐久性が強化されています。
BOSE 214と他のヴィンテージスピーカーとの比較
当然ですが、ヴィンテージスピーカーはBOSE 214だけではありません。
以下では
- BOSE 111AD
- TANNOY Venus V30
- Pioneer S-ST5-LR
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
BOSE 214とBOSE 111ADとの比較
BOSE 214とBOSE 111ADとの比較は以下の通りです。
- 方式:BOSE 214は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・セッティングフリー型で、BOSE 111ADは1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・セッティングフリー型です。214の方が高域と低域の分離がされているため、よりクリアな音質が期待できます。
- 使用ユニット:214は低域用に16cmコーン型、高域用に5.1cmコーン型を使用しています。一方、111ADは全帯域用に11.5cmコーン型を使用しています。214の方が低域と高域の専用ユニットがあるため、音の分離が良く、バランスの取れた音質が楽しめます。
- インピーダンス:214は8Ω、111ADは6Ωです。インピーダンスが低い111ADは、より大きな電流が流れやすく、感度が高いと言えますがシステム全体のマッチングが重要です。
- 外形寸法:214は幅380x高さ240x奥行170mm、111ADは幅232x高さ158x奥行178mmです。214の方が大きいです。
- 重量:214は3.9kg、111ADは2.8kgです。111ADの方が軽いです。
- 最大入力:214の許容入力は60W(IEC)、111ADの許容入力は45W(rms)、150W(peak)です。214の方が連続的な大音量再生に向いていると言えます。
- 音質:214はダイレクト・リフレクティング理論とバスレフ方式で臨場感のある音を、111ADはエアロダイナポートで歪みの少ない音を提供します。
BOSE 214とTANNOY Venus V30との比較
BOSE 214とTANNOY Venus V30との比較は以下の通りです。
- 方式:両者ともに2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式を採用しています。BOSE 214はセッティングフリー型で、TANNOY Venus V30はブックシェルフ型です。設置の自由度においてはBOSE 214が優れています。
- 使用ユニット:BOSE 214は低域用に16cmコーン型、高域用に5.1cmコーン型を使用。TANNOY Venus V30は低域用に20cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。低域の再生能力においてTANNOY Venus V30が優れていると言えます。
- インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスです。
- 外形寸法:BOSE 214は幅380x高さ240x奥行170mm、TANNOY Venus V30は幅305x高さ530x奥行260mmです。
- 重量:BOSE 214は3.9kg、TANNOY Venus V30は9.5kgです。携帯性を重視するならBOSE 214が適しています。
- 最大入力:BOSE 214は60W、TANNOY Venus V30は100Wです。大音量での再生を求めるならTANNOY Venus V30が良い選択となります。
- 音質:BOSE 214はOn-Site Soundを実現し、臨場感あふれる音を提供。TANNOY Venus V30は高剛性の振動板と新設計の磁気回路で滑らかな音を実現しています。
BOSE 214とPioneer S-ST5-LRとの比較
BOSE 214とPioneer S-ST5-LRとの比較は以下の通りです。
- 方式:BOSE 214は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・セッティングフリー型で、Pioneer S-ST5-LRは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ)です。BOSEのセッティングフリー型は配置の自由度が高く、Pioneerの防磁設計はAV機器への影響を減らします。
- 使用ユニット:BOSE 214は低域用に16cmコーン型、高域用に5.1cmコーン型を使用しています。Pioneer S-ST5-LRは低域用に12cmコーン型、高域用に2.5cmドーム型を使用しています。BOSEの方が低域の再生が強力で、Pioneerは高域の再生が広がります。
- インピーダンス:両方とも8Ωのインピーダンスを持っています。
- 外形寸法:BOSE 214は幅380x高さ240x奥行170mmで、Pioneer S-ST5-LRは幅140x高さ230x奥行163mmです。BOSEの方がやや大きく、Pioneerはコンパクトな設計です。
- 重量:BOSE 214は3.9kgで、Pioneer S-ST5-LRは2.8kgです。Pioneerの方が軽いです。
- 最大入力:BOSE 214の許容入力は60Wで、Pioneer S-ST5-LRの最大入力は160Wです。Pioneerの方が大きな入力に対応しており、パワフルな音響が楽しめます。
- 音質:BOSE 214はダイレクト・リフレクティング理論で臨場感のある音を、Pioneer S-ST5-LRはエッジレス構造で高いリニアリティを発揮します。BOSEは生演奏のような音楽体験を、Pioneerは正確な音の再現を提供します。
BOSE 214とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ
以下では、BOSE 214とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。
BOSE 214と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、
- Marantz PM4000
- LUXMAN L-510X
- YAMAHA AX-2000A
です。
興味のある方は参考にしてみてください。
BOSE 214とMarantz PM4000の組み合わせ
BOSE 214とMarantz PM4000の組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:BOSE 214のスピーカーはインピーダンスが8Ωで、許容入力が60W(IEC)です。一方、Marantz PM4000のプリメインアンプは、定格出力が55W+55W(4Ω)、40W+40W(8Ω)で、ダイナミックパワーも80W+80W(4Ω)、55W+55W(8Ω)となっています。この組み合わせにより、BOSE 214のスピーカーとMarantz PM4000のアンプは、インピーダンスと出力レベルが適切にマッチしており、安定した動作が期待できます。
- 音質の向上:BOSE 214のスピーカーは、低域から高域まで広い再生帯域を持ち、特にOn-Site Sound技術による臨場感のある音場再現が特徴です。Marantz PM4000のアンプは、上級機のテクノロジーを採用し、完全ディスクリート型のパワーアンプでハイクラスのパフォーマンスを実現しています。この組み合わせにより、BOSE 214の持つ音楽的な響きとMarantz PM4000の精緻なアンプ技術が融合し、よりリアルで豊かな音質を楽しむことができます。
- 機能の拡張:Marantz PM4000は、フォノイコライザーの内蔵やトーンディフィートスイッチ、ラウドネス機能など、多岐にわたる機能を持っています。BOSE 214との組み合わせにより、これらの機能を最大限に活用することが可能です。例えば、バスレフ方式を採用したBOSE 214の低域再現能力とMarantz PM4000のラウドネス機能を組み合わせることで、濁りの無い迫力ある低音を体験できます。
BOSE 214とLUXMAN L-510Xの組み合わせ
BOSE 214とLUXMAN L-510Xの組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:BOSE 214のインピーダンスは8Ωで、LUXMAN L-510Xの連続実効出力は100W+100W(8Ω)です。この組み合わせにより、スピーカーとアンプの間で適切なマッチングが実現され、効率的な動作が可能となります。
- 音質の向上:BOSE 214のダイレクト・リフレクティング理論とLUXMAN L-510Xの一段増幅アンプの組み合わせは、音質の向上に寄与します。BOSE 214のステレオターゲティング・トゥイーターとLUXMAN L-510Xの高音域・低音域のトーンコントロールが相互に作用し、豊かな音場とクリアな音像定位を実現します。
- 機能の拡張:LUXMAN L-510Xには、セレクタ、フィルタ、バランスコントロールのフォノストレート機能やMCヘッドアンプ部などの高度な機能が搭載されています。これらの機能はBOSE 214との組み合わせにおいて、音楽体験の多様性と拡張性を提供します。例えば、BOSE 214のエアロバスレフポートとLUXMAN L-510Xのサブソニックフィルタの組み合わせにより、濁りの無い低音の再現が可能となります。
>> LUXMAN(ラックスマン)L-510Xを徹底解説!【特徴の詳細】
BOSE 214とYAMAHA AX-2000Aの組み合わせ
BOSE 214とYAMAHA AX-2000Aの組み合わせは、以下のような結果が得られます。
- 互換性:BOSE 214のスピーカーは、インピーダンスが8Ωで許容入力が60Wです。一方、YAMAHA AX-2000Aのプリメインアンプは、定格出力が150W+150W(6Ω)で、ダイナミックパワーも豊富に用意されています。この組み合わせにより、BOSE 214の特性を最大限に引き出すことが可能で、互換性が高い組み合わせと言えます。
- 音質の向上:BOSE 214は、ダイレクト・リフレクティング理論を進化させたOn-Site Soundを実現しており、生演奏のような臨場感のある音を提供します。YAMAHA AX-2000Aは、A級動作を採用し、低歪で豊かな音質を実現しています。この組み合わせにより、BOSE 214の音質をさらに向上させることができ、音楽の細部まで忠実に再現することが可能です。
- 機能の拡張:YAMAHA AX-2000Aは、プロ機器用+4dBmとのレベル切換付キャノン端子を搭載しており、業務用CDプレイヤーやDATをそのまま接続できるなど、機能が豊富です。BOSE 214との組み合わせにより、様々なオーディオ機器との連携が可能となり、システムの拡張性が向上します。
BOSE 214を徹底解説!【他のヴィンテージスピーカーとの比較】のまとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。