FOSTER/FOSTEX GZ-75を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

FOSTER:FOSTEX GZ-75を徹底比較!【他のスピーカーとの比較】

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FOSTER/FOSTEX GZ-75はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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目次

FOSTER/FOSTEX GZ-75の概要と特徴

FOSTER:FOSTEX GZ-75の概要と特徴
FOSTER/FOSTEX GZ-75のスペック
方式3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
ユニット低域用:20cmコーン型
中域用:10cmコーン型
高域用:5cmコーン型
周波数特性45Hz~20kHz
40Hz~20kHz(別カタログ記載)
インピーダンス
重量11kg
入力100W(ミュージックパワー)
外形寸法幅300x高さ500x奥行270mm

FOSTER/FOSTEX GZ-75は1972年ごろに発売したスピーカーシステムです。

SLE方式ウーファーユニットには、アコースティックローパスフィルターを搭載しています。

では、以下からFOSTER/FOSTEX GZ-75の特徴を解説します。

①:SLE方式を用いた20cmコーン型ウーファーを搭載

FOSTER/FOSTEX GZ-75の低域には、SLE方式を用いた20cmコーン型ウーファーを搭載されています。

SLE方式ってなに?

SLE(Super Linear Long Excursion)方式とは、ウーファーの振動板(コーン)が長い距離を線形的に動くことを可能にする設計手法です。

この方式は、特に低域の音質を高めるために用いられます。

ウーファーの振動板が長い距離を動くことで、より多くの空気を動かし、低音の再生能力が高まります。

また「線形的に動く」というのは、振動板が一定の速度で動くことを意味し、これにより歪みが少なくクリアな低音が得られます。

以下は、SLE方式を用いたウーファーの利点です。

  1. 低音の再生能力:SLE方式によってウーファーの振動板が長い距離を線形的に動くことが可能になり、低音の再生能力が高まります。
  2. 音質のクリアリティ:線形的な動きにより、音の歪みが少なく非常にクリアな低音が得られます。
  3. 高い効率:SLE方式は振動板の動きを最適化することで、ウーファー自体の効率を高めます。これにより、同じ電力でより大きな音を出すことが可能です。

②:バランス型ダブルダンパー機構を採用

FOSTER/FOSTEX GZ-75はボイスコイルの巻線部分の上下2ヶ所を固定した、バランス型ダブルダンパー機構が採用されています。

ボイスコイルとは、スピーカーの振動板(通常はコーン型)を動かすための電磁コイルです。

このボイスコイルの動きをスムーズかつ正確に制御するために、ダンパー機構が用いられます。

通常のダンパー機構は一点でボイスコイルを支えますが、バランス型ダブルダンパー機構では、ボイスコイルの巻線部分を上下2ヶ所で固定します。

以下はバランス型ダブルダンパー機構の利点です。

  • 高い精度:上下2ヶ所でボイスコイルを固定することで、より正確な動きが可能になります。これにより、音質の歪みが減少し、よりクリアな音が得られます。
  • 安定した低音再生:バランス型ダブルダンパー機構は、特に低音域での振動をしっかりと制御します。これにより、深みのある低音が安定して再生されます。
  • 耐久性:ボイスコイルが上下2ヶ所でしっかりと支えられるため、機構自体の耐久性が向上します。これは長期間にわたる使用でも性能が低下しにくいという点で非常に価値があります。

③:エンクロージャーは密閉方式を採用

FOSTER/FOSTEX GZ-75のエンクロージャーは密閉方式が採用されています。

密閉方式のエンクロージャーってなに?

密閉方式のエンクロージャーとは、エンクロージャーが完全に密閉されている設計を指します。

この設計の最大の特長は、低音の再生が非常にクリアである点です。

密閉された空間がスピーカーユニットの振動をしっかりとコントロールするため、不要な共鳴や歪みが少なく音質が高いとされています。

また、密閉方式のエンクロージャーは、箱のサイズが比較的小さくても高い性能を発揮することが可能です。

これは、特にスペースが限られた環境でスピーカーを設置する際には大きなメリットとなります。

しかし、完全に密閉されているため、内部の空気圧が変動しやすく、大音量での使用には向いていないとも言われています。

FOSTER/FOSTEX GZ-75と他のヴィンテージスピーカーとの比較

FOSTER:FOSTEX GZ-75と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはFOSTER/FOSTEX GZ-75だけではありません。

以下では

  • Audio Technica AT-SP500
  • Bang & Olufsen BEOVOX 1200
  • BOSE 301MM

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とAudio Technica AT-SP500との比較

FOSTER/FOSTEX GZ-75とAudio Technica AT-SP500との比較は以下の通りです。

  • 方式:FOSTER/FOSTEX GZ-75は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型ですが、Audio Technica AT-SP500は2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型です。3ウェイのFOSTER/FOSTEX GZ-75は中域の再生がより繊細で、密閉方式は低域の制御が優れています。一方で、AT-SP500のバスレフ方式は低域の拡がりがあります。
  • 使用ユニット:FOSTER/FOSTEX GZ-75は低域用:20cm、中域用:10cm、高域用:5cmのコーン型を使用しています。AT-SP500は低域用:16cmコーン型、高域用:2.5cmドーム型です。GZ-75の方がユニットが多く、特に中域の再生に優れています。
  • 再生周波数帯域:FOSTER/FOSTEX GZ-75は45Hz~20kHz、AT-SP500は40Hz~30kHzです。AT-SP500の方がより広い帯域をカバーしています。
  • インピーダンス:GZ-75は8Ω、AT-SP500は6Ωです。一般的に、8Ωの方が多くのアンプとの相性が良いです。
  • 外形寸法:GZ-75は幅300x高さ500x奥行270mm、AT-SP500は幅215x高さ354x奥行259mmです。GZ-75の方が大きく、場所を取りますが、音質に対する影響も大きいです。
  • 重量:GZ-75は11kg、AT-SP500は6.5kgです。
  • 最大入力:GZ-75は100W、AT-SP500は110Wです。ほぼ同等のパワーを持っています。
  • 音質:GZ-75はSLE方式ウーファーとバランス型ダブルダンパー機構を採用しており、低域の再生が優れています。AT-SP500はHiPICコーンと極薄チタンドームに窒化処理を施した高域ユニットを採用しています。評価としては、低域ではGZ-75、高域ではAT-SP500が優れています。

>> Audio Technica AT-SP500を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

FOSTER/FOSTEX GZ-75とBang & Olufsen BEOVOX 1200との比較

FOSTER/FOSTEX GZ-75とBang & Olufsen BEOVOX 1200との比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:GZ-75は低域用に20cm、中域用に10cm、高域用に5cmのコーン型スピーカーを使用しています。BEOVOX 1200は低域用に18cmのコーン型、高域用にドーム型を使用しています。GZ-75の方が多様なユニットを使用しているため、音域が広いです。
  • 再生周波数帯域:GZ-75は45Hz~20kHz、BEOVOX 1200は40Hz~20kHzとなっています。低域の再生能力においてはBEOVOX 1200がわずかに優れています。
  • インピーダンス:GZ-75は8Ω、BEOVOX 1200は4Ωです。一般的に、低いインピーダンスは高い出力が可能ですが、アンプとのマッチングが重要です。
  • 外形寸法:GZ-75は幅300x高さ500x奥行270mm、BEOVOX 1200は幅500x高さ200x奥行240mmです。設置場所によってはBEOVOX 1200の方がスリムで便利です。
  • 重量:GZ-75は11kg、BEOVOX 1200は5.5kgです。BEOVOX 1200の方が軽量であり、移動が容易です。
  • 最大入力:GZ-75は100W(ミュージックパワー)、BEOVOX 1200は20W(MUSIC)です。GZ-75の方が高い入力を受け付けるため、大音量での再生が可能です。
  • 音質:GZ-75はSLE方式によるエッジレスウーファーと複合成形コーンを採用しており、優れた低域再生と中高域のクリアな音質があります。BEOVOX 1200はシンプルながらも高品質なドーム型トゥイーターで高域がクリアです。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とBOSE 301MMとの比較

FOSTER/FOSTEX GZ-75とBOSE 301MMとの比較は以下の通りです。

  • 使用ユニット:GZ-75は低域、中域、高域それぞれに専用のユニットを使用しています。BOSE 301MMは低域と高域のみです。GZ-75は音域ごとの特性が高く、より繊細な音を楽しめますが、BOSE 301MMはシンプルな構成でありながら高品質な音を提供します。
  • インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:GZ-75は幅300x高さ500x奥行270mm、BOSE 301MMは幅433x高さ268x奥行236mmです。GZ-75はやや大きめですが、BOSE 301MMはコンパクトで設置しやすいです。
  • 重量:GZ-75は11kg、BOSE 301MMは6.73kgと、BOSE 301MMの方が軽量です。
  • 最大入力:GZ-75は100W、BOSE 301MMはピークで250Wです。BOSE 301MMの方が高い耐入力を持っていますが、GZ-75も十分なパワーを持っています。
  • 音質:GZ-75はSLE方式による低域の再生が優れ、BOSE 301MMはダイレクト/リフレクティング方式による広い音場が魅力です。音質は主観的な要素も多いため、どちらが優れているかは一概には言えません。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

FOSTER:FOSTEX GZ-75とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、FOSTER/FOSTEX GZ-75とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

FOSTER/FOSTEX GZ-75と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • LUXMAN L-530
  • Lo-D HA-1100
  • DENON PMA-380V

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とLUXMAN L-530の組み合わせ

FOSTER/FOSTEX GZ-75とLUXMAN L-530の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:FOSTER/FOSTEX GZ-75はインピーダンスが8Ωであり、LUXMAN L-530も8Ωのスピーカーに対応しています。これにより、両者は電気的な観点から見ても非常によくマッチしています。また、GZ-75の出力音圧レベルは89dB(新JIS規格)であり、L-530の実効出力がA級領域で15W+15W、AB級最大で120W+120Wとなっているため、十分な音量を確保できます。
  • 音質の向上:FOSTER/FOSTEX GZ-75はSLE方式によるエッジレスウーファーを採用しており、低域の再生が非常に優れています。一方で、LUXMAN L-530はDUOβサーキット/Sと高速スイッチング特性のR.E.T.を採用しており、非常にクリアでダイナミックな音を出力します。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-530は多機能なトーンコントロールやフォノ・ストレート機能、ラインフェーズセンサなどを搭載しています。これらの機能を活かすことで、FOSTER/FOSTEX GZ-75の音質をさらに引き出すことが可能です。特に、L-530のトーンコントロールは高域用、低域用それぞれに6ポイントのターンオーバ周波数が設定可能であり、GZ-75の周波数特性に合わせて微調整することができます。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とLo-D HA-1100の組み合わせ

FOSTER/FOSTEX GZ-75とLo-D HA-1100の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:GZ-75はインピーダンスが8Ωであり、HA-1100は出力が80W+80W(8Ω)となっています。この数値から見ても、両者は非常に良い互換性を持っています。また、HA-1100のダイナミックパワーが220W(8Ω)と高く、GZ-75の入力100W(ミュージックパワー)にも十分対応しています。
  • 音質の向上:GZ-75はSLE方式ウーファーユニットとアコースティックローパスフィルターを搭載しており、低域の再生が非常に優れています。一方で、HA-1100は差動2段全段直結エミッタ接地インバーテッドダーリントン純コンプリメンタリーOCL回路構成を採用しており、低歪率を実現しています。
  • 機能の拡張:。HA-1100は多機能なプリアンプ部を持っており、Phono、Tuner、Auxなど多くの入力端子があります。また、トーンコントロールやフィルター、ラウドネスコントロールなども搭載しています。これにより、GZ-75の音質をさらにカスタマイズして楽しむことができます。特にHA-1100のトーンコントロールは、BassとTrebleでターンオーバー周波数が3段階に切り替えられるため、より細かい音質調整が可能です。

FOSTER/FOSTEX GZ-75とDENON PMA-380Vの組み合わせ

FOSTER/FOSTEX GZ-75とDENON PMA-380Vの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:FOSTER/FOSTEX GZ-75はインピーダンスが8Ωであり、DENON PMA-380Vはスピーカー出力が6~16Ωに対応しているため、この点では問題なく接続が可能です。また、GZ-75の入力は100W(ミュージックパワー)であり、PMA-380Vの定格出力は37W+37W(8Ω)ですので、パワー面でも適切なマッチングが期待できます。
  • 音質の向上:FOSTER/FOSTEX GZ-75は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式を採用しており、低域から高域までバランスの良い音を再生します。特にSLE方式によるエッジレスウーファーは低域の再生性能が高く、DENON PMA-380Vの高い定格歪率と組み合わせることで、よりクリアで力強い低音が楽しめます。
  • 機能の拡張:DENON PMA-380Vは映像入出力やリモコンを搭載しており、多機能なプリメインアンプです。これにより、FOSTER/FOSTEX GZ-75と組み合わせても、映像と音声の同時出力やリモコンによる操作が可能です。特にPMA-380Vにはヘッドホンジャックも搭載されているため、GZ-75での音楽鑑賞だけでなく、ヘッドホンを使用した個別の音楽体験も楽しめます。

FOSTER/FOSTEX GZ-75を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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